住宅取得等資金の贈与税非課税2026|省エネ住宅1,000万円・令和8年12月31日が期限

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住宅取得等資金の贈与税非課税2026|省エネ住宅1,000万円・令和8年12月31日が期限

最終更新日: 2026-07-06

親や祖父母から住宅購入資金を援助してもらう場合、一定の要件を満たせば最大1,000万円まで贈与税がかかりません。この「住宅取得等資金の贈与税非課税措置」(租税特別措置法第70条の2)は、令和8年(2026年)12月31日が期限です。令和8年度税制改正でも延長・廃止の変更はなく、現時点で2026年内が「使える期間の締め切り」です。今年度中に住宅取得を予定している方は、申告要件・居住期限を含めて正確に把握しておく必要があります。

免責事項: 本記事は一般的な制度解説であり、個別案件の税務判断を提供するものではありません。税額・適用要件は個人の状況によって異なります。最新情報は国税庁タックスアンサーまたは税理士にご確認ください。


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【早わかり】非課税限度額と期限

住宅の区分 非課税限度額 適用期限
省エネ等住宅 1,000万円 2026年12月31日
その他の住宅 500万円 2026年12月31日

根拠: 国税庁タックスアンサー No.4508「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」(参照日: 2026-07-06)

Point: 2026年12月31日までに「贈与を受けること」が必須です。住宅が完成していなくても、その年中に資金の贈与を受けていれば対象になります(ただし翌年3月15日までの居住要件あり)。


1. 制度の正式名称と根拠

この制度の正式名称は「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」です(租税特別措置法第70条の2)。

親や祖父母など「直系尊属」から住宅取得資金の贈与を受けた際に、一定額まで贈与税が非課税となる措置で、2024年(令和6年)1月1日から2026年(令和8年)12月31日までの贈与が対象です。

令和6年度税制改正により、3年間(令和6年〜令和8年)の延長が決定。令和8年度税制改正大綱(令和7年12月26日閣議決定)において、本措置に関する廃止・変更の記載は確認されていません。したがって2026年12月31日の期限で運用される見込みです。令和9年以降の継続・廃止については2026年7月現在では未定です。


2. 非課税限度額の詳細

非課税となる上限金額(非課税限度額)は、取得する住宅の種類によって異なります。

2-1. 省エネ等住宅:1,000万円

「省エネ等住宅」と認定される住宅に適用されます。新築・建築後未使用の住宅(令和6年1月1日以降取得が原則)の場合、以下のいずれか1つを満たし、住宅性能証明書等の書類で証明できることが条件です。

区分 要件
省エネ(ZEH水準) 断熱等性能等級5以上(結露防止基準を除く)かつ一次エネルギー消費量等級6以上
耐震・免震性能 耐震等級(構造躯体の倒壊等防止)2以上、または免震建築物
バリアフリー 高齢者等配慮対策等級(専用部分)3以上

経過措置(旧基準対象): 令和5年12月31日までに建築確認を受けた住宅、または令和6年6月30日までに建築された住宅については、「断熱等性能等級4以上または一次エネルギー消費量等級4以上」のいずれか一方を満たせば省エネ等住宅に該当します。

既存住宅(中古)の省エネ等住宅要件: 断熱等性能等級4以上、一次エネルギー消費量等級4以上、耐震等級2以上、免震建築物、高齢者等配慮対策等級3以上のいずれか1つを満たす場合に適用されます。

2-2. その他の住宅:500万円

省エネ等住宅の要件を満たさない一般的な住宅には500万円の非課税限度額が適用されます。新築・中古・増改築いずれも対象ですが、住宅自体の要件(後述)は満たす必要があります。


3. 受贈者の要件チェックリスト

以下のすべてを満たす必要があります。一つでも欠けると非課税適用はできません。

  • [ ] 贈与者は直系尊属(父母・祖父母・曽祖父母など)から受けた贈与である
  • [ ] 贈与を受けた年の1月1日時点で18歳以上である
  • [ ] 合計所得金額が2,000万円以下(ただし取得する住宅の床面積が40㎡以上50㎡未満の場合は1,000万円以下)
  • [ ] 贈与を受けた時点で日本国内に住所を有している(一定の例外あり)
  • [ ] 贈与者の配偶者・親族など特別の関係がある人から住宅を取得していない

年齢に注意: 「18歳以上」の判定は「贈与を受けた年の1月1日」時点です。たとえば2026年2月1日に贈与を受けた場合、2026年1月1日時点で18歳以上であることが必要です。


4. 住宅の要件チェックリスト

取得する住宅についても、以下の要件をすべて満たす必要があります。

  • [ ] 登記簿上の床面積が40平方メートル以上240平方メートル以下
  • [ ] 床面積の2分の1以上が受贈者の居住用である
  • [ ] 中古住宅の場合:昭和57年1月1日以後に建築されたもの、または耐震基準に適合することが確認されたもの
  • [ ] 贈与を受けた年の翌年3月15日までに取得して居住の用に供すること(翌年3月15日以後に遅滞なく居住することが確実と見込まれる場合を含む)

居住期限の「見込み」について: 翌年3月15日時点で住宅の建築中・未入居でも、「遅滞なく居住することが確実と見込まれる」と認められる場合は適用を受けられます。ただし、その後に見込みどおり居住しなかった場合は非課税が取り消される点に注意が必要です。


5. 暦年課税・相続時精算課税との組み合わせ

5-1. 暦年課税の基礎控除(110万円)との組み合わせ

非課税特例を適用した後の残額については、暦年課税の基礎控除110万円をさらに控除することができます。つまり同じ年に非課税限度額を超える金額を贈与された場合でも、110万円の枠を活用できます。

計算例(省エネ等住宅に1,200万円の贈与を受けた場合)

贈与額        : 1,200万円
非課税限度額  : △1,000万円(省エネ等住宅)
基礎控除      : △  110万円(暦年課税)
課税対象      :     90万円
贈与税        :     90万円 × 10% = 9万円

省エネ等住宅であれば、1,110万円(1,000万円 + 110万円)まで実質的にゼロ負担で贈与を受けられる計算になります。

計算例(その他住宅に700万円の贈与を受けた場合)

贈与額        :  700万円
非課税限度額  : △500万円(その他の住宅)
基礎控除      : △110万円(暦年課税)
課税対象      :   90万円
贈与税        :   90万円 × 10% = 9万円

その他の住宅では610万円(500万円 + 110万円)まで税負担ゼロで受け取れます。

5-2. 相続時精算課税との組み合わせ

住宅取得等資金の非課税特例と相続時精算課税の併用が可能です。

令和6年1月1日以降の相続時精算課税では、特定贈与者ごとに年間110万円の基礎控除が設けられました。相続時精算課税の特別控除額は累計2,500万円です。

なお、この相続時精算課税の基礎控除110万円は、§5-1で説明した暦年課税の基礎控除110万円とは別の制度です。ある贈与者について相続時精算課税を選択した場合、その贈与者からの贈与には暦年課税の基礎控除(申告不要となる110万円)は適用されません。同じ「110万円」でも二重に使えるわけではない点に注意してください。

また、通常は贈与者が「贈与年の1月1日において60歳以上」でないと相続時精算課税を選択できませんが、住宅取得等資金の贈与については、贈与者が60歳未満であっても令和8年12月31日までの贈与に限り相続時精算課税を選択できる特例があります(租税特別措置法第70条の3)。

判断のポイント: 相続時精算課税を選択すると、同一の贈与者からの贈与は以後すべて相続時精算課税に統一されます(暦年課税に戻せません)。長期的な相続対策の観点から、税理士への相談をお勧めします。


6. 申告の手続き

6-1. 非課税でも申告は必須

非課税措置の適用を受けるには、贈与税がゼロになる場合でも必ず贈与税の申告書を提出しなければなりません。申告をしなければ、非課税の適用は受けられません。

6-2. 申告期間と提出先

項目 内容
申告期間 贈与を受けた年の翌年2月1日〜3月15日
提出先 受贈者の納税地の所轄税務署

2026年(令和8年)中に贈与を受けた場合の申告期限は、2027年(令和9年)3月15日です。

6-3. 主な添付書類

以下の書類を申告書に添付して提出します。

書類 備考
戸籍の謄本 贈与者と受贈者の関係を証明するもの
新築・取得の契約書の写し 請負契約書・売買契約書など
省エネ等住宅の証明書 住宅性能証明書など(省エネ等住宅に該当する場合のみ)
土地・建物の登記事項証明書 申告書に不動産番号を記載することで添付省略可

申告の流れ: ①贈与を受ける → ②住宅を取得して居住(翌年3月15日まで)→ ③贈与税申告書を提出(翌年2月1日〜3月15日)の順になります。


7. 注意点と実務の落とし穴

落とし穴①:贈与の「タイミング」は年内に

非課税措置の対象は「令和8年(2026年)12月31日までに贈与を受けた資金」です。住宅の引き渡しが2027年以降であっても、資金の贈与は2026年12月31日までに行う必要があります。

住宅が年末ギリギリに完成する場合でも、資金の移動(金融機関での振込履歴等)が2026年内であることを明確にしておきましょう。

落とし穴②:居住期限(翌年3月15日)の管理

贈与を受けた年の翌年3月15日までに居住の用に供することが原則です。住宅の引き渡し遅延や引越しの遅れで、居住が3月15日以降になるケースがあります。「確実と見込まれる場合」には例外が認められますが、最終的に居住しなかった場合は非課税が取り消される点に注意が必要です。

落とし穴③:申告の失念

「非課税なのだから申告しなくていい」という誤解は禁物です。贈与税の申告書を提出しなければ、非課税措置そのものが適用されません。贈与額が非課税限度額以内であっても、翌年2月1日〜3月15日の申告期間中に必ず申告してください。

落とし穴④:床面積の確認ミス

40㎡未満の住宅は対象外です。また、40㎡以上50㎡未満の場合は受贈者の合計所得金額が1,000万円以下(通常の2,000万円より厳しい条件)に限られます。マンション購入の際は登記簿上の専有床面積を必ず確認してください。


8. FAQ

A

租税特別措置法上、この非課税は「申告を要件として認められる措置」です。税務署への申告書提出により初めて適用が確定します。申告不要の暦年課税基礎控除110万円以内の贈与とは異なり、本措置は必ず申告書を提出しなければなりません。贈与税額がゼロになる計算であっても、申告期限(翌年3月15日)を過ぎると措置の適用が受けられなくなるため、期限管理が重要です。

A

原則として、翌年3月15日までに居住することが要件です。ただし「その後遅滞なく居住することが確実と見込まれる場合」には、翌年3月15日時点で未居住でも適用が認められます。この場合、申告書提出時に「居住見込み」を示す書類(工事請負契約書・工程表等)を添付するのが実務上の対応です。その後、実際に居住しなかった場合は非課税が取り消され修正申告が必要になります。

A

所得の判定は「贈与を受けた年」の合計所得金額です。その年の合計所得金額が2,000万円を超えた場合(床面積40〜50㎡未満では1,000万円超)、本措置は適用できません。なお、翌年以降の所得については影響しません。所得が変動する見込みがある場合は、贈与の時期を検討することが有効です。

A

この非課税措置の限度額は「受贈者1人あたり・その年の合計」で判断します。父母・祖父母など複数の直系尊属から贈与を受けても、省エネ等住宅であれば非課税枠は合計1,000万円(その他住宅は500万円)です。1,500万円の贈与を受けた場合、1,000万円を超える500万円分(さらに暦年基礎控除110万円を控除した390万円)が課税対象となります。

A

相続時精算課税では、贈与時に精算課税の特別控除額(累計2,500万円)を超えた部分に20%の贈与税が発生しますが、後の相続時に精算されます。住宅取得等資金の非課税措置と相続時精算課税を組み合わせた場合、例えば省エネ等住宅向けに1,500万円の贈与を受けると、非課税1,000万円 + 相続時精算課税の基礎控除110万円で1,110万円が実質非課税、残り390万円が精算課税の特別控除の対象(過去の使用枠次第)となります。なお相続時精算課税を一度選択すると、同じ贈与者からの贈与は将来も精算課税に統一されます。選択は慎重に行い、税理士への相談をお勧めします。

A

2026年7月現在の一次情報(令和8年度税制改正大綱)では、令和8年12月31日以降の扱いについて記載がありません。税制改正は通常、年度末(12月)の大綱で決定されるため、令和9年以降の継続・廃止・変更は現時点では未定です。「2026年12月31日まで確実に使える」という前提で計画を立て、延長が決まれば改めて確認することをお勧めします。


まとめ

住宅取得等資金の贈与税非課税措置(租税特別措置法第70条の2)の要点を整理します。

  1. 期限: 2026年(令和8年)12月31日まで。令和8年度改正による変更なし
  2. 非課税限度額: 省エネ等住宅1,000万円・その他の住宅500万円(暦年基礎控除110万円と併用可)
  3. 受贈者要件: 直系尊属から・18歳以上・合計所得2,000万円以下(床面積40〜50㎡未満は1,000万円以下)
  4. 住宅要件: 床面積40〜240㎡(うち2分の1以上が受贈者の居住用)・翌年3月15日までの居住(見込み含む)
  5. 申告は必須: 非課税額内でも翌年2月1日〜3月15日に贈与税申告書を提出

今年度中に住宅取得を予定されている方は、資金の贈与が12月31日までであること、申告が翌年3月15日までであることを確認し、早めに準備を進めてください。贈与の最適な組み合わせ(暦年課税か相続時精算課税か)は個人の状況によって大きく異なりますので、具体的な税額計算は税理士にご相談することをお勧めします。


出典
– 国税庁タックスアンサー No.4508「直系尊属から住宅取得等資金の贈与を受けた場合の非課税」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4508.htm(参照日: 2026-07-06)
– 国税庁タックスアンサー No.4503「住宅取得等資金の贈与を受けた場合の相続時精算課税選択の特例」https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/sozoku/4503.htm(参照日: 2026-07-06)
– 国土交通省「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk2_000018.html(参照日: 2026-07-06)

免責事項: 本記事は2026年7月6日時点の情報に基づく一般的な制度解説です。税額・適用可否は個人の状況により異なります。最終判断は国税庁の公式情報の確認、または税理士・公認税理士にご相談ください。本記事の情報に基づいて行動した結果生じた損害については、当サイトは責任を負いません。


JG

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