酒税の手持品課税(戻税)とは|届出期限11月2日・2,000L判定・還付の条件【令和8年10月1日分】

本記事は法令・通達・官公庁資料に基づき編集部が作成・検証しています。個別の法的・税務判断ではありません。最新の法令はe-Gov法令検索でご確認ください。
酒税の手持品課税(戻税)とは|届出期限11月2日・2,000L判定・還付の条件【令和8年10月1日分】

本記事は2026年10月14日時点で国税庁が公表している「酒類の手持品課税(戻税)の申告等の手引(令和8年10月1日分)」「手持品課税・手持品戻税に関するQ&A(令和8年9月2日更新)」ほかの一次資料をもとに作成しています。個別の事情(沖縄県内の貯蔵場所、免許の種類、複数の税務署にまたがる場合、災害による期限延長など)によって手続は変わります。申告・届出の最終判断は、貯蔵場所を所轄する税務署(酒類指導官)または税理士にご確認ください。

結論|誰が、いつまでに、何をするか

酒税の税率は2026年10月1日に変わりました。店や倉庫に残っている酒(10月1日午前0時時点の在庫)は、新旧税率の差額を精算する「手持品課税(戻税)」の対象です。酒税は本来、酒を出荷する時点で課される税ですが、すでに出荷されて店の棚にある酒にも、税率差の分だけ追加で課税または還付する、という調整です。

  • 対象: 酒類の販売業者に加え、酒場・料飲店(居酒屋・バー等)の経営者も含まれます(国税庁の手引、Q&A問2)
  • 期限: 申告書兼届出書の提出は令和8年11月2日(月)まで。納付が必要な場合の納期限は令和9年3月31日(水)。令和8年熊本地震の対象地域は期限が延長されています(後述)
  • 提出先: 酒類の貯蔵場所(酒を置いている店・倉庫)を所轄する税務署長(その場所を担当する税務署)。貯蔵場所ごとに提出します

自分が何をすればよいかは、10月1日0時時点の在庫で決まります。税率が上がった酒(引上対象酒類)は、チューハイ・新ジャンル(麦芽が少ない発泡酒)など。税率が下がった酒(引下対象酒類)は、ビールなどです。

10月1日0時時点の状況 すること
引上対象酒類が、全ての所持場所の合計で2,000リットル以上 期限までに申告(義務)
引上対象酒類が2,000リットル未満で、ビール等の引下げ分が多く還付を受けたい 期限までに申告書兼届出書を提出(届出が必要)
引上対象酒類が2,000リットル未満で、還付を受ける必要がない(課税側が多い) 申告・届出は不要(義務なし)

期限までに届出をしなかった場合、後から「更正の請求」(払いすぎた税の取戻しを求める手続)をしても還付は受けられません(国税庁Q&A問20)。還付を受ける可能性があるなら、期限内に届出が必要です。

小さな飲食店でも、ビールの在庫が多い店は還付になることがあります。後述の試算例では、ビール300リットルと引上げ対象の酒を計270リットル持つ居酒屋で、差し引き2,310円の還付になりました。金額は小さくても、届出をしなければ受け取れない点が実務上の要点です。

酒販店・飲食店の経理では、同じ2026年10月にインボイス制度の経過措置の縮小(仕入税額控除の割合が80%から70%へ)も重なります。こちらはインボイス制度2026年10月改正の実務対応で整理しています。

手持品課税(戻税)の仕組み

国税庁の手引によると、酒類は製造場から出荷された段階で酒税が課されます。しかし税率が改正される酒類については、令和8年10月1日の午前0時時点で流通段階にある課税済みの酒類に対し、新旧税率の差額を調整します。

  • 税率が上がる酒類(引上対象酒類): 差額が課税される
  • 税率が下がる酒類(引下対象酒類): 差額が戻税(還付)される

申告する人は、課税額と戻税額を差し引きします。課税額が多ければ納付、戻税額が多ければ還付です。手引は、酒類の免許業者のほか酒場・料飲店等を経営している人も含めて、全ての酒類の販売業者等が10月1日午前0時時点の対象酒類の在庫数量を確認する必要があるとしています。あわせて、対象酒類の受入れ・払出しの数量の記帳を確実に行うよう求めています。

数えなくてよい在庫もあります(国税庁Q&A問9・10・12。帳簿などで事実が明らかで、他の酒と区分して置かれている場合)。

  • 他の人が所有している酒(預かり品など)
  • 自己の用に供している酒(個人的消費・試験研究用・展示見本など、数量や形状から見て適当な範囲のもの)
  • パチンコ店等が景品交換用に持つ酒(販売のためではないため対象外)
  • 酒場・料理店等で、客のボトルキープとして預かっている酒(預かり関係が明確なもの)

一方、ホテルの客室冷蔵庫や自動販売機の中の酒は、販売のために持っているため対象です(問11)。酒販店と飲食店を両方経営している場合も、全ての場所を合算して2,000リットルを判定します(問9-3)。

新旧税率の早見表(ビール系は155,000円/klに一本化)

酒税率は1キロリットル(kl)当たりの金額で定められています。1klは1,000リットルです。350ml缶1本当たりの税額は「1klの税率×0.35÷1,000」で求められます(例: 155,000円/kl → 350ml当たり54.25円)。

区分(容器の表示) 旧税率(〜令和8年9月30日) 新税率(令和8年10月1日〜) 350ml当たり(旧→新) 手持品課税(1リットル当たり)
ビール 181,000円/kl 155,000円/kl 63.35円 → 54.25円 引下げ 26円
発泡酒(麦芽比率50%以上、またはアルコール分10度以上20度未満) 181,000円/kl 155,000円/kl 63.35円 → 54.25円 引下げ 26円
「発泡酒③」と表示された発泡酒 同左(手引の表では上のビール・発泡酒と同額) 155,000円/kl 同左 引下げ 26円
発泡酒(麦芽比率25%以上50%未満・10度未満) 155,000円/kl 155,000円/kl 54.25円(変更なし) 対象外
発泡酒(麦芽比率25%未満・10度未満) 134,250円/kl 155,000円/kl 46.99円 → 54.25円 引上げ 約21円
いわゆる新ジャンル(「発泡酒②」と表示) 134,250円/kl 155,000円/kl 46.99円 → 54.25円 引上げ 約21円
その他の発泡性酒類(チューハイ等・アルコール分10度未満) 80,000円/kl 100,000円/kl 28円 → 35円 引上げ 20円

出典: 旧税率は国税庁「酒税率一覧表(令和5年10月1日〜令和8年9月30日)」、新税率は同「酒税率一覧表(令和8年10月1日〜)」、1リットル当たりの引上げ額・引下げ額は手引のⅢ。350ml換算は上記税率から当編集部が計算した値で、46.99円は46.9875円の四捨五入です。「約21円」は155,000円と134,250円の差20,750円/klの1リットル当たり(20.75円)を、手引が約21円と表記したものです。「発泡酒③」の行は、手引が引下げ26円と定めている区分で、旧税率の列は手引の引下げ額から逆算した参考表記です。

ポイントを4つ挙げます。

  1. ビールと麦芽比率50%以上の発泡酒は下がる。一方、麦芽比率25%未満の発泡酒と新ジャンルは上がる。方向が逆なので、容器の表示(「麦芽使用率」「発泡酒②」「発泡酒③」等)を確認して仕分けます。手引は、麦芽比率25%以上50%未満の発泡酒は対象外であり、表示をよく確認するよう注意しています
  2. 「その他の発泡性酒類」の上限は、アルコール分10度未満から11度未満へ広がりました(手引・税率一覧表)。10度以上11度未満の酒は、品目で扱いが分かれます。「みりん」「雑酒(みりん類似)」は引上げ(80円/リットル)、連続式蒸留焼酎・ウイスキー・リキュールなどの発泡性のものは引下げ(品目により20〜270円/リットル)です(手引Ⅲのオ・ケ)
  3. アルコール分が低い蒸留酒類・リキュールにも引上げがあります。手引の例では、発泡性のないアルコール分9度未満の蒸留酒類は1リットル当たり20円の引上げです。9度以上10度未満は10円/リットルと表記されています
  4. 「甘味果実酒(発泡性)③」と表示された酒は、ビール系の引下げではなく、引上げ対象の「その他の発泡性酒類」に入ります(Q&A)。表示が似ていても品目で分かれるため、迷ったら所轄税務署へ

清酒・果実酒の税率は100,000円/klのままで、今回の手持品課税の対象表には載っていません。

誰が申告するか|2,000リットルの判定と届出

手引のⅡは、手持品課税等の申告が必要になる人を次の2つに分けています(前掲の3区分表の根拠です)。

① 引上対象酒類を2,000リットル以上持っていた販売業者等
– 10月1日午前0時時点の、引上対象酒類の所持数量で判定します。ビールなどの引下対象酒類は、この2,000リットルに含めません
– 多店舗経営などで複数の場所に引上対象酒類がある場合、2,000リットルの判定は全ての所持場所の合計数量で行います
– 2,000リットル以上でも、引下対象酒類しかない貯蔵場所で還付を受けるには、その場所の所轄税務署長への届出が必要です

② 引上対象酒類が2,000リットル未満で、期限までに「手持品課税等の適用を受ける旨の届出」をした人
– 新旧税率の差額を計算して引下げ額が多く、還付を受けたい人は、2,000リットルに達していなくても、届出をすれば申告できます
– 注意点: 届出をした場合は、引上対象酒類を持っている全ての場所について申告が必要になります
– 所定の申告書兼届出書(正式名称は「令和8年10月1日現在の手持品課税等対象酒類の酒税納税申告書兼酒税の手持品課税等の適用を受ける旨の届出書」)を提出すれば、申告と届出の両方をしたことになります
– 還付見込みで提出したあとに、計算し直したら納付になると分かった場合、取下げができるのは申告期限までに取下書を出したときに限られます(Q&A問21)。提出前に計算をよく確認してください

申告義務のある人が申告しなかった場合の罰則にも触れておきます。酒税法附則第39条の申告書を期限までに出さず酒税を免れた者は、5年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(同条第30項)。酒税を免れていなくても、申告書を期限までに出さなかった者は1年以下の拘禁刑または50万円以下の罰金です(同条第32項)。2,000リットル以上の事業者は、期限を守ってください。

沖縄県内の貯蔵場所の酒類は、沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の適用酒類とそれ以外に分けて、それぞれ2,000リットルを判定し、申告も分けて行います(手引Ⅱ)。

計算方法と計算例

計算の手順は、手引のⅣと税額算出表の記載方法に沿うと次のとおりです。

  1. 10月1日午前0時時点の対象酒類の在庫を、品目ごとに数える
  2. 引上げ額・引下げ額を計算し、品目ごとに差額を出す
  3. 引上げの合計と引下げの合計を差し引く(プラスなら納付、マイナスなら還付)

税額算出表では、数量をミリリットル単位で記載し、10ミリリットル未満は切り捨てます。税額の1円未満も切り捨てです(手引11ページ)。深夜営業などで午前0時に棚卸しできない場合は、前後の棚卸し結果に受払数量を加味するか、POSで午前0時時点の数量が分かればそれで足ります(Q&A問13)。

以下は、手引の算式(新税率と旧税率それぞれで税額を出し、差を取る方法)を当編集部が架空の在庫に当てはめた試算例です。手引自身の例(その他の発泡性酒類100リットル、ビール200リットル、発泡酒③ 50リットルで4,500円の還付)とは別のものです。

例A|居酒屋(1店舗)で還付になる場合

品目 在庫 新税率で計算 旧税率で計算 差額
ビール 300リットル 300,000ml × 0.155 = 46,500円 300,000ml × 0.181 = 54,300円 ▲7,800円
発泡酒(麦芽比率25%未満) 120リットル 120,000ml × 0.155 = 18,600円 120,000ml × 0.13425 = 16,110円 +2,490円
チューハイ(10度未満の発泡性) 150リットル 150,000ml × 0.1 = 15,000円 150,000ml × 0.08 = 12,000円 +3,000円
合計 ▲2,310円(還付)

引上対象酒類の在庫は120+150=270リットルで、2,000リットル未満です。この店は還付を受けるために、期限までの届出(申告書兼届出書の提出)が要ります。

例B|酒類卸で納付になる場合

発泡酒(麦芽比率25%未満)1,500リットル、チューハイ(10度未満の発泡性)900リットル、ビール1,000リットルを持っていた場合です。

  • 発泡酒: 1,500,000ml × 0.155 − 1,500,000ml × 0.13425 = 31,125円
  • チューハイ: 900,000ml × 0.1 − 900,000ml × 0.08 = 18,000円
  • ビール: 1,000,000ml × 0.155 − 1,000,000ml × 0.181 = ▲26,000円
  • 合計 +23,125円。納付の場合は、算出税額の100円未満を端数として切り捨てて記載するため、納付税額は23,100円(手引13ページ)

引上対象酒類は1,500+900=2,400リットルで2,000リットル以上のため、申告が義務です。ビールが多くても、判定に使う数量は引上げ側だけです。

店舗が複数ある場合の注意(手引の例2): 店舗Aでビールの還付があり、店舗Bに引上対象酒類がある場合、店舗Aの所轄税務署に届出をすると、店舗Bについても申告が必要になります。還付の申告書と納税の申告書を、それぞれの店舗の所在地の所轄税務署長に提出します。

申告書兼届出書の出し方と書き方の要点

提出するもの: 申告書兼届出書と、税額算出表です。同一税務署管内に複数の場所がある場合は、「所持場所ごとの所持数量の内訳書」を添付して一括申告できます。内訳書の合計は税額算出表の所持数量と一致させます(手引15ページ)。一括申告では、原則として引上対象酒類の所持数量が最も多い場所を貯蔵場所として申告します(Q&A問15)。

提出先: 対象酒類を所持する貯蔵場所の所在地の所轄税務署長です。複数の税務署の管内に貯蔵場所があるときは、所持場所ごとにそれぞれの所轄税務署へ提出します(手引9ページ)。

提出方法

  • e-Tax: 書類をPDFにして送信します。手続名称は「国税申告手続(R8年酒税の手持品課税)」(汎用手続ID: HLI1270)です
  • 書面: 郵便または信書便で、所轄税務署を担当する業務センターへ送付します。税務署の窓口・時間外収受箱へ持参することもできます。業務センターに直接持ち込むことはできません

書き方の要点

  • 税額算出表の数量はミリリットル単位で、10ミリリットル未満は切り捨てます。算出税額の1円未満も切り捨てです
  • 差引酒税額の合計を、申告書兼届出書の「算出税額」欄に転記します。還付ならマイナス(▲)で記載します
  • 還付の場合: 「端数切捨額」欄は空欄にします。還付では端数切捨ては不要です。「還付される税金の受取場所」欄の記載が必要で、口座を書くときは口座名義が申告者と同一で、屋号を含まないものにします
  • 納付の場合: 「端数切捨額」欄に算出税額の100円未満の金額を書き、残りを納付すべき税額とします
  • 「摘要」欄では、申告する理由(2,000リットル以上か、未満で届出か)、貯蔵場所の区分、一括申告の有無、他の税務署管内の貯蔵場所の有無にチェックを入れます
  • 表面に書いた貯蔵場所以外にも酒類を持つ場所があれば、「その他参考となる事項」欄にその名称と住所を書きます(任意記載ですが、審査で確認されることがあるとされています)
  • 申告書兼届出書には個人番号(マイナンバー)または法人番号の記載が必要です

納付: 納付すべき税額があるときは、令和9年3月31日(水)までに納めます。手引は、ダイレクト納付、インターネットバンキング・ATM、クレジットカード、スマホアプリ、QRコードによるコンビニ納付(30万円以下)、窓口納付などを案内しています。e-Taxで納付情報を登録する場合は、税目「酒税(その他)」、課税期間(自)令和8年10月1日、申告区分「その他」と入力します。

期限までのスケジュール(2026年10月14日時点)

時期 やること
今すぐ 10月1日午前0時時点の在庫を、品目・貯蔵場所ごとに確認する(受払の記帳を使う)
〜11月2日(月) 申告書兼届出書・税額算出表を所轄税務署へ提出(還付を受けたい場合は2,000リットル未満でも必須)
〜令和9年3月31日(水) 納付が必要な場合の納期限

2026年10月14日から11月2日までは19日間です。国税庁は税額算出表の作成ツール(Excel)も案内しています(国税庁「酒類の手持品課税(戻税)について」のページ)。

令和8年熊本地震の被災地域は期限が延長されています。 八代市・宇土市・宇城市・八代郡氷川町の酒類業者は、手持品課税の届出・申告も、別途告示される期限までに行えば足ります。対象地域外でも、地震で被災して申告・納付ができない場合は、所轄税務署へ申請して期限の延長を受けられます(国税庁Q&A問41)。

補足|2027年4月の食料品の消費税引下げは酒類に及ばない見込み

酒税と消費税は別の税です。酒税は、酒の種類と量に応じて酒を出荷するときに課される税で、消費税は、小売価格に上乗せされる税です。今回の酒税改正と、2027年4月からの食料品の消費税引下げ(法案)は、別の制度です。

  • 現行法でも、酒類は軽減税率(8%)の対象外です。 軽減税率の対象となる「飲食料品」は、食品表示法の食品から酒税法の酒類を除いたものと定められています(消費税法第2条第1項第9号の2・別表第一 第一号)。酒類は10%です
  • 2027年4月1日からの引下げの法律案要綱は、対象を「軽減税率の適用対象となっている飲食料品」としています(内閣官房掲載の法律案要綱)。法律案は2026年10月9日に第222回国会に提出された段階で、未成立です

法案どおりに成立すれば、酒類は引下げの対象外となる見込みです。成立状況は変わりうるため、公開後の動きは最新の情報でご確認ください。制度の全体像は食料品消費税1%はいつから?、事業者側の準備全般は食料品消費税1%引き下げ 事業者の準備実務ガイドで整理しています。免税店で酒類を外国人旅行者に販売している場合は、2026年11月1日から消費税の免税販売の方式も変わります(免税店のリファンド方式移行と10月31日までの届出確認)。

FAQ

Q1. 飲食店(酒の免許を持たない居酒屋)も対象ですか?

対象です。国税庁の手引は、対象を「酒類の販売業者等の方(酒場・料飲店等を経営されている方も含みます)」としており、概要でも、酒類の免許業者のほか酒場・料飲店等を経営している人を含むと明記しています。販売または提供のために対象酒類を所持していれば、在庫数量の確認が必要です。ただし、お客様のボトルキープ(預かり関係が明確なもの)は数えません。

Q2. 在庫が2,000リットル未満です。何もしなくてよいですか?

申告の義務はありません。ただし、ビールなどの引下げ分が多く、差額の還付を受けたい場合は、期限(令和8年11月2日)までに申告書兼届出書を提出する必要があります。期限を過ぎると、後から更正の請求をしても還付は受けられません(Q&A問20)。逆に、届出をした場合は、引上対象酒類を持つ全ての場所について申告が必要になります。

Q3. 2,000リットルの判定は店舗ごとですか、合計ですか?

引上対象酒類の所持数量を、全ての所持場所の合計で判定します(手引Ⅱ)。酒販店と飲食店を両方経営していても合算です。申告書の提出は、貯蔵場所の所在地を所轄する税務署ごとです。

Q4. 納付が必要な場合、いつまでに払えばよいですか?

納期限は令和9年3月31日(水)です。申告書兼届出書の提出期限(令和8年11月2日)とは別の日なので、混同しないでください。

Q5. 引下げの対象は、ビールだけですか?

ビールのほか、麦芽比率50%以上(またはアルコール分10度以上20度未満)の発泡酒、容器に「発泡酒③」と表示された発泡酒、アルコール分10度以上11度未満の一部の発泡性酒類(みりん・みりん類似の雑酒を除く)が引下げの対象です(手引Ⅲ)。早見表にも同じ区分を載せています。麦芽比率25%以上50%未満の発泡酒は対象外です。容器の表示で確認してください。

Q6. 店頭の販売価格も税額差のとおりに変わりますか?

税額の差がそのまま価格に反映されるとは限りません。酒税の差額は、350ml缶でビールが約9円の減(63.35円→54.25円)、新ジャンルが約7円の増(46.99円→54.25円)、チューハイ等が7円の増(28円→35円)です。ただし、店頭価格は各社・各店の仕入れ価格や価格設定で決まります。この記事で確かめられるのは税額の差までで、実際の価格は仕入先の価格表と自店の販売価格でご確認ください。

まとめ

  • 令和8年10月1日午前0時時点の対象酒類の在庫が、手持品課税(戻税)の基準です。酒場・料飲店も対象です
  • 申告書兼届出書の提出期限は令和8年11月2日(月)、納期限は令和9年3月31日(水)。熊本地震の対象地域は延長があります
  • 引上対象酒類が全所持場所の合計で2,000リットル以上なら申告が必須。未満でも期限内に届出をすれば申告でき、還付を受けられます。期限後は更正の請求でも還付されません
  • ビールと麦芽比率50%以上の発泡酒・「発泡酒③」は1リットル当たり26円の引下げ、麦芽比率25%未満の発泡酒と新ジャンルは約21円、チューハイ等(10度未満)は20円の引上げです
  • 食料品の消費税引下げは、現行法でも酒類は軽減税率の対象外で、法案どおりなら引下げ対象外となる見込みです。事業者の消費税側の準備は事業者の準備実務ガイドをご覧ください

最新の手続は、国税庁の「酒類の手持品課税(戻税)について」のページでご確認ください。

https://www.nta.go.jp/taxes/sake/annai/temochihin_r02.htm


本記事は2026年10月14日時点の情報に基づいています。税率・手続・期限は国税庁等の公表により変更される場合があります。

JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

本記事はAIが初稿を作成し、編集部が法令原文・官公庁通知・審議会資料等の一次情報と照合のうえ、内容を確認・編集しています。行政手続き・法改正・制度改正の実務情報を専門に扱う編集チームが、企業実務担当者・士業専門家向けに正確性の高いコンテンツを提供します。