口座売買したらどうなる?2026年改正で送金バイトも規制|犯罪収益移転防止法 罰則・逮捕事例・対処法

本記事は法令・通達・官公庁資料に基づき編集部が作成・検証しています。個別の法的・税務判断ではありません。最新の法令はe-Gov法令検索でご確認ください。
口座売買したらどうなる?2026年改正で送金バイトも規制|犯罪収益移転防止法 罰則・逮捕事例・対処法
目次

結論:口座売買は犯収法28条2項違反で「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」、2026年改正で送金バイトも新規制対象

口座・通帳・キャッシュカードの譲渡・貸与は犯収法28条2項、買取・受領は同条1項違反で、現行刑はいずれも1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(併科可)です。業として行えば犯収法28条3項で「3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(併科可)」と重くなります(2025年6月1日施行 改正刑法により従来の「懲役」は「拘禁刑」に統一)。2026年3月3日閣議決定の改正案では「送金バイト」も明文規制対象となり、法定刑引き上げが盛り込まれました。初犯でも逮捕例があり、警察接触後は48時間以内の弁護士相談+自首検討で執行猶予判決の可能性が残ります。

【重要】本記事は2026年5月12日時点の法令・公表情報に基づきます。個別の刑事事件における起訴・量刑判断は事案ごとに異なるため、最終的な判断は必ず弁護士・司法警察職員にご相談ください。


1. 「口座売買」の正確な定義と、なぜ犯罪になるのか

「口座を売る」と一口に言っても、犯収法では行為の態様によって複数の条文が適用されます。読者の多くは「使っていない口座を3万円で売っただけで、自分は何もしていない」と考えがちですが、法的にはその「売った瞬間」に犯罪が成立しています。

犯収法第28条第1項は、他人になりすまして預貯金契約に係る役務の提供を受ける(または第三者にさせる)目的で、預貯金通帳・キャッシュカード・暗証番号・インターネットバンキングのID等を譲り受け・交付・提供を受けた者(買主・受領側)を処罰します。同条第2項は、相手方に第1項の目的があることを知って、同じ物品・情報を譲り渡し・引き渡し・提供した者(売主・譲渡側)を処罰します。さらに、犯収法第28条第3項は、業として前2項の罪を犯した場合をより重く処罰します(3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金、または併科)。なお、犯収法第29条は資金移動業者(送金業者)の取引カード等に関する別類型であり、本記事の主題である預貯金通帳・カードの売買行為は28条系で完結します。

ポイントは2つあります。第一に、「相手が詐欺に使うと知らなかった」と主張しても、譲渡時点で「相手方に他人なりすまし目的があること」を未必的にでも認識していれば28条2項が成立するため、「闇バイトだから怪しいとは思った」という認識があった時点で故意が認定されやすい構造になっています。第二に、未遂罪ではなく、譲渡・貸与・受領した瞬間に既遂となります。買主が実際に詐欺に使う前であっても、口座を引き渡した時点で犯罪は完成しています。

弁護士視点:なぜ「貸しただけ」も犯罪なのか

「売っていない、貸しただけ」という弁解は、刑事実務ではほぼ通りません。犯収法28条2項は「譲渡・貸与」を並列で処罰しており、有償か無償かを問いません(無償でも他の構成要件に該当する可能性があります)。さらに、暗証番号やインターネットバンキングのIDだけを伝えた場合でも、犯収法28条2項の「これらに係る情報」に該当し処罰対象になり得ます。

銀行実務視点:通報フローは「自動」になっている

全国銀行協会(全銀協)のデータでは、口座の不正利用に伴う取引停止・強制解約の件数は2021年から2024年で約2.3倍に増加しています。これは検知システムの高度化と、金融機関の警察庁への情報共有が制度化されたためです。ATM出金パターン異常、複数県をまたぐ短時間連続入金、海外IPからのログインなど、複数のシグナルが揃えば金融機関は口座を凍結し、犯収法・全銀協ガイドラインに基づいて警察に通報します。


2. 行為別の罪名・罰則一覧表

「自分のケースはどれに該当するのか」を把握するために、6つの典型行為別に整理しました。いずれも初犯で逮捕・起訴された判例があります

行為類型 適用される主な条文 法定刑(現行) 量刑の傾向
自分の口座・通帳・カードを売る(譲渡側) 犯収法28条2項 1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金(またはこれを併科) 初犯・複数口座売却で執行猶予つき拘禁刑。常習・大量売却は実刑の例あり
自分の口座を貸す(無償・短期含む/譲渡側) 犯収法28条2項 同上 起訴猶予〜略式罰金〜執行猶予つき拘禁刑の幅。回数と被害との関連で重くなる
他人の口座を買う・受け取る(受領側) 犯収法28条1項 同上 業として行うと犯収法28条3項(3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金)または組織的犯罪処罰法・詐欺罪幇助の併合罪で重罰化
「送金バイト」(他人名義口座から自分の口座へ振込・出金して引き渡す) 詐欺罪幇助(刑法246条・62条)、組織的犯罪処罰法10条(マネー・ローンダリング)。2026年改正で犯収法上も明文化見込み 詐欺幇助は10年以下の拘禁刑、組織犯罪処罰法は5年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金 詐欺グループの「受け子」「出し子」兼任と認定されると、初犯・若年であっても実刑判決の例が複数報じられている(2023〜2025年の地方裁判所判例ベース)
他人になりすまして口座開設(代理開設・なりすまし) 犯収法27条・28条1項、私文書偽造罪(刑法159条) 犯収法27条違反は1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、私文書偽造は3年以下の拘禁刑 偽造身分証使用は実刑寄り
通帳・カードを譲り渡された者(買主・受領者の業として行う場合) 犯収法28条3項、犯罪収益等収受罪(組織的犯罪処罰法11条) 犯収法28条3項は3年以下の拘禁刑もしくは500万円以下の罰金(併科可)、収受罪は3年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金 大量受領・転売は実刑

重要な注記:送金バイト・「受け子」「出し子」を兼ねる行為は、口座売買単体と異なり、詐欺グループの実行行為に組み込まれた共犯として量刑が一段重くなります。2023〜2025年の特殊詐欺関連判決では、未成年・初犯の被告人が実刑判決(執行猶予なし懲役2〜4年程度)を受けた事例が複数報じられており、「口座貸すだけ」と「振込・出金する」の境界線を越えると、刑事リスクが大幅に増大します。

警察捜査視点:「業として」の認定はハードルが下がっている

警察庁の犯罪収益移転防止対策室(JAFIC)が公表する施行状況報告書では、口座関連犯罪の「業として」の認定範囲が拡大しています。1〜2件の譲渡でも、SNSで募集をかけていた事実・複数の買主とのやり取りログ・受領金額の累計などから「業として」と認定された事例があり、組織的犯罪処罰法の重い法定刑が適用される可能性があります。


3. 2026年改正案の3つのポイント

政府は2026年3月3日、犯罪による収益の移転防止に関する法律および関連法(刑事収益規制関連法)の改正案を閣議決定しました。同年6月の国会成立を目指しており(2026年5月12日時点)、施行は公布後1年以内とされる見込みです(要確認)。

ポイント1:「送金バイト」が犯収法の明文規制対象に

これまで「送金バイト」(自分の口座で振込を中継し手数料を受け取る行為)は、詐欺罪幇助・組織的犯罪処罰法のマネー・ローンダリング罪での立件が中心でした。改正案では、為替取引の手段として用いられる目的で他人名義口座から自己口座への振込・出金を行う行為を、犯収法上も新規の処罰類型として明記します。これにより、「詐欺と認識していなかった」という弁解の余地が一段と狭まります。

ポイント2:罰則の引き上げ

改正案では、犯収法28条の法定刑を「3年以下の拘禁刑または300万円以下の罰金」に引き上げる方向で調整されていると報じられています(未確定情報・一部報道ベース、最終条文は公布で確認)。現行の「1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金」から約3倍に強化されることになります。

ポイント3:金融機関の本人確認義務の強化と、口座開設時の身分証要件厳格化

改正案では、金融機関がオンラインで口座開設する際の本人確認(eKYC)について、なりすまし対策の強化が盛り込まれています。マイナンバーカードのICチップ読み取りを基本とし、身分証画像のアップロードのみの方式は段階的に廃止される方向です。これにより、現在多発している「他人名義での代理開設」が物理的に困難になります。

出典・参考
– 警察庁 犯罪収益移転防止対策室(JAFIC):https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/
– 警察庁 令和7年 犯罪収益移転防止法施行状況(2026年3月12日公表):https://www.npa.go.jp/news/release/2026/20260312001.html
– 金融庁 犯罪収益移転防止法ガイドライン:https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/hansyuhou.pdf
– 法務省(犯収法主管):https://www.moj.go.jp/
– 日本経済新聞 2026年3月3日「政府、犯収法改正案を閣議決定」:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD237MK0T20C26A3000000/
– e-Gov 法令検索(犯罪による収益の移転防止に関する法律):https://elaws.e-gov.go.jp/


4. バレる経緯と逮捕事例3パターン

「数年前のことだからもう大丈夫」という認識は誤りです。犯収法28条2項違反の公訴時効は3年ですが、口座が詐欺に使われた場合は詐欺幇助・組織的犯罪処罰法の容疑で時効がさらに長くなる可能性があります。実際の逮捕事例を3パターン整理します。

パターンA:金融機関の通報から発覚(最多パターン)

最も多いのは、売却した口座が詐欺の振込先として使われ、被害者の届出を受けた金融機関が凍結・警察通報するパターンです。警察は口座名義人(=売主)に対し、まず「お話を聞かせてください」と任意出頭を求めます。任意出頭で「貸しただけ」「売った相手はわからない」と説明しても、スマートフォンの通信ログ・暗号化メッセージアプリの履歴・銀行への売却金入金記録から客観的証拠が積み上がり、後日逮捕状が執行されるケースが目立ちます。

パターンB:詐欺グループの摘発から芋づる式に発覚

警察庁犯罪収益移転防止対策室(JAFIC)が公表する年次報告書では、口座ブローカー事件として複数の口座を有償譲渡した事例が継続的に報告されています(具体的な押収件数・被害総額はJAFIC令和7年年次報告書PDFを参照)。このような大規模摘発では、買主側のリスト・送金記録から売主側にも捜査の手が及び、売主側で「数年前に1度だけ売った人」も含めて家宅捜索・任意出頭・逮捕に至るケースがあります。

パターンC:家族・本人からの自首で立件

意外に多いのが、家族(親・配偶者)が異変に気付いて本人を説得し、警察に自首するパターンです。自首は刑法42条1項により刑が減軽される可能性のある事由として明文化されており、量刑判断で重要なプラス要素となります。後述する48時間対処フローでは、このパターンを目指します。

専門家視点:闇バイトの典型相場と転売構造

警察関係者の公表情報・摘発事例の分析では、闇バイトでの口座買取相場は1件3万円〜30万円程度です。買主はこれを詐欺グループに1件20万円〜75万円で転売し、詐欺グループは1口座あたり数百万円〜数千万円の振込を受けます。売主が受け取る3万円は、被害総額の数百分の1に過ぎず、リスクと報酬は完全に釣り合っていません。


5. やってしまった場合の48時間対処フロー

警察から「お話を聞きたい」と連絡が来た場合、あるいは「闇バイトに応じてしまったが、まだ捜査されていない」場合の対処手順です。最初の48時間の行動が、起訴・不起訴・略式罰金・執行猶予の分岐点になります。

ステップ1:警察からの連絡を受けたら(最初の2時間)

  1. 絶対に独自判断で警察署に行かない。任意出頭は弁護士同席で行うのが原則です。
  2. 連絡してきた警察官の氏名・所属(〇〇県警察〇〇署 生活安全課・刑事課等)・連絡先をメモする。
  3. 「弁護士と相談してから改めて連絡します」と伝え、その日中に弁護士を確保する。
  4. スマートフォンの通信ログ・SNS DM・暗号化メッセージアプリ(Telegram等)の履歴は絶対に削除しない。証拠隠滅罪・量刑加重要素になります。

ステップ2:弁護士相談(24時間以内)

刑事事件に対応している弁護士を探す方法は3つあります。

方法 連絡先 費用感
当番弁護士制度(逮捕後・1回無料) 各都道府県弁護士会 初回無料
法テラス(収入要件あり) https://www.houterasu.or.jp/ 0570-078-374 民事法律扶助の場合、立替方式
私選弁護士(刑事事件に強い事務所) 弁護士会の刑事弁護専門紹介、ネット検索 着手金30万〜70万円+成功報酬、計60万〜150万円が相場

弁護士相談時は、「いつ・誰に・いくらで・何を渡したか」「相手とのやり取り履歴」「現在の警察接触状況」を整理して伝えます。

ステップ3:自首または自主的出頭の検討(48時間以内)

「自首」と「自主出頭(任意出頭への応諾)」は、刑事実務では法的効果が大きく異なるため、混同に注意してください。

3-A:自首(刑法42条1項)— 警察接触前の場合

警察がまだ自分を被疑者として認知していない段階であれば、自首が有力な選択肢になります。刑法42条1項は「罪を犯した者が捜査機関に発覚する前に自首したとき」は刑を減軽できると規定しており、起訴猶予・略式罰金・執行猶予判決の可能性が高まります。ただし減軽は「任意的減軽」であり、必ず減軽されるわけではない点に注意してください。

3-B:自主的出頭(自首ではない)— 警察接触後の場合

既に警察が任意出頭を求めてきている=「発覚後」であり、この段階で警察署に出頭しても法律上の「自首」には該当しません(刑法42条の減軽は適用されない)。この場合に目指すのは、自首の減軽ではなく、(1) 弁護士同伴での自主的な事情聴取応諾による逃亡・証拠隠滅の意思がないことの示明、(2) 被害者への被害弁償・謝罪、(3) 家族による監督誓約書の提出による情状面での有利化です。これらは量刑判断・起訴猶予判断において評価され得る要素です。

ステップ4:家族への説明と被害弁償の検討(72時間以内)

  • 家族には弁護士同席で説明することで、感情的混乱を避けられます。
  • 被害が特定できる場合、被害弁償(または被害者への謝罪文)は量刑判断の最重要要素です。受領した数万円ではなく、口座が詐欺に使われたことによる被害額相当の弁償を検討します。
  • 振り込め詐欺救済法に基づく被害者救済プロセスにも協力姿勢を示すことが情状面でプラスになります(参考:振り込め詐欺救済法による被害回復分配金支払制度)。

6. 副業勧誘で応じてしまわないための見抜き方

「やってしまった人向け」ではなく、「これからやらされそうな人・家族が応じそうな人」向けの予防情報です。闇バイト勧誘の典型手口を5つ整理します。

手口1:「3万円で口座貸すだけ」「使ってない口座あればOK」

「貸すだけ」「使わない口座だから損しない」という言い回しは、犯収法28条2項違反を「単純作業」に見せかける典型ワードです。前述のとおり、貸与も有償・無償を問わず処罰対象です。「貸すだけ」で安全な口座取引は法的に存在しません

手口2:Telegram・Signalなど暗号化アプリでの連絡指定

「TwitterのDMからTelegramに移動して話そう」と誘導する勧誘は、証拠を残さないための定型手順です。逆に言えば、相手側は「あとで足が付いたら逃げるつもり」であることを意味します。正規の副業で暗号化メッセージアプリの専用利用を指定するケースは原則ありません

手口3:「身分証の写真を送って」(=なりすまし口座開設の入口)

口座を売るだけでなく、身分証の写真を相手に送ると「なりすまし新規口座開設」の素材として使われるリスクがあります。この場合、私文書偽造罪・犯収法27条違反の共犯・幇助として立件される可能性があり、罪が一段重くなります。身分証画像の送付は絶対NGです。マイナンバー・身分証画像の漏えいリスク全般は「個人情報保護法改正と漏えい対応」も参考にしてください。

手口4:「先払い」「即日入金」を強調する求人

正規の副業では、業務完了後に振込されるのが原則です。「先払い」「口座だけ用意してくれれば即日3万円」といった条件提示は、犯罪行為の対価を意味します。求人サイト・SNS広告で見かけた場合は通報先(警察庁ホットライン・各都道府県警察)を活用してください。

手口5:「家族には言わなくていい仕事」「マイナンバーは不要」

正規の雇用関係であれば、源泉徴収・年末調整の関係でマイナンバー提供が必要です。マイナンバー不要・家族や同居人に秘密で完結する仕事という前提自体が、業務委託でも雇用でもない「闇取引」であることを示すサインです。なお、副業がバレるしくみそのものは別記事「副業バレの仕組みと回避策」で詳しく解説しています。「家族に秘密で稼げる仕事」を装う勧誘の典型ロジックと、正規の副業がどのように家族・会社に把握されるかを比較しておくと、闇バイトの違和感に気付きやすくなります。

専門家視点:抑止力としての家族会話

警察庁の公表データでは、令和7年(2025年)の特殊詐欺被害額は3000億円を超え、その送金経路に「闇バイトで集められた口座」が大量に使われています。家族(特に未成年・大学生・若年社会人)に対し、「口座だけ貸して3万円」というLINE・DMが来たら必ず相談する、というルールを共有しておくことが、最も効果的な抑止策です。


7. FAQ

A

実際に初犯1件売却での逮捕・起訴例は複数存在します。ただし、警察・検察の運用としては、初犯・1件・売却額が少額・被害との関連が薄い場合、略式罰金(30万〜50万円程度)か、起訴猶予(不起訴)で終わるケースもあります。弁護士による被害弁償・反省文提出・家族の監督誓約書などの情状提出が結果を分けます。「絶対に逮捕されない」とも「必ず実刑になる」とも言えず、事案ごとの判断です(中程度の確信度、警察庁・各地方裁判所の公表判例ベース)。

A

執行猶予期間(通常2〜5年)中は、拘禁刑(自由刑)そのものが執行されない代わりに、期間中に別の犯罪で実刑判決を受けると、執行猶予が取り消され、本件と新規事件の刑が合算で執行されます。期間中は海外渡航・職業選択に大きな制約はありませんが、後述する就職への影響は別途残ります。

A

罰金以上の有罪判決を受けると前科が記録されます。前科は犯罪人名簿(市町村)と検察庁の前科調書に記録されますが、履歴書に「前科」を記載する法的義務はありません(質問されて虚偽回答すると別問題)。ただし、警備員・宅地建物取引士・弁護士・公務員など、欠格事由として明記される職業では一定期間就けません。一般企業の中途採用では原則影響しませんが、金融機関・士業事務所・公的機関の採用ではバックグラウンドチェックでわかる場合があります

A

法的には連帯責任を負うことはありません(民事上、家族が口座売買行為に直接関与していない場合)。ただし、未成年が口座売買した場合は親権者の監督責任が問われる場面があり、被害者から民事の損害賠償請求が親に届くケースもあります。また、家族の社会的影響として、逮捕報道での氏名公表・職場での評判が現実的な問題になります。

A

来る可能性が高いです。口座売主は、口座を通じて行われた詐欺の被害について、民事上の不法行為責任(民法709条)を負い得ます。判例では、「口座を売却した時点で、その口座が詐欺等に使われることを認識していた・容易に認識できた」と判断されれば、被害者に対する損害賠償義務(連帯責任)を負うこともあります。受領した3万円のために、数百万〜数千万円の賠償を負うリスクが現実にあります。

A

売却・関与した口座は強制解約が原則で、解除はほぼ不可能です。さらに、全銀協の本人特定事項に関する情報(不正利用者情報)として共有され、新たな口座開設が長期間(一般に概ね5年程度とされますが運用は金融機関ごと)難しくなる事実上の「銀行ブラックリスト」状態になります。住宅ローン・クレジットカード審査にも影響が出る可能性があります。

A

優先順位は次のとおりです。(1) 弁護士確保(24時間以内)→ (2) 取り調べ対応方針の確定 → (3) 任意出頭または逮捕後の弁護方針 → (4) 被害弁償・反省文・家族監督誓約書の準備警察官から「弁護士は不要」「正直に話せば軽くなる」と言われても、必ず弁護士に相談してから対応してください。被疑者には黙秘権・弁護人選任権(憲法38条・刑事訴訟法198条)が保障されています。


8. まとめ:「3万円のために人生を賭けない」ための実務的な判断軸

口座売買は、犯収法28条2項違反として現行で1年以下の拘禁刑または100万円以下の罰金、2026年3月3日閣議決定の改正案により送金バイトも明文化・罰則引き上げが見込まれる犯罪です。初犯でも逮捕例があり、起訴された場合の量刑は被害規模・反省態度・被害弁償の有無で大きく振れます。

「使っていない口座だから売っても損しない」「貸すだけだから大丈夫」という認識は、法的にも実務的にも誤りです。受け取る数万円に対し、刑事罰・前科・民事賠償・銀行ブラックリストという人生規模の代償が伴います。

すでに応じてしまった方は、警察接触後の48時間で弁護士を確保し、自首・被害弁償・情状資料準備という法的に評価される行動を取ることで、執行猶予・略式罰金・起訴猶予の可能性が残ります。家族・友人がリスクに晒されている方は、「3万円で口座貸して」というLINE・DMが来たら必ず相談するという家族ルールを共有してください。

このページの情報は2026年5月12日時点の公表情報に基づいており、改正案の最終条文・施行日は公布で確認する必要があります。個別案件の刑事責任判断は、必ず刑事事件に対応している弁護士にご相談ください。


参考法令・一次ソース

  • 犯罪による収益の移転防止に関する法律(犯収法)第27条・第28条:e-Gov 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/
  • 金融機関等による顧客等の本人確認等及び預金口座等の不正な利用の防止に関する法律:e-Gov 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/
  • 振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払等に関する法律):e-Gov 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/
  • 組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律(組織的犯罪処罰法):e-Gov 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/
  • 刑法第246条(詐欺罪)・第62条(幇助)・第42条(自首)・第159条(私文書偽造):e-Gov 法令検索 https://elaws.e-gov.go.jp/
  • 警察庁 犯罪収益移転防止対策室(JAFIC):https://www.npa.go.jp/sosikihanzai/jafic/
  • 警察庁 令和7年 犯罪収益移転防止法施行状況報告書(2026年3月12日公表):https://www.npa.go.jp/news/release/2026/20260312001.html
  • 金融庁 犯罪収益移転防止法ガイドライン:https://www.fsa.go.jp/common/law/guide/hansyuhou.pdf
  • 法務省(犯収法主管):https://www.moj.go.jp/
  • 日本経済新聞 2026年3月3日「政府、犯収法改正案を閣議決定」:https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUD237MK0T20C26A3000000/
  • 法テラス(日本司法支援センター):https://www.houterasu.or.jp/

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免責事項:本記事は2026年5月12日時点の法令・公表情報に基づく一般的な解説であり、個別具体的な事案への法的助言ではありません。実際に警察から連絡を受けた、あるいは口座売買に関与してしまった場合は、必ず弁護士(特に刑事事件対応経験のある弁護士)にご相談ください。法テラス(0570-078-374)または各都道府県弁護士会の刑事弁護当番窓口がご利用いただけます。

JG

実務ガイド編集部

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