国民健康保険料の計算方法2026|所得割・均等割・平等割の式と年収別シミュレーション

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国民健康保険料の計算方法2026|所得割・均等割・平等割の式と年収別シミュレーション
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最終更新日: 2026-04-26

「国保料、結局どうやって計算しているのか分からない」——退職してフリーランスになった、扶養から外れた、自営業を始めた、そんな読者が最初にぶつかるのがこの疑問です。市区町村のサイトを開いても所得割率・均等割額・平等割額が並んでいるだけで、自分の年収でいくらになるかは一目では分からない。本記事では、国民健康保険料の計算式を「所得割・均等割・平等割」の3要素に分解し、料率の決まり方→都道府県別の確認手順→年収別の手計算シミュレーションまで、紙とスマホ電卓だけで自分の保険料が出せるレベルで解説します。

2026年度の年間上限110万円や2025年度との変更点といった年度全体の話は、ハブ記事「国民健康保険料2026年度はいくら?上限110万円・年収別の目安と2025年度との違い」で押さえています。本記事は計算ロジックの掘り下げに集中するので、年度概要は先にハブを読むとスムーズです。


1. 国保料の計算式は「3区分 × 3要素」のマトリクス

1-1. まず全体構造を1枚で把握する

国民健康保険料は、用途別の3区分ごとに所得割・均等割・平等割の3要素を計算し、それらを合算した金額が世帯の年間保険料になります。

用途区分 \ 計算要素 所得割 均等割 平等割
医療分(全員) 所得 × 医療分料率 加入者数 × 医療分均等割 1世帯 × 医療分平等割
後期高齢者支援金分(全員) 所得 × 支援分料率 加入者数 × 支援分均等割 1世帯 × 支援分平等割
介護分(40〜64歳のみ) 所得 × 介護分料率 該当加入者数 × 介護分均等割 1世帯 × 介護分平等割

つまり、40〜64歳の人がいる世帯では最大9マス、それ以外の世帯では最大6マスの合計を出すことになります。複雑に見えますが、料率と単価が決まれば電卓で順番に埋めていくだけです。

なお、平等割(世帯あたり定額)は採用しない自治体もあります。所得割と均等割は全国ほぼ全自治体で採用されています。資産割(固定資産税額に応じた加算)はかつて多くの自治体で使われていましたが、近年は廃止が進み、2026年度時点では採用自治体が大幅に減っています。

1-2. 3要素それぞれの意味

  • 所得割: 「稼いだ分に応じて負担する」部分。前年の総所得金額等から基礎控除43万円を引いた額(=賦課対象所得・算定基礎所得)に料率を掛ける。これが世帯間の保険料差の主因です。
  • 均等割: 「加入者1人につきいくら」の定額。世帯員が増えると比例して増えるため、子どもが多い世帯ほど負担が重くなる構造的な論点を生みます。
  • 平等割: 「1世帯につきいくら」の定額。単身世帯にも複数人世帯にも同額がかかるため、単身世帯ほど相対的な重みが大きくなります。

この3要素のうち、所得割は所得に連動しますが、均等割・平等割は所得ゼロの世帯にも課されます(後述の軽減制度で軽減対象)。「働いていないのに保険料が来た」と感じるのは、均等割・平等割が定額部分として残るためです。

1-3. 上限額の3区分構造

3区分にはそれぞれ年間上限額が設定されています。2026年度(令和8年度)は、国民健康保険法施行令第29条の7(第2項第9号・第3項第8号・第4項第8号)の改正(令和7年12月政令)により、医療分67万円・後期支援分26万円・介護分17万円の合計110万円(40〜64歳の場合)に引き上げられました。所得割が高くなって理論値が上限を超えると、その区分はそこで頭打ちになります。料率が同じでも自治体によって到達年収が違うのは、所得割率と均等割・平等割の組み合わせが違うからです。

上限額の改定背景・2025年度との比較・年収別到達ラインは、ハブ記事国民健康保険料2026年度はいくら?上限110万円ガイドで詳述しています。本記事は計算ロジック専門のスポーク記事のため、年度比較は扱いません。


2. 料率はどう決まる?「都道府県標準保険料率」と「市町村条例料率」

2-1. 2018年度から都道府県単位運営に

国保は2018年度の制度改正で、財政運営主体が市町村から都道府県(+市町村の共同運営)に変わりました。これにより以下の2段階で料率が決まる仕組みになっています。

  1. 都道府県が「標準保険料率」を算定・公表: 各都道府県が、医療費水準・所得水準・人口構成をもとに、その県の市町村が参考にすべき保険料率を毎年1月〜3月に公表。
  2. 市町村が条例で最終料率を決定: 標準保険料率を参考にしつつ、市町村の議会で正式な料率を条例化。広報・公式サイトで公表されるのは概ね4月〜6月。

つまり「都道府県の標準」と「自分の市町村の確定」の2段構えになっており、ニュース等で報じられる「東京都の国保料は…」は標準保険料率の話、実際に通知書に乗る金額は市町村条例の最終料率による計算結果です。

2-2. 都道府県別に料率はどのくらい違うのか

全国的な傾向として、所得割率はおおむね6%〜11%の幅、均等割は1人あたり年3万円〜6万円台、平等割は1世帯あたり年2万円〜3万円台(採用自治体)に分布しています。

  • 高めの傾向: 大都市圏の一部(医療費水準・所得水準が高い)、医療費水準の高い県
  • 低めの傾向: 人口が多く広域化メリットが効いている県、独自の財政支援を厚くしている自治体

ただし「県全体で高い/低い」よりも「同じ県内でも市町村差がある」ケースが多く、隣接市町村に引っ越すだけで保険料が10〜20%変わるのは珍しくありません。県名だけで判断せず、必ず居住予定の市町村単位で確認するのが鉄則です。

2-3. 自分の自治体の料率を調べる3ステップ

  1. 検索: 「(市区町村名) 国民健康保険料率」「(市区町村名) 国保 計算」で検索。
  2. 公式ページの該当箇所を開く: 「保険料の決め方」「保険料の算出方法」「保険料率」「賦課方式」などの見出しを探す。年度をまたいで掲載されることが多いので、ページ上部・タイトルで「令和8年度(2026年度)」を確認。
  3. 3区分 × 3要素の数値を控える: 医療分・支援分・介護分の各々について、所得割率・均等割額・平等割額の3つ(平等割なしの自治体は2つ)をメモ。これで計算に必要な数値はすべて揃います。

⚠️ 公式ページに2026年度(令和8年度)の数値がまだ掲載されていないこともあります。新年度料率は通常6月の本算定通知時期に確定するため、4〜5月時点では2025年度(令和7年度)の数値が暫定的に表示されている自治体もあります。


3. 計算手順を5ステップで分解する

電卓だけでできる最小限の手順に落とし込むと、以下の5ステップです。

ステップ1: 賦課対象所得(算定基礎所得)を出す

前年の確定申告書または住民税通知書から「総所得金額等」を確認します。給与所得者は給与所得控除後の額、事業所得者は青色申告特別控除後の事業所得です。年金収入のみの方は公的年金等控除後の雑所得。

ここから基礎控除43万円(合計所得2,400万円以下の場合の標準額)を差し引いた額が、所得割の計算ベース=賦課対象所得です。複数の所得がある場合は合算してから43万円を引きます。

※ 合計所得が2,400万円超の場合は基礎控除が段階的に減額され、2,500万円超で0円になります。本記事は年収300〜600万円層の世帯を想定しているため、ほぼ全員に43万円が適用される前提で記述しています。

計算式: 賦課対象所得 = 前年の総所得金額等 − 基礎控除43万円

ステップ2: 加入者ごとに計算対象を整理する

世帯のうち国保に入っている人と、各人の年齢を一覧化します。40〜64歳の人がいるかどうかで介護分の有無が変わります。65歳以上は後期高齢者医療制度に切り替わる前段階で、介護分はかかりません(介護保険料は別建てで徴収)。なお75歳に到達すると国保から脱退し、後期高齢者医療制度に自動移行します(保険料計算は別体系)。

世帯員 国保加入 年齢 介護分対象
例: 夫 45歳
例: 妻 42歳
例: 長男 12歳 ×

ステップ3: 3区分それぞれの所得割を計算

賦課対象所得(世帯合算)に各区分の所得割率を掛けます。所得割は世帯の合算所得に対して計算し、世帯主に賦課されるのが基本ですが、自治体により加入者個別の所得に料率を掛けて合算する方式もあります。確実なのは自治体ページの「計算例」を見ることです。

  • 医療分所得割 = 賦課対象所得 × 医療分所得割率
  • 支援分所得割 = 賦課対象所得 × 支援分所得割率
  • 介護分所得割 = 介護分対象者の賦課対象所得 × 介護分所得割率

ステップ4: 均等割・平等割を加算

  • 医療分均等割 = 加入者数 × 医療分均等割単価
  • 支援分均等割 = 加入者数 × 支援分均等割単価
  • 介護分均等割 = 介護分対象者数 × 介護分均等割単価
  • 各区分の平等割 = 世帯あたり定額(採用自治体のみ)

ステップ5: 上限チェックと年額確定

3区分それぞれで「所得割+均等割+平等割」を合算し、各区分の上限(医療67万円・支援26万円・介護17万円)と比較。超えていれば上限額に丸めます。3区分の合計が世帯年間保険料です。国保料は年額が原則で、納付は自治体ごとの納期回数(8〜10回)で分割されます。たとえば年保険料36万円を9期で割るなら1期あたり4万円となり、12ヶ月で割った月割の3万円とは異なる点に注意(5-3節「分納相談」と合わせて参照)。


4. 年収・家族構成パターン別シミュレーション

以下のシミュレーションでは、計算過程を見やすくするため全国平均水準の概ねの料率を使った仮定値で計算します。実際の保険料は自治体料率により上下10〜30%程度の幅があります。

仮定料率(全国平均の中央値水準のサンプル値):

項目 医療分 支援分 介護分
所得割率 7.0% 2.5% 2.0%
均等割(年1人) 33,000円 12,000円 16,000円
平等割(年1世帯) 24,000円 8,000円 6,000円

⚠️ あくまで計算手順を示すためのサンプル料率です。実額計算には必ず自治体公式ページの料率を使ってください。

4-1. パターンA: 単身・35歳・年収300万円(給与)

  • 給与所得控除後の所得 ≒ 202万円
  • 賦課対象所得 = 202万円 − 43万円 = 159万円
  • 介護分なし(35歳)
区分 所得割 均等割 平等割 小計
医療分 159万 × 7.0% = 111,300円 33,000円 24,000円 168,300円
支援分 159万 × 2.5% = 39,750円 12,000円 8,000円 59,750円
合計 約228,050円/年

年額約228,050円(12ヶ月で割った参考値で月約1.9万円。実際は自治体ごとの納期回数〈8〜10期分納〉で分割されるため、1期あたりは約2.3〜2.9万円になります)。年収300万円の単身フリーランスはこの水準が目安となり、会社員の協会けんぽ(同年収で本人負担約17万円)より約5万円高い計算です。

4-2. パターンB: 単身・45歳・年収400万円(給与)

  • 給与所得控除後の所得 ≒ 276万円
  • 賦課対象所得 = 276万円 − 43万円 = 233万円
  • 介護分あり(45歳)
区分 所得割 均等割 平等割 小計
医療分 233万 × 7.0% = 163,100円 33,000円 24,000円 220,100円
支援分 233万 × 2.5% = 58,250円 12,000円 8,000円 78,250円
介護分 233万 × 2.0% = 46,600円 16,000円 6,000円 68,600円
合計 約366,950円/年

年額約366,950円(12ヶ月で割った参考値で月約3.0万円。実額は8〜10期分納で約3.7〜4.6万円/期)。同じ年収でもパターンAから介護分(約7万円弱)と所得割増加で14万円ほど増えるのが、40歳到達時のインパクトです。

4-3. パターンC: 夫婦2人・夫48歳フリーランス・妻45歳専業(夫の所得のみ)・世帯年収500万円

  • 夫の事業所得(青色65万円控除後)≒ 350万円
  • 妻の所得 0円
  • 世帯賦課対象所得 = 350万円 − 43万円 = 307万円(夫分のみ)
  • 介護分対象 2人
区分 所得割 均等割 平等割 小計
医療分 307万 × 7.0% = 214,900円 33,000円×2=66,000円 24,000円 304,900円
支援分 307万 × 2.5% = 76,750円 12,000円×2=24,000円 8,000円 108,750円
介護分 307万 × 2.0% = 61,400円 16,000円×2=32,000円 6,000円 99,400円
合計 約513,050円/年

年額約513,050円(12ヶ月で割った参考値で月約4.3万円。実額は8〜10期分納で約5.1〜6.4万円/期)。妻が無所得でも均等割(医療+支援+介護=計61,000円)が世帯保険料に乗る点が、扶養概念のある協会けんぽとの最大の違いです。

※ 文芸美術国保組合・全国建設工事業国保組合・医師国保組合などに所属する自営業者は、市町村国保ではなく業種別国保組合の別ルール(定額制が中心)が適用されます。詳しくはフリーランス国保2026年最新ガイドを参照してください。

4-4. パターンD: 家族4人・夫42歳自営・妻39歳パート(年収100万円)・子2人(10歳・7歳)・世帯年収600万円

  • 夫の事業所得(青色65万円控除後)≒ 410万円
  • 妻のパート給与所得 ≒ 45万円
  • 世帯総所得 ≒ 455万円
  • 賦課対象所得 = 455万円 − 43万円 = 412万円
  • 介護分対象 1人(夫のみ)
  • 妻は均等割(医療+支援)対象、子2人は医療+支援の均等割対象(うち未就学児なし)
区分 所得割 均等割 平等割 小計
医療分 412万 × 7.0% = 288,400円 33,000円×4=132,000円 24,000円 444,400円
支援分 412万 × 2.5% = 103,000円 12,000円×4=48,000円 8,000円 159,000円
介護分 412万 × 2.0% = 82,400円 16,000円×1=16,000円 6,000円 104,400円
合計 約707,800円/年

年額約707,800円(12ヶ月で割った参考値で月約5.9万円。実額は8〜10期分納で約7.1〜8.8万円/期)。子の人数が増えるほど均等割が線形に増えるのが分かるシミュレーションです。未就学児がいれば医療+支援の均等割が半額になる全国一律軽減(2022年4月〜)が効くため、第3子以降の独自軽減を含め、自治体の子育て世帯軽減は必ず確認してください。

4-5. シミュレーションの誤差要因

実額との差異は以下の要因で生じます。

  • 料率差: 自治体ごとに上下10〜30%
  • 所得控除の取り扱い: 国保料計算では所得税・住民税で使う社会保険料控除や生命保険料控除等は反映されない(基礎控除43万円のみ)。確定申告書の「課税所得」ではなく「総所得金額等」を使う点に注意
  • 譲渡所得・退職所得: 通常の総所得には含まれず別計算となる場合あり。退職金で国保料が跳ね上がるとは限らない
  • 軽減・減免: 該当すれば均等割・平等割が3〜7割減

5. 軽減・減免制度の概略

国保料が高すぎて払えないと感じる場合に、まず確認すべきは自動軽減申請減免の2系統です。

5-1. 申請不要で自動適用される軽減(7割・5割・2割)

前年の世帯所得が一定基準以下の場合、均等割・平等割が7割・5割・2割のいずれか自動軽減されます。確定申告または住民税申告を済ませていれば自動判定されるため、追加申請は不要です。

ただし以下のケースでは適用漏れが起きやすく、要注意です。

  • 確定申告を一度もしていない(特に開業初年度・収入ゼロの年)
  • 住民税申告も未提出
  • 世帯主が国保未加入で、加入者だけが軽減対象でも世帯主の所得が判定に含まれる

軽減判定基準額は毎年度の政令改正で見直されるため、境界世帯(基準額前後の世帯)は申告内容を毎年見直す価値ありです。所得が前年より下がった年は特に確認してください。

5-2. 申請が必要な減免・特例

以下は窓口申請が必要な制度です。

制度 対象 効果
非自発的失業者軽減 倒産・解雇等による離職者(雇用保険の特定受給資格者・特定理由離職者) 離職した日の属する月以降、離職した年度の翌年度末(最大約2年)まで、前年給与所得を30%として(前年給与所得の30%相当額として)所得割を計算(国民健康保険法施行令第29条の7の2、雇用保険受給資格者証の提示が必要)
災害減免 災害(地震・台風・火災等)で住居等に損害を受けた世帯 損害程度に応じて減免
所得激減減免 廃業・休業・長期入院等で前年比で所得が大幅減 自治体判断で減額・免除
産前産後期間免除 出産予定の被保険者 出産予定月の前月から4か月間、所得割・均等割を免除(2024年1月〜全国一律)
未就学児均等割軽減 0〜6歳の被保険者 医療分・支援分の均等割を半額(2022年4月〜全国一律、申請不要)

特に非自発的失業者軽減は、退職時の雇用保険受給資格者証に「特定受給資格者」「特定理由離職者」と記載があれば申請可能で、保険料が大幅に下がるにもかかわらず認知度が低い制度の代表です。離職票が届いたら、ハローワーク手続きと同時に市区町村窓口でも申請を検討してください。

5-3. 滞納する前に分納相談を

「払えない」と感じた段階で、滞納する前に市区町村の国保担当窓口に相談するのが鉄則です。分納(納期を分割)、徴収猶予(一定期間納付を遅らせる)、減免申請など、相談段階で複数の選択肢が提示されます。滞納のまま放置すると、短期被保険者証・資格証明書への切替(窓口10割負担)、最終的には差押えに進むため、早めの相談が損失最小化につながります。

詳細な軽減・減免の申請書類・判定計算は、別途スポーク記事で解説予定です。本記事では「どんな制度があるか」の地図を提示するに留めます。


6. 計算結果を活かす——任意継続・組合・法人化との比較

計算結果が出たら、それを他の選択肢と比較してこそ意味があります。

6-1. 任意継続との比較(退職直後の人)

退職時に在職中の健康保険を最長2年継続できる「任意継続」制度があります。任意継続の保険料は在職時の保険料 × 2倍(労使折半分が全額自己負担になるため)が基本です。協会けんぽの場合、上限は標準報酬月額30万円相当で頭打ちなので、高所得層は任意継続が圧倒的に有利になることがあります。

退職前1〜2か月の間に、国保(本記事で計算)と任意継続(在職保険料の2倍)を両方試算して、安い方を選ぶのが鉄則です。任意継続の申請期限は退職翌日から20日以内と短いため、退職前から準備しておきましょう。

6-2. 国保組合との比較(業種該当の人)

文芸美術国民健康保険組合(デザイナー・ライター等)、全国建設工事業国民健康保険組合、医師国保組合などの業種別国保組合は、所得に関わらず定額制の保険料が多いため、所得が一定水準以上のフリーランスは大幅に有利になります。文美国保なら月額約2〜3万円台が一般的です。業種に該当するなら必ず比較検討してください。

6-3. 法人化との比較(高所得フリーランス)

事業所得が900万円前後を超えるあたりから、法人化して協会けんぽに切り替えるほうが社会保険コストの総額で有利になるケースが増えます。法人住民税均等割(年7万円〜)・税理士費用・事業主負担などのコスト増を含めても、配偶者・子を扶養に入れて均等割が消える効果が大きいためです。

詳しくは関連スポーク記事「国保上限110万円時代:フリーランスが今すぐできる節約対策5選」を参照してください。


7. よくある質問

A

A. 4〜5月時点では新年度料率が未確定の自治体が多く、暫定的に2025年度料率で表示されている場合があります。目安計算なら2025年度料率で代用しても大きくは外れません(年度ごとの変動幅は通常1〜3%以内)。確定値は6月以降に届く納付通知書(本算定通知)で確認できます。新年度料率の早期確認が必要な場合は、市区町村の国保担当窓口に直接問い合わせると、内部資料ベースで教えてもらえることがあります。

A

A. 引きません。国保料の所得割計算では、所得税・住民税で使う各種所得控除(社会保険料控除・生命保険料控除・扶養控除・医療費控除等)は反映されず、基礎控除43万円のみを差し引きます。つまり所得税の課税所得より国保料の賦課対象所得のほうが大きくなるのが通常で、「所得税は安いのに国保料は高い」と感じる主因です。確定申告書の「課税所得」ではなく「総所得金額等」を使ってください。

A

A. 加入月から月割で計算されます。たとえば9月加入なら、年間保険料の7か月分(9月〜翌年3月)が請求されます。具体例として、本記事パターンA(単身35歳・年収300万円)の年額228,050円を9月加入で計算した場合、228,050円 × 7/12 ≒ 約133,000円が年度末までの請求額となります。届出は事実発生から14日以内が原則ですが、遅れても遡って加入扱いとなり、過去分の保険料が一括または分納で請求されます。逆に年度途中で社会保険に切り替えた場合、加入していた月までで月割計算されます。

A

A. 未就学児(0〜6歳)は2022年4月から全国一律で医療分・支援分の均等割が半額に軽減されています(申請不要)。さらに自治体によっては、第3子以降の均等割を独自に減免する制度(東京都内の一部区市など)があります。「(市区町村名) 子ども 国保 均等割」で検索するか窓口で確認してください。多子世帯ほど自治体差が大きく、引っ越し時の比較材料にもなります。

A

A. 原則として軽減判定の対象外になります。所得割は所得が把握できないため上限近くで仮算定される場合があり、均等割・平等割の7・5・2割軽減も判定不能で適用されません。収入ゼロの年でも住民税申告だけは出すのが鉄則です。市区町村窓口に「住民税申告書」(無料)を出せば、後から軽減を遡って適用してもらえることもあります。過去5年分まで遡及可能なケースが多いため、未申告の年がある人は早急に確認を。


8. まとめ:計算式が分かれば「自分の保険料」は10分で出せる

国保料は複雑に見えますが、構造を分解すれば「3区分 × 3要素」のマトリクスを順番に埋めるだけです。本記事のステップを使えば、自治体料率さえ調べれば紙とスマホ電卓で10分以内に自分の年間保険料を出せます。

実務的なチェックポイントを最後に整理します。

  1. 自治体の料率を3区分×3要素で控える(「(市区町村名) 国保 計算」で検索)
  2. 賦課対象所得を出す(前年総所得 − 基礎控除43万円。社会保険料控除等は引かない)
  3. 5ステップで電卓計算 → 上限チェック
  4. 任意継続・国保組合・法人化と比較して選ぶ
  5. 軽減対象なら確定申告/住民税申告で適用、減免該当なら窓口申請

年度全体像(2026年度の上限・年収別目安・通知時期)はハブ記事「国民健康保険料2026年度はいくら?上限110万円ガイド」、フリーランス向けの節約戦略は「国保上限110万円時代:フリーランスが今すぐできる節約対策5選」で補完してください。


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免責事項: 本記事は2026年4月時点の公表資料(厚生労働省・国民健康保険法施行令改正政令、各自治体公式ページ)に基づきます。本記事のシミュレーション数値は計算手順を示すための仮定料率による概算であり、実際の保険料は居住地の市区町村条例で決まります。具体的な保険料額・料率・軽減判定の正確な基準は、必ず居住地の市区町村窓口または公式ウェブサイトでご確認ください。

JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

本記事はAIが初稿を作成し、編集部が法令原文・官公庁通知・審議会資料等の一次情報と照合のうえ、内容を確認・編集しています。行政手続き・法改正・制度改正の実務情報を専門に扱う編集チームが、企業実務担当者・士業専門家向けに正確性の高いコンテンツを提供します。