免責・注記: 本記事は、令和8年法律第64号(金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律)の条文・附則、金融庁の説明資料、および令和8年度税制改正大綱に基づいています。暗号資産の金商法移管の施行日と、業規制の詳細要件(取扱い基準・自己資本規制・責任準備金の積立率等)は、今後の政令・内閣府令で確定します。2026年9月時点で移管の施行日を定める政令は公布されていません。未確定の事項は本文で「今後の政省令で確定」と明示しています。最終判断は顧問弁護士・金融庁窓口へご確認ください。
暗号資産が「金融商品」になる――令和8年改正の全体像
2026年7月15日、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」(令和8年法律第64号)が参議院本会議で可決・成立し、同年7月23日に公布されました。
この改正の最大の柱は暗号資産規制の金融商品取引法(金商法)への全面移管です。これまで暗号資産は「支払い手段」として資金決済法で規制されてきましたが、今回の改正で「金融商品」として金商法の枠組みに組み込まれます。国内外で暗号資産が投資対象として定着した実態を踏まえ、株式・債券と同等水準の投資家保護制度を整備する目的です。
改正の柱は全部で4本あります。本記事では、実務上インパクトが最も大きい暗号資産の金商法移管を中心に、サステナビリティ開示・スタートアップ支援・有価証券の不公正取引規制の見直しまでを条文で確認します。あわせて、別の法律(令和8年法律第12号)ですでに成立している暗号資産の申告分離課税についても扱います。この改正の施行と連動して適用が始まるためです。
この記事の対象読者: 暗号資産交換業者・証券会社のコンプライアンス担当者、暗号資産取引の仲介事業者、資金調達を予定するスタートアップ経営者、プライム市場上場企業の開示担当者、そして暗号資産に投資している個人の方。
改正の4本柱と施行スケジュール(全体概要)
施行日は「4本柱ごとに1つ」ではありません。改正法の附則第1条は、柱書に加えて8つの号を置き、規定ごとに異なる施行日を定めています。すでに施行された部分もあります。主要な柱に対応するものを整理すると次のとおりです。
| 改正の柱 | 施行日 | 根拠 |
|---|---|---|
| ①暗号資産規制の金商法移管 | 公布後1年以内の政令で定める日(2027年7月22日が上限。2026年9月時点で政令は未公布) | 附則第1条 柱書 |
| ②サステナビリティ情報の開示・監査証明 | 2027年4月1日 | 附則第1条第4号 |
| ③スタートアップへの資金供給促進 | 2027年4月1日 | 附則第1条第4号 |
| ④-1 有価証券の不公正取引規制の見直し(下記④-2・④-3を除く) | ①と同じ(公布後1年以内の政令で定める日) | 附則第1条 柱書 |
| ④-2 無登録業への罰則引上げ・証券取引等監視委員会の犯則調査権限の追加 | 2026年8月12日(施行済み) | 附則第1条第2号 |
| ④-3 犯則調査手続のデジタル化 | 2027年10月1日 | 附則第1条第6号 |
②③が「政令待ち」ではない点に注意してください。 2027年4月1日という日付は、政令ではなく改正法の附則そのものに書かれており、すでに確定しています。
逆に、④-1を2027年4月1日だと思わないでください。 改正法は金商法を2段階で改正しており、第1条による改正(サステナビリティ開示・スタートアップ支援・④-2の罰則引上げ)と、第2条による改正(暗号資産移管・④-1の不公正取引規制の見直し)に分かれています。附則第1条第4号が令和9年4月1日としているのは「第1条の規定」であって、第2条の規定ではありません。大量保有報告違反の課徴金引上げも、他人名義取引への課徴金1.5倍も、顧客財産管理人制度も、すべて①と同じ政令指定日からです。金融庁の説明資料でも、④-1は①と同じ「1年以内」の欄に置かれています。
①の上限日について、附則第1条柱書は「公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日」と定めています。公布日(2026年7月23日)を1日目として1年が満了するのは2027年7月22日です。e-Gov法令検索も、この改正による未施行の版の施行日を2027年7月22日として登録しています。
上表のほかに、他の法律の施行日に連動する規定が2つあります。金商法第209条の5第2項の改正規定(附則第1条第3号。刑事訴訟法等の改正法=令和7年法律第39号の施行日に連動)と、改正法附則第16条の規定(附則第1条第8号。民事関係手続等の情報通信技術活用法=令和5年法律第53号の施行日に連動)です。e-Gov法令検索はこの2つを2027年3月31日・2028年6月13日として登録していますが、連動先の法律の施行日自体が政令で定まるため、実際の日はそれより早まることがあります。
④-2 はすでに効力を持っています。 金融庁は2026年7月29日の公表で「無登録業に対する罰則の引上げ及び証券取引等監視委員会の犯則調査権限の追加に係る規定については、公布の日から起算して20日を経過した日(令和8年8月12日(水曜))から施行されます」と明示しました。ただしこれは金商法の登録を受けずに金融商品取引業を行う者に対する罰則であり、暗号資産の無登録業者にこの罰則が及ぶのは①の移管が施行された後です(詳細は後述の「無登録業者への罰則強化」)。
最大の柱:暗号資産規制の金商法移管
規制枠組みの「入口」と「出口」
まず、規制体系の変化を整理します。
改正前(現行)
- 根拠法: 資金決済法
- 業者名称: 暗号資産交換業者
- 位置づけ: 支払い手段(前払式支払手段・資金移動業と同じ法体系)
- 投資家保護: 限定的(分別管理・広告規制等)
改正後(金商法移管後)
- 根拠法: 金融商品取引法(新設規定)
- 業者名称: 暗号資産取引業者
- 位置づけ: 金融商品(有価証券とは別の類型)
- 投資家保護: 強化(情報公表・インサイダー規制・課徴金制度等)
資金決済法から暗号資産交換業に関する規定は削除され、金商法に一元化されます。暗号資産を投資対象とする投資運用業・投資助言業も、それぞれ金商法上の同業種規制が適用されます。
業者登録の変更義務と経過措置——「6か月」と「2年」の二段構え
改正施行後、現在の暗号資産交換業者は自動的に金商法上の暗号資産取引業者とみなされるわけではありません。新たな登録・変更登録の手続きが必要です。
猶予の仕組みは、改正法の附則にすでに書かれています。「今後の政省令で決まる」ものではありません。
| 段階 | 内容 | 根拠(現在の暗号資産交換業者の場合) |
|---|---|---|
| 第1段階 | 施行日から6か月間は、登録なしで業務を継続できる | 附則第8条第1項 |
| 第2段階 | 6か月以内に登録を申請していれば、処分があるまでさらに継続できる | 附則第8条第2項 |
| 打切り | ただし施行日から2年を経過したときは継続できない | 附則第8条第2項ただし書 |
第2段階のただし書は逐語で「ただし、施行日から起算して二年を経過したときは、この限りでない。」と定めています。審査が長引いても、施行日から2年で業務継続の法的根拠が切れます。これは政省令ではなく法律本文で確定した期限です。
この「6か月+2年」の構造は、下の表に挙げる4つの立場すべてに共通します。 附則第5条第2項・第6条第2項・第8条第2項・第9条第2項のいずれにも、同じ「ただし、施行日から起算して二年を経過したときは、この限りでない」というただし書が置かれています。証券会社が変更登録を申請する場合も、期限は同じです。
対象者は4つに分かれ、適用される条が違います。
| あなたの立場 | 経過措置の条文 | 6か月の起点となる手続 | 猶予中に行える業務の範囲 | 2週間の届出 |
|---|---|---|---|---|
| 現在の暗号資産交換業者(資金決済法第63条の2の登録済み。金商業者を除く) | 附則第8条 | 金商法第29条の新規登録の申請 | 暗号資産取引業務(銘柄・顧客の限定なし) | 附則第10条 |
| 暗号資産交換業の登録と金商業の登録を両方持つ者 | 附則第9条 | 金商法第31条第4項の変更登録の申請(施行日に申請したものとみなされる) | 暗号資産取引業務(同上) | 附則第10条 |
| すでに金融商品取引業者(証券会社等)で、暗号資産交換業の登録はない者 | 附則第6条 | 金商法第31条第4項の変更登録の申請(同上) | 施行時点の顧客・銘柄に限る(同一の銘柄。内閣府令で定める準ずるものを含む) | 附則第7条 |
| 登録を受けずに暗号資産の売買・貸借等を行っていた者 | 附則第5条 | 金商法第29条の新規登録の申請 | 施行時点の顧客・銘柄に限る(同上) | 附則第7条 |
猶予期間中に何ができるかは、立場によって違います。 附則第5条第1項・第6条第1項は「この法律の施行の際現に行っている当該新金融商品取引業の顧客を相手方とし…現に取り扱っている暗号資産と同一の銘柄について」と範囲を絞っていますが、附則第8条第1項・第9条第1項にはこの限定がありません。現在の暗号資産交換業者は、猶予期間中も従来どおりの業務を行えます(ただし附則第10条第3項により、取扱銘柄を変えるときは事前の届出が要ります)。
4つの立場すべてに「施行日から2週間以内の届出」があります。ここが最も見落としやすい期限です。
附則第5条・第6条の対象者には附則第7条が、附則第8条・第9条の対象者には附則第10条が、それぞれ届出義務を課しています。附則第10条第1項の逐語は「施行日から起算して二週間以内に、次に掲げる事項を内閣総理大臣に届け出なければならない」で、届け出る内容は①商号・名称・住所(金商業者は登録番号も)②暗号資産取引業務に係る営業所の名称・所在地③役員の氏名・名称④取り扱う暗号資産の名称⑤業務の内容および方法⑥その他内閣府令で定める事項の6項目です。附則第7条の届出事項はこれより少なく、商号・住所(金商業者は登録番号も)、業務の種別、取り扱っている暗号資産の名称の3項目です。
そして両条とも第2項で「届出をせず、又は虚偽の届出をしたときは…適用しない」と定めています。つまり届出を怠れば、6か月の猶予そのものが消えます。届出をしないまま営業を続ければ無登録営業になります。
さらに附則第10条第3項・第4項は、届出事項のうち取り扱う暗号資産の名称や業務の内容・方法を変更しようとするときは事前に、その他の事項に変更があったときは遅滞なく、届け出ることを求めています。上の表のとおり附則第8条・第9条の対象者には銘柄の限定がないため、猶予期間中に取扱銘柄を入れ替えること自体は可能ですが、その場合は事前の届出が必要になります。
実務チェックポイント(2026年9月時点での準備事項)
- 自社の現行登録(資金決済法)の内容確認と、附則第5条・第6条・第8条・第9条のどれが自社に適用されるかの特定
- 金商法上の第一種金融商品取引業者——証券会社のように、株式の売買の取次ぎなどを行う業種のことです——に相当する態勢整備(内部管理体制・リスク管理・苦情処理等)。具体的に何が求められるかは後述の「業者に新たに課される義務」で扱います
- 投資運用・助言サービスを行っている場合は、別途投資運用業・投資助言業への登録可否を確認(改正金商法第2条第8項第11号〜第15号)
- 施行日から逆算した2年の期限を前提に、登録審査が長期化した場合の事業継続計画を策定
- 下位法令(政令・内閣府令)の公表状況をウォッチ。申請書類・審査基準・手数料は内閣府令で確定します
情報公表規制(ホワイトペーパー・年次開示)の新設
改正法は、暗号資産の情報公表制度を新設します(改正金商法 第2章の7・第27条の39〜第27条の68)。株式でいえば有価証券届出書・有価証券報告書に相当する仕組みですが、届出ではなく「公表」である点が違います。
誰が公表するかは、その暗号資産に発行者がいるかどうかで分かれます。
| 区分 | 公表する者 | 根拠 |
|---|---|---|
| 特定暗号資産(特定の者のみが発行する権限を持つもの。例:IEOトークン) | 発行者が募集・売出しの前に公表 | 第27条の39 |
| それ以外の暗号資産(ビットコイン等、発行者のいないもの) | 暗号資産取引業者が取扱い開始前に公表 | 第27条の60 |
「特定暗号資産」は改正金商法第2条第50項に定義が置かれます。これに当たらない暗号資産でも、取引業者側に公表義務が生じる建て付けです。
公表する内容(具体的な記載事項は内閣府令で確定)
- 発行者の商号、経理の状況、暗号資産に関連する業務の状況
- 投資者に明らかにされるべき基本的な情報——暗号資産の性質・機能・供給量・基盤技術など
公表は一度きりではありません。募集・売出しを行った発行者には年1回の定期情報、重要な事象が生じた場合には臨時情報の公表義務が続きます(第27条の50・第27条の51)。ただし、暗号資産の分権化が進んで発行者が実質的な支配を失った場合などは、内閣総理大臣の承認を受けることで継続的な公表義務が免除され、以後は取引業者が公表を担います。
個人投資家に直結する規定があります。 発行者による募集・売出しについて監査法人等の財務監査が行われていない場合、投資者の側に投資上限が設定されます(第27条の59)。金融庁は、株式投資型クラウドファンディングと同じ水準——投資額が50万円を超える場合は年収または純資産の5%まで、上限200万円(特定投資家——金商法上、十分な知識と資産があるとして手厚い保護の対象から外れる「プロ投資家」のことです——は制限なし)——を政令・内閣府令で定める予定としています。監査なしの新規トークンには、買いたくても買えない上限がかかるということです。
虚偽の情報を公表した場合の制裁も、有価証券と同水準に整備されます。民事責任(損害賠償額の法定、発行者の取締役等について立証責任を転換した過失責任)、課徴金、そして刑事罰として10年以下の拘禁刑または1,000万円以下の罰金(併科あり)が規定されます。
現時点での注意点: 開示の様式・記載事項、提出先・公表媒体は今後の内閣府令で確定します。現行の資金決済法に基づく情報開示規制(利用者への重要事項説明等)は移管後も実質が継続する見込みですが、根拠法が変わります。
インサイダー取引規制の新設
改正法の中でも特に実務インパクトが大きいのが、暗号資産に特化したインサイダー取引規制の新設です。上場株式に適用されている内部者取引規制と同等の枠組みが、暗号資産に初めて導入されます。
対象となる暗号資産: 国内の暗号資産取引業者で取り扱われている暗号資産です。
規制対象者は3つの系統に分かれます(改正金商法 第171条の7〜第171条の9)
| 系統 | 対象者 | 条文 |
|---|---|---|
| 発行者側 | 特定暗号資産発行者の関係者 | 第171条の7 |
| 取引業者側 | 暗号資産取引業者の関係者 | 第171条の8 |
| 大口投資家側 | 大量売買者の関係者 | 第171条の9 |
3つ目の「大量売買者」が見落とされがちです。金融庁は、発行済みの暗号資産の20%以上の売買等を政令で定める予定としています。大口の売買を計画している者の内部にいる人も、その計画を知って先回りすれば規制に触れます。
「発行者の関係者」の範囲も、漠然と「役員・大株主」ではありません。条文(第171条の7第1項各号)は次の者を列挙しています。
- 役員等(法人以外の場合はその代理人・使用人)——親会社の役員等を含む
- 会社法第433条第1項の権利を有する株主——会計帳簿の閲覧請求権を持つ株主のことで、議決権または発行済株式の3%以上を持つ者が該当します。金商法でいう「主要株主」(第29条の4第2項により議決権の20%以上。一定の場合は15%以上)よりはるかに範囲が広い点に注意
- 法令に基づく権限を有する者(監督官庁の職員等)
- 発行者と契約を締結している者、および締結の交渉をしている者——監査法人、開発委託先、上場を交渉中の取引所などが含まれます
- 2・4に該当する法人の他の役員等
そして、これらの者から重要事実の伝達を受けた情報受領者も規制されます(同条第3項)。さらに、利益を得させる目的で重要事実を伝達したり取引を勧めたりする行為自体も禁止されます(第171条の10)。
「重要事実」は条文で列挙されています(第171条の7第2項)
発行者の決定にかかるもの:
- 特定暗号資産の技術的仕様の変更
- 新たな発行・勧誘
- 関連するサービスの提供の開始、休止または終了
- 業務上の提携またはその解消
- 技術的仕様の保守業務の廃止
- 発行者の解散
発行者に発生した事実にかかるもの:
- 災害に起因する障害、または業務遂行の過程で生じた障害(システム障害・不正流出など)
- 暗号資産取引業者による取扱いの開始の決定、またはオプションの上場承認
- 暗号資産取引業者が取扱いをやめる決定、またはオプションの上場廃止の原因となる事実
- 提携先によるサービスの提供開始・休止・終了の決定
そのうえで「投資者の投資判断に著しい影響を及ぼす」事実を拾うバスケット条項(同項第3号)が置かれます。
株式の上場・上場廃止情報と同じ構造です。 「どの取引所がどの銘柄を扱い始めるか/扱うのをやめるか」は、条文が名指しした重要事実です。取引所の社内でリスティング審査に関わる人、その情報を聞いた人が、公表前にその銘柄を売買すれば刑事罰の対象になります。暗号資産の世界で日常的に語られてきた「上場情報」が、そのまま規制の中心に置かれたことになります。
罰則
| 違反類型 | 刑事罰 |
|---|---|
| インサイダー取引(暗号資産) | 5年以下の拘禁刑、500万円以下の罰金、または両者の併科 |
改正金商法第197条の2第1項第16号〜第19号に規定され、上場株式のインサイダー取引と同水準です(現行の金商法第197条の2も「五年以下の拘禁刑若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」と定めています)。
刑事罰だけではありません。暗号資産の風説の流布・偽計、相場操縦、インサイダー取引は課徴金制度の対象に追加され(第173条〜第175条の4)、証券取引等監視委員会の犯則調査の対象にもなります(第210条)。課徴金は刑事罰とは別枠の行政上の金銭的な負担で、起訴されなくても課されます。犯則調査は、証券取引等監視委員会が裁判官の許可状を得て臨検・捜索・差押えを行える強制的な調査で、その結果は検察官への告発につながります。
無登録業者への罰則強化——「いつから」を取り違えないこと
金商法移管後、無登録で暗号資産取引業を営む行為に対する制裁が大幅に引き上げられます。
| 罰則項目 | 改正前(資金決済法) | 改正後(金商法移管後) |
|---|---|---|
| 拘禁刑 | 3年以下 | 10年以下 |
| 罰金 | 300万円以下 | 1,000万円以下 |
| 両罰規定 | あり | あり(継続) |
改正前の数値は資金決済法第107条が定める「三年以下の拘禁刑若しくは三百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する」です。移管後は金商法第197条第1項の無登録営業罪が適用されます。
ここで施行日の順序が入り組みます。
金商法における無登録営業罪の引上げは、2026年8月12日にすでに施行されました。附則第1条第2号が「公布の日から起算して二十日を経過した日」と定めたためです。
引上げの仕組みは、条文の移設です。改正前、金商法第29条に違反する無登録営業は第197条の2第1項(5年以下の拘禁刑・500万円以下の罰金)に置かれていました。これを第197条第1項(10年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金)へ移した結果、量刑が2倍になっています。第197条第1項の法定刑そのものは改正前から10年以下・1,000万円以下で変わっていません。附則第1条第2号が第197条第1項と第197条の2第1項の両方の改正規定を挙げているのは、この移設のためです。
ただし、8月12日に施行されたのは改正法の第1条による改正の部分だけです。附則第1条第2号が挙げているのは「第一条中金融商品取引法第百九十七条第一項の改正規定、同法第百九十七条の二第一項の改正規定(同項第一号の改正規定を除く。)及び同法第二百十条第一項の改正規定」で、このうち第210条第1項(犯則事件の定義)の改正は「害するもの」の下に「その他の委員会職員の調査の対象とすることが公益又は投資者保護のため必要かつ適当なもの」を加えるという一般的な拡張であり、暗号資産とは関係ありません。暗号資産を犯則事件に加える改正は第2条による改正で、移管の施行日に合わせて施行されます。法律案要綱もこの点を「犯則事件の定義の拡大(暗号等資産の売買その他の取引に係る事件の追加に係る部分を除く。)に係る規定 公布の日から起算して二十日を経過した日」と整理しています。
そして何より、暗号資産取引業が金商法第29条の登録対象になるのは①の移管が施行された後です。
つまり、こういうことです。
| 時点 | 暗号資産の無登録業者に適用される罰則 |
|---|---|
| 2026年8月12日〜移管施行の前日 | 資金決済法第107条(3年以下・300万円以下)のまま |
| 移管施行日以降 | 金商法第197条第1項(10年以下・1,000万円以下) |
2026年8月12日に引き上がったのは、証券会社など従来から金商法の登録を要する業種についての罰則です。「暗号資産の無登録業者の罰則がもう10年になった」と読むのは誤りです。金融庁は2026年9月1日にも、資金決済法上の「暗号資産交換業」の呼称で無登録業者への警告書を発出しています。
海外業者が日本居住者向けに無登録でサービス提供する行為も、移管後は規制対象となります。
一定基準を満たさない暗号資産の取扱い禁止
改正法は、一定の基準を満たさない暗号資産の取扱いを禁止する規定を設けます(改正金商法第43条の7)。暗号資産取引業者が取り扱える暗号資産に質的な要件を課すことで、詐欺的・投機的な暗号資産から投資家を守る目的です。
具体的な「基準」は内閣府令で確定します。金融庁は、流動性、コンプライアンス、移転記録の管理に関する基準を定める予定としています。
業者に新たに課される義務——責任準備金・自己資本規制・レンディング
金商法移管では、第一種金融商品取引業者に相当する規制が適用されます。記事で扱った登録・情報公表・インサイダー規制のほかに、資金決済法の時代にはなかった義務が加わります。
| 義務 | 内容 | 条文 |
|---|---|---|
| 金融商品取引責任準備金 | 不正流出などの事故が起きた場合の顧客への補償原資を積み立てる。積立率は管理する暗号資産の残高とセキュリティ水準に応じて内閣府令で定める予定 | 第46条の5 |
| 自己資本規制比率 | 財務の健全性を確保するため、自己資本規制比率——抱えているリスクの大きさに対して自己資本がどれだけあるかを示す比率で、証券会社が一定水準を割ると監督上の措置の対象になります——の算出等を義務付け | 第46条の6 |
| 業務管理体制の整備 | 取り扱う暗号資産の審査体制、顧客の適合性を確認する体制、売買審査体制などを内閣府令で規定予定 | 第35条の3 |
| 兼業の事前届出 | 暗号資産取引業を行う金融商品取引業者が他の業務を兼業する場合、あらかじめ内閣総理大臣に届出 | 第35条の2の2 |
| 外部委託先の管理 | 業務の一部を委託する場合、委託先の指導など必要な措置を講じる | 第43条の13 |
| システム提供業者の規制 | 顧客の暗号資産の管理に必要なシステムを継続的に提供する業者に、事前届出・善管注意義務・業務管理体制の整備義務を課す。届出のない業者からの提供を受けることは禁止 | 第3章の6・第43条の12 |
レンディング(暗号資産の貸借)も規制の対象に入ります。 利用者から暗号資産の借入れを行う業務が暗号資産取引業に追加されました(第2条第8項第25号)。なお、暗号資産の借入れなどの「暗号資産取引特例業務」だけを行う者については、登録の特例が第29条の6に置かれています。
無登録業者との取引は原則無効に——利用者側の新しい救済
利用者に直接効いてくる規定が新設されます。
無登録業者による売付け等は、原則として無効とされます(改正金商法第171条の15)。金商法第29条に違反して無登録で暗号資産取引業を行う者が、登録業者が取り扱っていない暗号資産を売り付けた場合が対象です。立証責任が転換されており、業者側が有効性を主張・立証しなければなりません。
もうひとつ、ステルスマーケティング規制が入ります(第171条の12)。発行者や取引業者から対価を受けて取引判断に関する意見を一般に表示する場合、対価を受ける旨を併せて表示しなければなりません。SNSやオンラインサロンでの「案件」投稿が念頭に置かれた規定です。
このほか、内閣府令事項として、暗号資産が詐欺的な投資勧誘の支払手段に使われることを防ぐ措置(新規に口座を開設した直後は、自分で管理するウォレットへ移転できない熟慮期間を設ける等)が検討されています。
対象者別の実務対応
暗号資産交換業者(現行登録業者)
今すぐすべきこと(2026年7月〜施行前)
- 内部管理態勢の見直し: 金商法の第一種金融商品取引業者水準の内部管理体制(コンプライアンス部門・リスク管理・内部監査)を整備
- インサイダー情報管理体制の構築: 役職員・関係者向けの情報遮断(チャイニーズウォール)・売買事前承認制度の導入準備
- 取扱銘柄の精査: 一定基準を満たさない暗号資産を取り扱っていないか確認(政省令の基準公表後に詳細精査)
- 登録申請の準備: 施行日の公布後、速やかに申請書類の準備を開始。施行後6か月の経過措置期間内に申請を完了する
費用・体制面の注意: 金商法上の業者には、資金決済法より厳格な自己資本規制・純財産額規制が課される可能性があります。詳細は政省令で確定しますが、現時点から財務基盤の強化を検討することが望ましいです。
暗号資産取引の仲介を行う事業者
暗号資産取引の仲介は、改正金商法第2条第11項第2号により金融商品仲介業に追加されます。同時に、改正資金決済法の側から暗号資産の仲介に関する規定が削除され、現在の「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」は「電子決済手段サービス仲介業」に改称されます。つまりステーブルコイン等の電子決済手段の仲介は資金決済法に残り、暗号資産の仲介だけが金商法へ移るという整理です。
現在、資金決済法に基づく仲介業の登録業者は、施行後の経過措置内に業務内容に応じた変更登録が必要になる見込みです。詳細は今後の政省令で確定します。
なお、前払式支払手段や電子決済手段全般に関する規制の概要については、前払式支払手段・電子決済手段の届出と供託実務もあわせてご参照ください。
証券会社・金融商品取引業者
すでに金商法の登録を受けている証券会社・金融商品取引業者が暗号資産取引業に参入する場合、金商法上の業務追加登録(変更登録)が必要になります。
施行の時点ですでに暗号資産の取扱いを行っていた場合は、施行日に変更登録を申請したものとみなされ、6か月間は変更登録なしで業務を続けられます。適用される条は、暗号資産交換業の登録も持っているなら附則第9条、持っていないなら附則第6条です。ただし前述のとおり、施行日から2週間以内の届出(附則第9条の場合は第10条、第6条の場合は第7条)を怠れば、この猶予は適用されません。
また、証券会社の役職員が暗号資産の発行体・取引業者から重要事実を受領した場合、新設されるインサイダー取引規制の対象となります。情報管理規程の見直しと従業員への教育が急務です。同じ移管の施行日に、公開買付けのインサイダー規制の対象者に「対象企業と契約を締結・交渉している者」が加わります(第167条)。アドバイザリー業務を行う部門はあわせて点検してください。
暗号資産に投資する個人投資家
今回の改正は、個人投資家に対して直接の登録・届出義務を課すものではありません。ただし、以下の変化が個人投資家にとって重要です。
1. インサイダー取引規制の適用: プロジェクト内部者から未公表情報を受け取って売買した場合、情報受領者として刑事罰の対象となります。SNSや非公式チャンネルからの「先行情報」に基づく取引はリスクが高まります。
2. 税制が変わります(法律はすでに成立済み): 詳細は次の節で扱います。
3. 取り扱い暗号資産の変化: 一定基準を満たさない銘柄が取り扱い停止となる可能性があります。保有銘柄の動向に注意が必要です。
税金は20%の申告分離課税へ——法律はすでに成立している
暗号資産の利益は、現在は原則として総合課税の雑所得です。給与などと合算され、所得が多い人ほど税率が上がります(住民税と合わせて最大約55%)。
これが20%の申告分離課税に変わります(所得税15%・個人住民税5%)。
これは「今後検討される」話ではありません。 根拠は所得税法等の一部を改正する法律(令和8年法律第12号・2026年3月31日公布)で、租税特別措置法に第38条の2「特定暗号資産に係る譲渡所得等の課税の特例」が新設されています。条文は「他の所得と区分し…百分の十五に相当する金額に相当する所得税を課する」と定めています。
| 項目 | 現行 | 改正後 |
|---|---|---|
| 課税方式 | 総合課税(原則、雑所得) | 申告分離課税 |
| 税率 | 所得に応じ5〜45%+住民税10% | 所得税15%+住民税5%=20%(別途、復興特別所得税) |
| 損失の繰越 | 不可 | 翌年以後3年間の繰越控除が可能(措置法第38条の3) |
| 他の所得との損益通算 | 不可 | 不可(条文上「損失は生じなかつたものとみなす」) |
いつから適用されるか。 租税特別措置法の附則は「次号に掲げる規定の施行の日の属する年の翌年の一月一日」以後に行う譲渡について適用すると定めています。令和8年度税制改正大綱は、これを「金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日」と説明しています。金商法の移管が2027年中に施行されれば、2028年1月1日からということになります。e-Gov法令検索も、この条文の施行日を2028年1月1日として登録しています。
全部の暗号資産が20%になるわけではありません。ここが最大の注意点です。
分離課税の対象は「特定暗号資産」に限られます。条文は、金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産であり、かつ暗号資産取引業者への売委託または暗号資産取引業者に対する譲渡であることを要件としています。登録業者を通さない取引——海外の無登録業者、分散型取引所(DEX)、個人間の取引——は対象外で、総合課税のまま残ります。
税法の「特定暗号資産」と、金商法の「特定暗号資産」は別のものです。 前述の情報公表規制のところで出てきた金商法の「特定暗号資産」は、発行者がいる暗号資産(第2条第50項)を指しました。一方、租税特別措置法第38条の2が「特定暗号資産」と呼ぶのは、金商法第2条第49項の暗号資産(=暗号資産一般)のうち、金融商品取引業者登録簿に登録されているものです。条文が参照しているのは第50項ではなく第49項です。
したがって、発行者のいないビットコインも、登録業者が取り扱っていれば税法上の「特定暗号資産」に当たり、20%の分離課税の対象になります。同じ言葉が2つの法律で違う意味で使われているため、法律名とセットで読む必要があります。
正確に言えば、条文が求めているのは「その暗号資産の名称が金融商品取引業者登録簿に登録されていること」です。業者が登録を受けるときに取り扱う暗号資産の名称を届け出るため、実務上は「国内の登録業者が扱っている銘柄か」で判断することになりますが、判断の軸は業者ではなく銘柄の側にあります。自分の保有銘柄が対象かどうかは、施行後に金融庁が公表する登録業者の情報で確認することになります。
あわせて、令和8年度税制改正大綱は、総合課税の譲渡所得の基因となる暗号資産について次の3点を定めました。
- 譲渡益について、譲渡所得の特別控除額(年50万円)を控除しない
- 5年を超えて保有した資産の譲渡所得を2分の1にする措置を適用しない
- 譲渡損失について、他の総合課税の所得との損益通算を適用しない
この3点が効く人は限られます。 国税庁の取扱いでは、暗号資産取引で生じた利益は「原則として雑所得(その他雑所得)」に区分されます(収入金額が300万円を超え、帳簿書類の保存がある場合は原則として事業所得)。上の3点はいずれも譲渡所得に適用される制度についての制限なので、雑所得として申告している大多数の個人には、もともとこれらの措置が使えず、扱いは変わりません。事業用資産として暗号資産を保有しているようなケースで譲渡所得に区分される場合に、制限がかかります。
大綱の注4により、これらは金商法改正法の施行日の属する年の翌年分以後の所得税から適用されます。
このほか、大綱には次の措置も盛り込まれています。
- 暗号資産取引業者は、顧客ごとの年間取引情報を記載した報告書を翌年1月31日までに税務署長へ提出する(措置法第38条の2第4項)
- 暗号資産デリバティブ取引(特定暗号資産に係るもの)も、先物取引と同じ申告分離課税の対象に加える
- 特定暗号資産を投資対象とする投資信託の受益権を、一般株式等の課税の特例の対象に加える——暗号資産の投資信託への道が税制面で開かれます
経過措置期間中の業者を通した取引も対象です。 改正法の附則第11条は、附則第8条第1項・第2項により暗号資産取引業務を行える者について「租税特別措置法第三十八条の二第一項に規定する金融商品取引業者に該当するものとみなす」と定めています。登録審査が終わっていない移行期間中の業者を使っていても、分離課税から外れることはありません。
税額の計算方法や必要経費の扱いなど細目は政令・財務省令で定まります。実際の申告にあたっては国税庁の公表情報と税理士にご確認ください。
令和8年度税制改正の全体像(基礎控除の引上げ、年収の壁178万円、防衛特別所得税の創設など)については、令和8年度税制改正の実務ガイドで扱っています。
AML(マネーロンダリング対策)・本人確認(eKYC)の厳格化については、犯罪収益移転防止法・eKYC本人確認の実務対応もあわせて参照ください。金商法移管後は、証券会社水準の本人確認・疑わしい取引の届出義務が課される見込みです。
サステナビリティ開示の義務化
対象企業と段階施行スケジュール
施行日: 2027年4月1日(改正法附則第1条第4号。政令ではなく法律で確定しています)
一定のプライム市場上場企業に対し、SSBJ基準(サステナビリティ基準委員会が2025年3月に公表した基準)に準拠して有価証券報告書を作成することが義務付けられます(改正金商法第26条の4第1項)。
何が新しいのか。 日本では2023年3月期から、上場企業等にサステナビリティ情報の開示自体は義務付けられていました。ただし準拠すべき具体的な基準がなく、企業間で比較できないという課題がありました。今回の改正は「開示を始めさせる」ものではなく、SSBJ基準という共通のものさしへの準拠と、第三者による監査証明を義務付けるものです。なお法律上の用語は「保証」ではなく「監査証明」、担い手は「特定非財務情報監査証明業者」です。
段階適用スケジュール(金融庁説明資料。具体的な対象は政令等で規定予定)
| 適用開始期 | 対象企業(東証プライム上場) |
|---|---|
| 2027年3月期〜 | 時価総額3兆円以上 |
| 2028年3月期〜 | 時価総額3兆円未満1兆円以上 |
| 2029年3月期〜 | 時価総額1兆円未満5,000億円以上 |
| 未定 | 5,000億円未満——企業の開示状況・投資家のニーズを踏まえ今後検討 |
時価総額は5事業年度末の平均値を使用することが内閣府令で規定される予定です。単年度の株価変動で対象から外れたり入ったりしない設計になっています。
この表の「適用開始期」と、改正法の施行日(2027年4月1日)は、そのままでは噛み合いません。読み飛ばさないでください。
改正法の附則第3条は、第26条の4第1項を「第四号施行日(2027年4月1日)以後に開始する事業年度に係るもの」について適用すると定めています。3月決算の企業でこれに当たる最初の事業年度は2027年4月〜2028年3月、つまり2028年3月期です。一方、上表の金融庁説明資料は時価総額3兆円以上への適用開始を2027年3月期——2026年4月に始まる事業年度——としています。
この1年の差がどう埋まるのか、2026年9月時点で公表されている資料からは確定できませんでした。2027年3月期分が開示府令(企業内容等の開示に関する内閣府令)の改正で手当てされる可能性はありますが、本記事では裏を取れていません。時価総額3兆円以上の企業にとっては準備期間が丸1年変わる論点です。自社の対応開始時期は、対象企業を指定する政令・内閣府令の公表内容で必ず確認してください。
開示内容の主な項目: ガバナンス、戦略、リスク管理、温室効果ガス(GHG)排出量などの指標・目標。
経過措置として「二段階開示」が認められる予定です。 適用開始から2年間は、SSBJ基準に従って有価証券報告書に記載すべき事項を訂正報告書に記載し、半期報告書の提出期限までに提出することで追完できる——つまり有報の提出期限に間に合わなくても後から出せる仕組みが、内閣府令で手当てされる予定です。
監査証明の義務付け: 開示基準の適用開始時期の翌年から義務付けられます(第26条の5第1項)。担い手は登録制で、監査法人に限られません——要件を満たせば監査法人以外も登録できます(第26条の6)。登録業者には守秘義務、一定の非監査業務との同時提供の禁止、業務執行担当者のローテーションなどの行為規制が課され、金融庁が検査・監督を行います。
なお、監査証明の範囲は当初2年間は限定される予定です(3年目以降は国際的な動向を踏まえて今後検討)。全開示項目がいきなり監査証明の対象になるわけではありません。
あわせて、セーフハーバー・ルールが導入されます(第21条の2第3項等)。業績見通しやビジョンなどの将来情報、推計・分析による見積り情報、他社の排出量(Scope3)のように自社の統制が及ばない第三者から取得した情報について、前提となる事実・仮定・推論過程などを開示していれば、虚偽記載の民事責任を負わないという仕組みです。課徴金納付命令や訂正報告書の提出命令も対象になりますが、刑事責任は対象外です。
スタートアップ支援:有価証券届出書の提出免除基準引き上げ
施行日: 2027年4月1日(改正法附則第1条第4号で直接定められています。政令の指定は不要です)
有価証券届出書の提出が必要となる資金調達額の下限が、現行の1億円未満から5億円未満へ引き上げられます(改正金商法第4条第1項第4号)。
| 調達額 | 改正前 | 改正後(2027年4月1日〜) |
|---|---|---|
| 1億円未満 | 届出不要 | 届出不要 |
| 1億円以上5億円未満 | 有価証券届出書が必要 | 届出不要 |
| 5億円以上10億円未満 | 有価証券届出書が必要 | 簡易な様式の有価証券届出書で可 |
| 10億円以上 | 有価証券届出書が必要 | 有価証券届出書が必要 |
簡易様式(少額募集)を使える範囲も、5億円未満から10億円未満へ引き上げられます(第5条第2項)。簡易様式では連結情報が不要とされ、さらに2025年2月の改正で、初めて届出書を提出する場合の財務諸表が監査済み2期分から1期分(比較情報を含む)に減り、特別情報としての3期分の財務諸表も不要になっています。
このほか2点が整備されます。
- 潜在的特定投資家への勧誘が可能に(第2条第3項第1号イ・第2号ロ等)——特定投資家私募とは、プロ投資家だけを相手に、証券会社を通じて簡易な情報提供で資金を集められる仕組みです。プロ投資家(特定投資家)の要件は満たすものの、手厚い説明を受ける立場でいたいために移行手続をしていない人を、この私募の相手方に加えます。ただし仲介する証券会社には、適合性原則(顧客の知識・経験・財産に見合わない商品を勧めてはならないという原則)・説明義務といった規制が、一般投資家向けと同様に適用されます
- 株式報酬の勧誘を「募集」から除外(第2条第3項第1号ロ等)——自社および子会社の役員・使用人に株券・新株予約権証券を交付する際の勧誘は、上場・非上場を問わず募集から外れ、有価証券届出書が不要になります
有価証券の不公正取引規制の見直し
4本目の柱です。暗号資産ではなく、株式など既存の有価証券に関する規制の強化で、上場企業のインサイダー情報を扱う立場の人に直接関係します。
施行日は暗号資産の移管と同じ日——公布後1年以内の政令で定める日(上限2027年7月22日)です。改正法の第2条による改正であるため、附則第1条の柱書が適用されます。ただし、うち無登録業への罰則引上げ・監視委の犯則調査権限追加は2026年8月12日に施行済み、犯則調査手続のデジタル化は2027年10月1日です。
| 見直しの内容 | ポイント | 条文 |
|---|---|---|
| 公開買付けのインサイダー規制の対象者拡大 | 買われる側(対象企業)と契約を締結・交渉している者(対象企業のアドバイザー等)を追加。現行は対象企業側は役職員のみが規制対象だった | 第167条 |
| 公開買付けインサイダーの課徴金の算定見直し | 「公表前の価格の50%増し」と「公表後2週間の最高値」のいずれか高い額を基準に。法律案要綱の逐語は「その公表後二週間における最も高い価格と、その公表がされた日の前日における最終の価格に一・五を乗じて得た価格のいずれか高い価格等とする」 | 第175条・第175条の2 |
| 大量保有報告違反の課徴金を現行の70倍に | 時価総額の10万分の1 → 1万分の7(要綱の逐語は「一万分の七」) | 第172条の7・第172条の8 |
| 他人名義での不公正取引に課徴金1.5倍 | 他人名義口座を使って不公正取引を行った者が対象 | 第173条〜第175条 |
| 名義を貸した側にも課徴金 | 違反行為を容易にする目的で自己の名義を利用させた者に、違反者の利得相当額の2分の1の課徴金 | 第175条の5 |
| 課徴金の減算制度の拡充 | 現行は調査開始前の申告のみ減算。調査開始後の協力度合いに応じた減算を導入 | 第177条の2・第177条の3 |
| 顧客財産管理人制度の創設 | 金融商品取引業者が廃業する際、顧客財産の返還に支障があるときは内閣総理大臣が管理人を選任できる | 第57条の28・第57条の30 |
「名義を貸しただけ」でも課徴金の対象になる点は、これまでになかった規制です。 SNS型投資詐欺などで口座を提供する行為への対応として設けられました。
施行スケジュールの詳細と「やるべきこと」早見表
2026年〜2027年の主要スケジュール
2026年7月15日 ───── 参議院本会議で可決・成立
2026年7月23日 ───── 令和8年法律第64号 公布
2026年7月24日 ───── 20日後施行分の関係政令 閣議決定(7月29日公布)
2026年8月12日 ───── 【施行済み】無登録業への罰則引上げ(金商法197条1項)
証券取引等監視委員会の犯則調査権限の追加
※暗号資産の無登録業者への適用は移管施行後
2026年9月時点 ───── 移管の施行日を定める政令は未公布
2026年後半〜 ───── 金融庁による政令・内閣府令のパブリックコメント(見込み)
2027年初め〜
2027年3月期 ───── SSBJ基準の適用開始(時価総額3兆円以上のプライム企業)
2027年4月1日 ───── サステナビリティ開示・監査証明の制度整備 施行
スタートアップ支援 施行(届出免除5億円へ)
2027年7月22日 ───── 暗号資産の金商法移管の施行期限(公布後1年以内の政令指定)
(上限) 有価証券の不公正取引規制の見直しも同じ日に施行
↑これより前の日が政令で指定される
施行日+2週間 ─── 経過措置を受ける全員の届出期限(怠れば猶予が消える)
施行日+6か月 ─── 登録・変更登録の申請期限
施行日+2年 ─── 経過措置による業務継続の打切り(附則の上限)
2027年10月1日 ───── 証券取引等監視委員会の犯則調査手続のデジタル化 施行
2028年1月1日 ───── 暗号資産の申告分離課税20%の適用開始(見込み)
(見込み) ※金商法の施行日の属する年の翌年1月1日
2028年3月期 ───── SSBJ基準の適用拡大(時価総額1兆円以上のプライム企業)
2029年3月期 ───── SSBJ基準の適用拡大(時価総額5,000億円以上)
対象者別 今すぐやることリスト
暗号資産交換業者
– [ ] 内部管理規程の金商法水準への見直し着手
– [ ] インサイダー取引防止規程の策定・従業員教育(取扱開始/取扱中止の決定情報の管理を含む)
– [ ] 取扱銘柄の適格性確認体制の整備
– [ ] 金融商品取引責任準備金・自己資本規制比率に対応した財務計画の策定
– [ ] 施行日から2週間以内の届出(附則第10条)の準備——取り扱う暗号資産の名称・業務の内容および方法まで届け出ます。怠れば6か月の猶予が消えます
– [ ] 経過措置期間中に取扱銘柄・業務方法を変更する場合の事前届出の運用整備(附則第10条第3項)
– [ ] 登録審査が長期化した場合を想定した、施行日+2年を期限とする事業継続計画
– [ ] 政省令パブコメへの参加・業界団体を通じた情報収集
証券会社・金融商品取引業者(暗号資産関連業務あり)
– [ ] 暗号資産関連の情報管理体制の見直し
– [ ] コンプライアンス部門への金商法上の暗号資産規制研修
– [ ] 業務追加(暗号資産取引業)の要否検討と、施行日から2週間以内の届出の準備
– [ ] 変更登録の審査が長期化した場合を想定した、施行日+2年を期限とする事業継続計画(附則第6条第2項・第9条第2項のただし書。交換業者と同じ期限です)
– [ ] 公開買付けインサイダー規制の対象者拡大(移管と同じ政令指定日)に伴う、アドバイザリー業務の情報管理の見直し
暗号資産取引の仲介事業者
– [ ] 自社の仲介行為が「暗号資産の仲介(金商法へ)」か「電子決済手段の仲介(資金決済法に残置)」かの切り分け
– [ ] 金融商品仲介業への変更登録の要否確認
– [ ] 対価を受けて意見表示をしている場合、対価を受ける旨の表示(ステルスマーケティング規制)への対応
スタートアップ企業
– [ ] 2027年4月1日施行の届出免除基準(5億円)を踏まえた資金調達計画の見直し
– [ ] 5億〜10億円の調達を予定する場合、簡易様式の届出書で足りることを前提とした準備
– [ ] 役員・従業員への株式報酬について、募集から除外される取扱いの確認
プライム上場企業(時価総額5,000億円以上)
– [ ] SSBJ基準の対応スケジュール確認(自社の5事業年度末平均時価総額がどの区分か)
– [ ] GHG排出量の計測体制・バリューチェーン管理の整備着手
– [ ] 監査証明を受ける体制の検討(登録業者は監査法人に限られない)
暗号資産に投資している個人
– [ ] 自分の取引が国内の登録業者を通したものか確認(分離課税の対象になるかが分かれます)
– [ ] 登録業者を通さない取引について、特別控除・損益通算が使えなくなる影響の確認
– [ ] プロジェクト関係者・取引所関係者から未公表情報を受け取っていないかの自己点検
よくある誤解と注意点
誤解1:「暗号資産は有価証券になった」
正しくは「有価証券とは別の金融商品として金商法に位置付けられた」です。暗号資産は有価証券の定義(金商法第2条)に該当するものとはならず、新たな類型として金商法に規定される見込みです。
誤解2:「2026年7月23日から規制が始まる」
正しくは「公布日は2026年7月23日だが、暗号資産の金商法移管の施行日は政令で定められる別の日」です。公布日から直ちに業規制・インサイダー規制等が適用されるわけではありません。施行日は政令で指定され、2027年7月22日までに確定します。
誤解3:「2026年8月12日から、暗号資産の無登録業者は10年以下の拘禁刑になった」
正しくは「8月12日に引き上がったのは金商法の無登録営業罪であり、暗号資産の無登録業者にこれが及ぶのは移管の施行後」です。暗号資産取引業が金商法第29条の登録対象になるのは移管施行日からなので、それまでは資金決済法第107条(3年以下の拘禁刑・300万円以下の罰金)が適用されます。
誤解4:「暗号資産の税金が20%になるかどうかは、まだ決まっていない」
正しくは「税率と仕組みは法律で決まっており、決まっていないのは開始日だけ」です。令和8年法律第12号(2026年3月31日公布)が租税特別措置法に第38条の2を新設し、所得税15%・住民税5%の申告分離課税を定めています。開始は金商法改正法の施行日の属する年の翌年1月1日です。ただし国内の登録業者を通した取引に限られる点は見落とされがちです。
誤解5:「令和7年(2025年)の資金決済法改正と同じ改正だ」
正しくは別の法律です。近年の資金決済法改正(電子決済手段仲介の手当て等)とは目的・内容が異なり、令和8年法律第64号(本記事で解説)は暗号資産交換業の金商法移管が中心です。
誤解6:「既存業者は施行後すぐに廃業・業務停止となる」
正しくは施行後6か月の経過措置内に登録申請を提出すれば、処分があるまで業務を継続できます。これは「見込み」ではなく改正法の附則に書かれた確定事項です。ただし施行日から2年を経過すれば打ち切られます(附則第8条第2項ただし書)。申請書類・審査基準の詳細は政省令で確定するため、早期の準備が不可欠です。
FAQ
引き継がれません。改めて金商法第29条の登録を受ける必要があります。ただし改正法の附則第8条が経過措置を置いており、施行日から6か月間は登録なしで従来の業務を継続でき、その6か月以内に登録を申請していれば処分があるまで継続できます。上限は施行日から2年です(附則第8条第2項ただし書「ただし、施行日から起算して二年を経過したときは、この限りでない」)。これは政省令ではなく法律で確定した期限です。申請書類・審査基準の詳細は今後の内閣府令で確定します。
改正金商法第171条の7第2項が列挙しています。発行者側の決定としては、暗号資産の技術的仕様の変更、新たな発行・勧誘、関連サービスの提供の開始・休止・終了、業務提携やその解消、保守業務の廃止、発行者の解散。発生した事実としては、災害や業務遂行の過程で生じた障害、そして暗号資産取引業者による取扱いの開始・中止の決定です。株式でいう上場・上場廃止情報に当たるものが条文で明示されている点が実務上もっとも重要です。加えて「投資判断に著しい影響を及ぼす」事実を拾うバスケット条項が置かれます。
利用者側が直ちに刑事罰を受けるわけではありません。規制の対象は業者側です。移管後は無登録業者に10年以下の拘禁刑・1,000万円以下の罰金が科されます。さらに改正金商法第171条の15により、無登録業者が登録業者の扱っていない暗号資産を売り付けた場合、その契約は原則として無効となり、立証責任も業者側に転換されます。とはいえ無登録業者の利用は投資者保護の枠組みの外です。金融庁が公表する登録業者リストで確認してください。
税率と仕組みはすでに法律で決まっています。令和8年法律第12号(2026年3月31日公布)が租税特別措置法第38条の2を新設し、所得税15%・住民税5%の申告分離課税と、翌年以後3年間の繰越控除(第38条の3)を定めました。適用は金商法改正法の施行日の属する年の翌年1月1日からで、移管が2027年中に施行されれば2028年1月1日です。ただし対象は国内の登録業者を通した取引に限られます。海外業者やDEXでの取引は総合課税(原則として雑所得)のまま残ります。
東証プライム上場企業のうち、時価総額3兆円以上が2027年3月期から、3兆円未満1兆円以上が2028年3月期から、1兆円未満5,000億円以上が2029年3月期から適用される予定です(金融庁の説明資料による)。5,000億円未満の企業への適用時期は今後の検討事項とされています。時価総額は5事業年度末の平均値で算定することが内閣府令で規定される予定です。ただし、改正法の施行日は2027年4月1日で、附則第3条は施行日以後に開始する事業年度から適用するとしており、文言どおりなら3月決算企業の最初の対象は2028年3月期になります。この1年の差は本記事では確定できておらず、対象企業を指定する政令・内閣府令での確認が必要です。
改正金商法第2条第11項第2号により、暗号資産取引の仲介は金融商品仲介業に加えられます。一方、電子決済手段(ステーブルコイン等)の仲介は資金決済法に残り、現在の「電子決済手段・暗号資産サービス仲介業」から「電子決済手段サービス仲介業」へ改称されます。暗号資産の部分だけが金商法へ移る整理です。既存の仲介業の登録業者は、施行後の経過措置内に業務内容に応じた変更登録が必要となる見込みです。
金商法の無登録営業罪の引上げと、証券取引等監視委員会の犯則調査権限の追加です。無登録営業罪は第197条の2第1項(5年以下・500万円以下)から第197条第1項(10年以下・1,000万円以下)へ移され、量刑が2倍になりました。改正法の附則第1条第2号が「公布の日から起算して二十日を経過した日」と定めたことによります。金融庁も2026年7月29日の公表で施行日を令和8年8月12日と明示しました。ただしこれは金商法の登録を要する業種に対する罰則であり、暗号資産の無登録業者に及ぶのは移管が施行された後です。
経過措置を受ける4つの立場すべてが対象です。 附則第5条・第6条の対象者(無登録で行っていた者、暗号資産交換業の登録がない金融商品取引業者)には附則第7条が、附則第8条・第9条の対象者(現在の暗号資産交換業者、交換業と金商業の登録を両方持つ者)には附則第10条が、それぞれ届出義務を課しています。「2週間以内」という期限と「怠れば猶予が消える」という効果は共通ですが、届け出る中身は違います。附則第7条は商号・住所(金商業者は登録番号も)、業務の種別、取り扱っている暗号資産の名称の3項目。附則第10条はこれに加えて営業所の名称・所在地、役員の氏名・名称、業務の内容および方法などを含む6項目で、さらに取扱銘柄や業務方法を変えるときの事前届出も求められます(同条第3項)。
まとめ
令和8年法律第64号(2026年7月23日公布)は、暗号資産規制を「支払い手段の規制」から「金融商品の規制」へと根本的に転換する改正です。
法律ですでに確定している事項(2026年9月時点)
- 成立: 2026年7月15日 / 公布: 2026年7月23日(令和8年法律第64号)
- 2026年8月12日に施行済み: 金商法の無登録営業罪の引上げ(10年以下・1,000万円以下)、監視委の犯則調査権限の追加
- 2027年4月1日施行: サステナビリティ開示・監査証明の制度整備、スタートアップ支援(届出免除5億円)
- 移管と同じ政令指定日に施行: 有価証券の不公正取引規制の見直し(大量保有報告違反の課徴金70倍、他人名義取引への課徴金1.5倍、顧客財産管理人制度など)
- 2027年10月1日施行: 犯則調査手続のデジタル化
- 移管後の経過措置: 6か月の申請期限と、施行日から2年という業務継続の上限(附則第5条・第6条・第8条・第9条)
- 経過措置を受ける全員に課される施行日から2週間以内の届出(怠れば猶予が失われる。附則第7条・第10条)
- インサイダー取引規制の対象者3系統と重要事実の列挙(第171条の7〜第171条の10)
- 税制: 所得税15%・住民税5%の申告分離課税と3年繰越控除(令和8年法律第12号・租税特別措置法第38条の2、第38条の3)
まだ決まっていないもの
- 暗号資産移管の施行日——公布後1年以内の政令で定める日。2027年7月22日が上限で、2026年9月時点で政令は未公布
- 登録要件・審査基準・申請書類の詳細(内閣府令)
- 「一定の基準を満たさない暗号資産」の具体的要件(流動性・コンプライアンス・移転記録管理の基準を定める予定)
- 責任準備金の積立率、自己資本規制比率の具体的水準
- 情報公表の様式・記載事項、投資上限の具体的な金額(政令・内閣府令)
- サステナビリティ開示の対象企業の指定と細則
暗号資産交換業者・フィンテック事業者にとって、待つ理由はほとんど残っていません。経過措置の期限も、インサイダー情報として管理すべき事実の範囲も、すでに条文に書かれています。政省令の公布を待たずに、内部管理態勢の見直しとインサイダー情報管理体制の構築に着手してください。
個人投資家にとっては、「どの業者を使うか」が税額を左右する論点に変わります。国内の登録業者を通した取引だけが20%の分離課税の対象で、それ以外は総合課税(原則として雑所得)のまま残ります。
最新の状況は金融庁の国会提出法案等のページと報道発表資料でご確認ください。
出典
法律・条文
- 金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律(令和8年法律第64号・2026年7月23日公布)— 法律本文・附則: 金融庁「国会提出法案等」第221回国会
https://www.fsa.go.jp/common/diet/221/02/01.pdf(縦書きPDF)。テキストで読める同内容は衆議院の法律案本文https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/honbun/houan/g22109057.htm - 同法律案要綱
https://www.fsa.go.jp/common/diet/221/02/04.pdf— 課徴金の倍率(「一万分の七」「一・五を乗じて得た価格」)、施行期日の整理 - 本記事が参照した附則: 第1条(施行期日・全8号)、第3条(特定非財務情報の適用)、第5条〜第11条(暗号資産取引業の経過措置・届出・税制上のみなし)
- 審議経過・公布日・法律番号: 衆議院「議案審議経過情報」閣法第221回国会57号
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_gian.nsf/html/gian/keika/1DE278A.htm - 金融商品取引法(昭和23年法律第25号)第29条の4第2項(主要株主の定義)、第197条、第197条の2 — e-Gov法令検索 法令ID
323AC0000000025 - 会社法(平成17年法律第86号)第433条第1項 — e-Gov法令検索 法令ID
417AC0000000086 - 租税特別措置法(昭和32年法律第26号)第38条の2・第38条の3 — 令和8年法律第12号による改正、2028年1月1日施行版。e-Gov法令検索 法令ID
332AC0000000026 - 資金決済に関する法律(平成21年法律第59号)第107条 — e-Gov法令検索 法令ID
421AC0000000059
行政資料
- 金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案 説明資料」(2026年4月)
https://www.fsa.go.jp/common/diet/221/02/03.pdf— 施行期日一覧、業規制・インサイダー規制・サステナビリティ開示の段階適用 - 金融庁「令和8年金融商品取引法等改正(20日後施行)に係る政令の公布について」(2026年7月29日)
https://www.fsa.go.jp/news/r8/shouken/20260729/20260729.html - 財務省「令和8年度税制改正大綱」(2025年12月26日閣議決定)— 暗号資産の課税方式、適用開始日の考え方
- 国税庁「暗号資産に関する税務上の取扱いについて(情報)」2-2 暗号資産取引の所得区分(令和7年12月更新)
https://www.nta.go.jp/publication/pamph/pdf/virtual_currency_faq_03.pdf
本記事は法的助言ではありません。個別の事案については弁護士・税理士にご相談ください。

