地方税法改正2026|個人住民税・固定資産税・ふるさと納税の変更点と実務対応

本記事は法令・通達・官公庁資料に基づき編集部が作成・検証しています。個別の法的・税務判断ではありません。最新の法令はe-Gov法令検索でご確認ください。
地方税法改正2026|個人住民税・固定資産税・ふるさと納税の変更点と実務対応
目次▼

最終更新日: 2026-10-05

令和8年法律第2号「地方税法等の一部を改正する法律」が2026年(令和8年)3月31日に公布され、4月1日から施行された(一部規定は別途施行)。個人住民税では、基礎控除43万円は据え置かれた一方、給与所得控除の最低保障額が65万円から69万円に引き上げられ、令和9年度分・令和10年度分についてはさらに5万円上乗せされて74万円になる。配偶者控除・扶養控除の所得要件も令和9年度(2027年度)分から「合計所得58万円以下→62万円以下」となるため、扶養判定の給与収入ラインは123万円から136万円へ動く。固定資産税については、2026年度(令和8年度)は「第三年度」にあたり評価額は原則据え置き(地方税法第341条第6号)。直近の基準年度は令和6年度(2024年度)であり、次の基準年度(評価替え)は令和9年度(2027年度)となる。住宅用地特例(200㎡以下は1/6課税)と負担調整措置は継続する。ふるさと納税は2025年10月1日以降のポイント付与禁止が継続中で、さらに2026年10月1日から「寄附金活用可能額が寄附金合計額の一定割合以上」という新しい指定基準が加わる(初年度は52.5%、本則の60%に達するのは2029年10月1日以降の指定から)。本記事では、財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)原文とe-Gov法令検索の条文に基づき、個人・法人・不動産所有者・寄附者それぞれの実務対応を整理する。


結論ブロック(先に知りたい人向け)

  • 住民税の基礎控除は据え置き(43万円)。所得税の本則62万円+特例42万円への引上げは、住民税の基礎控除には連動しない。
  • ただし給与所得控除の最低保障額は住民税でも引き上がる。65万円→69万円、さらに令和9年度分・令和10年度分は74万円(+5万円の特例)。「住民税は何も変わらない」は誤り。
  • 扶養・配偶者の判定ラインは給与収入136万円へ(令和9年度分住民税から。合計所得62万円+給与所得控除74万円)。令和8年度分までは123万円。
  • 2026年6月給与天引き開始の住民税は2025年(令和7年)所得ベース。1月1日住所地の自治体が課税。
  • 固定資産税の2026年度(令和8年度)は「第三年度」(評価額据え置き年)。直近の評価替えは令和6年度(2024年度)、次の基準年度(評価替え)は令和9年度(2027年度)。住宅用地特例・負担調整は継続。
  • ふるさと納税は2026年10月1日から新基準が追加された。ポイント付与禁止(2025年10月~)に加え、寄附金活用可能額が一定割合以上であることが指定の条件になった。初年度(2026年10月~2027年9月の指定対象期間)は52.5%で、本則60%に達するのは2029年10月1日以降の指定から。

所得税側の基礎控除・給与所得控除の詳しい変更点は税制改正2026年|年収の壁178万円・基礎控除引上げと給与計算の変更点で解説している。


改正の核心(3行サマリ)

  1. 住民税の基礎控除43万円は据え置きだが、給与所得控除の最低保障額は69万円(令和9・10年度分は74万円)へ引上げ。配偶者・扶養控除の所得要件も58万円→62万円(令和9年度分から)で、扶養判定の年収ラインは136万円になる。ひとり親控除も30万円→33万円(令和10年度分から)。
  2. 固定資産税の2026年度(令和8年度)は「第三年度」(評価額据え置き年)。直近の基準年度は令和6年度(2024年度)、次の基準年度は令和9年度(2027年度)。住宅用地特例(1/6・1/3)と負担調整措置は継続適用。
  3. ふるさと納税はポイント付与禁止(2025年10月~)に加え、2026年10月1日から寄附金活用可能額の新基準(初年度52.5%・段階的に本則60%へ)。特例控除額の絶対額キャップ193万円は令和10年度分から。

根拠: 令和8年法律第2号 地方税法等の一部を改正する法律(2026年3月31日公布、内閣法制局公布法律一覧)/財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)pp.4・32・56・60/地方税法・所得税法(e-Gov法令検索)


個人住民税の変更点

住民税の課税構造(基本のおさらい)

個人住民税は「均等割」(所得にかかわらず定額)と「所得割」(所得に比例)で構成され、市町村民税と道府県民税(東京都は都民税)の合算で課税される。所得税が「現年所得課税」(その年の所得にその年に課税)であるのに対し、住民税は前年1月1日~12月31日の所得に基づく翌年度課税である点が最大の特徴。

納め方は2通りある。特別徴収(給与から毎月天引きされる方式。会社員が対象で、6月から翌年5月までの12回に分けて引かれる)と、普通徴収(市町村から送られる納付書で自分で納める方式。個人事業主や年の途中で退職した人が対象で、通常は年4回)である。以下、この2語を使い分けるので、ご自身がどちらかを押さえておきたい。

区分 標準税率(合計) 内訳
所得割 10% 市町村民税6%+道府県民税4%
均等割 5,000円 市町村民税3,000円+道府県民税1,000円+森林環境税1,000円(国税・市町村代行徴収)

実務上の注意: 均等割5,000円の内訳は「市町村民税3,000円(地方税法第310条)+道府県民税1,000円(地方税法第38条)+森林環境税1,000円(国税・森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律第5条「森林環境税の税率は、千円とする」)」。森林環境税は道府県民税ではなく国税であり、市町村が個人住民税の均等割の賦課徴収の例により、住民税とあわせて徴収している(同法第7条)。納税通知書では「森林環境税1,000円」が別行で表示される。なお、東日本大震災復興特別税(各500円加算)は2023年度で終了しており、2024年度以降は上記の内訳が適用されている。

根拠: 地方税法第38条・第310条(令和8年4月1日現在)、森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律第5条(税率)・第7条(賦課徴収)

改正前後の主要項目

令和8年法律第2号による個人住民税の改正は、基礎控除だけが据え置かれ、それ以外の人的控除・給与所得控除は動くという形になっている。「住民税は何も変わらない」という理解は誤りなので、変わる項目と変わらない項目を分けて押さえたい。

項目 改正前(令和8年度分まで) 改正後 適用開始
基礎控除(本則) 43万円(合計所得2,400万円以下) 43万円(据え置き) —
給与所得控除(最低保障額) 65万円 69万円。さらに令和9年度分・令和10年度分は+5万円で74万円 令和9年度分
配偶者控除の所得要件 配偶者の合計所得58万円以下 62万円以下 令和9年度分
扶養控除の所得要件 扶養親族の合計所得58万円以下 62万円以下 令和9年度分
扶養判定の給与収入換算 123万円(58万+65万) 136万円(62万+74万) 令和9年度分
ひとり親の子の所得要件 総所得金額等58万円以下 62万円以下 令和9年度分
ひとり親控除の額 30万円 33万円 令和10年度分
勤労学生控除の所得要件 合計所得85万円以下 89万円以下 令和9年度分
所得割税率 10% 10%(据え置き) —
均等割(森林環境税含む) 5,000円 5,000円(据え置き) —

【最重要】基礎控除だけが連動しない——所得税の基礎控除は令和8年分から本則62万円+特例最大42万円(合計104万円)に引き上げられたが、住民税の基礎控除は43万円のまま。これは「住民税は応益課税(受益に応じた負担)の性格が強く、広く薄く負担する」考え方によるもの。一方で給与所得控除は所得税・住民税の両方が対象であり、大綱にも「所得税及び個人住民税の給与所得控除について、65万円の最低保障額を69万円に引き上げる」と明記されている。給与計算実務では、この「基礎控除は別・給与所得控除は共通」という非対称を取り違えないこと。

【注意】「年収117万円」「年収127万円」は扶養判定ラインではない——令和9年度分の住民税で配偶者・扶養親族と判定される給与収入の上限は136万円である。62万円に旧い給与所得控除額(55万円や65万円)を足した117万円・127万円という数字が出回りやすいが、令和9年度分・令和10年度分の住民税で使う最低保障額は74万円。

74万円の根拠は租税特別措置法第29条の4(給与所得控除の最低控除額等の特例)第1項で、「令和八年又は令和九年において、その年中の…給与等の収入金額が二百二十万円以下である場合には…給与所得控除額は…七十四万円…とする」と定めている。住民税の所得計算は地方税法第313条第2項により「所得税法その他の所得税に関する法令の規定による…計算の例により算定する」ため、この特例がそのまま住民税にも及ぶ。令和8年・令和9年の所得に対応する住民税は令和9年度分・令和10年度分である。

この条文は令和9年(2027年)1月1日施行のため、今日e-Gov法令検索で第29条の4を開くと別の条文(未払賃金の課税特例)が表示される。 令和8年法律第12号が同じ条番号に新しい特例を置いたためで、条文を確認する際は施行日を2027年1月1日以降に指定する必要がある。適用対象は令和8年分の所得からで、改正法の附則にも「新租税特別措置法第二十九条の四…の規定は、令和八年分の所得税については…適用する」と経過措置が置かれている。

同条第2項第2号は「収入金額が七十四万千円以上二百十九万千円未満である場合には…給与所得の金額は、当該収入金額から七十四万円を控除した残額とする」と定めるので、給与収入136万円なら合計所得は 136万円-74万円=62万円。扶養の所得要件62万円ちょうどに収まる。

なお、給与以外の収入(事業所得・不動産所得・年金など)がある場合はこの年収換算は使えず、合計所得金額そのもので判定する。

特定親族特別控除(19~22歳の子)は所得税と金額が違う

令和7年度改正で創設された特定親族特別控除は、所得税と住民税で控除額が異なる。ネット上の解説は所得税の金額(最大63万円)で書かれていることが多く、住民税の申告で取り違えやすい。

特定親族の前年の合計所得金額 住民税の控除額 (参考)所得税の控除額
95万円以下 45万円 63万円
95万円超 115万円以下 逓減(63万円から段階的に控除) 逓減
115万円超 120万円以下 6万円 6万円
120万円超 3万円 3万円

対象となる「特定親族」は、前年の合計所得金額が123万円以下の19歳以上23歳未満の親族である(令和8年度分・令和9年度分とも変更なし。配偶者特別控除の基準である133万円と混同しやすいので注意)。

根拠: 地方税法第34条・第314条の2第1項第12号・第2項、第292条第1項第7号・第9号(令和8年法律第2号による改正後)/所得税法第28条(給与所得控除の最低保障額69万円)/租税特別措置法第29条の4(給与所得控除の最低控除額等の特例)/地方税法第313条第2項(住民税の所得計算は所得税に関する法令の例による)/財務省「令和8年度税制改正の大綱」pp.2〜5

適用時期の注意点

改正項目 適用時期 対象となる所得の年 給与天引き反映時期
給与所得控除の最低保障額 69万円→74万円 令和9年度分・令和10年度分住民税 2026年・2027年の所得 2027年6月支給分~2029年5月支給分
配偶者・扶養控除の所得要件引上げ(58→62万円) 令和9年度分住民税 2026年(令和8年)の所得 2027年6月支給分~2028年5月支給分
勤労学生控除の所得要件引上げ(85→89万円) 令和9年度分住民税 2026年の所得 2027年6月支給分~
ひとり親控除の額 30万円→33万円 令和10年度分住民税 2027年(令和9年)の所得 2028年6月支給分~
基礎控除・所得割税率・均等割 据え置き — (変更なし)

2026年6月給与天引きから始まる住民税は、2025年(令和7年)の所得に対する課税である。今回の改正が給与天引きに反映されるのは2027年6月以降で、ひとり親控除の増額だけはさらに1年遅れて2028年6月からである。適用年度が項目ごとにずれるため、給与計算担当者・人事担当者は「どの改正がいつの給与から効くか」を分けて社内周知する必要がある。

配偶者の働き方を調整している世帯へ——2026年(令和8年)中の給与収入が136万円以内に収まれば、2027年6月からの住民税で扶養・配偶者控除の対象になる。判定に使うのは2026年の年収であり、2027年に入ってから調整しても間に合わない。年末の労働時間調整はこの点を踏まえて行いたい(社会保険の扶養は別基準のため、あわせて確認が必要)。


固定資産税(2026年度の位置づけと実務対応)

2026年度は「第三年度」——評価額据え置き、次の評価替えは2027年度

固定資産税の評価額は地方税法第341条第6号(「基準年度」の定義)により、昭和33年度(1958年度)を起点として3年に1度の「基準年度」に全面見直し(評価替え)が行われる。

直近の基準年度と今後の周期は次のとおりである。

年度 位置づけ 主な動向
令和3年度(2021) 基準年度(評価替え) コロナ禍を踏まえ商業地等は特例で据え置き措置
令和4年度(2022) 第二年度(据え置き) 負担調整による課税標準のみ調整
令和5年度(2023) 第三年度(据え置き) 負担調整のみ
令和6年度(2024) 基準年度(評価替え) 全国的な地価上昇傾向を反映
令和7年度(2025) 第二年度(据え置き) 負担調整のみ
令和8年度(2026) 第三年度(据え置き) 評価額は令和6年度の評価額を原則維持
令和9年度(2027) 基準年度(次の評価替え) 2027年4月以降届く課税明細書で評価額変動
令和10・11年度 据え置き予定 負担調整のみ

重要: 2026年度(令和8年度)は評価替えの年ではなく「第三年度」(据え置き年)です。評価額は令和6年度(2024年度)に実施した評価替えの数値が原則として継続適用されます。次の評価替え(基準年度)は令和9年度(2027年度)です。2027年春に届く課税明細書で評価額が変動する可能性があるため、今から準備しておくことが重要です。

根拠: 地方税法第341条第6号(基準年度の定義)、地方税法第349条(令和8年4月1日現在)

2027年度評価替えに備えるポイント

2026年度は据え置き年のため今年の固定資産税額はほぼ前年踏襲だが、2027年度(令和9年度)の評価替えに向けた実務準備を行うことが重要である。

確認事項 時期 内容
現在の評価額の把握 2026年4~5月(今年の課税明細書) 令和6年度評価替えで確定した評価額を記録しておく
地価動向の把握 2026年通年 公示地価(毎年3月)・基準地価(毎年9月)で動向確認
2027年度課税明細書の受取 2027年4~5月 評価替え後の新評価額と課税標準額を令和6年度と比較
審査申出の期限確認 2027年6月頃 評価額に疑問がある場合、納税通知書の交付を受けた日後3ヶ月以内に、市町村の固定資産評価審査委員会へ審査の申出(地方税法第432条第1項)。市町村長への不服申立てではない点に注意

住宅用地特例(継続)

居住用建物の敷地として使われている土地は、課税標準が大幅に軽減される。令和8年法律第2号でこの特例の変更はなく継続適用となる。

区分 課税標準額 都市計画税の課税標準
小規模住宅用地(200㎡以下の部分) 評価額×1/6 評価額×1/3
一般住宅用地(200㎡超の部分) 評価額×1/3 評価額×2/3

実務ポイント: 1月1日時点で住宅が建っていることが要件。同年中に住宅を取り壊して更地にすると、翌年度から特例が外れ課税額が一気に3~6倍になるケースがある。建替えの場合は「住宅用地の特例継続申告」を市町村に提出すれば一定要件下で継続可。

根拠: 地方税法第349条の3の2(住宅用地に対する固定資産税の課税標準の特例)

商業地等の負担調整措置

商業地等(住宅用地以外の宅地)については、評価額の急変緩和のため負担調整措置が設けられている。負担水準=(前年度課税標準額÷当年度評価額)×100(%)が一定の閾値と比較され、緩やかに課税標準を引き上げる仕組みで、令和8年度も継続。

負担水準 課税標準額 根拠
70%超 評価額×70%(上限で固定) 附則第18条第5項
60%以上70%以下 前年度課税標準額と同額(前年と変わらず) 附則第18条第4項
60%未満 前年度課税標準額+評価額×5%(段階的引上げ) 附則第18条第1項
↑の結果が評価額×60%を超えるとき 評価額×60%(頭打ち) 附則第18条第2項
↑の結果が評価額×20%に満たないとき 評価額×20%(下支え) 附則第18条第3項

条文は「当該年度分の固定資産税の課税標準となるべき価格…に百分の五を乗じて得た額を加算した額」と定めており、加算するのは評価額そのものの5%である。「評価額×70%の5%」ではない。

計算例: 評価額1億円、前年度課税標準額5,000万円(負担水準50%)の商業地の場合、今年度の課税標準額は 5,000万円+1億円×5%=5,500万円。評価額の60%(6,000万円)以下なので頭打ちには当たらない。税率1.4%を掛けて税額は77万円となる。

計算式の見方: 「負担水準」の判定に使う70%・60%という数字は閾値であり、負担水準の計算式そのものに70%は含まれない。「前年度課税標準額÷当年度評価額×100」が負担水準(%)で、それが70%超か60%未満かを判定する。

この措置は令和8年度までの規定である。附則第18条の見出しは「宅地等に対して課する令和六年度から令和八年度までの各年度分の固定資産税の特例」であり、令和9年度以降の負担調整措置は、令和9年度の評価替えに合わせて別途手当てされる。2027年の課税明細書を読むときは、調整のルール自体が変わっている可能性を念頭に置きたい。

根拠: 地方税法附則第18条第1項〜第5項(令和8年4月1日現在)

新築住宅の減額特例

新築住宅は建物部分の固定資産税が一定期間軽減される。令和8年度改正で適用期限が5年延長され、令和13年3月31日までに新築された住宅が対象となった(あわせて床面積要件の緩和と、災害ハザードエリアに係る立地要件の見直しが行われる)。

区分は「一戸建てかマンションか」ではなく、中高層耐火建築物(地上3階以上の耐火構造・準耐火構造の建築物)に当たるかどうかで分かれる。

住宅種類 軽減期間 軽減割合 根拠
一般の新築住宅 当初3年度分 床面積120㎡相当分まで1/2減額 附則第15条の6第1項
一般の新築住宅のうち中高層耐火建築物(3階以上) 当初5年度分 床面積120㎡相当分まで1/2減額 附則第15条の6第2項
認定長期優良住宅 当初5年度分 床面積120㎡相当分まで1/2減額 附則第15条の7第1項
認定長期優良住宅のうち中高層耐火建築物 当初7年度分 床面積120㎡相当分まで1/2減額 附則第15条の7第2項

【見落とされやすい】長期優良住宅の減額は「申告」が必要——認定長期優良住宅の減額(5年・7年)は、新築された日から、新たに固定資産税が課されることになる年度の初日の属する年の1月31日までに、総務省令で定める書類を添えた申告書を市町村へ提出した場合に限り適用される(附則第15条の7第3項)。一般の新築住宅の3年減額は申告不要で自動適用されるため、「何もしなくても減額される」と思い込んで長期優良住宅の申告を失念する例がある。期限後でもやむを得ない理由があると市町村長が認めれば適用できる(同条第5項)ので、気づいた時点で市町村に相談すること。

根拠: 地方税法附則第15条の6・第15条の7(令和8年4月1日現在)/財務省「令和8年度税制改正の大綱の概要」(資産課税・固定資産税の特例措置の延長等)

注意: 軽減期間終了の翌年度から税額が2倍前後に跳ね上がる。「築4年目で固定資産税が急に上がった」のは多くがこのパターン。3階建て以上のマンションなら築6年目、長期優良住宅なら築6年目または築8年目が該当する。住宅ローン返済計画と合わせて軽減終了時期を確認しておくこと。


ふるさと納税の変更点

ポイント付与禁止(2025年10月施行)の継続

総務省告示の改正により、2025年10月1日以降、ふるさと納税ポータルサイトが寄附者に対しポイント等の経済的利益を付与する募集方法は禁止された。令和8年度に入っても同ルールは継続適用されている。

区分 2025年9月30日まで 2025年10月1日以降(現行)
ポータル独自ポイント還元 各社競争で最大10%超 禁止
返礼品の調達額基準 寄附額の30%以下 30%以下(継続)
返礼品+送料等の経費合計 寄附額の50%以下 50%以下(継続)
地場産品基準 自治体内産品 自治体内産品(継続)

根拠: 指定基準告示=平成31年総務省告示第179号「特例控除対象寄附金の対象となる都道府県等の指定に係る基準等を定める件」(令和6年6月28日改正・2025年10月1日適用)/総務省ふるさと納税ポータル

出典表記の注意: 「ふるさと納税に係る指定制度の運用について」というタイトルは、告示ではなく通知(令和8年6月26日総税市第71号)のものである。ポイント付与禁止の根拠は上記の指定基準告示(第179号)の改正であり、両者は別の文書。

2026年10月1日から加わった新基準(寄附金活用可能額)

令和8年度税制改正により、総務大臣が自治体をふるさと納税の対象として指定する際の基準に、寄附金の使いみちに関する要件が追加された。2026年10月1日以後に効力を生ずる指定から適用されている。この基準で初めて行われたR8指定(2026年10月1日〜2027年9月30日)は、総務省が2026年9月25日に公表した。

新しい基準 内容
寄附金活用可能額の下限 受領した寄附金の合計額から募集に要する費用を差し引いた額(=寄附金活用可能額)が、寄附金合計額の一定割合以上であること。本則は60%だが、下表のとおり4段階で引き上げられる
使途の公表 寄附金活用可能額の使いみちに関する事項を公表すること

【重要】60%はいきなり適用されるわけではない——改正法の附則に経過措置が置かれ、指定対象期間の初日に応じて読み替えられる。

指定対象期間の初日 適用される割合
2026年10月1日~2027年9月30日(令和8年指定) 52.5%
2027年10月1日~2028年9月30日(令和9年指定) 55%
2028年10月1日~2029年9月30日(令和10年指定) 57.5%
2029年10月1日以降(令和11年指定~) 60%(本則)

これまでの「返礼品3割以下・経費総額5割以下」は自治体が使う側の上限規制だったが、今回は「集めた寄附のうち一定割合以上を実際に事業へ回せているか」を正面から問う基準である。基準を満たせない自治体は指定を受けられず、その自治体への寄附は税額控除の対象外になる。寄附者としては、2026年10月以降に指定自治体の顔ぶれが動く可能性を頭に入れておきたい。

あわせて、指定を取り消された自治体を再指定しない期間が2年間から3年以内に、指定の取消事由を遡って判断できる期間が指定対象期間の初日前1年以内から4年以内に、それぞれ改められた。

根拠: 地方税法第37条の2第2項第2号イ・ロ、第314条の7第2項第2号イ・ロ(令和8年10月1日施行)/令和8年法律第2号 附則(「同項第二号イ中『百分の六十』とあるのは、それぞれ同表の下欄に掲げる字句とする」として52.5%・55%・57.5%を規定)/財務省「令和8年度税制改正の大綱」pp.32〜33

返礼品を出す自治体・事業者の側で必要になる対応(付加価値基準の判定と地場産品認定の実務)は、ふるさと納税2026年改正の付加価値基準・地場産品認定で総務省告示から整理している。

【実務ポイント】寄附者目線の変化: ポイント還元競争がなくなったことで、寄附者は「ポータルサイトの還元率」より「返礼品そのものの魅力」と「自治体の取り組み」で選ぶ動機が強まる。年末駆け込みの寄附パターンには変化なし。

控除上限の最新値(2026年度)

寄附金税額控除の上限は「住民税所得割額の概ね20%(特例分の上限)」であり、控除上限額の目安は所得・家族構成に応じて変動する。

年収 独身または共働き 夫婦(配偶者控除あり) 夫婦+子1人(高校生)
300万円 約28,000円 約19,000円 約11,000円
500万円 約61,000円 約49,000円 約40,000円
700万円 約108,000円 約86,000円 約76,000円
1,000万円 約180,000円 約171,000円 約160,000円
1,500万円 約389,000円 約380,000円 約370,000円

※ 社会保険料控除・iDeCo・医療費控除等の他控除の有無により個別に増減する。正確な上限額は総務省ふるさと納税ポータルのシミュレーターで確認すること。

【令和10年度(2028年度)分からの上限キャップ新設】 令和8年度税制改正大綱 p.32 により、特例控除額の控除限度額が「個人住民税所得割額の2割」と次の金額のいずれか低い金額に制限される(現行は所得割額の2割のみ)。

区分 通常 指定都市に住所を有する場合
道府県民税 77万2千円 38万6千円
市町村民税 115万8千円 154万4千円
合計 193万円 193万円

指定都市では道府県民税と市町村民税の税率配分が異なる(通常2%:8%に対し指定都市は1%:9%相当)ため内訳が変わるが、合計193万円は同じである。この上限に当たるのは特例控除額が193万円を超える寄附をした場合で、年収およそ2,500万円超の層が該当する。上表の年収1,500万円以下の範囲では実務上の変化はない。令和10年度分以後の個人住民税について適用される(大綱 p.33 の注/地方税法第314条の7第11項・附則第5条の5第2項の改正は令和10年度分から適用)。

根拠: 総務省ふるさと納税ポータル「寄附金控除額の計算シミュレーション」、地方税法第37条の2・第314条の7、令和8年度税制改正大綱pp.32

控除の仕組み(おさらい)

ふるさと納税の控除は「所得税の所得控除」「住民税の基本控除」「住民税の特例控除」の3層構造で、自己負担2,000円を超える部分がワンストップ特例または確定申告により控除される。

控除区分 計算式
所得税分(所得控除) (寄附額-2,000円)×所得税率
住民税分(基本控除) (寄附額-2,000円)×10%
住民税分(特例控除) (寄附額-2,000円)×(90% - 所得税率×1.021)

【重要】確定申告をする人はワンストップ特例を使えない——ワンストップ特例(申告特例)は、確定申告も住民税の申告もしない給与所得者等が、1年間の寄附先が5自治体以内の場合に限って使える制度である。以下に当てはまる人は対象外で、寄附金控除を受けるには確定申告が必要になる。

  • 個人事業主・フリーランスなど、もともと確定申告をする人
  • 医療費控除や住宅ローン控除(初年度)で確定申告をする人
  • 副業所得が20万円を超えるなどで確定申告義務がある会社員
  • 6自治体以上に寄附した人

申請書の提出期限は寄附をした翌年の1月10日必着。なお、ワンストップ特例の申請書を出した人が後から確定申告をすると、先に出した特例の申請は無効になるため、確定申告書にふるさと納税分をすべて記載し直す必要がある。「特例の書類を送ったから大丈夫」と思って確定申告で書き漏らすと、控除がまるごと受けられない。

根拠: 地方税法第37条の2・第314条の7(寄附金税額控除)、第37条の2第11項・第314条の7第11項(特例控除額)、所得税法第78条第2項、地方税法附則第7条(申告特例)


法人住民税・事業税の改正(中小事業者向け簡略整理)

法人住民税

項目 改正前 令和8年度以降
法人税割(道府県・市町村合計) 標準税率7.0% 7.0%(据え置き)
均等割(資本金1,000万円以下) 70,000円 70,000円(据え置き)

法人事業税(外形標準課税の範囲見直し)

令和6年度税制改正(令和6年法律第4号)による外形標準課税の対象法人見直しのうち、100%子法人等を対象化する規定が2026年(令和8年)4月1日に施行された。資本金1億円以下でも、次の2つを満たすと付加価値割・資本割の対象になる。

条件 内容
親会社側 払込資本の額が50億円を超える法人(=「特定法人」。保険業法の相互会社を含む)による完全支配関係にあること
自社側 払込資本の額が2億円を超えること

「払込資本の額」は資本金と資本剰余金の合計に相当する金額(政令で定める)で、資本金だけの判定ではない。資本金1億円以下だから中小企業扱い、という前提が通用しなくなるため、大手グループの子会社は自社の資本剰余金を含めた金額を確認しておきたい。なお、改正法の公布日以後に減資や剰余金の配当で払込資本を減らした場合は、減少分を加算して判定する(租税回避防止規定)。

根拠: 地方税法第72条の2第1項第1号ロ(1)(2)(令和8年4月1日施行)。適用開始事業年度の詳細は顧問税理士または都道府県税事務所にご確認ください

中小企業の少額減価償却資産特例(40万円未満へ引上げ)

令和8年度改正で、この特例は金額・期限・対象法人の3点が同時に動いた。

項目 改正前 改正後
対象となる取得価額 30万円未満 40万円未満
適用期限 令和8年3月31日まで 令和11年3月31日まで(3年延長)
対象法人 常時使用する従業員500人以下 常時使用する従業員が400人を超える法人を除外
年間の損金算入限度額 合計300万円 300万円(据え置き)

根拠: 租税特別措置法第67条の5第1項(「平成十八年四月一日から令和十一年三月三十一日までの間に取得し…その取得価額が四十万円未満であるもの」)/財務省「令和8年度税制改正の大綱」p.56・p.60

【最重要】この特例は償却資産税には使えない——40万円未満の資産を全額損金算入できるのは法人税・所得税の話であり、固定資産税(償却資産税)では適用されない。東京都主税局は「法人税・所得税法上は損金算入できますが、固定資産税(償却資産)においては適用されません」と明記し、この特例を適用した資産を申告対象として挙げている。

つまり、40万円未満で一括損金算入した資産も、償却資産として1月31日までに申告し、固定資産税を払う必要がある。「損金にしたから資産台帳から消してよい」と処理すると申告漏れになる。正当な理由なく申告しなかった場合、地方税法第386条に基づき各市町村が条例で定める10万円以下の過料の対象になり得る。

一方、次の資産は償却資産税の申告が不要である(取り違えに注意)。

区分 償却資産の申告
10万円未満で一時に損金算入した資産 不要
20万円未満で3年間の一括償却をした資産 不要
取得価額20万円未満のリース資産(地方税法施行令第49条ただし書) 不要
40万円未満・中小企業特例を適用して損金算入した資産 必要
少額でも個別に減価償却することを選んだ資産 必要

根拠: 東京都主税局「固定資産税(償却資産)」1-7(地方税法第341条)


自動車税・軽自動車税の主な変更(令和8年4月1日以降)

環境性能割の廃止

令和8年度税制改正大綱(pp.93〜)に基づき、自動車税環境性能割および軽自動車税環境性能割は令和8年3月31日をもって廃止された。令和8年4月1日以降に取得する自動車・軽自動車への環境性能割の課税は行われない。

これに伴い、税の名称も改称される。

改称前(〜令和8年3月31日) 改称後(令和8年4月1日〜)
自動車税種別割 自動車税
軽自動車税種別割 軽自動車税

実務ポイント: 令和8年4月1日以降に新車・中古車を取得した場合、環境性能割(取得価額に応じた0〜3%の課税)は不要となる。ただし自動車税(旧:種別割)は継続して年1回課税される。

課否の分かれ目は契約日でも納車日でもなく、運輸支局等での登録(軽自動車は届出)が完了した日である。 3月中に契約・納車していても登録が4月にずれ込めば環境性能割はかからず、逆に3月中に登録が済んでいれば課税される。年度をまたぐ取得では、販売店に登録日の見込みを確認しておきたい。

グリーン化特例の延長

自動車税・軽自動車税のグリーン化特例(電気自動車等の低排出・低燃費車に対する軽減措置)は、軽課・重課ともに2年間延長された。

軽油引取税の「当分の間税率」の廃止

軽油引取税について、従来「当分の間税率」として上乗せされていた特例税率が、2026年(令和8年)4月1日に廃止された。

根拠: 財務省「令和8年度税制改正の大綱」pp.93〜98(「自動車税等の環境性能割について、令和8年3月31日をもって廃止する。これに伴い、現行の自動車税種別割を自動車税とし、現行の軽自動車税種別割を軽自動車税とするなど、所要の措置を講ずる」「軽油引取税の当分の間税率について、令和8年4月1日に廃止する」)


年収帯別 住民税シミュレーション(2026年度)

以下はモデルケースのおおよその年税額。社会保険料控除・生命保険料控除・iDeCo・住宅ローン控除等で個別変動する。

独身・給与所得者(東京都23区在住・標準税率)

前提条件: 令和7年度の協会けんぽ(東京支部)の料率をもとにした社会保険料の概算(健康保険+厚生年金+雇用保険)。iDeCo・住宅ローン控除・生命保険料控除・調整控除は未反映。40歳未満(介護保険料なし)を想定。

年収 給与所得控除後 社保控除概算 基礎控除 課税所得 所得割 均等割 住民税合計
300万円 202万円 約45万円 43万円 約114万円 約114,000円 5,000円 約119,000円
500万円 356万円 約72万円 43万円 約241万円 約241,000円 5,000円 約246,000円
700万円 520万円 約104万円 43万円 約373万円 約373,000円 5,000円 約378,000円
1,000万円 805万円 約160万円※ 43万円 約602万円 約602,000円 5,000円 約607,000円

※年収1,000万円ケースの社保控除概算:協会けんぽ東京都(標準報酬上限)の健康保険料約83万円+厚生年金保険料約71万円+雇用保険料約6万円=合計約160万円。標準報酬月額の上限(健保139万円・厚生年金65万円)があるため、年収が上がっても社保料は上限に頭打ちとなる。なお、「ふるさと納税の控除上限」とは異なるモデル前提のため直接比較は不可。

夫婦(配偶者控除あり)・子1人(中学生)

前提条件: 基礎控除43万円+配偶者控除33万円+社保控除(前述の独身モデルと同率概算)。住民税では中学生(15歳以下)は扶養控除の対象外(平成24年度以降、年少扶養廃止)のため子の扶養控除はゼロ。

年収 給与所得控除後 所得控除合計 課税所得 住民税合計
300万円 202万円 約121万円 約81万円 約86,000円
500万円 356万円 約148万円 約208万円 約213,000円
700万円 520万円 約180万円 約340万円 約345,000円
1,000万円 805万円 約236万円 約569万円 約574,000円

※所得控除合計は「社保控除+基礎43万円+配偶者33万円」で計算(中学生の扶養控除はゼロ)。この表は2026年度(令和8年度)分の住民税であり、給与所得控除の最低保障額は65万円で計算している。所得税の課税最低限178万円(基礎控除104万円+給与所得控除74万円)とは別計算になるため、所得税がゼロでも住民税の所得割が発生する年収帯がある。その目安は令和8年度分で給与収入108万円超(43万円+65万円)、令和9年度分で117万円超(43万円+74万円)。均等割5,000円の非課税判定はこれとは別基準で、自治体ごとに定められている。

※本表では調整控除(所得税と住民税の人的控除額の差を埋める税額控除。課税所得200万円以下なら最低2,500円)を反映していない。実際の所得割はこの表より数千円低くなる。正確な額は市町村から届く税額決定通知書で確認すること。

根拠: 地方税法第34条・第314条の2(人的控除額)、令和8年度税制改正の大綱


申告・納税のタイムライン(2026年)

時期 個人住民税 固定資産税
2026年1月1日 賦課期日(住所地で課税確定) 賦課期日(土地・家屋所有者で課税確定)
2026年3月15日 確定申告期限(前年所得申告) —
2026年4月~5月 — 課税明細書送付(2026年度は据え置き年のため評価額は令和6年度と同額が原則)
2026年5月~ 特別徴収税額通知書 → 6月から給与天引き開始 第1期納期(多くの自治体で6月末)
2026年6月 2026年度住民税の給与天引き開始(2025年所得ベース) —
2026年9月・12月・2027年2月 普通徴収納期(自営業者等) 第2期~第4期納期
2027年6月 令和9年度住民税の給与天引き開始(配偶者・扶養控除要件引上げ反映) —
2027年4月~5月 — 令和9年度が次の評価替え(基準年度)——課税明細書で評価額変動を確認

FAQ

A

A. 基礎控除の部分は下がりません。ただし「住民税は何も変わらない」は誤りです。 所得税の基礎控除は令和8年分から本則62万円+特例最大42万円(合計104万円)になりましたが、住民税の基礎控除は43万円のまま据え置きです。一方、給与所得控除の最低保障額は所得税・住民税の両方が引上げの対象で、65万円→69万円、さらに令和9年度分・令和10年度分の住民税では5万円上乗せされて74万円になります。このほか住民税では、配偶者・扶養控除の所得要件(58→62万円)、勤労学生控除の所得要件(85→89万円)、ひとり親控除の額(30→33万円)が動きます。

財務省の大綱には「所得税及び個人住民税の給与所得控除について、65万円の最低保障額を69万円に引き上げる」と明記されています。所得税の課税最低限178万円は「基礎控除104万円+給与所得控除74万円」の合計です。住民税は基礎控除が43万円のままなので、同じようには下がりません。所得税側の詳細は年収の壁178万円の解説をご覧ください。

A

A. 前年1月1日~12月31日の所得です。 2026年6月から給与天引きされる住民税(2026年度分)は、2025年(令和7年)中の所得に対する課税となります。賦課期日は1月1日で、その日に住民票がある市町村が課税権を持ちます。年の途中で引っ越しても、1月1日時点の住所地で1年分課税される点に注意。

A

A. 2026年度(令和8年度)は評価替えの年ではありません。 地方税法第341条第6号により、基準年度は昭和33年度を起点に3年ごとに到来します。直近の基準年度は令和6年度(2024年度)であり、次の基準年度(評価替え)は令和9年度(2027年度)です。2026年度は「第三年度」にあたり、評価額は令和6年度の数値を原則として据え置いて課税されます。4月以降に届く課税明細書の評価額が令和6年度の明細書と一致していることを確認してください。なお、評価額が据え置かれていても、負担調整措置により課税標準額(実際の課税ベース)はわずかに変動する場合があります。

A

A. ポータルサイトの還元競争が終わり、寄附先の選び方が「返礼品+自治体の魅力」中心に変わりました。 2025年10月1日以降、楽天ふるさと納税やふるさとチョイス等のポータルが独自に寄附者へポイントを付与することは禁止されています(総務大臣告示第179号)。返礼品の調達額3割以下、地場産品基準、ワンストップ特例の制度自体は従来どおり継続。ふるさと納税の控除上限額試算はふるさと納税の控除上限額|年収別・扶養別の一覧表を参照してください。

A

A. 新築住宅の減額特例(建物部分1/2減額)の期間終了が主な原因です。 一般の新築住宅は当初3年度分、3階建て以上の中高層耐火建築物なら5年度分、認定長期優良住宅は5年度分(中高層耐火建築物なら7年度分)に限り建物部分の固定資産税が1/2に減額されますが、期間終了後は本則税額に戻ります。約2倍に跳ね上がるのが通常です。「築4年目」で上がったなら一般の新築住宅の3年が、「築6年目」なら5年の区分が終わったと考えられます。なお、2026年度は固定資産税の据え置き年(評価替えは令和9年度)のため、今年の評価額上昇による急増はほぼないはずです。住宅ローン返済計画と合わせて減額特例の終了時期を把握しておくことが重要です。

A

A. 使えません。逆に、申告して固定資産税を払う必要があります。 令和8年度改正で対象が取得価額40万円未満(改正前30万円未満)に広がり、適用期限も令和11年3月31日まで3年延長されました。ただしこれは法人税・所得税の制度です。東京都主税局は「法人税・所得税法上は損金算入できますが、固定資産税(償却資産)においては適用されません」と明記しており、この特例を適用した資産は償却資産の申告対象です。

一括で損金にしたからといって資産台帳から外すと申告漏れになります。10万円未満の一時損金算入、20万円未満の3年一括償却であれば償却資産の申告は不要ですが、中小企業特例を使ったものは別枠、という整理で覚えてください。あわせて、常時使用する従業員が400人を超える法人はこの特例の対象から外れた点にもご注意ください。

A

A. 住民税は「応益課税(受益に応じた負担)」の性格が強く、広く薄く負担する考え方が基本にあるためです。 所得税が「応能課税(能力に応じた負担)」を強めて課税最低限を178万円まで引き上げたのに対し、住民税は地方自治体の安定財源確保の観点から基礎控除引上げを見送りました。これにより、所得税はゼロでも住民税は課税されるという「住民税の壁」が今後も継続します。

ただし住民税側も給与所得控除は引き上がるため、所得割が課税され始める給与収入のラインは動きます。令和8年度分(2025年の所得)は「基礎控除43万円+給与所得控除65万円」で108万円、令和9年度分(2026年の所得)は「43万円+74万円」で117万円が目安です。なお均等割5,000円については、これとは別に自治体ごとの非課税限度額が定められています(東京23区は合計所得45万円以下など)。正確な判定はお住まいの市町村にご確認ください。

A

A. 確定申告書の第二表で「自分で納付(普通徴収)」を選べば、副業分の住民税は自宅に届く納付書で納められます。 住民税の徴収方法には、給与から天引きされる「特別徴収」と、自分で納付書により納める「普通徴収」があります。何も指定しないと副業分も合算されて給与天引きになるため、勤務先に渡る住民税額が本業の給与に見合わない金額になります。

ただしこの選択が使えるのは給与所得以外の所得(原稿料・業務委託などの事業所得・雑所得、不動産所得など)に限られます。副業がアルバイト等の給与所得である場合は、原則として本業の給与と合算して特別徴収されるため、普通徴収は選べません。また、自治体の運用によっては希望どおりにならない場合があるため、確実を期すなら市町村の住民税担当課へ事前に確認してください。

A

A. 通常は年4期(6月・9月・12月・2月の月末頃)に分けて納付しますが、自治体により異なります。 一括前納も可能で、口座振替・コンビニ払い・クレジットカード・QRコード決済(PayPay請求書払い等)に対応する自治体が増加中。納税通知書記載の納期限を必ず確認してください。


まとめ・アクションチェックリスト

個人(給与所得者)向け

  • [ ] 2026年6月給与明細で住民税額が前年と大きく変わっていないか確認(基礎控除据え置きのため大幅な減税はない)
  • [ ] 配偶者・扶養親族の2026年中の給与収入が136万円以内か確認(合計所得62万円+給与所得控除最低保障74万円)。この年収で令和9年度分(2027年6月~)の住民税の扶養判定が決まる。2027年に調整しても間に合わない
  • [ ] ひとり親の方は、控除額30万円→33万円の増額が令和10年度分(2028年6月~)からである点を確認(子の所得要件62万円化は令和9年度分から)
  • [ ] ふるさと納税は2026年12月末までに寄附完了で2026年所得分の控除対象。ポイント目当てではなく返礼品・自治体重視で選ぶ
  • [ ] 確定申告をする予定があるならワンストップ特例は使えない。寄附金控除は確定申告書に記載する
  • [ ] 2026年10月1日以降、寄附先が指定自治体であり続けるか(寄附金活用可能額の新基準。初年度52.5%)を寄附前に総務省ポータルで確認
  • [ ] 1月1日時点の住所変更(引っ越し)は住民税の課税自治体に影響

不動産所有者向け

  • [ ] 2026年4~5月に届く固定資産税課税明細書で「評価額・課税標準額・税額」の3項目を記録(2026年度は据え置き年のため評価額は令和6年度と同額が原則)
  • [ ] 住宅用地が200㎡を境にどう区分されているか確認(1/6特例の範囲)
  • [ ] 新築住宅の減額特例(3年・5年・7年)の終了年を把握
  • [ ] 住宅取り壊し・更地化は1月1日を跨ぐ前に税務影響を確認(特例喪失で税額3~6倍化リスク)
  • [ ] 令和9年度(2027年度)が次の評価替え年——2026年中の公示地価・基準地価を確認し、所有地の評価額変動リスクを事前把握
  • [ ] 不動産譲渡所得税の解説記事も合わせて確認

法人・個人事業主向け

  • [ ] 外形標準課税の対象範囲見直し(資本金1億円以下でも対象化の可能性)を確認
  • [ ] 少額減価償却資産特例の枠が40万円未満(年300万円まで全額損金)に広がったことを設備投資計画に反映
  • [ ] 常時使用する従業員が400人を超える場合、少額減価償却資産特例の対象外になった点を確認
  • [ ] 特例を適用した40万円未満の資産も償却資産の申告対象。固定資産台帳とは別に「措法67条の5適用資産」の一覧を作り、申告漏れを防ぐ
  • [ ] 償却資産申告(1月31日まで)の準備

出典・参考法令一覧

法令・改正法

  • 令和8年法律第2号 地方税法等の一部を改正する法律(2026年3月31日公布、2026年4月1日施行・一部別途)
  • 内閣法制局 公布法律一覧: https://www.clb.go.jp/recent-laws/promulgation_law/id=5122
  • 地方税法(e-Gov法令検索 LawID: 325AC0000000226)— 第34条・第38条・第292条・第310条・第313条・第314条の2・第341条・第349条の3の2・第432条、附則第15条の6・第15条の7・第18条
  • https://laws.e-gov.go.jp/law/325AC0000000226
  • 所得税法(LawID: 340AC0000000033)— 第28条(給与所得控除)・第86条(基礎控除)
  • https://laws.e-gov.go.jp/law/340AC0000000033
  • 租税特別措置法(LawID: 332AC0000000026)— 第29条の4(給与所得控除の最低控除額等の特例=74万円。令和9年1月1日施行のため、参照時は施行日を2027年1月1日以降に指定すること)・第67条の5(中小企業者等の少額減価償却資産)
  • https://laws.e-gov.go.jp/law/332AC0000000026
  • 森林環境税及び森林環境譲与税に関する法律(LawID: 431AC0000000003)— 第5条(税率)・第7条(賦課徴収)

税制改正の大綱

  • 令和8年度税制改正の大綱(令和7年12月26日閣議決定)
  • 本文PDF: https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/20251226taikou.pdf
  • 概要PDF: https://www.mof.go.jp/tax_policy/tax_reform/outline/fy2026/08taikou_gaiyou.pdf
  • 参照箇所: pp.2〜5(基礎控除・給与所得控除・ひとり親控除)、p.32(ふるさと納税)、p.56・p.60(少額減価償却資産)、pp.93〜98(自動車関係諸税)

ふるさと納税

  • 総務省 ふるさと納税ポータルサイト: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/080430_2_kojin.html
  • 指定基準告示=平成31年総務省告示第179号「特例控除対象寄附金の対象となる都道府県等の指定に係る基準等を定める件」(令和6年6月28日改正・2025年10月1日適用)
  • 同告示の令和8年10月1日適用版: https://www.soumu.go.jp/main_content/001065165.pdf
  • 指定基準告示の一部改正=令和8年総務省告示第145号(令和8年10月1日適用): https://www.soumu.go.jp/main_content/001076683.pdf

固定資産税・償却資産

  • 総務省 地方税制ページ: https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/
  • 東京都主税局「固定資産税(償却資産)」(少額資産の申告要否/中小企業特例の取扱い)
  • https://www.tax.metro.tokyo.lg.jp/kazei/work/shokyak_sis

免責事項: 本記事は2026年10月5日時点で公表されている法令・告示・大綱に基づいて記載しています。令和8年法律第2号の一部規定は2026年5月以降に順次施行されており、ふるさと納税の指定基準は2026年10月1日から変わりました。施行通知・条例改正・実務通達により取り扱いが変わる可能性があるため、個別案件は所轄市町村税務課・税理士・税務署にご確認ください。シミュレーション数値はモデルケースの概算で、調整控除・社会保険料控除・各種税額控除等により実額は変動します。特に扶養判定・ふるさと納税の控除上限については、ご自身の合計所得金額に基づく判定が必要です。

JG

実務ガイド編集部

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