結論:「換金なし・遊技のみ」なら合法、換金・賞品交換が入ると違法になり得る
「チップを賭けて遊ぶだけだから問題ない」「ゲームセンターと同じでしょ」——そう思って入店した利用者が、知らぬ間に賭博罪の対象になっていた。アミューズメントカジノを巡る法律問題は、そういう構造を持っています。
アミューズメントカジノ(カジノバー・アミカジ)は、チップに金銭的価値を持たせず、換金・景品交換を一切行わない遊技の場として営業するかぎり、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(以下「風営法」)上の5号営業として適法に運営できます。
しかしチップの換金、賞品提供、ウェブコイン等による店外ポイント利用が生じた瞬間に、風営法違反(罰則あり)、さらに実質的な現金化があれば賭博罪(刑法)の対象になり得ます。客も例外ではありません。
2025年12月19〜20日、警視庁保安課は東京都内のアミューズメントカジノに対し初の一斉立入調査を実施。約6割の店舗で風営法違反に当たる行為が確認され、口頭指導が行われました(警視庁発表・2025年12月22日公表)。この記事では、その背景となる風営法・賭博罪の制度を条文から整理し、利用者・事業者がおさえるべき合法/違法の境界を解説します。
【重要】本記事は2026年7月時点の公表情報・条文・判例等に基づく一般的な情報提供です。個別の事案の合法性・可罰性の判断は、必ず弁護士にご相談ください。本記事は特定店舗の違法性を断定するものではありません。制度・運用は変更されることがあります。
§1. 2025年12月 警視庁一斉立入の背景
急増した「アミカジ」と初の一斉立入
アミューズメントカジノは、カジノ風の内装でポーカーやルーレット、バカラ等を楽しめる遊技施設です。東京都内の店舗数は、2021年(令和3年)の約60店舗から2025年12月時点で約200店舗へと、4年間で3倍以上に急増しました(警視庁発表)。
こうした急増を受け、警視庁保安課は2025年12月19〜20日、都内のアミューズメントカジノ約80店舗に対して初の一斉立入調査を実施。約48店舗(約6割)において、風営法違反に当たる行為が確認され、口頭指導が行われました(警視庁発表。本記事執筆時点では口頭指導段階であり、違法確定・摘発案件ではありません)。
確認された主な問題行為:
– チップを、賞品や有料サービスに使えるポイントと交換できる仕組みの導入
– スマートフォンアプリで保有チップ数を店外から確認できる仕組みの導入(「ウェブコイン」の活用)
警視庁は今後、啓発・適正化指導を進め、違法性のある営業が確認されれば摘発する方針を示しています。
なお、本記事は「法制度・予防・チェックリスト」を主旨とします。調査の背景となった経緯は「制度解説の契機」として本節で触れるにとどめ、具体的な店舗名・事業者名は記載しません。最新の捜査・行政対応の状況は各報道機関の発表をご参照ください。
§2. 風営法上の位置づけ:アミューズメントカジノは「5号営業」
ゲームセンターと同じ区分に分類される
アミューズメントカジノは、風営法(風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律・昭和23年法律第122号)第2条第1項第5号(以下「5号営業」)に区分されます。
風営法第2条第1項第5号(要旨):スロットマシン・テレビゲーム機その他の、射幸心をそそるおそれのある遊技に用いることができる遊技設備(国家公安委員会規則で定めるもの)を備える施設において、当該遊技設備により客に遊技をさせる営業
ゲームセンターと同じカテゴリです。営業には都道府県公安委員会の許可が必要であり、無許可での営業は別途罰則の対象となります。
パチンコ(4号営業)との違いが重要
アミューズメントカジノの合法/違法ラインを理解するうえで、パチンコ(風営法第2条第1項第4号、以下「4号営業」)との違いを把握することが不可欠です。
| パチンコ(4号営業) | アミューズメントカジノ(5号営業) | |
|---|---|---|
| 風営法上の区分 | 第2条第1項第4号(ぱちんこ屋等) | 第2条第1項第5号(ゲームセンター等) |
| 賞品提供の可否 | 一定の条件下でOK(現金・有価証券は禁止) | 遊技結果に応じた賞品提供は全面禁止 |
| 換金の仕組み | 三店方式が行政の黙認のもとで存在 | 三店方式の論理を適用できない(後述) |
| 適用される禁止規定 | 風営法23条1項 | 風営法23条2項・同3項(準用) |
§3. 風営法の禁止規定と罰則:第23条・第53条
核心条文:風営法第23条第2項
アミューズメントカジノ(5号営業)に直接適用される最重要条文が、風営法第23条第2項です。
風営法第23条第2項:「第二条第一項第四号のまあじやん屋又は同項第五号の営業を営む者は、(中略)その営業に関し、遊技の結果に応じて賞品を提供してはならない。」
(出典:e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122)
この条文のポイントは「遊技の結果に応じた賞品提供の全面禁止」です。パチンコ(4号営業)は賞品提供自体は認められており(現金・有価証券の賞品化や店による直接の買取などは禁止)、そこに三店方式の運用余地が生まれます。しかしアミューズメントカジノ(5号営業)は、遊技の結果に応じた賞品提供そのものが出発点から禁止されているため、パチンコと同じ論理は使えません。
チップ持出・預かり証も禁止:風営法第23条第3項
さらに風営法第23条第3項により、4号営業に適用される禁止事項の一部が5号営業にも準用されます。
準用される禁止事項(風営法第23条第1項第3号・第4号):
– 第3号:遊技の用に供する玉・メダルその他これらに類する物(チップ等)を、客に営業所外に持ち出させること
– 第4号:遊技球等を客のために保管したことを表示する書面(「預かり証」等)を客に発行すること
つまりアミューズメントカジノでは、チップの店外持出・預かり証の発行も禁止されています。
罰則:賞品提供は53条4号、持出・預かり証は55条
罰則は違反した規定によって異なります。
- 第23条第2項違反(遊技結果に応じた賞品提供) → 風営法第53条第4号:「六月以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金、又はこれを併科する」
- 第23条第3項が準用する持出・預かり証の禁止(第23条第1項第3号・第4号)違反 → 風営法第55条:「五十万円以下の罰金」(拘禁刑はなく、賞品提供違反より軽い)
(出典:e-Gov法令検索 https://laws.e-gov.go.jp/law/323AC0000000122)
なお「拘禁刑」は、2022年刑法改正(令和4年法律第67号、2025年6月1日施行)により、従来の「懲役」「禁錮」を一本化した刑名です。本記事は施行後の現行表記に統一しています。
§4. 合法ラインと違法ラインの一覧
「ここまではOK、ここからはアウト」という境界を整理します。
【合法】適法運営の条件
| 行為・仕組み | 評価 | 根拠 |
|---|---|---|
| チップを店内遊技のみに使用(換金・景品交換なし) | ○ 合法 | 遊技結果に応じた賞品提供に当たらない |
| 時間制・席料制の料金体系(勝敗不問) | ○ 合法 | 参加費が勝者に還元されない構造 |
| 店内専用・当日限りのチップ管理 | ○ 合法 | 店外持出に当たらない |
| 風営法5号営業許可取得のうえでの運営 | ○ 必須要件 | 無許可は別途罰則 |
【違法・違反の疑いあり】風営法23条2項・3項違反または賭博罪の可能性
| 行為・仕組み | 違反根拠 | 刑事リスク |
|---|---|---|
| 獲得チップを現金と交換 | 風営法23条2項 + 刑法185条・186条 | 店側:賭博場開張等図利罪(186条2項)、客:単純賭博罪(185条) |
| 獲得チップを景品・商品・ドリンクと交換 | 風営法23条2項 | 店側:六月以下の拘禁刑・百万円以下の罰金 |
| ウェブコイン等の共通ポイントで他店でも使用可能にする | 風営法23条2項・3項 | 実質的な店外換金ルートなら刑法185条・186条の対象にも |
| スマホアプリで店外からチップ残高を確認・使用 | 風営法23条3項(準用・店外持出に相当) | 2025年12月の指導対象事案 |
| チップの「預かり証」「保管書面」を発行 | 風営法23条3項(準用・55条) | 五十万円以下の罰金 |
| 参加費が勝者に分配される大会形式 | 刑法185条・186条 | 店側:賭博場開張等図利罪、客:単純賭博罪 |
| 「支援金」「協会費」等の名目で勝者への後日入金 | 刑法185条・186条 | 名目を問わず賭博罪に当たり得る(後述・大阪2023年事例) |
§5. 賭博罪(刑法185条・186条):客も対象になり得る
刑法第185条:単純賭博罪
刑法第185条:「賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する。ただし、一時の娯楽に供する物を賭けたにとどまるときは、この限りでない。」
(出典:e-Gov法令検索 刑法 https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045)
重要な点は、この条文の「賭博をした者」には客(遊技に参加した者)も含まれることです。店側だけでなく、遊技に参加して換金等を受けた客も単純賭博罪の対象になり得ます。
賭博罪が成立するには、一般的に次の3要件が備わる必要があるとされています。
- 偶然の勝敗に左右されること
- 財物または財産上の利益を対象とすること
- 得喪(勝者が得て敗者が失う)を争うこと
「アミューズメントカジノのチップには金銭的価値がない」という前提が崩れ、チップが実質的に換金できる仕組みになっていれば、チップは「財産上の利益」として扱われ、賭博罪の成立要件を満たし得ます。
「一時の娯楽に供する物」の例外は実質的に使えない
刑法185条のただし書きは、その場で即時に消費・消滅できる程度の価値のもの(飲食物・菓子等)を賭けた場合に適用されます。チップが換金できる仕組みを持つ場合、「価値の些少性と即時の費消性」を欠くため、この例外は適用されません。
刑法第186条:常習賭博と賭博場開張等図利罪
刑法第186条第1項(常習賭博):「常習として賭博をした者は、三年以下の拘禁刑に処する。」
刑法第186条第2項(賭博場開張等図利):「賭博場を開張し、又は博徒を結合して利益を図った者は、三月以上五年以下の拘禁刑に処する。」
(出典:e-Gov法令検索 刑法 https://laws.e-gov.go.jp/law/140AC0000000045)
法定刑まとめ
| 罪名 | 条文 | 法定刑 | 対象 |
|---|---|---|---|
| 単純賭博罪 | 刑法185条 | 五十万円以下の罰金または科料 | 店側・客の双方 |
| 常習賭博罪 | 刑法186条1項 | 三年以下の拘禁刑 | 常習的に賭博した者 |
| 賭博場開張等図利罪 | 刑法186条2項 | 三月以上五年以下の拘禁刑 | 店側・胴元・運営者 |
| 風営法違反(23条2項・賞品提供) | 風営法53条4号 | 六月以下の拘禁刑・百万円以下の罰金(併科可) | 営業者 |
| 風営法違反(23条3項準用・チップ持出/預かり証) | 風営法55条 | 五十万円以下の罰金 | 営業者 |
過去の摘発事例:客も逮捕された大阪2023年
アミューズメントカジノを名乗る施設で賭博罪が認定された事例として、2023年に大阪市内のカジノバーで摘発された案件があります。
この事件では、店舗が客の獲得チップに応じて「ポーカー業界への支援金」名目でNPO法人口座へ送金し、NPO法人が「競技者への支援金」として客の銀行口座に現金を振り込むという迂回換金の仕組みが採用されていました。大阪府警は、名目を問わず獲得チップに応じて金銭が支払われる構造があれば賭博罪が成立し得るとして、経営者・従業員だけでなく遊技に参加した客も含む複数名を単純賭博罪で逮捕したと報じられています(複数報道による)。
この事例が示すのは、「現金を直接賭けていない」「名目を変えれば換金ではない」という論理は通用しないということです。実質的に獲得チップに応じた金銭の授受がある構造であれば、名目や経路を問わず賭博罪の対象になり得ます。
なお、この事件と2025年12月の東京での立入調査は別の案件です。東京事案は口頭指導段階であり、違法確定・逮捕の段階には至っていません。
§6. なぜパチンコは換金でき、アミューズメントカジノは不可なのか
三店方式とは何か
「パチンコは換金できるのにアミューズメントカジノはダメなのか」という疑問はよく聞かれます。パチンコの換金を可能にしているのは「三店方式」と呼ばれる仕組みです。
三店方式の流れ:
1. パチンコ店が客に「特殊景品」を渡す(玉の結果に応じて)
2. 客が「景品交換所」に特殊景品を持ち込み、現金と交換
3. 景品問屋が景品交換所から特殊景品を回収し、パチンコ店に卸す
この仕組みは、風営法第23条第1項が「パチンコ店(4号営業)が自ら賞品を買い取ること」を禁止しているのみで、「第三者(景品交換所)が客から景品を買い取ること」は直接禁止していない点を利用しています。
ただし、裁判所が「三店方式は合法である」と積極的に認定した判決は存在しません。警察庁が「直ちに違法となるものではない」との見解を示したにとどまる、行政上の黙認状態です。
アミューズメントカジノに三店方式は使えない
アミューズメントカジノ(5号営業)に三店方式の論理を適用できない理由は、法律構造の違いにあります。
- パチンコ(4号営業):風営法23条1項の枠組みで「賞品提供はOK、ただし店による直接換金等は禁止」→三店方式で第三者換金という論理が成立する余地がある
- アミューズメントカジノ(5号営業):風営法23条2項により「遊技結果に応じた賞品提供そのものが全面禁止」→「賞品を出す」という出発点がないため、三店方式の論理が成立しない
つまり、パチンコと同じことをしようとしても、アミューズメントカジノの場合は起点となる「賞品提供」自体が法律で禁じられているため、どのような経路を経ても換金行為は風営法違反となり得ます。
| パチンコ三店方式 | アミカジの換金行為 | |
|---|---|---|
| 法的性質 | 行政黙認のグレーゾーン(合法の明確な司法判断なし) | 風営法23条2項違反(明確に禁止) |
| 賭博罪の成否 | 摘発事例なし・実態は未整理 | 換金実態があれば成立の可能性あり |
§7. 危ない店の見分け方:利用者向けチェックリスト
アミューズメントカジノを利用する場合、以下のいずれかがある店舗は風営法違反・賭博罪に当たる可能性があります。客自身も刑事責任を問われるリスクがある点を認識してください。
要注意サイン(あれば利用を控えるべき兆候)
- [ ] 「チップを現金に換えられる」「後で支払いを精算する」と案内される
- [ ] 景品・ドリンク・割引クーポン等と遊技の結果(獲得チップ数)が連動している
- [ ] 「ウェブコイン」「共通ポイント」等の名称で、スマホアプリ上で他店でも使えるポイントが導入されている
- [ ] アプリで自分のチップ残高を店外から確認・管理できる
- [ ] 「預かり証」「保管票」等の書面でチップを翌日に繰り越せる
- [ ] 参加費の一部が「賞金」「支援金」「協会費」等の名目で勝者に後日払い戻される
- [ ] 勝者へのポイント付与が「外部の協会・団体」を経由している
安全な店舗の目安
- [ ] 風営法5号営業許可証が店内に掲示されている
- [ ] チップは当日限り・店内のみで使用可能
- [ ] 料金体系が時間制・席料制で、遊技の結果によらない
- [ ] チップの持ち出し・翌日繰越ができない
§8. ウェブコインとは何か:2025年12月指導の核心
2025年12月の一斉立入で最も多く指摘されたのが「ウェブコイン」と呼ばれる仕組みです。都内約80店舗中、約69店舗(約9割)でウェブコインが導入されていたと報じられています(複数報道による)。
ウェブコインとは、スマートフォンアプリ上で管理・表示できるポイントで、複数の店舗間で共通利用・店外確認が可能な仕組みを指します。
問題点(風営法の観点):
– チップを「店内限定・当日限り」の遊技媒体として管理するのではなく、アプリ上でポイント化して他店でも使用できる形にすることは、実質的に「遊技球等の営業所外持出」(風営法23条3項が準用する23条1項3号)に当たる可能性があります
– また、このポイントを何らかの形で金銭化できる経路があれば、遊技結果に応じた賞品提供(風営法23条2項)または賭博罪(刑法185条・186条)の問題が生じ得ます
注意:警視庁の2025年12月の対応は口頭指導にとどまっており、ウェブコイン自体が直ちに違法確定となったわけではありません。ただし、「風営法違反に当たる可能性があり指導対象になった」という事実は利用者・事業者ともに重く受け止めるべきです。
§9. 事業者向け:適法運営のポイント
アミューズメントカジノを適法に運営するための主要チェックポイントを整理します。
開業前
- 風営法5号営業許可の取得:都道府県公安委員会への申請が必須。無許可営業は即座に別途罰則の対象
- 遊技設備の確認:国家公安委員会規則で定める遊技設備に該当するかどうかの確認
- 料金体系の設計:参加費は運営コスト相当で固定。勝者への分配・還元は不可
運営中の禁止事項
| 禁止行為 | 根拠条文 | 罰則 |
|---|---|---|
| チップと現金・景品・サービスの交換 | 風営法23条2項 | 六月以下の拘禁刑・百万円以下の罰金(併科可・53条4号) |
| チップの店外持出 | 風営法23条3項(準用) | 五十万円以下の罰金(55条) |
| 預かり証・保管書面の発行 | 風営法23条3項(準用) | 五十万円以下の罰金(55条) |
| 他店共通のウェブコイン・ポイントの使用 | 風営法23条2項・3項 | 賞品提供・換金なら53条4号、店外持出なら55条 |
| アプリによるチップ残高の店外管理 | 風営法23条3項(脱法リスク) | 指導・摘発の対象 |
適法運営の原則
- チップは店内専用・当日清算:獲得チップの価値は閉店時にリセット。翌日への繰越・他店での使用は不可
- 賞品提供ゼロ:「遊技結果に応じた賞品」に当たるものは一切提供しない。飲食物・割引券であっても遊技結果に連動させない
- 料金は「遊技代」として完結:参加費・席料・ドリンク代は遊技と切り離した固定費用として設計
§10. FAQ
適法に運営されている(風営法5号営業許可取得・換金・賞品交換なし)店舗で純粋に遊技として楽しむ行為は、賭博罪の「財物を賭ける」要件を満たさないため、違法とはなりません。
問題が生じるのは、チップに実質的な金銭価値が付与されている(換金できる)仕組みのある店舗での遊技です。その場合、「財物または財産上の利益を賭けて遊技した者」として、客も刑法185条(単純賭博罪)の対象になり得ます。利用前に「換金・景品交換・ウェブコインの仕組みがないか」を確認することが重要です。
参加した遊技の場が実質的に賭博場(換金の仕組みがある)と認定された場合、「自分は換金しなかった」という事実が完全な免責になるかどうかは一概には言えません。ただし、単純賭博罪の成立には「財物の得喪を争う」ことが要件であるため、チップに実質的な金銭価値がない環境で遊技しているにとどまる場合は、賭博罪の構成要件を欠く可能性が高いとされています。個別の事案については弁護士にご相談ください。
名称は法律上の判断に影響しません。「アミューズメントカジノ」「カジノバー」「カジノラウンジ」など、店名や看板に何と書かれていても、実態が換金・賞品交換・参加費の分配等を伴う遊技の場であれば、風営法違反や賭博罪の対象となり得ます。「アミューズメントカジノと名乗れば合法」というルールは存在しません。
2025年12月時点では、口頭指導段階にとどまっており「ウェブコイン=違法確定」ではありません。しかし、複数店舗で共通利用でき店外から残高確認・使用が可能なポイントは、風営法第23条第3項が準用する「遊技球等の営業所外持出禁止」に当たる可能性があるとして、警視庁は指導対象としています。ウェブコインを導入している店舗は今後の法執行の対象になり得ると認識しておくことが重要です。
できません。パチンコ(4号営業)の三店方式は、風営法23条1項の「賞品提供は可、店自身による直接換金等は禁止」という枠組みを前提にした仕組みです。アミューズメントカジノ(5号営業)には、そもそも「遊技結果に応じた賞品提供そのものが禁止」(風営法23条2項)されているため、三店方式の出発点となる「賞品提供」を行うこと自体が違法となります。パチンコに適用される論理はアミューズメントカジノには使えません。
「参加費を集め、遊技の結果(偶然の勝敗)に応じて優勝者に賞金・賞品を渡す」という構造は、一般的に賭博場開張等図利罪(刑法186条2項)の成立要件を満たし得ると考えられています。「大会形式だから」「参加費を集めているだけだから」という論理は、過去の摘発事例では認められていません。利益を図って賭博の場を設けた場合、主催者は三月以上五年以下の拘禁刑の対象となり得ます。具体的な催事の設計については弁護士に確認してください。
法定刑は異なります。単純賭博罪(刑法185条)は客・店側共通で「五十万円以下の罰金または科料」。常習賭博罪(刑法186条1項)は「三年以下の拘禁刑」。賭博場開張等図利罪(刑法186条2項)は「三月以上五年以下の拘禁刑」で、運営・胴元側が格段に重い罰則を受けるのが法律の構造です。また風営法違反(23条2項・53条4号)は営業者に対する規定で「六月以下の拘禁刑若しくは百万円以下の罰金」。なお実際の量刑は事案の態様・前科等によって異なります。
まとめ:「換金なし・店内完結」が合法の絶対条件
アミューズメントカジノが適法に機能するための条件はシンプルです。
「チップは店内の遊技媒体にとどまり、遊技の結果として現金・景品・ポイントその他いかなる財物も客に渡さない」
この条件が守られている場合、風営法5号営業許可のもとで適法に営業できます。しかし、この条件のどこかひとつでも崩れた瞬間、風営法第23条第2項違反(六月以下の拘禁刑または百万円以下の罰金)や第23条第3項の準用違反(五十万円以下の罰金)に当たり、実質的な換金があれば賭博罪(刑法186条2項・三月以上五年以下の拘禁刑)の対象になり得ます。
利用者の観点からは、入店前に「換金・賞品交換・ウェブコインの仕組みがないか」を確認することが自衛の第一歩です。2025年12月の警視庁一斉立入が示すように、当局はアミューズメントカジノ業界に対して本格的な適正化・法執行の整理を進めています。客・事業者ともに、法的リスクを正しく理解しておくことが重要です。
免責事項
本記事は、2026年7月時点の公表情報・条文・判例等に基づく一般的な情報提供を目的とするものであり、個別事案の法的判断・法律相談を目的とするものではありません。
- 本記事に記載の法令・制度・運用は変更されることがあります
- 個別の店舗の違法性について本記事は判断・断定するものではありません
- 各事案における賭博罪の成否・量刑、風営法違反の可否については必ず弁護士・司法書士等の専門家にご相談ください
- アミューズメントカジノの利用に関する法的リスクについて不安がある場合は、日本弁護士連合会(0570-783-110)等の法律相談窓口をご利用ください



