相続した不動産を売る全手順ガイド2026|相続登記・税金・特例を一気通貫で解説

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相続した不動産を売る全手順ガイド2026|相続登記・税金・特例を一気通貫で解説
目次

最終更新日: 2026-07-06

相続した不動産の売却には、①相続登記(2024年4月1日から義務化・知った日から3年以内・怠れば10万円以下の過料)→②遺産分割→③査定・媒介契約→④売買契約・引渡し→⑤確定申告(売却翌年2月16日〜3月15日)の5段階があります。税率は被相続人の取得日から判断し、5年超なら長期20.315%、5年以下なら短期39.63%です。空き家の3,000万円特別控除(令和9年12月31日まで)と取得費加算特例(相続開始から約3年10か月以内)は併用不可のため、どちらを使うか早めに試算することが最大の節税ポイントです。

免責事項: 本記事は一般的な制度解説であり、個別案件の税務・法律判断を提供するものではありません。税額・適用要件・登記手続きは個人の状況によって異なります。最新情報は国税庁タックスアンサー・法務省・税理士・司法書士にご確認ください。


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【早わかり】相続不動産売却の5ステップと税率早見

ステップ 内容 期限・注意点
①相続登記 所有権移転登記申請 知った日から3年以内(義務)
②遺産分割 相続人全員の合意 分割成立後も3年以内に登記
③査定・媒介契約 不動産会社へ依頼 専任媒介は3か月以内
④売買契約・引渡し 印紙税・代金決済 印紙税軽減は令和9年3月31日まで
⑤確定申告 譲渡所得の申告 売却翌年2月16日〜3月15日
所有期間(被相続人の取得日起算) 税率(所得税+住民税+復興税)
5年超(長期) 20.315%
5年以下(短期) 39.63%

1. ①相続登記——2024年4月1日から義務化

1-1. 義務化の概要

2024年(令和6年)4月1日、相続登記が義務化されました(不動産登記法第76条の2第1項)。

相続により不動産を取得した相続人は、「自己のために相続の開始があったことを知り、かつ、その不動産の所有権を取得したことを知った日から3年以内」に相続登記を申請しなければなりません。正当な理由なく怠った場合は10万円以下の過料の対象となります(不動産登記法第164条第1項)。

遺産分割が成立した場合も、成立した日から3年以内に遺産分割の内容に基づく所有権移転登記を申請する義務があります。

1-2. 経過措置——令和9年3月31日まで

施行日(2024年4月1日)前に相続が開始していた場合も義務化の対象です。この場合、令和9年(2027年)3月31日までに相続登記を完了する必要があります(経過措置)。

先祖代々受け継いできた未登記の土地や、数十年前の相続で放置していた不動産を抱えている方は、2027年3月31日が実質的なデッドラインです。

注意: 2026年7月現在、経過措置の期限まで1年9か月を切っています。司法書士への依頼は早めに。

1-3. 相続登記にかかる登録免許税

相続による所有権移転登記の登録免許税は「固定資産税評価額 × 0.4%」です(登録免許税法別表第1)。

固定資産税評価額は市場価格の50〜70%程度が目安ですが、物件によって大きく異なります。市区町村が発行する固定資産税評価証明書で確認できます。

なお、不動産の価額が100万円以下の土地については、令和9年3月31日まで登録免許税が免税されます(租税特別措置法第84条の2の3)。

詳細な手続きは相続登記の義務化2026完全ガイドをご覧ください。


2. ②遺産分割——共有状態のまま売却は困難

相続人が複数いる場合、不動産は相続人全員の「共有状態」になります。共有不動産を売却するためには、原則として相続人全員の合意(遺産分割協議)が必要です。

遺産分割協議書を作成する際は、相続人全員の実印と印鑑証明書が必要です。相続人の一人でも行方不明・意思能力に疑問がある場合は手続きが複雑になるため、早めに弁護士・司法書士に相談することが重要です。

遺産分割の具体的な手続きは遺産分割協議書の作成ガイド2026で詳しく解説しています。


3. ③査定・媒介契約

3-1. 査定の種類

不動産会社への査定依頼には「机上査定(AI査定・簡易査定)」と「訪問査定」の2種類があります。売却価格を真剣に検討するなら訪問査定を選びましょう。複数社(2〜3社)に依頼して比較するのが一般的です。

3-2. 媒介契約の種類と期間

宅地建物取引業者との媒介契約には3種類あります(宅建業法第34条の2)。

種類 特徴 有効期間
専属専任媒介 1社のみ・自己発見取引不可 3か月以内
専任媒介 1社のみ・自己発見取引可 3か月以内
一般媒介 複数社可・自己発見取引可 規定なし

相続物件の場合、早期売却を優先するなら専任媒介、複数ルートを試したいなら一般媒介が選択肢になります。


4. ④売買契約・引渡し——印紙税の軽減措置に注意

売買契約書には印紙税が課税されます。現在、令和9年(2027年)3月31日まで軽減措置が適用されており、通常の半額以下です(国税庁 No.7108)。

売買代金 軽減後印紙税額
500万円超〜1,000万円以下 5,000円
1,000万円超〜5,000万円以下 1万円
5,000万円超〜1億円以下 3万円

令和9年4月1日以降の契約には軽減措置が適用されない可能性があるため、2027年3月末前の引渡しを目指す場合はスケジュールに注意が必要です。


5. ⑤譲渡所得の確定申告——翌年2月16日〜3月15日

不動産を売却した場合、給与所得とは別に「分離課税」で譲渡所得の確定申告が必要です。

申告期限は売却した翌年の2月16日〜3月15日です。申告しないと無申告加算税(原則15〜20%)・延滞税が課されます。特例(空き家控除・取得費加算など)の適用を受けるためにも必ず申告が必要です。

譲渡損失が生じた場合も、損益通算や繰越控除の特例を使うには申告が必要です。


6. 譲渡所得税の計算——相続の特殊ルール

6-1. 課税譲渡所得の計算式

土地・建物の売却益は「分離課税」として計算します(国税庁 No.3202)。

課税譲渡所得 = 譲渡価額 −(取得費 + 譲渡費用)− 特別控除額
  • 取得費: 被相続人が取得した時の購入代金・手数料など(後述)
  • 譲渡費用: 仲介手数料・印紙税など売却に直接かかった費用
  • 特別控除: 空き家3,000万円控除などの特例

6-2. 税率——長期20.315% vs 短期39.63%

最大のポイントは「所有期間の判定」です。

区分 所有期間(譲渡した年の1月1日現在) 税率(合計)
長期譲渡所得 5年超 20.315%
短期譲渡所得 5年以下 39.63%

税率の内訳:
長期: 所得税15% + 住民税5% + 復興特別所得税0.315% = 20.315%(国税庁 No.3208)
短期: 所得税30% + 住民税9% + 復興特別所得税0.63% = 39.63%(国税庁 No.3211)

6-3. 相続の場合——被相続人の取得日を引き継ぐ

相続による取得の場合、「被相続人や贈与者の取得の時期がそのまま取得した相続人や受贈者に引き継がれます」(国税庁 No.3270)。

つまり、「自分が相続した日」ではなく「被相続人が不動産を買った日」が所有期間の起算点です。

: 被相続人が1990年(36年前)に購入した自宅を2026年に相続・売却 → 所有期間は36年 → 長期20.315%

逆に、被相続人が2024年に購入した不動産を2026年に相続・売却する場合 → 被相続人の取得から約2年 → 短期39.63%

詳しい計算方法は不動産の譲渡所得税2026完全ガイドをご参照ください。

6-4. 取得費が不明な場合——概算取得費5%ルール(No.3258)

古い不動産では購入当時の売買契約書が残っていないことがあります。取得費が不明な場合は「売った金額の5パーセント相当額を取得費とすることができます」(国税庁 No.3258)。

ただし5%ルールを使うと、売却価格の95%が課税所得になります。高額物件では税負担が非常に重くなるため、被相続人の購入時の書類(売買契約書・領収書)を必ず探してください。見つからない場合は税理士に相談することをお勧めします。


7. 2つの節税特例——どちらを使うか早めに試算

相続した不動産の売却には2つの重要な節税特例があります。この2つは併用できません。どちらが有利か、早めに試算してください。

7-1. 取得費加算の特例(No.3267)

相続税を支払った場合に使える特例です。支払った相続税額の一部を「取得費」に上乗せできるため、課税対象の利益が圧縮されます。

適用の3要件(すべて必要):
1. 相続・遺贈で財産を取得した者であること
2. その財産に対して相続税が課税されていること
3. 相続開始の翌日から相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までに譲渡すること

相続税の申告期限は原則「相続開始から10か月」のため、実質的な売却期限は相続開始から約3年10か月以内です。この期限を1日でも超えると特例は使えません。

7-2. 空き家の3,000万円特別控除(No.3306)

被相続人が一人で居住していた「旧耐震基準(昭和56年5月31日以前建築)」の家屋と敷地を売却する場合に適用できます。

主な要件:
– 昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋(旧耐震基準)
– マンション等の区分所有建物ではないこと
– 相続開始直前に被相続人以外の居住者がいないこと
– 売却代金が1億円以下(複数相続人の合算)
令和9年(2027年)12月31日までの適用期限

控除額:
– 原則: 最高3,000万円
– 令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡で、相続人が3人以上の場合: 最高2,000万円(令和6年改正)

2つの特例の比較:

取得費加算特例(No.3267) 空き家3,000万円控除(No.3306)
条件 相続税を支払っていること 旧耐震・一人居住・1億円以下
有利な場面 相続税額が大きい場合 相続税が少ない・ゼロの場合
期限 相続開始から約3年10か月以内 令和9年12月31日まで
他の特例との併用 空き家控除と不可 取得費加算・マイホーム控除と不可

詳細は空き家の3,000万円特別控除2026ガイド3,000万円特別控除(マイホーム)ガイドをご参照ください。


8. 総コスト試算表——2,000万・3,000万・5,000万の3ケース

前提条件(試算はすべてこの条件):
– 売主は個人・居住者(法人・非居住者は対象外)
– 被相続人が20年以上前に取得した不動産(長期20.315% 適用)
– 取得費:概算取得費(譲渡価額×5%)を使用(書類なし・最悪ケース想定)
– 譲渡費用:仲介手数料のみ計上
– 特別控除・特例:適用なしのベースラインケース
– 仲介手数料は税込(消費税10%含む)
登録免許税(相続登記)は固定資産税評価額により変動するため「別途」

ケース1:売却価格 2,000万円

費目 金額(概算) 計算根拠
仲介手数料(税込) 726,000円 2,000万×3.3%+6.6万円
印紙税(売買契約書) 10,000円 1,000万〜5,000万:1万円(軽減)
登録免許税(相続登記) 別途 固定資産税評価額×0.4%
抵当権抹消登記 1,000円〜 不動産1件×1,000円(司法書士報酬は別途)
譲渡所得税(長期・特例なし) 約3,712,000円 課税所得:2,000万−(100万+72.6万)=1,827.4万×20.315%
合計コスト概算 約445万円 登録免許税・司法書士報酬除く

ケース2:売却価格 3,000万円

費目 金額(概算) 計算根拠
仲介手数料(税込) 1,056,000円 3,000万×3.3%+6.6万円
印紙税(売買契約書) 10,000円 1,000万〜5,000万:1万円(軽減)
登録免許税(相続登記) 別途 固定資産税評価額×0.4%
抵当権抹消登記 1,000円〜 不動産1件×1,000円(司法書士報酬は別途)
譲渡所得税(長期・特例なし) 約5,575,000円 課税所得:3,000万−(150万+105.6万)=2,744.4万×20.315%
合計コスト概算 約664万円 登録免許税・司法書士報酬除く

参考:同じ3,000万円売却で空き家特例(3,000万円控除)を適用した場合(相続人1〜2人のケース)

費目 金額(概算)
仲介手数料(税込) 1,056,000円
印紙税 10,000円
譲渡所得税 0円(課税所得2,744.4万円が控除額3,000万円以下)
合計コスト概算 約107万円

特例適用の有無で、同じ売却価格でも約557万円の差が生じます。ただし令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合、1人あたりの控除額は2,000万円に縮小されます。この場合は課税所得の一部が残り、上表のように税額が完全にゼロになるとは限りません。相続人の人数と各人の持分に応じて個別に計算してください。

ケース3:売却価格 5,000万円

費目 金額(概算) 計算根拠
仲介手数料(税込) 1,716,000円 5,000万×3.3%+6.6万円
印紙税(売買契約書) 10,000円 5,000万ちょうど:1万円(軽減・上限)
登録免許税(相続登記) 別途 固定資産税評価額×0.4%
抵当権抹消登記 1,000円〜 不動産1件×1,000円(司法書士報酬は別途)
譲渡所得税(長期・特例なし) 約9,301,000円 課税所得:5,000万−(250万+171.6万)=4,578.4万×20.315%
合計コスト概算 約1,103万円 登録免許税・司法書士報酬除く

注意: 試算はすべて「概算取得費5%・特例なし・長期」の最悪ケースです。取得費の証明書類がある場合・各種特例を適用できる場合は実際の税負担が大幅に軽減されます。税理士への相談を強くお勧めします。

仲介手数料の計算式の詳細は不動産仲介手数料ガイド2026をご参照ください。


9. 落とし穴チェックリスト10項目

相続不動産売却で多くの方が踏んでしまう失敗をまとめました。売却前に全項目を確認してください。

✅ チェック1:所有期間の起算点を「被相続人の取得日」で計算しているか

最多の落とし穴です。「自分が相続した日」ではなく「被相続人が不動産を取得した日」が起算点です(国税庁 No.3270)。親が最近購入した不動産を相続してすぐ売却すると、被相続人の取得から5年以内なら短期税率39.63%が適用されます。

✅ チェック2:相続登記が完了しているか(未完了では売却不可)

相続登記が完了していないと買主への所有権移転登記ができません。売却に向けて動く前に必ず登記を完了させてください。義務化(2024年4月1日〜)により、期限徒過は過料の対象です。

✅ チェック3:遺産分割が全員の合意で成立しているか

共有状態のまま「自分の持分だけ売る」ことも法律上は可能ですが、実際には買い手がつきにくく不動産価値が大幅に低下します。売却前に全相続人の合意を取り付けてください。一人でも反対・連絡不能の場合は弁護士に相談を。

✅ チェック4:抵当権が残っていないか

被相続人がローンを組んでいた場合、抵当権が設定されていることがあります。売却前に完済・抹消が必要です。抵当権抹消登記の登録免許税は不動産1件につき1,000円ですが、司法書士報酬が別途かかります。

✅ チェック5:農地の場合、農地転用許可を受けているか

対象不動産が農地(農地法上の農地)の場合、農業委員会の許可(農地法第3条・第5条)がなければ売買できません。許可には数か月かかることがあり、売却タイムラインが狂う原因になります。

✅ チェック6:境界が確定しているか

隣地との境界が未確定の場合、買主が買い渋る・値下げ要求の原因になります。測量・境界確定は3〜6か月かかることがあるため、売却活動前に着手することをお勧めします。

✅ チェック7:空き家特例(令和9年12月31日)と取得費加算特例(約3年10か月)の期限を確認しているか

どちらも期限を1日でも超えると適用不可です。特に取得費加算特例は「相続開始から約3年10か月以内」という時間的プレッシャーがあります。相続発生後は早めに税理士と特例の比較検討を始めてください。

✅ チェック8:空き家特例の建築年(昭和56年5月31日以前)と売却代金(1億円以下)を確認しているか

空き家3,000万円特別控除は「昭和56年5月31日以前建築」が絶対要件です。1981年6月以降の建築は対象外。また売却代金が1億円を超える場合も不適用。複数の相続人が別々に売却した場合も合算で1億円以下が要件です。

✅ チェック9:相続人が3人以上の場合、空き家特例の控除額が2,000万円に縮小されていることを把握しているか

令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡では、相続人が3人以上の場合の空き家特例の控除上限は2,000万円(3,000万円から1,000万円減)です。節税額の見積もりを間違えないよう注意してください。

✅ チェック10:確定申告を忘れていないか(売却翌年2月16日〜3月15日)

不動産の譲渡所得は、給与所得とは別に確定申告が必要です。「会社の年末調整で済んでいる」は誤りです。申告しないと無申告加算税(原則15〜20%)・延滞税の対象になります。また各種特例は申告しないと適用されません。


10. よくある質問(FAQ)

A

相続税の申告期限は相続開始から10か月です。不動産の売却はこの申告後に行うことが多いですが、取得費加算特例(No.3267)を使う場合は「相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日まで」に売却する必要があります。相続税申告と売却の段取りを同時に進め、税理士に特例の適用可否を確認してください。なお、相続税申告が済んでいない段階で売却することも法律上は可能ですが、特例計算が複雑になります。

A

まず被相続人の購入当時の書類(売買契約書・登記済証・通帳等)を探してください。書類が見つかれば実際の取得費を使え、税負担が大幅に下がることがあります。見つからない場合は「概算取得費(譲渡価額×5%)」(国税庁 No.3258)を使います。また、売却額に余裕がある場合は取得費加算特例や空き家特例を活用することで課税対象を圧縮できます。国税庁が認める方法で「合理的に算定できる取得費」が証明できる場合もあるため、税理士への相談が有効です。

A

昭和56年(1981年)5月31日以前に建築された家屋で、相続開始直前に被相続人以外の居住者がいなかった場合に適用できる可能性があります(国税庁 No.3306)。ただし区分所有建物(マンション等)は不可、売却代金が1億円超の場合も不可、令和9年12月31日が適用期限です。また取得費加算特例との併用は不可です。要件を満たすか、また取得費加算特例とどちらが有利かを税理士に試算してもらうことをお勧めします。詳しくは空き家の3,000万円特別控除2026ガイドをご参照ください。

A

使えません。令和6年(2024年)1月1日以後の譲渡で相続人が3人以上の場合、控除額の上限は1人あたり2,000万円です(令和6年改正)。3人でそれぞれ2,000万円の控除を受けられるわけではなく、1人につき最高2,000万円(物件の売却益の配分に応じた計算)となります。改正前(2023年以前)に適用を受けた方とは条件が異なりますので注意してください。

A

法律上は相続登記前に売買契約を締結することは可能ですが、実際の所有権移転登記(引渡し・決済)は相続登記完了後でないとできません。「先に売買契約を結んで後から相続登記する」スケジュールを組む場合でも、必ず引渡しまでに相続登記を完了させる前提で進めてください。また、相続登記の義務化(2024年4月1日〜)により未了状態での放置は過料リスクがあります。

A

売却した翌年の2月16日〜3月15日に、売主の住所地を管轄する税務署に確定申告します。e-Taxによるオンライン申告も利用できます。申告書には「分離課税用の申告書(第三表)」に加え、譲渡所得の明細書(国税庁指定の様式)と売買契約書・取得費の証明書類を添付します。各種特例(空き家控除・取得費加算等)を使う場合は別途特例ごとの明細書の添付が必要です。


まとめ

相続した不動産の売却は「①相続登記→②遺産分割→③査定・媒介契約→④売買契約・引渡し→⑤確定申告」の5ステップで進みます。最も注意すべきポイントをまとめます。

2026年時点の重要期限:
相続登記経過措置: 令和9年(2027年)3月31日まで
印紙税軽減: 令和9年3月31日まで
空き家3,000万円控除: 令和9年12月31日まで(延長は未確定)
取得費加算特例: 相続開始から約3年10か月以内(個別に計算が必要)

節税の核心:
1. 所有期間は「被相続人の取得日」から計算する(国税庁 No.3270)
2. 取得費の書類(売買契約書等)を必ず探す。5%ルールは最後の手段
3. 空き家特例と取得費加算特例は早めに試算して有利な方を選ぶ。併用不可
4. 相続人が3人以上なら空き家特例の控除額は2,000万円(令和6年改正)

チェックリストは10項目すべて確認を。特に「相続登記未了のまま売却しようとする」「確定申告を忘れる」は最終的に大きなコストになります。

各ステップの詳細は関連記事で深掘りしていますので、該当するテーマの記事も合わせてご参照ください。


参考一次ソース(確認済み):
– 国税庁 No.3202 譲渡所得の計算 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3202.htm
– 国税庁 No.3208 長期譲渡所得 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3208.htm
– 国税庁 No.3211 短期譲渡所得 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3211.htm
– 国税庁 No.3258 取得費が分からないとき https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3258.htm
– 国税庁 No.3267 取得費加算特例 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3267.htm
– 国税庁 No.3270 相続・贈与取得の取得費と取得時期 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3270.htm
– 国税庁 No.3302 マイホーム3,000万控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3302.htm
– 国税庁 No.3306 空き家の3,000万控除 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/joto/3306.htm
– 国税庁 No.7108 印紙税の軽減措置 https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/inshi/7108.htm
– 法務省 相続登記の申請義務化 https://www.moj.go.jp/MINJI/minji05_00599.html
– 国土交通省 仲介手数料 https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/1_6_bf_000013.html

JG

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