開業時の届出チェックリスト2026年版|税務署・都道府県・社会保険の手続き一覧

本記事は法令・通達・官公庁資料に基づき編集部が作成・検証しています。個別の法的・税務判断ではありません。最新の法令はe-Gov法令検索でご確認ください。
開業時の届出チェックリスト2026年版|税務署・都道府県・社会保険の手続き一覧

開業後に「あの手続きを忘れていた」と気づくのは痛い。税務上の不利益を受けたり、社会保険の手続き漏れで従業員に迷惑をかけたりするケースは珍しくない。本記事は、個人事業主・法人設立それぞれの開業時に必要な届出を、期限つきで一覧化したチェックリストだ。

※ 個人事業主の開業届フロー(e-Tax手順)については別記事「開業届と青色申告申請は同時提出が正解」を参照。本記事は届出の全体像を網羅する補完記事。

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【個人事業主】届出一覧

税務署への届出

届出名 期限 重要度 備考
個人事業の開業・廃業等届出書 開業から1ヶ月以内 必須 e-Tax可能
所得税の青色申告承認申請書 開業日から2ヶ月以内(1/1〜1/15開業の場合は3/15まで) 強く推奨 65万円控除の前提条件。控除自体には別途、複式簿記での記帳とe-Tax申告(または電子帳簿保存)が必要
青色事業専従者給与に関する届出書 専従者給与を支払う年の3月15日まで(その年の1月16日以降に開業の場合は開業日から2ヶ月以内) 配偶者等を従業員にする場合
給与支払事務所等の開設届出書 開設から1ヶ月以内 従業員・専従者を雇う場合
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 随時 従業員9名以下の場合に推奨 半年に1回の納付が可能になる
消費税課税事業者選択届出書 適用を受けたい課税期間の初日前日まで 任意(インボイス登録事業者は要検討)
適格請求書発行事業者の登録申請書 随時 インボイス対応が必要な場合

ポイント:青色申告承認申請書の期限を絶対に逃さない
開業1年目から65万円控除を受けるには、開業日から2ヶ月以内の申請が必須。この期限を過ぎると、その年は白色申告しか選択できず、白色申告に特別控除はない(控除額0円)。

なお「10万円控除」は白色申告のものではない。65万円・55万円の要件を満たさない”青色申告者”が受けられる最下位の区分である(国税庁タックスアンサー No.2072)。青色申告特別控除の3区分は次のとおり。

控除額 主な要件
65万円 55万円の要件に加え、e-Tax による申告または電子帳簿保存
55万円 事業的規模+正規の簿記(複式簿記)+貸借対照表・損益計算書を期限内に添付提出
10万円 上記2つの要件を満たさない青色申告者

都道府県税事務所・市区町村への届出

届出名 提出先 期限 備考
事業開始等申告書 都道府県税事務所・市区町村 開業から1ヶ月以内(自治体により異なる) 個人事業税の申告のため

注意: 自治体によって書式・提出先が異なる。都道府県税事務所と市区町村の両方に提出が必要な場合もある。

社会保険・国民年金

手続き 提出先 期限 備考
国民健康保険への加入 市区町村 会社退職から14日以内 会社の健康保険喪失後
国民年金への種別変更 市区町村または年金事務所 14日以内 会社退職時
国民健康保険税(料)の減額申請 市区町村 随時 前年所得が低い場合

労働保険(従業員を雇う場合)

手続き 提出先 期限 備考
労働保険関係成立届 労働基準監督署 雇用開始から10日以内 最初にここへ。 建設業・農林水産業等(二元適用事業)は労災を労基署、雇用保険をハローワークへ個別に提出
労働保険概算保険料申告書 労働基準監督署 雇用開始から50日以内 概算保険料の納付も必要
雇用保険適用事業所設置届 ハローワーク 雇用開始から10日以内 労基署が受理した成立届の事業主控が添付書類。順序は労基署が先
雇用保険被保険者資格取得届 ハローワーク 雇用開始から翌月10日まで 対象:週20時間以上・31日以上雇用見込み

提出先を1か所と誤解しないこと。 労働保険の成立手続きは労働基準監督署とハローワークの両方で行いますが、同じ書類を2か所に出すのではありません。労基署には「保険関係成立届」、ハローワークには「雇用保険適用事業所設置届」と、別の書類を順番に提出します。ハローワークの手続きには労基署が受理した成立届の控えが要るため、順序を逆にすると手続きが進みません

【法人設立】届出一覧

法務局(設立登記)※最初に行う

手続き 期限 備考
設立登記申請 設立決議から2週間以内 法人格はここから発生

税務署への届出(設立登記後)

届出名 期限 重要度 備考
法人設立届出書 設立から2ヶ月以内 必須
青色申告の承認申請書 設立から3ヶ月以内または最初の事業年度終了日の前日のいずれか早い日まで 強く推奨
給与支払事務所等の開設届出書 開設から1ヶ月以内 役員報酬がある場合に必要
源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書 随時 従業員9名以下の場合に推奨
消費税に関する届出 状況による 課税事業者の場合

都道府県・市区町村

届出名 提出先 期限
法人設立届出書(法人事業税) 都道府県税事務所 設立から2ヶ月以内(自治体により異なる)
法人設立届出書(法人市民税) 市区町村 設立から2ヶ月以内(自治体により異なる)

年金事務所(社会保険)

手続き 期限 対象
健康保険・厚生年金保険新規適用届 設立から5日以内 法人は原則強制加入
健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届 設立から5日以内 役員・従業員全員
健康保険被扶養者(異動)届 設立から5日以内 扶養家族がいる場合

重要: 法人は代表取締役1人の場合でも社会保険の強制適用事業所。個人事業主と異なり、国民健康保険への加入は原則不可。

労働基準監督署・ハローワーク(従業員を雇う場合)

個人事業主と同様に、従業員を雇う場合は労働保険の手続きが必要。

開業後に忘れやすい「継続的な義務」

一度限りの届出だけでなく、毎年・定期的に行う義務も把握しておこう。

義務 頻度 対象
確定申告 毎年2/16〜3/15 個人事業主(全員)
法人税申告 事業年度終了から2ヶ月以内 法人
源泉所得税の納付 毎月10日(特例の場合:1/20・7/10) 従業員がいる場合
労働保険料の年度更新 毎年6月1日〜7月10日 従業員がいる場合。前年度の確定保険料と当年度の概算保険料を併せて申告・納付
社会保険の算定基礎届 毎年7月 法人・従業員5人以上の個人事業
雇用保険被保険者資格喪失届 退職日翌日から10日以内 従業員退職のつど

業種別に追加が必要な許認可

一般的な届出以外に、業種によっては許可・登録・届出が必要なケースがある。

業種 必要な許認可の例 所管
飲食業 食品営業許可 保健所
美容・理容業 美容所開設届 保健所
建設業(500万円以上) 建設業許可 都道府県または国土交通省
不動産業(仲介) 宅地建物取引業免許 都道府県
古物商(リサイクル等) 古物商許可 警察署
酒類販売 酒類販売業免許 税務署
訪問介護等 介護保険事業者指定 都道府県

まとめ・チェックリスト(個人事業主版)

開業時に最低限行うべき手続きを優先順位順にまとめた:

開業から2ヶ月以内(最優先):
– [ ] 税務署:開業届提出
– [ ] 税務署:青色申告承認申請書提出(期限厳守!)
– [ ] 市区町村:国民健康保険加入
– [ ] 市区町村:国民年金種別変更

従業員を雇う場合(雇用開始から10日以内):
– [ ] 労働基準監督署:労働保険関係成立届(先にこちら
– [ ] ハローワーク:雇用保険適用事業所設置届(労基署が受理した成立届の控えを添付)
– [ ] ハローワーク:雇用保険被保険者資格取得届(翌月10日まで)

随時対応(ビジネス状況に応じて):
– [ ] 税務署:適格請求書発行事業者登録(インボイス)
– [ ] 税務署:給与支払事務所等開設届(従業員・専従者への給与払い開始時)
– [ ] 業種別許認可の取得

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本記事は2026年4月時点の情報に基づいています。届出の書式・期限は自治体や改正により変わる場合があります。詳細は税務署・各行政窓口または税理士・社会保険労務士にご確認ください。

JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

本記事はAIが初稿を作成し、編集部が法令原文・官公庁通知・審議会資料等の一次情報と照合のうえ、内容を確認・編集しています。行政手続き・法改正・制度改正の実務情報を専門に扱う編集チームが、企業実務担当者・士業専門家向けに正確性の高いコンテンツを提供します。