地方税法改正2026|個人住民税・固定資産税・ふるさと納税の変更点と実務対応

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地方税法改正2026|個人住民税・固定資産税・ふるさと納税の変更点と実務対応
目次

最終更新日: 2026-05-13

令和8年法律第2号「地方税法等の一部を改正する法律」が2026年(令和8年)3月31日に公布され、4月1日から施行された(一部規定は別途施行)。個人住民税では令和9年度(2027年度)分から扶養控除・配偶者控除の所得要件が「合計所得58万円以下→62万円以下」に引き上げられる一方、住民税の基礎控除43万円は据え置かれた点が最大の論点である。固定資産税については、2026年度(令和8年度)は「第三年度」にあたり評価額は原則据え置き(地方税法第341条第6号)。直近の基準年度は令和6年度(2024年度)であり、次の基準年度(評価替え)は令和9年度(2027年度)となる。住宅用地特例(200㎡以下は1/6課税)と負担調整措置は継続する。ふるさと納税は2025年10月1日以降、ポータルサイトによるポイント付与が禁止された運用が継続中で、寄附先の選び方が変わった。本記事では、内閣法制局公布法律一覧および総務省地方税制ページの公表情報に基づき、個人・法人・不動産所有者・寄附者それぞれの実務対応を整理する。


結論ブロック(先に知りたい人向け)

  • 住民税の基礎控除は据え置き(43万円)。所得税の62万円+特例42万円引上げは住民税には連動しない。
  • 2026年6月給与天引き開始の住民税は2025年(令和7年)所得ベース。1月1日住所地の自治体が課税。
  • 固定資産税の2026年度(令和8年度)は「第三年度」(評価額据え置き年)。直近の評価替えは令和6年度(2024年度)、次の基準年度(評価替え)は令和9年度(2027年度)。住宅用地特例・負担調整は継続。
  • ふるさと納税のポイント付与は2025年10月1日以降禁止。返礼品3割・地場産品ルールは継続。
  • 配偶者・扶養控除の所得要件引上げ(58→62万円)は令和9年度分(2027年6月~)住民税から適用

§1 改正の核心(3行サマリ)

  1. 住民税の基礎控除は所得税と切り離されて43万円のまま据え置き、扶養・配偶者控除の所得要件のみ4万円引上げ(令和9年度適用)。
  2. 固定資産税の2026年度(令和8年度)は「第三年度」(評価額据え置き年)。直近の基準年度は令和6年度(2024年度)、次の基準年度は令和9年度(2027年度)。住宅用地特例(1/6・1/3)と負担調整措置は継続適用。
  3. ふるさと納税はポータルポイント付与禁止(2025年10月~)が継続、控除上限・3割ルールは従来どおり。

根拠: 令和8年法律第2号 地方税法等の一部を改正する法律(2026年3月31日公布、内閣法制局公布法律一覧)/令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)/総務省地方税制ページ


§2 個人住民税の変更点

§2-1 住民税の課税構造(基本のおさらい)

個人住民税は「均等割」と「所得割」で構成され、市町村民税と道府県民税(東京都は都民税)の合算で課税される。所得税が「現年所得課税」であるのに対し、住民税は前年1月1日~12月31日の所得に基づく翌年度課税である点が最大の特徴。

区分 標準税率(合計) 内訳
所得割 10% 市町村民税6%+道府県民税4%
均等割 5,000円 市町村民税3,000円+道府県民税1,000円+森林環境税1,000円(国税・市町村代行徴収)

実務上の注意: 均等割5,000円の内訳は「市町村民税3,000円(地方税法第310条)+道府県民税1,000円(地方税法第38条)+森林環境税1,000円(国税・森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律第7条)」。森林環境税は道府県民税ではなく国税であり、市町村が住民税と一括して代理徴収している。納税通知書では「森林環境税1,000円」が別行で表示される。なお、東日本大震災復興特別税(各500円加算)は2023年度で終了しており、2024年度以降は上記の内訳が適用されている。

根拠: 地方税法第38条・第310条(令和8年4月1日現在)、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律第7条

§2-2 改正前後の主要項目

令和8年法律第2号による個人住民税の主な改正点は、所得税法改正に連動する「人的控除の所得要件引上げ」に限られる。基礎控除そのものは据え置かれた点に注意。

項目 改正前(令和8年度まで) 改正後(令和9年度~)
基礎控除(本則) 43万円(合計所得2,400万円以下) 43万円(据え置き)
配偶者控除の所得要件 配偶者の合計所得58万円以下 62万円以下に引上げ
扶養控除の所得要件 扶養親族の合計所得58万円以下 62万円以下に引上げ
特定親族特別控除の所得要件 19~22歳の子の年収123万円超基準 年収150万円までは63万円控除(連動調整)
給与所得控除(最低保障) 65万円 65万円(住民税は据え置き)
所得割税率 10% 10%(据え置き)
均等割(森林環境税含む) 5,000円 5,000円(据え置き)

【最重要】住民税の基礎控除は所得税と連動しない——所得税は令和8年分から本則62万円+特例最大42万円に大幅引上げされたが、住民税はあくまで43万円据え置き。これは「住民税は応益課税の性格が強く、広く薄く負担する」考え方によるもの。給与計算実務では、源泉徴収簿の所得税控除額と住民税計算の基礎控除額を混同しないよう留意。

根拠: 地方税法第34条・第314条の2(令和8年法律第2号による改正後)、令和8年度税制改正の大綱

§2-3 適用時期の注意点

改正項目 適用時期 給与天引き反映時期
配偶者・扶養控除の所得要件引上げ 令和9年度分住民税 2027年6月支給分~2028年5月支給分
基礎控除・所得割税率 据え置き (変更なし)

2026年6月給与天引きから始まる住民税は、2025年(令和7年)の所得に対する課税である。改正による減税効果(配偶者・扶養控除要件引上げ)が給与天引きに反映されるのは2027年6月以降である点を、給与計算担当者・人事担当者は社内周知する必要がある。


§3 固定資産税(2026年度の位置づけと実務対応)

§3-1 2026年度は「第三年度」——評価額据え置き、次の評価替えは2027年度

固定資産税の評価額は地方税法第341条第6号(「基準年度」の定義)により、昭和33年度(1958年度)を起点として3年に1度の「基準年度」に全面見直し(評価替え)が行われる。

直近の基準年度と今後の周期は次のとおりである。

年度 位置づけ 主な動向
令和3年度(2021) 基準年度(評価替え) コロナ禍を踏まえ商業地等は特例で据え置き措置
令和4年度(2022) 第二年度(据え置き) 負担調整による課税標準のみ調整
令和5年度(2023) 第三年度(据え置き) 負担調整のみ
令和6年度(2024) 基準年度(評価替え) 全国的な地価上昇傾向を反映
令和7年度(2025) 第二年度(据え置き) 負担調整のみ
令和8年度(2026) 第三年度(据え置き) 評価額は令和6年度の評価額を原則維持
令和9年度(2027) 基準年度(次の評価替え) 2027年4月以降届く課税明細書で評価額変動
令和10・11年度 据え置き予定 負担調整のみ

重要: 2026年度(令和8年度)は評価替えの年ではなく「第三年度」(据え置き年)です。評価額は令和6年度(2024年度)に実施した評価替えの数値が原則として継続適用されます。次の評価替え(基準年度)は令和9年度(2027年度)です。2027年春に届く課税明細書で評価額が変動する可能性があるため、今から準備しておくことが重要です。

根拠: 地方税法第341条第6号(基準年度の定義)、地方税法第349条(令和8年4月1日現在)

§3-1-bis 2027年度評価替えに備えるポイント

2026年度は据え置き年のため今年の固定資産税額はほぼ前年踏襲だが、2027年度(令和9年度)の評価替えに向けた実務準備を行うことが重要である。

確認事項 時期 内容
現在の評価額の把握 2026年4~5月(今年の課税明細書) 令和6年度評価替えで確定した評価額を記録しておく
地価動向の把握 2026年通年 公示地価(毎年3月)・基準地価(毎年9月)で動向確認
2027年度課税明細書の受取 2027年4~5月 評価替え後の新評価額と課税標準額を令和6年度と比較
異議申立ての期限確認 2027年6月頃 評価額に疑問がある場合、納税通知書受取から3ヶ月以内に審査申出

§3-2 住宅用地特例(継続)

居住用建物の敷地として使われている土地は、課税標準が大幅に軽減される。令和8年法律第2号でこの特例の変更はなく継続適用となる。

区分 課税標準額 都市計画税の課税標準
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 評価額×1/6 評価額×1/3
一般住宅用地(200㎡超の部分) 評価額×1/3 評価額×2/3

実務ポイント: 1月1日時点で住宅が建っていることが要件。同年中に住宅を取り壊して更地にすると、翌年度から特例が外れ課税額が一気に3~6倍になるケースがある。建替えの場合は「住宅用地の特例継続申告」を市町村に提出すれば一定要件下で継続可。

根拠: 地方税法第349条の3の2(住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例)

§3-3 商業地等の負担調整措置

商業地等(住宅用地以外の宅地)については、評価額の急変緩和のため負担調整措置が設けられている。負担水準=(前年度課税標準額÷当年度評価額)×100(%)が一定の閾値と比較され、緩やかに課税標準を引き上げる仕組みで、令和8年度も継続。

負担水準 課税標準額
70%超 評価額×70%(上限で固定)
60%以上70%以下 前年度課税標準額と同額(前年と変わらず)
60%未満 前年度課税標準額+(評価額×70%)×5%(段階的引上げ)

計算式の見方: 「負担水準」は閾値(70%・60%)であり、負担水準の計算式そのものに70%は含まれません。「前年課税標準÷当年評価額×100」が負担水準(%)であり、それが70%超か60%未満かを判定します。

根拠: 地方税法附則第18条等(令和8年4月1日現在)

§3-4 新築住宅の減額特例

新築住宅は建物部分の固定資産税が一定期間軽減される。令和8年度大綱で延長措置が継続予定(要施行確認)。

住宅種類 軽減期間 軽減割合
一般の新築住宅 当初3年度分 床面積120㎡相当分まで1/2減額
長期優良住宅(一戸建) 当初5年度分 床面積120㎡相当分まで1/2減額
長期優良住宅(マンション等) 当初7年度分 床面積120㎡相当分まで1/2減額

根拠: 地方税法附則第15条の6(令和8年4月1日現在)

注意: 軽減期間終了の翌年度から税額が2倍前後に跳ね上がる。「築4年目で固定資産税が急に上がった」のは多くがこのパターン。住宅ローン返済計画と合わせて軽減終了時期を確認しておくこと。


§4 ふるさと納税の変更点

§4-1 ポイント付与禁止(2025年10月施行)の継続

総務省告示の改正により、2025年10月1日以降、ふるさと納税ポータルサイトが寄附者に対しポイント等の経済的利益を付与する募集方法は禁止された。令和8年度に入っても同ルールは継続適用されている。

区分 2025年9月30日まで 2025年10月1日以降(現行)
ポータル独自ポイント還元 各社競争で最大10%超 禁止
返礼品の調達額基準 寄附額の30%以下 30%以下(継続)
返礼品+送料等の経費合計 寄附額の50%以下 50%以下(継続)
地場産品基準 自治体内産品 自治体内産品(継続)

根拠: 「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」総務大臣告示第179号、総務省ふるさと納税ポータル

【実務ポイント】寄附者目線の変化: ポイント還元競争がなくなったことで、寄附者は「ポータルサイトの還元率」より「返礼品そのものの魅力」と「自治体の取り組み」で選ぶ動機が強まる。年末駆け込みの寄附パターンには変化なし。

§4-2 控除上限の最新値(2026年度)

寄附金税額控除の上限は「住民税所得割額の概ね20%(特例分の上限)」であり、控除上限額の目安は所得・家族構成に応じて変動する。

年収 独身または共働き 夫婦(配偶者控除あり) 夫婦+子1人(高校生)
300万円 約28,000円 約19,000円 約11,000円
500万円 約61,000円 約49,000円 約40,000円
700万円 約108,000円 約86,000円 約76,000円
1,000万円 約180,000円 約171,000円 約160,000円
1,500万円 約389,000円 約380,000円 約370,000円

※ 社会保険料控除・iDeCo・医療費控除等の他控除の有無により個別に増減する。正確な上限額は総務省ふるさと納税ポータルのシミュレーターで確認すること。

【令和10年度(2028年度)分からの上限キャップ新設】 令和8年度税制改正大綱(pp.32)により、令和10年度分以後の個人住民税について、特例控除額の上限に絶対的キャップが設定される。具体的には、特例控除額が「住民税所得割額の20%」か「道府県民税77.2万円・市町村民税115.8万円(指定都市住所者は道府県38.6万円・市町村154.4万円)」のいずれか低い金額に制限される。超高所得者(年収概ね2,500万円超程度)には影響が生じるが、上表の年収1,500万円以下の範囲では実務上の変化は限定的(同大綱pp.32)。

根拠: 総務省ふるさと納税ポータル「寄附金控除額の計算シミュレーション」、地方税法第37条の2・第314条の7、令和8年度税制改正大綱pp.32

§4-3 控除の仕組み(おさらい)

ふるさと納税の控除は「所得税の所得控除」「住民税の基本控除」「住民税の特例控除」の3層構造で、自己負担2,000円を超える部分がワンストップ特例または確定申告により控除される。

控除区分 計算式
所得税分(所得控除) (寄附額-2,000円)×所得税率
住民税分(基本控除) (寄附額-2,000円)×10%
住民税分(特例控除) (寄附額-2,000円)×(90% - 所得税率×1.021)

根拠: 地方税法第37条の2第2項(特例控除)、所得税法第78条第2項


§5 法人住民税・事業税の改正(中小事業者向け簡略整理)

§5-1 法人住民税

項目 改正前 令和8年度以降
法人税割(道府県・市町村合計) 標準税率7.0% 7.0%(据え置き)
均等割(資本金1,000万円以下) 70,000円 70,000円(据え置き)

§5-2 法人事業税(外形標準課税の範囲見直し)

令和7年度税制改正で開始された外形標準課税の対象法人見直しが令和8年度も段階適用される。資本金1億円以下でも、資本金+資本剰余金10億円超の100%子会社等は外形対象化される(経過措置あり)。

根拠: 地方税法第72条の2の見直し(令和7年度・8年度改正)

§5-3 中小企業の少額減価償却資産特例

取得価額30万円未満の少額減価償却資産を取得した中小企業者等は、合計300万円までを取得年度に全額損金算入できる特例が継続。地方税の課税標準(償却資産税)にも反映される。令和8年度大綱で2年間延長予定(要施行確認)。

根拠: 租税特別措置法第67条の5、地方税法附則第15条の40等


§5-bis 自動車税・軽自動車税の主な変更(令和8年4月1日以降)

§5-bis-1 環境性能割の廃止

令和8年度税制改正大綱(pp.93〜)に基づき、自動車税環境性能割および軽自動車税環境性能割は令和8年3月31日をもって廃止された。令和8年4月1日以降に取得する自動車・軽自動車への環境性能割の課税は行われない。

これに伴い、税の名称も改称される。

改称前(〜令和8年3月31日) 改称後(令和8年4月1日〜)
自動車税種別割 自動車税
軽自動車税種別割 軽自動車税

実務ポイント: 令和8年4月1日以降に新車・中古車を取得した場合、環境性能割(取得価額に応じた0〜3%の課税)は不要となる。ただし自動車税(旧:種別割)は継続して年1回課税される。

§5-bis-2 グリーン化特例の延長

自動車税・軽自動車税のグリーン化特例(電気自動車等の低排出・低燃費車に対する軽減措置)は2年間延長される予定(令和8年度大綱・要施行確認)。

§5-bis-3 軽油引取税の「当分の間税率」の廃止

軽油引取税について、従来「当分の間税率」として上乗せされていた特例税率が廃止される(令和8年4月1日施行予定・詳細は施行通知で確認)。

根拠: 令和8年度税制改正大綱pp.93〜98


§6 年収帯別 住民税シミュレーション(2026年度)

以下はモデルケースのおおよその年税額。社会保険料控除・生命保険料控除・iDeCo・住宅ローン控除等で個別変動する。

§6-1 独身・給与所得者(東京都23区在住・標準税率)

前提条件: 協会けんぽ(東京都)の標準報酬に基づく社会保険料概算(健保+厚生年金+雇用保険)、iDeCo・住宅ローン・生命保険料控除等は未反映。

年収 給与所得控除後 社保控除概算 基礎控除 課税所得 所得割 均等割 住民税合計
300万円 202万円 約45万円 43万円 約114万円 約114,000円 5,000円 約119,000円
500万円 356万円 約72万円 43万円 約241万円 約241,000円 5,000円 約246,000円
700万円 520万円 約104万円 43万円 約373万円 約373,000円 5,000円 約378,000円
1,000万円 805万円 約160万円※ 43万円 約602万円 約602,000円 5,000円 約607,000円

※年収1,000万円ケースの社保控除概算:協会けんぽ東京都(標準報酬上限)の健康保険料約83万円+厚生年金保険料約71万円+雇用保険料約6万円=合計約160万円。標準報酬月額の上限(健保139万円・厚生年金65万円)があるため、年収が上がっても社保料は上限に頭打ちとなる。なお、§4-2のふるさと納税上限表とは異なるモデル前提のため直接比較は不可。

§6-2 夫婦(配偶者控除あり)・子1人(中学生)

前提条件: 基礎控除43万円+配偶者控除33万円+社保控除(§6-1同率概算)。住民税では中学生(15歳以下)は扶養控除の対象外(平成24年度以降、年少扶養廃止)のため子の扶養控除はゼロ。

年収 給与所得控除後 所得控除合計 課税所得 住民税合計
300万円 202万円 約121万円 約81万円 約86,000円
500万円 356万円 約148万円 約208万円 約213,000円
700万円 520万円 約180万円 約340万円 約345,000円
1,000万円 805万円 約236万円 約569万円 約574,000円

※所得控除合計は「社保控除+基礎43万円+配偶者33万円」で計算(中学生の扶養控除はゼロ)。所得税の課税最低限178万円とは別計算となるため、所得税ゼロでも住民税課税が発生する年収帯(おおむね100万~103万円超)がある点に留意。

根拠: 地方税法第34条・第314条の2(人的控除額)、令和8年度税制改正の大綱


§7 申告・納税のタイムライン(2026年)

時期 個人住民税 固定資産税
2026年1月1日 賦課期日(住所地で課税確定) 賦課期日(土地・家屋所有者で課税確定)
2026年3月15日 確定申告期限(前年所得申告)
2026年4月~5月 課税明細書送付(2026年度は据え置き年のため評価額は令和6年度と同額が原則)
2026年5月~ 特別徴収税額通知書 → 6月から給与天引き開始 第1期納期(多くの自治体で6月末)
2026年6月 2026年度住民税の給与天引き開始(2025年所得ベース)
2026年9月・12月・2027年2月 普通徴収納期(自営業者等) 第2期~第4期納期
2027年6月 令和9年度住民税の給与天引き開始(配偶者・扶養控除要件引上げ反映)
2027年4月~5月 令和9年度が次の評価替え(基準年度)——課税明細書で評価額変動を確認

§8 FAQ

A

A. 下がりません。 所得税の基礎控除は本則62万円+特例最大42万円に引き上げられましたが、住民税の基礎控除は本則43万円のまま据え置きです。住民税で改正されるのは配偶者控除・扶養控除の所得要件のみ(58万円→62万円、令和9年度適用)で、本人の課税自体は所得税ほど大きく軽減されません。詳細は年収の壁178万円・基礎控除引上げの所得税改正解説記事もあわせてご覧ください。

A

A. 前年1月1日~12月31日の所得です。 2026年6月から給与天引きされる住民税(2026年度分)は、2025年(令和7年)中の所得に対する課税となります。賦課期日は1月1日で、その日に住民票がある市町村が課税権を持ちます。年の途中で引っ越しても、1月1日時点の住所地で1年分課税される点に注意。

A

A. 2026年度(令和8年度)は評価替えの年ではありません。 地方税法第341条第6号により、基準年度は昭和33年度を起点に3年ごとに到来します。直近の基準年度は令和6年度(2024年度)であり、次の基準年度(評価替え)は令和9年度(2027年度)です。2026年度は「第三年度」にあたり、評価額は令和6年度の数値を原則として据え置いて課税されます。4月以降に届く課税明細書の評価額が令和6年度の明細書と一致していることを確認してください。なお、評価額が据え置かれていても、負担調整措置により課税標準額(実際の課税ベース)はわずかに変動する場合があります。

A

A. ポータルサイトの還元競争が終わり、寄附先の選び方が「返礼品+自治体の魅力」中心に変わりました。 2025年10月1日以降、楽天ふるさと納税やふるさとチョイス等のポータルが独自に寄附者へポイントを付与することは禁止されています(総務大臣告示第179号)。返礼品の調達額3割以下、地場産品基準、ワンストップ特例の制度自体は従来どおり継続。ふるさと納税の控除上限額試算はふるさと納税上限シミュレーション解説記事を参照してください。

A

A. 新築住宅の減額特例(建物部分1/2減額)の期間終了が主な原因です。 一般の新築住宅は当初3年度分、長期優良住宅は5年度分(戸建)または7年度分(マンション)に限り建物部分の固定資産税が1/2に減額されますが、期間終了後は本則税額に戻ります。約2倍に跳ね上がるのが通常です。なお、2026年度は固定資産税の据え置き年(評価替えは令和9年度)のため、今年の評価額上昇による急増はほぼないはずです。住宅ローン返済計画と合わせて減額特例の終了時期を把握しておくことが重要です。

A

A. 使えます。 取得価額30万円未満の少額減価償却資産について、中小企業者等は合計300万円までを取得年度に全額損金算入できる特例があり、地方税の償却資産税(固定資産税)の課税標準にも反映されます。令和8年度税制改正大綱でも2年間延長される方針が示されました(詳細は施行通知で確認)。

A

A. 住民税は「応益課税(受益に応じた負担)」の性格が強く、広く薄く負担する考え方が基本にあるためです。 所得税が「応能課税(能力に応じた負担)」を強めて課税最低限を178万円まで引き上げたのに対し、住民税は地方自治体の安定財源確保の観点から基礎控除引上げを見送りました。これにより、所得税はゼロでも住民税は課税されるという「住民税の壁」が今後も継続します。

A

A. 通常は年4期(6月・9月・12月・2月の月末頃)に分けて納付しますが、自治体により異なります。 一括前納も可能で、口座振替・コンビニ払い・クレジットカード・QRコード決済(PayPay請求書払い等)に対応する自治体が増加中。納税通知書記載の納期限を必ず確認してください。


§9 まとめ・アクションチェックリスト

個人(給与所得者)向け

  • [ ] 2026年6月給与明細で住民税額が前年と大きく変わっていないか確認(基礎控除据え置きのため大幅な減税はない)
  • [ ] 配偶者・扶養親族の年収が62万円ライン(給与収入117万円相当:62万円+給与所得控除最低保障55万円)に近い場合、令和9年度分(2027年6月~)の控除拡大を想定して家計設計
  • [ ] ふるさと納税は2026年12月末までに寄附完了で2026年所得分の控除対象。ポイント目当てではなく返礼品・自治体重視で選ぶ
  • [ ] 1月1日時点の住所変更(引っ越し)は住民税の課税自治体に影響

不動産所有者向け

  • [ ] 2026年4~5月に届く固定資産税課税明細書で「評価額・課税標準額・税額」の3項目を記録(2026年度は据え置き年のため評価額は令和6年度と同額が原則
  • [ ] 住宅用地が200㎡を境にどう区分されているか確認(1/6特例の範囲)
  • [ ] 新築住宅の減額特例(3年・5年・7年)の終了年を把握
  • [ ] 住宅取り壊し・更地化は1月1日を跨ぐ前に税務影響を確認(特例喪失で税額3~6倍化リスク)
  • [ ] 令和9年度(2027年度)が次の評価替え年——2026年中の公示地価・基準地価を確認し、所有地の評価額変動リスクを事前把握
  • [ ] 不動産譲渡所得税の解説記事も合わせて確認

法人・個人事業主向け

  • [ ] 外形標準課税の対象範囲見直し(資本金1億円以下でも対象化の可能性)を確認
  • [ ] 少額減価償却資産特例(30万円未満・年300万円まで全額損金)の活用検討
  • [ ] 償却資産申告(1月31日まで)の準備

出典・参考法令一覧

  • 令和8年法律第2号 地方税法等の一部を改正する法律(2026年3月31日公布、2026年4月1日施行・一部別途)
  • 内閣法制局 公布法律一覧: https://www.clb.go.jp/recent-laws/promulgation_law/id=5122
  • 地方税法 (e-Gov法令検索 LawID: 325AC0000000226)
  • https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
  • 令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)
  • 総務省 地方税制ページ: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/
  • 総務省 ふるさと納税ポータルサイト: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/
  • 総務大臣告示第179号「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」(2024年6月改正、2025年10月施行)
  • 森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律

免責事項: 本記事は令和8年法律第2号公布時点(2026年3月31日)および本記事公開日(2026-05-13)時点の情報に基づきます。施行通知・条例改正・実務通達により取り扱いが変わる可能性があるため、個別案件は所轄市町村税務課・税理士・税務署にご確認ください。シミュレーション数値はモデルケースの概算で、社会保険料控除・各種税額控除等により実額は変動します。

JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

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