最終更新日: 2026年8月3日(2026年4月1日施行・令和8年度改正を反映)
【結論】 2026年4月1日から定期接種に2つの重要変更が施行された。①RSウイルス感染症の新規A類追加(対象:妊娠28週0日〜36週6日〔政令上は「妊娠28週から37週に至るまで」〕の妊婦。使用ワクチンはアブリスボ®。母子免疫により出生児のRS感染を予防)、②高齢者肺炎球菌ワクチンの切替(PPSV23〔ニューモバックス〕→PCV20〔沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン〕)。医療機関・薬局・自治体はそれぞれ体制整備・情報提供・公費負担手続きの見直しが必要である。本記事は厚生労働省公表の政令・省令・実施要領改正、および製品情報(PMDA・製造販売元)を根拠に執筆している。自治体ごとに運用が異なる事項(接種スケジュールの細目・自治体独自の助成等)は「自治体窓口で確認」と誘導している。接種の適否は必ず医師・自治体窓口にご確認ください。
この記事でわかること
- 2026年4月1日から定期接種が何がどう変わったか(2大変更点の全体像)
- RSウイルス定期接種化の対象者・根拠法令・ワクチンの種類
- 高齢者肺炎球菌ワクチン切替(PPSV23→PCV20)の背景と注意点
- 医療機関・薬局・自治体が今すぐ確認すべき実務ポイント
- 今後の動向(予防接種法の”法律”改正との関係)
- FAQ:よくある疑問5問
§1 令和8年度定期接種変更の全体像
1-1 変更の背景と根拠法令
定期接種は予防接種法(昭和23年法律第68号)を根拠とし、対象疾病・ワクチン種別は政令(予防接種法施行令)で、使用するワクチンは省令(予防接種法施行規則)で定められている。さらに実施手続きの細目は定期接種実施要領(厚生労働省告示)が規定する。
2026年度の定期接種変更は、この政令・省令・実施要領の改正によって実施されたものであり、法律本体(予防接種法そのもの)の改正ではない点を理解しておく必要がある。
施行時期の区別(矛盾に見えないよう整理する):
| 改正の対象 | 改正・適用のタイミング |
|---|---|
| 政令(予防接種法施行令)・省令(予防接種法施行規則) | 2026年4月1日施行(RS定期接種化・肺炎球菌PCV20切替の効力発生日) |
| 定期接種実施要領(手続きの細目) | 令和8年3月31日改正(2026年4月1日適用開始)/令和8年6月1日改正(同日適用開始) |
つまり、制度変更そのものの効力は2026年4月1日に発生し、その運用手続きを定める実施要領は3月31日改正版が4月施行に間に合う形で先行し、その後6月1日改正版で追加整備された、という関係である。
出典: 厚生労働省「定期接種実施要領」各改正版(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html)
1-2 2大変更点のまとめ
| 変更区分 | 内容 | 施行日 |
|---|---|---|
| 新規追加(A類) | RSウイルス感染症の定期接種化(妊婦対象・母子免疫) | 2026年4月1日 |
| ワクチン切替(B類) | 高齢者肺炎球菌:PPSV23→PCV20(沈降20価結合型) | 2026年4月1日 |
A類疾病は「発病または重症化を防止し、蔓延を防ぐため集団予防を目的とする」疾病群であり、国・自治体が積極的に接種を勧奨する義務を負う。B類疾病は「個人の発病または重症化を防止し、併せて蔓延防止を目的とする」類型で、接種は任意に近い運用となる。
§2 RSウイルス感染症の定期接種化(新規・A類疾病)
2-1 なぜ今、RSウイルスが定期接種に?
RSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)は主に乳幼児の呼吸器感染症の原因となるウイルスで、生後6か月未満の乳児が感染した場合に重篤な呼吸器疾患(細気管支炎・肺炎)に至るリスクが高い。特に早産児や心疾患を持つ乳児では入院加療を要するケースが多く、わが国では年間数万人規模の入院患者が報告されている。
従来、RS感染症の予防は抗体製剤(パリビズマブ)による受動免疫が中心であったが、近年「母体への能動免疫(ワクチン接種)により出生児を守る」という新しいアプローチのワクチンが承認を受けた。妊婦がワクチン接種を受けることで産生した抗体が胎盤を通じて胎児に移行し、生後早期の乳児を重症化から守る仕組みである。
厚生労働省はこのメカニズムの有効性と安全性を評価し、2026年度からA類疾病として定期接種に組み込むこととした。
2-2 定期接種化の対象者・ワクチン区分
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 妊娠28週0日〜36週6日(政令上の表現は「妊娠28週から37週に至るまで」)の妊婦 |
| 目的 | 母子免疫による出生児のRSウイルス感染症予防 |
| 疾病区分 | A類疾病(新規追加) |
| 使用ワクチン | アブリスボ®(Abrysvo/ファイザー社、組換えRSウイルスワクチン・筋注用) |
| 対象者の根拠 | 政令(予防接種法施行令)による規定 |
| ワクチンの根拠 | 省令(予防接種法施行規則)による規定 |
使用ワクチンは「アブリスボ®(Abrysvo)」: 母子免疫を目的とする定期接種で用いられるのは、ファイザー社の組換えRSウイルスワクチン「アブリスボ®」(筋肉内注射)である。妊婦がアブリスボ®を接種することで、これは日本で定期接種化された初の母子免疫ワクチンとなった。
【取り違え防止】 高齢者を対象とするRSウイルスワクチン「アレックスビー®(GSK社)」とは用途が異なり、母子免疫(妊婦接種)には用いない。両者は対象者・用法が別のワクチンであり、PMDA等も取り違えに注意を促している。産科・薬局現場では、妊婦の母子免疫定期接種=アブリスボ®であることを明確に確認すること。接種の適否は必ず医師の判断による。
妊娠週数の読み方: 「妊娠28週から37週に至るまで」とは、妊娠28週0日から妊娠36週6日(37週0日の前日)までを指す。37週に達した以降は対象外となる点に注意し、産科での妊婦健診スケジュールと照合しながら接種時期を判断する。
費用・実施場所: RSウイルスの母子免疫定期接種は原則として公費負担で行われ、自己負担なしで受けられる。また産婦人科に限らず、市区町村の委託を受けた医療機関であれば産婦人科以外でも接種が可能である(実施医療機関はお住まいの自治体窓口で確認できる)。
2-3 A類疾病への組み込みが持つ意味
A類疾病として定期接種化されると、以下の法的義務が生じる。
- 市区町村の接種体制整備義務: 市区町村は被接種者(対象妊婦)に対し接種の機会を提供する責任を負う
- 積極的接種勧奨: 国・自治体が対象者に接種を勧奨する
- 健康被害救済制度の適用: 接種後に健康被害が生じた場合、予防接種法に基づく救済給付の対象となる(B類や任意接種より手厚い補償)
- 副反応報告義務: 接種医療機関は副反応の発生を報告する義務を負う
これらはすべて「接種を受ける妊婦の保護」「出生後の乳児の保護」に直結する制度的保障である。
2-4 実務上の確認事項(要確認・要検証)
以下の事項は一次ソース(省令・実施要領・自治体通知)での確認が必要であり、本記事では断定を避ける。
〔要確認事項〕
| 確認事項 | 理由 |
|---|---|
| 接種回数(1回か2回か)および接種スケジュールの詳細 | 実施要領・ガイドライン参照が必要 |
| 既に妊娠中の方への経過措置・移行期の取扱い | 施行直後の運用は実施要領・自治体通知で確認が必要 |
接種を希望する妊婦の方へ: 接種の時期・費用・手続きは産科主治医または市区町村窓口にご確認ください。なお、一部の自治体では、施行前に任意接種としてRSウイルスワクチンを受けた妊婦に対する償還払い(費用の払い戻し)を設けている場合があります。該当の可能性がある方は、お住まいの自治体窓口でご確認ください。
§3 高齢者肺炎球菌ワクチンの切替(B類定期接種)
3-1 改正の概要:PPSV23からPCV20へ
2026年4月より、高齢者を対象とするB類定期接種の肺炎球菌ワクチンが変更された。
| 項目 | 改正前(〜2026年3月) | 改正後(2026年4月〜) |
|---|---|---|
| ワクチン種別 | PPSV23(23価莢膜ポリサッカライドワクチン) | PCV20(沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン) |
| 代表的製品名 | ニューモバックスNP | プレベナー20 |
| カバー血清型数 | 23種類 | 20種類 |
| ワクチン分類 | 莢膜ポリサッカライドワクチン(非結合型) | 結合型ワクチン(コンジュゲートワクチン) |
| 投与経路 | 皮下注射 | 筋肉内注射 |
投与経路の変更に注意: PPSV23(ニューモバックス)は皮下注射だったが、PCV20(プレベナー20)は筋肉内注射である。切替に伴い接種手技・接種部位が変わるため、実施医療機関はスタッフへの周知が必要となる。
3-2 なぜPCV20への切替が行われるのか
従来使用されていたPPSV23(23価莢膜ポリサッカライドワクチン)と新たに採用されるPCV20(沈降20価肺炎球菌結合型ワクチン)の最大の違いはワクチンの構造(結合型か非結合型か)にある。
結合型ワクチン(コンジュゲートワクチン)の特徴:
– 莢膜多糖体をキャリアタンパク質に結合させることで、T細胞依存性の免疫応答を誘導する
– 高齢者・免疫応答が低下した個人でも比較的良好な抗体産生が期待できる
– 免疫記憶(ブースター効果)が形成されやすい
PCV20は、カバーする血清型数こそPPSV23の23種類より少ない20種類であるが、これらの対象血清型に対してPPSV23より高い有効性が期待される。厚生労働省は有効性・安全性・費用対効果等の総合的評価のうえでPCV20への切替を決定した。
肺炎球菌感染症は高齢者の侵襲性感染症(肺炎、菌血症、髄膜炎)の主要な原因であり、定期接種化以降の高齢者への予防効果を更に高めるための政策的判断といえる。
3-3 定期接種の対象者・実施方法(要確認事項あり)
標準的な対象要件:
– 高齢者肺炎球菌のB類定期接種の標準対象は、65歳の者、および60歳以上65歳未満で心臓・腎臓・呼吸器の機能障害等の一定の基礎疾患を有する者である
– 公費負担による接種が行われる(自己負担額は自治体ごとに異なる)
なお、具体的な対象年齢・実施方法・接種券の運用は自治体によって異なる場合があるため、対象年齢・実施の詳細はお住まいの自治体通知で確認すること。
〔要確認事項〕:
| 確認事項 | 理由 |
|---|---|
| PPSV23をすでに接種済みの方の取扱い(経過措置・接種間隔等) | 実施要領・省令で規定される内容。過去の接種との関係は重要 |
| 1回接種か複数回接種か | 実施要領で確認が必要 |
| PCV20とPPSV23の両方を接種する場合の間隔ルール | 省令・実施要領・製造販売業者情報で確認が必要 |
接種を検討している高齢者の方・ご家族へ: 対象かどうか、費用の自己負担、前回の接種との間隔については、かかりつけ医または市区町村の予防接種担当窓口にご相談ください。
§4 定期接種実施要領の改正ポイント(2026年)
4-1 令和8年3月31日改正・6月1日改正の位置づけ
定期接種実施要領は今回、2回の改正が行われた。
| 改正回 | 告示・適用日 | 主な改正内容 |
|---|---|---|
| 第1次改正 | 令和8年3月31日(2026年4月1日適用) | RSウイルス感染症の定期接種化・肺炎球菌ワクチン切替に伴う実施手続きの整備 |
| 第2次改正 | 令和8年6月1日 | 追加・整備事項(詳細は厚労省公表の改正要領全文を参照) |
実施要領は各自治体が定期接種を実施する際の指針となるため、医療機関・薬局・接種実施者はいずれの改正版も内容を確認しておく必要がある。
出典: 厚生労働省「定期接種実施要領(令和8年度改正)」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou/yobou-sesshu/index.html)
4-2 医療機関が実施要領で確認すべき実務項目
実施要領には以下の実務項目が定められているため、定期接種を実施する医療機関・助産所等は必ず確認する。
- 接種実施体制の届出・契約: 市区町村との委託契約・協定締結の手続き
- 被接種者の確認: 対象者の確認方法(母子健康手帳・接種券の確認等)
- 記録・報告: 接種記録の作成・保存・市区町村への報告義務
- 副反応報告: 重篤な副反応・死亡例の報告先(都道府県・PMDA)と報告期限
- 健康被害救済: 接種後健康被害の相談窓口・手続き案内
- 費用請求: 公費負担分の請求先・請求様式・支払いスケジュール
これらは従来のA類・B類疾病の定期接種と同様の実務フローだが、RSウイルスは今回新規追加であるため、特に接種実績のない医療機関は体制整備が必要となる。
§5 医療機関・薬局・自治体ごとの対応ポイント
5-1 産科・産婦人科(RSウイルス接種の主要実施機関)
RSウイルス感染症の定期接種は妊婦を対象としており、産科・産婦人科が主要な接種実施機関となることが想定される。以下の対応が求められる。
体制整備面:
– 市区町村との委託契約締結(未実施の場合は速やかに手続き)
– スタッフへのワクチン管理・接種技術の研修
– 問診票・同意書の整備(妊娠週数確認を含む)
情報提供面:
– 妊婦健診の機会を活用した定期接種の説明・勧奨
– RSウイルス感染症が新生児・乳児に与えるリスクの丁寧な説明
– 接種のメリット・注意事項のわかりやすい資料提供
記録面:
– 母子健康手帳への接種記録記載
– 市区町村へのデータ報告体制の確認
5-2 薬局(調剤・情報提供の役割)
薬局は定期接種の直接実施機関ではないが、妊婦・高齢者と日常的に接する立場として重要な役割を担う。
情報提供・服薬指導の際の確認ポイント:
– 妊婦からRSウイルスワクチンについて質問を受けた場合は、定期接種の対象であること・かかりつけ産科医または市区町村窓口への相談を案内する
– 高齢者から肺炎球菌ワクチンについて質問を受けた場合は、ワクチンがPCV20に切り替わっていること・過去にPPSV23を接種済みの場合は医師に相談するよう案内する
– ワクチン接種後の発熱・局所反応等に対する解熱鎮痛薬の相談には、接種部位の副反応の一般的説明に加え、重篤症状の場合は接種医療機関・救急への受診を促す
調剤報酬改定2026年における調剤業務や服薬指導の詳細については「調剤報酬改定2026年をわかりやすくまとめ」も参照されたい。
5-3 市区町村(定期接種の実施主体)
定期接種の実施主体は市区町村であり、以下の対応が必要である。
接種体制:
– 管内の産科医療機関・かかりつけ医との委託契約・協定の締結または更新
– RSウイルス(A類新規)・肺炎球菌PCV20(B類切替)両方を含む接種体制の整備
– 自治体独自の公費助成額・自己負担額の設定と周知
住民向け広報:
– 対象者(妊婦・高齢者)への接種通知・勧奨通知の発送
– 市区町村ウェブサイト・窓口での情報更新
– 問合せ対応の庁内マニュアル整備
費用請求:
– 医療機関からの公費分の請求受付・支払い体制の確認
§6 今回の変更と「予防接種法本体の改正」との違い
6-1 法律改正と政令・省令改正は別物
今回解説している2026年4月1日施行の定期接種変更は、あくまで政令・省令・実施要領レベルの改正である。
これとは別に、2026年には予防接種法本体の改正(令和8年法律第76号、2026年7月31日公布)も成立・公布されている。ただし、この法律改正は今回の定期接種変更(RS定期接種化・肺炎球菌切替)とは別の法令改正であり、内容を混同しないよう注意が必要である。
| 区分 | 2026年4月1日施行の変更 | 令和8年法律第76号 |
|---|---|---|
| 法令レベル | 政令・省令・実施要領の改正 | 法律(予防接種法)本体の改正 |
| 主な内容 | RS定期接種化・肺炎球菌切替 | — |
| 施行状況 | 2026年4月1日施行済み | 公布済み・施行は先。詳細は政省令待ち |
6-2 法律第76号は「施行後に別途解説」
令和8年法律第76号は2026年に成立・公布されたものの、施行時期は先であり、具体的な内容・適用条件は今後の政令・省令の制定を待つ必要がある。本記事執筆時点(2026年8月)では施行後の詳細は確定しておらず、情報源によっても内容の整理が定まっていない段階にある。そのため本記事では法律第76号の中身には立ち入らず、詳細が確定した段階で別途解説する。今後の厚生労働省・官報の公表情報を継続的にフォローされたい。
高額療養費制度など医療費負担の変化も含め、2026年以降の医療制度改正の全体像については「高額療養費制度 2026年8月改正|年収別の自己負担上限」も参照されたい。
§7 実務チェックリスト
産科・産婦人科
- [ ] 市区町村との委託契約を締結・更新したか
- [ ] RSウイルスワクチンの仕入れ・保管体制を整えたか
- [ ] 接種対象週数(妊娠28週〜36週6日)の確認フローを整備したか
- [ ] 問診票・同意書・接種記録の様式を準備したか
- [ ] 妊婦への説明資材(RSウイルスの解説・接種のメリット等)を用意したか
- [ ] 副反応発生時の対応フロー・報告先を確認したか
内科・総合診療科(高齢者肺炎球菌接種を行う場合)
- [ ] 使用するワクチンがPCV20に更新されているか(在庫・発注状況)
- [ ] PPSV23を既接種の患者への対応ルール(接種間隔・適応判断)を確認したか
- [ ] 市区町村の接種委託・費用請求様式がPCV20対応に更新されているか
薬局
- [ ] 妊婦・高齢者からのワクチン問合せ対応マニュアルを整備したか
- [ ] 接種後の副反応相談に対する初期対応フローを確認したか
市区町村担当者
- [ ] 管内医療機関への通知・委託契約更新を完了したか
- [ ] 対象住民への接種通知の発送スケジュールを確定したか
- [ ] 自治体ウェブサイト・窓口情報をPCV20切替・RS追加に更新したか
§8 FAQ
Q1. 妊婦がRSウイルスワクチンを接種すると、本人も何か効果があるのでしょうか?
RSウイルス感染症の定期接種は、出生後の乳児を守る「母子免疫」が主目的です。妊婦本人のRS感染予防効果も期待できますが、接種の一義的な目的は「母体の抗体を胎盤経由で胎児に移行させ、生後早期の乳児を重症RSウイルス感染症から守ること」です。RSウイルスによる乳児の入院リスクを下げる観点から、定期接種化されています。具体的な予防効果の説明は産科主治医にご確認ください。
Q2. 既にPPSV23(ニューモバックス)を接種したことがある場合、PCV20も接種できますか?
2026年4月から高齢者B類定期接種の標準ワクチンはPCV20に切り替わりました。PPSV23を既に接種済みの方がPCV20を接種できるかどうか、接種間隔の要件等については、かかりつけ医または市区町村の予防接種担当窓口にご確認ください。法令・実施要領で接種間隔等のルールが定められているため、自己判断で接種時期を決めるのではなく、必ず医師の判断を仰いでください。
Q3. 定期接種なので費用はすべて無料ですか?
RSウイルスの母子免疫定期接種は原則として公費負担で自己負担なしで受けられます。一方、高齢者肺炎球菌などB類の定期接種は自己負担額が市区町村ごとに異なり、一部自治体で自己負担を設定している場合があります。正確な費用は、お住まいの市区町村の窓口またはウェブサイトでご確認ください。
Q4. 任意接種でRSウイルスワクチンを既に受けていた場合、定期接種との重複接種はできますか?
任意接種で既に接種済みの場合の定期接種との関係については、実施要領・ガイドラインに基づく医師の判断が必要です。重複接種の可否・接種間隔等は産科主治医にご相談ください。
Q5. 医療機関がRSウイルスの定期接種を実施するための手続きはどこに問い合わせればよいですか?
まず管轄の市区町村(予防接種担当課)に問い合わせてください。市区町村から委託を受けて定期接種を実施する形式が基本となります。また、厚生労働省の「定期接種実施要領」および都道府県の衛生主管部局からの通知も参照してください。
まとめ
2026年4月1日から施行された定期接種の主要変更は2点——RSウイルス感染症の新規A類定期接種化(妊婦対象・母子免疫)と、高齢者肺炎球菌ワクチンのPPSV23からPCV20への切替——である。
RSウイルスの定期接種化は「母体免疫を通じて生後早期の乳児を守る」という新しいアプローチであり、A類疾病として組み込まれたことで積極的接種勧奨と手厚い健康被害救済制度が適用される。一方、肺炎球菌ワクチンの切替は、結合型ワクチン(PCV20)の方が従来の非結合型(PPSV23)より対象血清型に対して高い有効性が期待されるという科学的評価に基づく。
費用・接種スケジュール・対象年齢の詳細・既接種者の経過措置等、自治体ごとに異なる部分や省令・実施要領で詳細が規定されている事項は、かかりつけ医または市区町村窓口への確認を必ず行っていただきたい。
また、2026年以降の医療制度の変化として、後期高齢者の医療費負担はいくら?も合わせてご参照いただくと、医療費・保険制度の全体像の理解が深まるだろう。
免責事項: 本記事は公表済みの政令・省令・実施要領等の一次情報をもとに執筆した情報提供を目的とするものです。接種の適否・費用・スケジュールは個人の状況や自治体の運用によって異なります。接種の判断は必ず医師またはかかりつけ産科医・市区町村の担当窓口にご相談ください。本記事の内容は最終的な医療判断・法的判断の根拠にはなりません。



