急性期病院一般入院料の新設と再編|急性期A・B・入院料1~6の施設基準比較

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急性期病院一般入院料の新設と再編|急性期A・B・入院料1~6の施設基準比較

最終更新日: 2026年2月

本記事では、令和8年度診療報酬改定で新設される「急性期病院一般入院料(急性期A・急性期B)」の施設基準と、既存の急性期一般入院料1~6の見直し内容、地域包括医療病棟入院料の6区分化、回復期リハビリテーション病棟入院料の実績指数変更について、比較表を用いて解説する。

令和8年度診療報酬改定シリーズ
改定の全体像と施設基準の基礎
急性期病院一般入院料の新設と再編(本記事)
医療DX・電子的診療情報連携体制
届出手続き・定例報告・自主点検


急性期入院料の再編:急性期病院一般入院料の新設

再編の趣旨

令和8年度改定の最大の目玉の一つが、急性期病院一般入院料(急性期A・急性期B)の新設である。新たな地域医療構想における急性期病院の集約化を見据え、「地域の急性期医療の拠点」となる病院を高く評価する仕組みが導入される。既存の急性期一般入院料1~6も点数引き上げと看護必要度の評価方法見直しが行われる。

急性期病院一般入院料(新設)の施設基準

急性期病院A一般入院料

項目 内容
点数(1日につき) 1,930点
看護配置 7対1
救急搬送件数 年間2,000件以上
全身麻酔手術件数 年間1,200件以上
看護必要度(必要度I) 割合1:28%以上、割合2:35%以上
看護必要度(必要度II) 割合1:27%以上、割合2:34%以上
平均在院日数 16日以内
在宅復帰率 8割以上

急性期病院B一般入院料

項目 内容
点数(1日につき) 1,643点(多職種協働加算で最大1,898点
看護配置 10対1
救急搬送件数等 年間1,500件以上の救急搬送、または年間500件以上の搬送かつ500件以上の手術
看護必要度(必要度I) 割合1:28%以上、割合2:35%以上
看護必要度(必要度II) 割合1:27%以上、割合2:34%以上
平均在院日数 21日以内

ポイント: 急性期病院A一般入院料は、急性期一般入院料1(1,874点)を上回る1,930点と最高点数に設定されている。大規模救急病院に対するインセンティブとなる一方、救急搬送件数や手術件数に高いハードルが課されるため、取得できる病院は限定される。


急性期一般入院料1~6の見直し

見直し後の比較

既存の急性期一般入院料1~6は、点数引き上げと看護必要度の評価方法見直しが行われる。

急性期一般入院料1~6の比較表(改定後)

項目 入院料1 入院料2 入院料3 入院料4 入院料5 入院料6
点数(1日につき) 1,874点 1,779点 1,704点 1,597点 1,575点 1,523点
看護配置 7対1 7対1 7対1 10対1 10対1 10対1
看護師比率 70%以上 70%以上 70%以上 70%以上 70%以上 70%以上
平均在院日数 18日以内 21日以内 21日以内 21日以内 21日以内 21日以内
在宅復帰率 80%以上 80%以上 80%以上

看護必要度の評価方法の変更: 該当患者の定義が「A2点以上、またはC1点以上」に簡素化された(従来は「A3点以上、またはA2点以上かつB3点以上、またはC1点以上」)。内科系症例がより適切に評価される改定となっている。さらに、「病床当たり年間救急搬送受入件数×0.005」による基準該当割合の加算が新設され、救急患者受入れに積極的な病院が高く評価される。


地域包括医療病棟入院料の細分化

令和6年度改定で新設された地域包括医療病棟入院料は、令和8年度改定で6区分に細分化される。ADL低下割合などの基準が柔軟化され、より多くの病院が取得しやすい制度設計となる。

項目 内容(改定後)
区分数 6区分(3,367点~3,066点)
看護配置 10対1以上
主な対象患者 高齢者の救急患者、急性期治療後の患者等
在宅復帰率 8割以上
リハビリ要件 リハビリテーション・栄養管理・口腔管理を一体的に提供
平均在院日数 21日以内

リハビリテーション料の施設基準比較

リハビリテーション料は、疾患別に区分された施設基準を満たす必要がある。

疾患別リハビリテーション料の施設基準比較

項目 心大血管リハ(I) 脳血管リハ(I) 脳血管リハ(II) 運動器リハ(I) 運動器リハ(II) 呼吸器リハ(I)
点数(1単位) 205点 245点 200点 185点 170点 175点
専任医師 1名以上 専従1名以上 専任1名以上 専任1名以上 専任1名以上 専任1名以上
PT/OT/ST PT又は看護師等専従1名以上 専従PT・OT・ST合計10名以上(うちPT・OT各5名以上) 専従PT・OT・ST合計4名以上 専従PT又はOT合計4名以上 専従PT又はOT合計2名以上 専従PT1名以上
病室面積 160m²以上 100m²以上 100m²以上 45m²以上 100m²以上
算定上限日数 150日 180日 180日 150日 150日 90日

回復期リハビリテーション病棟入院料の比較

項目 入院料1 入院料2 入院料3 入院料4 入院料5
点数(1日につき) 2,229点 2,056点 1,899点 1,841点 1,678点
看護配置 13対1以上 13対1以上 15対1以上 15対1以上 15対1以上
リハ実績指数 40以上 35以上 30以上
専従PT・OT・ST 専従常勤PT3名以上、OT2名以上、ST1名以上 同左 同左 同左 同左
在宅復帰率 70%以上 70%以上 70%以上 70%以上
重症患者割合 3割以上 2割以上
重症患者改善割合 3割以上 3割以上
管理栄養士 専任常勤1名以上 専任常勤1名以上

よくある質問(FAQ)

A

自院の実績データ(救急搬送件数・全身麻酔手術件数)を過去1年分集計することが最初のステップです。急性期A(搬送2,000件以上・全麻1,200件以上)は大規模救急病院向けで取得できる施設は限定的です。急性期B(搬送1,500件以上、または搬送500件以上かつ手術500件以上)は中規模救急病院にも現実的な選択肢となります。多職種協働加算を含めた急性期Bの最大点数(1,898点)は急性期一般入院料1(1,874点)を上回る点も考慮して判断してください。

A

既存の急性期一般入院料1の届出は継続して有効です。ただし、看護必要度の評価方法が変更(「A2点以上またはC1点以上」への簡素化)されるため、改定施行日(2026年6月1日)以降の基準適合を確認し、必要に応じて変更届出を行う必要があります。急性期病院一般入院料(A・B)への移行を希望する場合は新規届出が必要です。

A

あります。改定後の看護必要度は「A2点以上またはC1点以上」に簡素化され、従来の「A2点以上かつB3点以上」の複合要件が廃止されます。内科系の軽症救急患者が多い病院では該当患者割合が増える可能性があり、逆に外科系手術が少ない病院では影響が限定的なこともあります。改定前後の自院データで試算し、算定区分の変更要否を確認してください。

A

令和6年度改定で届け出た地域包括医療病棟入院料は、令和8年度改定に伴い6区分のいずれかへの再届出が必要となります。ADL低下割合等の基準が柔軟化されているため、現在の届出区分より上位区分への移行が可能なケースもあります。2026年3月の告示公表後、自院のデータを新基準で再評価することを推奨します。

A

令和8年度改定後の回復期リハビリ病棟入院料1の実績指数は40以上が要件です(改定前と同水準)。ただし算定の計算式や対象疾患の細則が通知で変更される場合があります。3月の告示後に最新の計算式を確認し、直近6か月の自院データで試算してください。入院料1を維持できるか否かで年間収入に大きな差が生じるため、早期の確認が重要です。

A

2026年3月下旬の告示・通知で正式な書類一覧が公示されます。一般的に必要とされる書類は、(1)施設基準に係る届出書(様式)、(2)実績件数を証明する書類(DPCデータの集計表等)、(3)看護配置・看護師比率を示す書類、(4)在宅復帰率を示す書類などです。届出書類の準備と提出スケジュールの詳細は「届出手続き・定例報告・自主点検」で解説しています。

A

直接の届出義務は診療側にはありませんが、2026年6月施行の改定では薬局側の調剤報酬も同時に見直されます。在宅患者への訪問服薬指導や電子処方箋対応など、薬局との連携体制に変化が生じる可能性があります。調剤報酬改定の実務上の変更点は調剤報酬改定2026年 わかりやすくまとめで確認できます。


参考法令・出典一覧

法令・資料名 URL
令和8年度診療報酬改定について 厚生労働省
令和8年度診療報酬改定の基本方針 厚生労働省
令和8年度診療報酬改定 中医協答申(2026年2月13日) 東京保険医協会
基本診療料の施設基準等(令和6年厚生労働省告示第58号) 厚生労働省

免責事項: 本記事は2026年2月時点の法令・告示・通知および中医協答申内容に基づき、一般的な情報提供を目的として作成したものである。令和8年度改定の具体的な施設基準・算定要件は、2026年3月下旬の告示・通知の公布をもって正式に確定する。本記事に記載の改定内容は2026年2月13日の中医協答申に基づくものであり、告示段階で変更される可能性がある。実際の届出・算定にあたっては、必ず厚生労働省の最新の告示・通知及び管轄の地方厚生局にご確認いただきたい。本記事の内容に基づく判断・行動により生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負わない。

JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

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