在職老齢年金の支給停止基準額引上げ2026年4月|計算方法と企業の給与設計への影響

本記事は法令・通達・官公庁資料に基づき編集部が作成・検証しています。個別の法的・税務判断ではありません。最新の法令はe-Gov法令検索でご確認ください。
在職老齢年金の支給停止基準額引上げ2026年4月|計算方法と企業の給与設計への影響
目次

最終更新日: 2026年2月

令和7年法律第74号(2025年6月13日成立)により、在職老齢年金制度の支給停止基準額が大幅に引き上げられる。法律上の基準額は62万円(2024年度価格)であるが、2026年度の賃金スライドを反映した実額は65万円となる見込みである。現行の50万円(2024年度)・51万円(2025年度)から一気に14万円の引上げとなり、約20万人が新たに年金の全額受給を開始すると試算されている。財政影響は年間約2,200億円の給付増。本記事では、改正の全体像・支給停止額の計算式・年収別の受給シミュレーション・企業の定年再雇用における給与設計への影響・同時改正されるiDeCo加入年齢引上げや標準報酬月額上限引上げとの関係を、厚生年金保険法の条文に基づき体系的に整理する。


関連記事
社会保険適用拡大2026年改正をわかりやすく解説|106万円の壁撤廃と企業の対応 — 同じ年金制度改正法に基づく社会保険適用拡大(106万円の壁撤廃・企業規模要件の段階縮小)の全体像と実務対応を解説


在職老齢年金制度改正の全体像

改正の経緯と法的根拠

在職老齢年金制度は、厚生年金の被保険者として就労しながら老齢厚生年金を受給する者について、賃金と年金の合計額が一定の基準額を超えた場合に年金の一部又は全部を支給停止する仕組みである。高齢者の就労意欲を阻害しているとの指摘が長年にわたりなされてきた。

時期 事項 概要
2024年7月 社会保障審議会年金部会で議論開始 在職老齢年金の見直しを含む年金制度改革の検討を開始
2024年12月25日 社会保障審議会年金部会「議論の整理」 支給停止基準額の引上げ方針を取りまとめ
2025年2月 年金制度改正法案を国会提出 「国民年金法等の一部を改正する法律案」として閣議決定・提出
2025年6月13日 法律成立 令和7年法律第74号として成立
2025年6月20日 公布 官報にて公布
2026年4月1日 施行 新たな支給停止基準額の適用開始

根拠: 厚生年金保険法第46条(改正後)、令和7年法律第74号附則

支給停止基準額の推移

支給停止基準額は、名目賃金変動率に応じて毎年度改定される仕組みであり、近年は段階的に引き上げられてきた。今回の法改正により、法律上の基準額が大幅に引き上げられる。

年度 支給停止基準額 変更の根拠 備考
2022年度 47万円 名目賃金変動率による改定 60〜64歳と65歳以上の基準額を統一(2022年4月)
2023年度 48万円 名目賃金変動率による改定
2024年度 50万円 名目賃金変動率による改定
2025年度 51万円 名目賃金変動率による改定
2026年度 65万円 法改正(法律上62万円)+ 賃金スライド 令和7年法律第74号に基づく引上げ

注: 法律上の基準額は「62万円」(2024年度価格)と規定されているが、施行時の2026年度には名目賃金変動率(マクロ経済スライド含む)による調整が行われ、実際の適用額は65万円となる見込みである。厚生年金の2026年度改定率は+2.0%(マクロ経済スライド調整後)。

改正の影響規模

項目 数値 出典
新たに年金全額受給となる人数 約20万人 厚生労働省試算
年間給付増額 約2,200億円 厚生労働省試算
在職老齢年金の対象者(改正前) 約50万人 年金局資料
支給停止の対象から外れる割合 約4割 厚生労働省試算

支給停止額の計算方法

基本計算式

在職老齢年金の支給停止額は、厚生年金保険法第46条に基づき、以下の計算式で算出される。2026年4月以降の計算式は、基準額が65万円に変更される以外は現行と同一である。

支給停止額(月額)=(基本月額 + 総報酬月額相当額 − 65万円)÷ 2

用語 定義 計算方法
基本月額 老齢厚生年金額(報酬比例部分)÷ 12 加給年金額・経過的加算額を除いた年金月額
総報酬月額相当額 その月の標準報酬月額 + 直近1年間の標準賞与額の合計 ÷ 12 賞与を月割りして毎月の報酬に加算
支給停止基準額 基本月額と総報酬月額相当額の合計がこの額を超えた場合に支給停止が発生 2026年度:65万円

支給停止の判定フロー

ステップ 判定内容 結果
1 基本月額 + 総報酬月額相当額 を算出 合計額を確認
2 合計額 ≦ 65万円 か? はい → 年金全額支給(支給停止なし)
3 合計額 > 65万円 の場合 支給停止額 =(合計額 − 65万円)÷ 2
4 支給停止額 ≧ 基本月額 か? はい → 年金全額停止
5 支給停止額 < 基本月額 の場合 年金月額 = 基本月額 − 支給停止額


改正前後の受給シミュレーション

ケース別:基本月額10万円の場合

老齢厚生年金の基本月額が10万円(年額120万円)の受給者について、総報酬月額相当額別の支給停止額を改正前後で比較する。

総報酬月額相当額 合計額 改正前(基準51万円)支給停止月額 改正後(基準65万円)支給停止月額 改正による年金月額の増加
30万円 40万円 0円(全額支給) 0円(全額支給) 0円
40万円 50万円 0円(全額支給) 0円(全額支給) 0円
42万円 52万円 5,000円 0円(全額支給) +5,000円/月
45万円 55万円 20,000円 0円(全額支給) +20,000円/月
50万円 60万円 45,000円 0円(全額支給) +45,000円/月
55万円 65万円 70,000円 0円(全額支給) +70,000円/月
60万円 70万円 95,000円 25,000円 +70,000円/月
65万円 75万円 全額停止(10万円) 50,000円 +50,000円/月

注: 改正前の支給停止額=(基本月額+総報酬月額相当額−51万円)÷2、改正後=(基本月額+総報酬月額相当額−65万円)÷2で計算。2025年度の基準額51万円を改正前の比較対象とした。

ケース別:基本月額15万円の場合

老齢厚生年金の基本月額が15万円(年額180万円)の受給者について、同様に比較する。

総報酬月額相当額 合計額 改正前(基準51万円)支給停止月額 改正後(基準65万円)支給停止月額 改正による年金月額の増加
30万円 45万円 0円(全額支給) 0円(全額支給) 0円
36万円 51万円 0円(全額支給) 0円(全額支給) 0円
40万円 55万円 20,000円 0円(全額支給) +20,000円/月
45万円 60万円 45,000円 0円(全額支給) +45,000円/月
50万円 65万円 70,000円 0円(全額支給) +70,000円/月
55万円 70万円 95,000円 25,000円 +70,000円/月
60万円 75万円 120,000円 50,000円 +70,000円/月
65万円 80万円 145,000円 75,000円 +70,000円/月

年間ベースでの影響試算

基本月額10万円の受給者について、年間ベースでの影響を整理する。

総報酬月額相当額 年間給与収入(概算) 改正前の年間年金額 改正後の年間年金額 年間増加額
42万円 約580万円 114万円 120万円 +6万円
45万円 約620万円 96万円 120万円 +24万円
50万円 約690万円 66万円 120万円 +54万円
55万円 約760万円 36万円 120万円 +84万円
60万円 約830万円 6万円 90万円 +84万円

注: 年間給与収入は、標準報酬月額×12か月+標準賞与額として概算。総報酬月額相当額50万円の場合、たとえば標準報酬月額36万円・年間賞与168万円(月割14万円)のようなケースが想定される。


60歳〜64歳の在職老齢年金との関係

2022年4月の統一改正

2022年4月の制度改正(令和2年法律第40号)により、60歳〜64歳の在職老齢年金(旧・低在老)と65歳以上の在職老齢年金(旧・高在老)の支給停止基準額が統一された。改正前は60歳〜64歳の基準額が28万円と低く設定されていたが、65歳以上と同一の基準額に引き上げられた。

区分 2022年3月まで 2022年4月以降 2026年4月以降
60歳〜64歳 28万円 47万円(統一) 65万円
65歳以上 47万円 47万円 65万円

特別支給の老齢厚生年金への影響

60歳〜64歳で特別支給の老齢厚生年金を受給している者(1961年4月1日以前生まれの男性、1966年4月1日以前生まれの女性)についても、支給停止基準額は同じ65万円が適用される。対象者は年々減少しているが、2026年度時点では女性の一部(1964年4月2日〜1966年4月1日生まれ)がまだ特別支給の対象である。


繰下げ受給と在職老齢年金の関係

支給停止部分は繰下げ増額の対象外

老齢厚生年金の繰下げ受給(66歳以降に受給開始を遅らせることで年金額を増額する制度)を選択する場合、在職老齢年金により支給停止されている部分は繰下げによる増額率(1月あたり0.7%、最大84%)の計算対象に含まれない。

項目 内容
繰下げ増額率 1月あたり0.7%(年8.4%、最大75歳到達月まで=84%)
増額対象 老齢厚生年金の「支給停止されていない部分」のみ
支給停止部分 繰下げ増額の計算対象外(在職老齢年金で停止された額は増額されない)

改正が繰下げ受給戦略に与える影響

支給停止基準額が65万円に引き上げられることで、在職老齢年金による支給停止額が減少又はゼロとなり、繰下げ増額の対象となる年金額が増加する。

シナリオ 基本月額 総報酬月額相当額 改正前の停止月額 改正後の停止月額 繰下げ対象増加額
A 10万円 50万円 45,000円 0円 +45,000円
B 15万円 45万円 45,000円 0円 +45,000円
C 12万円 60万円 105,000円 35,000円 +70,000円

企業の定年再雇用における給与設計への影響

在職老齢年金を前提とした給与設計の見直し

多くの企業では、定年再雇用者の給与水準を設定する際に、在職老齢年金の支給停止基準額を考慮してきた。基準額が65万円に引き上げられることで、従来の給与設計の前提が大きく変わる。

設計方針 改正前の典型的な設計 改正後の見直しポイント
年金カット回避型 年金+給与が51万円以下となるよう給与を抑制 65万円まで余裕ができるため、給与引上げの余地が大幅に拡大
手取り最大化型 年金カット分を考慮し、給与と年金のバランスを最適化 年金カットが減少するため、給与を引き上げても手取り総額が増加しやすい
同一労働同一賃金型 職務内容に応じた給与を設定(年金は考慮しない) 基準額引上げにより、年金カットの影響が自然に縮小

定年再雇用者の給与引上げシミュレーション

基本月額10万円(年金年額120万円)の定年再雇用者について、給与引上げが手取り総額に与える影響を試算する。

項目 改正前(標準報酬月額36万円) 改正後(標準報酬月額44万円に引上げ)
標準報酬月額 36万円 44万円
年間賞与 72万円(月割6万円) 72万円(月割6万円)
総報酬月額相当額 42万円 50万円
基本月額+総報酬月額相当額 52万円 60万円
支給停止月額(改正前基準51万円) 5,000円
支給停止月額(改正後基準65万円) 0円(全額支給)
年金月額(実際の受給額) 95,000円 100,000円
給与+年金の月額合計 455,000円 540,000円

注: 上記は社会保険料・所得税・住民税を考慮していない概算値。実際の手取り額は、標準報酬月額の引上げに伴う社会保険料増加分を控除する必要がある。


同時改正:iDeCo・標準報酬月額上限・遺族厚生年金

令和7年法律第74号に含まれる主要改正事項

在職老齢年金の見直しは、年金制度改革パッケージの一部として他の重要な改正と同時に成立している。同一の法律に含まれる主要改正事項を整理する。

改正事項 施行時期 概要
在職老齢年金の基準額引上げ 2026年4月 支給停止基準額を62万円(実額65万円)に引上げ
iDeCo加入年齢の引上げ 2026年(予定) 加入可能年齢を65歳未満→70歳未満に拡大
標準報酬月額上限の引上げ 2026年10月〜 65万円→75万円に段階的引上げ(第1段階:68万円)
遺族厚生年金の見直し 2028年4月 子のない配偶者への支給を5年有期化(経過措置あり)
マクロ経済スライドの調整期間一致 順次 基礎年金と厚生年金のスライド調整期間を統一

iDeCo加入年齢70歳への引上げ

項目 現行制度 改正後
加入可能年齢 65歳未満 70歳未満
加入要件 国民年金の被保険者であること 厚生年金の被保険者又は国民年金の任意加入被保険者
拠出限度額 月額1.2万円〜6.8万円(被保険者区分による) 改正により見直し予定
受給開始年齢 60歳〜75歳 60歳〜75歳(変更なし)

標準報酬月額上限の段階的引上げ

標準報酬月額の上限が現行の65万円から75万円に引き上げられる。これは高所得の被保険者の保険料負担を適正化するとともに、将来の年金給付額の算定基礎を拡大するものである。なお、同じ年金制度改正法に基づき社会保険の適用拡大(106万円の壁撤廃)も段階的に実施されるため、シニアパート従業員の厚生年金加入範囲と標準報酬月額上限の引上げが複合的に在職老齢年金の計算に影響する点にも留意が必要である。

時期 標準報酬月額上限 対応する報酬月額
現行 65万円 63.5万円以上
2026年10月(第1段階) 68万円 66.5万円以上(見込み)
将来(第2段階) 75万円 段階的に引上げ

2026年度の年金額改定(マクロ経済スライド)

2026年度の年金額

2026年度の年金額は、名目手取り賃金変動率に基づき改定される。マクロ経済スライドによる調整後の改定率は以下のとおりである。

項目 2025年度 2026年度 改定率
国民年金(満額・月額) 68,000円 約69,300円 +1.9%
厚生年金(モデル世帯・月額) 約230,000円 約234,600円 +2.0%

注: 厚生年金のモデル世帯は、平均的な収入(賞与含む月額換算43.9万円)で40年間就業した場合の夫婦2人分の年金額(夫の厚生年金+夫婦の基礎年金)。

マクロ経済スライドの影響

項目 2026年度の数値
名目手取り賃金変動率 +4.0%(参考値)
物価変動率 +3.5%(参考値)
マクロ経済スライド調整率 ▲0.4%(参考値)
実質改定率(厚生年金) +2.0%
実質改定率(国民年金) +1.9%

今すぐやること:在職老齢年金改正2026年4月 対応チェックリスト

企業の人事・労務担当者向け

  • 定年再雇用者の給与テーブルを見直す(〜2026年3月):在職老齢年金の基準額が65万円に引き上がることを前提に、現行の給与抑制設計を再検討する。年金+給与の合計が51万円以下に収めていた設計は65万円基準に改める
  • 該当する再雇用者を個別にリストアップする(〜2026年2月):65歳以上で在職老齢年金の対象となっている従業員を特定し、改正後の年金受給額の変動見込みを個別に試算する
  • 60歳〜64歳の特別支給対象者(女性)を確認する:2026年度時点で特別支給の老齢厚生年金を受給中の女性従業員がいる場合は、同様に改正の影響を案内する
  • 高年齢雇用継続給付の縮小との合わせ技で給与設計を最適化する:在職老齢年金の基準額引上げ・高年齢雇用継続給付の給付率縮小・社会保険料負担を総合的にシミュレーションする

受給者本人向け

  • 自身の「基本月額」と「総報酬月額相当額」を確認する:ねんきんネット又は年金事務所で現在の年金額を確認し、改正後に支給停止がなくなるか・減少するかを確認する
  • 繰下げ受給の選択肢を再検討する:改正により繰下げ増額の対象額が増加する可能性があるため、繰下げの損益分岐点を再計算する
  • iDeCo加入年齢の引上げを活用する:65歳以降も厚生年金被保険者として就労する場合、70歳までiDeCoに拠出できるメリットを検討する

社会保険労務士・年金相談員向け

  • 顧問先企業の定年再雇用規程を確認する:在職老齢年金の基準額を前提とした給与設計の見直し提案を準備する
  • 改正内容の説明資料を準備する:「62万円」と「65万円」の違い(法律上の基準額と実額の関係)を分かりやすく説明する資料を作成する
  • 標準報酬月額上限引上げ(2026年10月〜)との複合的な影響を試算する:高報酬の受給者については、基準額引上げと上限引上げの両方を織り込んだシミュレーションを行う

FAQ

A

2026年4月1日から適用される。令和7年法律第74号(2025年6月13日成立)に基づく改正であり、法律上の基準額は62万円(2024年度価格)であるが、2026年度の賃金スライドを反映した実際の適用額は65万円となる見込みである。2026年3月分までは現行の51万円(2025年度)が適用される。

A

いいえ。支給停止額は「(基本月額+総報酬月額相当額−65万円)÷2」で計算され、超過分の半額が停止されるにすぎない。たとえば合計額が70万円の場合、停止額は(70万−65万)÷2=2.5万円であり、基本月額から2.5万円を引いた額が支給される。基本月額を上回る停止額が計算された場合にのみ年金全額停止となるが、そのようなケースは合計額が相当高額の場合に限られる。

A

在職老齢年金は厚生年金の被保険者として就労している場合にのみ適用される。自営業者・フリーランス・業務委託など、厚生年金に加入していない働き方の場合は、収入の多寡にかかわらず在職老齢年金の支給停止は発生しない。老齢厚生年金は全額支給される。ただし、法人の代表取締役として報酬を得ている場合は、厚生年金の被保険者となるため在職老齢年金の対象となる。

A

できない。在職老齢年金により支給停止されている部分は、繰下げ受給による増額率(1月あたり0.7%、最大84%)の計算対象に含まれない。ただし、改正により支給停止額が減少又はゼロとなれば、繰下げ増額の対象となる年金額が増加するため、繰下げの経済的メリットは間接的に拡大する。

A

以下の3点を中心に説明することを推奨する。(1) 2026年4月から在職老齢年金の基準額が51万円→65万円に引き上がること、(2) これにより年金の支給停止が解消又は縮小される可能性があること(個別の状況による)、(3) 年金受給額の変動に伴い、所得税・住民税・介護保険料の負担が変わる可能性があること。具体的な年金額の変動は個人の年金記録に依存するため、年金事務所又はねんきんネットでの確認を促すことが適切である。

A

標準報酬月額上限が65万円→68万円(第1段階)に引き上げられることで、高報酬の被保険者の「総報酬月額相当額」が従来より大きくなる。在職老齢年金の基準額が65万円に引き上がっても、高報酬者については支給停止額がむしろ増加するケースがありうる。たとえば、報酬月額が67万円の被保険者は、現行では標準報酬月額65万円で頭打ちとなるが、改正後は68万円が適用される。この結果、総報酬月額相当額が3万円増加し、支給停止額が1.5万円増加する計算となる。

A

2026年度の年金額改定率は、厚生年金が+2.0%、国民年金が+1.9%である(マクロ経済スライド調整後)。これは名目賃金変動率に基づく改定であり、物価上昇率を下回る水準である。在職老齢年金の基準額引上げによる「支給停止の解消・縮小」と、マクロ経済スライドによる「年金額の名目増加」は別の効果であり、両方が2026年4月から同時に適用される。


免責事項

本記事は、令和7年法律第74号(国民年金法等の一部を改正する法律)、社会保障審議会年金部会の公表資料、及び厚生労働省の公開情報に基づき、2026年2月時点で入手可能な情報をもとに作成した一般的な解説記事である。支給停止基準額の実額(65万円)は2026年度の賃金スライド率に基づく見込み値であり、正式な額は厚生労働省告示により確定する。

本記事に記載のシミュレーションは一定の前提条件に基づく概算値であり、個人の年金記録・就労状況・家族構成等により実際の年金額は異なる。具体的な年金額の確認はねんきんネット又は最寄りの年金事務所に、個別の給与設計・税務判断については社会保険労務士・税理士等の専門家に相談されたい。


参考文献・法令等

  1. 令和7年法律第74号「国民年金法等の一部を改正する法律」(2025年6月13日成立、同年6月20日公布)
  2. 厚生年金保険法第46条(在職老齢年金に係る支給停止、改正後)
  3. 社会保障審議会年金部会「年金制度改正に関する議論の整理」(2024年12月25日)
  4. 厚生労働省年金局「令和7年年金制度改正法の概要」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000147284_00006.html
  5. 厚生労働省「令和8年度の年金額改定についてお知らせします」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000191631_00027.html
  6. 日本年金機構「在職老齢年金の計算方法」
    https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/zaishoku/
  7. 日本年金機構「老齢厚生年金の繰下げ受給」
    https://www.nenkin.go.jp/service/jukyu/roureinenkin/kurisage-kuriage/
  8. 厚生労働省「iDeCo(個人型確定拠出年金)の概要」
    https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/nenkin/nenkin/kyoshutsu/ideco.html
  9. 令和2年法律第40号「年金制度の機能強化のための国民年金法等の一部を改正する法律」(2022年4月施行分:在職老齢年金の基準額統一)
JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

本記事はAIが初稿を作成し、編集部が法令原文・官公庁通知・審議会資料等の一次情報と照合のうえ、内容を確認・編集しています。行政手続き・法改正・制度改正の実務情報を専門に扱う編集チームが、企業実務担当者・士業専門家向けに正確性の高いコンテンツを提供します。