薬局ダブル改正2026|薬機法5月+調剤報酬6月を1枚で乗り切る月別チェックリスト

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薬局ダブル改正2026|薬機法5月+調剤報酬6月を1枚で乗り切る月別チェックリスト
目次

最終更新日: 2026年3月

【結論】 薬局は2026年薬機法改正(5月1日)+調剤報酬改定(6月1日・本体+3.09%)のダブル施行に直面し、4月末〜5月初旬がリソース競合の危険時期。最大の対策はOTC部門(薬機法)と調剤・経営部門(報酬改定)の対応チーム分離。地域支援・医薬品供給対応体制加算は全区分で後発品使用率85%以上が前提のため、3月中に切替計画を策定する。本記事は3〜7月の月別チェックリストで「何を・いつまでに・誰が」を体系化する。

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2026年は薬局にとって前例のない「制度改正の連続施行」の年となる。5月1日に薬機法改正(指定濫用防止医薬品制度の施行)、6月1日に調剤報酬改定(本体+3.09%)が立て続けに施行される。この2つの改正は対応領域が異なるため、同じ人員が両方を担うとリソースが逼迫し、どちらの対応も中途半端になるリスクがある。本記事では、薬局が2つの大型改正を並行して準備するための月別ロードマップ人員配置ガイドを提示し、「何を・いつまでに・誰が」やるべきかを体系的に整理する。


なぜ「並行対応」が必要なのか

2つの改正が重なる構造的リスク

2026年の薬局経営を取り巻く制度変更は、以下の2つが1か月差で連続する。

改正 施行日 主な影響
薬機法改正(指定濫用防止医薬品制度) 2026年5月1日 OTC販売のオペレーション全面変更(陳列・年齢確認・記録保管の義務化)
調剤報酬改定(令和8年度) 2026年6月1日 調剤報酬の点数体系・加算構造の大幅見直し(地域支援体制加算の統合、かかりつけ薬剤師評価の刷新)

それぞれ対応領域は異なるが、準備期間が重複するのが最大の問題だ。薬機法対応は3〜4月が準備のピークであり、調剤報酬改定の届出準備も4〜5月に集中する。管理薬剤師や薬局長が両方の陣頭指揮を執ろうとすると、4月末〜5月初旬にリソース競合が発生する。


全体タイムライン|3月〜7月の月別概要

2026年
┌─────────┬──────────────────────────────────────────┐
│  3月    │ [薬機法] 在庫棚卸し・陳列計画策定          │
│         │ [報酬改定] 実績データ集計・基本料シミュレーション│
├─────────┼──────────────────────────────────────────┤
│  4月    │ [薬機法] 陳列改修・POS設定・従業員研修       │
│  (薬価  │ [報酬改定] 届出書類作成・システム改修依頼     │
│  改定)  │ ★4月1日 薬価改定施行(-0.86%)              │
├─────────┼──────────────────────────────────────────┤
│  5月    │ ★5月1日 薬機法改正施行                       │
│  ⚠危険  │ [薬機法] 運用開始・トラブル対応              │
│         │ [報酬改定] 地方厚生局への届出・最終確認       │
├─────────┼──────────────────────────────────────────┤
│  6月    │ ★6月1日 調剤報酬改定施行                     │
│         │ [報酬改定] 新点数運用開始・レセプト確認       │
│         │ [両方] 運用定着・改善サイクル開始             │
├─────────┼──────────────────────────────────────────┤
│  7月    │ [両方] 初月レセプト精査・トラブル洗い出し     │
│         │ 運用安定化・振り返りミーティング              │
└─────────┴──────────────────────────────────────────┘

3月のタスク|情報収集と現状把握

3月は両方の改正に対する「現状の棚卸し」を行う月である。

薬機法側:指定濫用防止医薬品の在庫棚卸し

目標: 自薬局が保有する指定濫用防止医薬品の全容を把握する

  1. 対象8成分の在庫洗い出し
  2. コデイン、ジヒドロコデイン、エフェドリン、プソイドエフェドリン、メチルエフェドリン、ブロモバレリル尿素、デキストロメトルファン、ジフェンヒドラミンの8成分含有OTC薬をリストアップ
  3. 特にデキストロメトルファン(咳止め系)とジフェンヒドラミン(睡眠改善薬系)は今回新規追加の成分のため、従来の管理対象外だった製品を見落とさないこと
  4. 外用剤(湿布、目薬等)やトローチ剤は規制対象外。剤形の確認を忘れずに

  5. 現状の陳列場所のマッピング

  6. 対象品が棚のどこに配置されているか図面に落とし込む
  7. 施錠陳列・カウンター後ろ陳列・空箱陳列・専門家監視下陳列の4方式のどれを採用するか検討を開始

  8. 陳列変更計画の策定

  9. 什器・棚の工事が必要な場合は、見積もり取得を3月中に開始(4月着工を目指す)
  10. 業者の繁忙期と重なる可能性があるため、早めの手配が重要

報酬改定側:実績データの集計とシミュレーション

目標: 自薬局の現状を数値で把握し、改定後の影響を試算する

  1. 自薬局の実績データ集計
  2. 直近1年間の処方箋受付回数、後発医薬品使用率(数量ベース)、かかりつけ薬剤師指導料の算定回数、在宅訪問実績
  3. レセコンからの抽出が基本。月別の推移も把握しておくと、トレンドが見える

  4. 調剤基本料の区分シミュレーション

  5. 改定後の区分判定基準(受付回数3.5万回、集中率85%)で、自薬局の基本料区分が変わるかどうかを試算
  6. 特に調剤基本料1(47点)のボーダーラインにいる薬局は要注意

  7. 後発医薬品使用率の確認

  8. 新制度の「地域支援・医薬品供給対応体制加算」は全区分で後発品使用率85%以上が前提条件
  9. 85%未満の場合、5区分すべてが算定不可になるため、切替計画を3月中に策定

  10. 収支シミュレーション(概算)

  11. 調剤管理料の減収額(8〜27日処方が多い薬局は特に大きい)
  12. 新加算(かかりつけ薬剤師フォローアップ加算50点、訪問加算230点等)の算定可能性
  13. 改定後の月間収支の概算を算出(詳細は薬局改定影響シミュレーションを参照)
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4月のタスク|両面で準備の最盛期

4月は薬機法・報酬改定ともに具体的な準備作業が集中する月である。薬価改定(4月1日施行)への対応も加わるため、タスク管理が最も重要になる。

薬機法側:ハード・ソフト両面の整備

  1. 陳列棚の改修工事
  2. 3月に策定した計画に基づき、施錠棚の設置やカウンター改修の工事を実施
  3. 4月中旬までの完了が目標(施行日まで2週間のバッファを確保)

  4. POSシステムの設定変更

  5. 対象JANコードへの「年齢確認アラート」フラグの設定
  6. レジスキャン時に確認フローが自動起動する仕組みの構築
  7. システムベンダーへの改修依頼は3月中に発注済みであることが前提
  1. 従業員研修(3段階)
段階 時期 対象 内容
第1段階 4月第1週 管理者・薬剤師 改正法の内容説明、義務内容の確認、トラブル対応方針の決定
第2段階 4月第2〜3週 全スタッフ(登録販売者・レジ担当含む) ロールプレイ研修:年齢確認の声かけ、18歳未満への対応、断り文言の練習
第3段階 4月第4週 全スタッフ 模擬運用:実際の店舗環境で確認フローを通しで実施、問題点の洗い出し

報酬改定側:届出準備とシステム対応

  1. 届出書類の作成
  2. 様式87の3(共通の施設基準):調剤基本料の区分、体制・機能の整備状況、在宅体制、処方箋受付回数等
  3. 様式87の3の2(実績要件):届出区分(加算1〜5のいずれか)の選択、10項目の実績数値
  4. 記入上の注意:実績数値は「年間受付1万回あたり」の換算値で記載すること。実回数をそのまま記入する誤りが多い

  5. かかりつけ薬剤師の認定研修手配

  6. 改定後の施設基準で「認定研修の取得」が新たに必須化
  7. 研修未取得の薬剤師は4月中に受講を完了させる必要がある(保険薬剤師経験3年以上、週31時間以上勤務、在籍1年6月以上、認定研修取得の4要件)

  8. レセコン・調剤システムのマスタ更新スケジュール確認

  9. 6月1日施行に対応したマスタ更新の提供時期をシステムベンダーに確認
  10. 通常は施行日の1〜2週間前にマスタが配布されるが、テスト期間を考慮した段取りが必要

  11. 地域の薬局との医薬品分譲ネットワーク整備

  12. 新しい「地域支援・医薬品供給対応体制加算」の全区分で、「他の薬局への医薬品分譲実績」が要件
  13. 近隣薬局との分譲協力体制を4月中に構築しておく


5月のタスク|薬機法施行+報酬改定の最終準備

5月は薬機法が施行される月であり、同時に報酬改定の届出期限でもある。最もリソースが逼迫する「危険な月」だ。

薬機法側:5月1日施行→運用開始

  1. 施行日の初動対応
  2. 5月1日の営業開始時点で、陳列変更・POSアラート・確認フローがすべて機能していることを確認
  3. 開店前に管理者がチェックリストで最終点検を実施

  4. 初週のトラブル対応体制

  5. 施行直後は想定外の事態が発生しやすい(購入者からの問い合わせ、年齢確認に対するクレーム、POSの不具合等)
  6. 薬剤師1名を「トラブル対応専任」として配置し、通常業務と分離する

  7. 運用データの記録開始

  8. 年齢確認の実施件数、販売拒否の件数、トラブル事例を記録
  9. 週次でレビューし、運用手順の改善点を洗い出す

報酬改定側:地方厚生局への届出提出

  1. 届出書類の最終確認と提出
  2. 4月中に作成した様式87の3、様式87の3の2を最終チェック
  3. 5月中の受理が必須(6月1日からの算定開始のため)
  4. 5月上旬(第1〜2週)の提出が推奨。月末ギリギリの提出は差戻し時のリカバリーが困難

  5. レセコンマスタの更新テスト

  6. 5月中旬〜下旬にシステムベンダーからマスタ更新が配布される想定
  7. テスト環境で新点数の算定が正しく行われるか確認

  8. 新加算の算定シミュレーション(最終版)

  9. 届出区分が確定した段階で、6月以降の月間収支の最終シミュレーションを実施
  10. かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点/3月に1回)、訪問加算(230点/6月に1回)の算定開始タイミングを計画

6月のタスク|報酬改定施行+運用定着

6月は調剤報酬改定が施行される月であり、薬機法の運用定着も引き続き進める。

報酬改定側:新点数での運用開始

  1. 6月1日からの新点数運用
  2. 調剤基本料、調剤管理料、服薬管理指導料の新点数での算定を開始
  3. 初日の処方箋5枚程度を手作業でも確認し、レセコンの算定結果と突合

  4. レセプト算定の確認

  5. 6月分レセプトの点検を入念に実施(7月10日の提出期限までに)
  6. 廃止された加算(かかりつけ薬剤師指導料76点、後発医薬品調剤体制加算等)が残存していないか確認
  7. 新設加算(調剤ベースアップ評価料4点、調剤物価対応料1点等)の算定漏れがないか確認

  8. 患者への説明対応

  9. 一部負担金の変更(増額または減額)が生じる患者への説明準備
  10. 「かかりつけ薬剤師指導料の廃止」に伴う説明(機能は服薬管理指導料に統合された旨)

両方の改正:運用定着と改善サイクル

  1. 週次レビューの実施
  2. 薬機法対応:年齢確認のオペレーション効率化、トラブル事例の共有
  3. 報酬改定対応:算定漏れ・算定誤りの洗い出し、加算の算定率モニタリング

  4. 改善アクションの実行

  5. 6月末までに「初月の振り返りレポート」を作成し、経営層に報告
  6. 7月以降の運用改善計画(レセプト精査のルーチン化、研修の定期化)を策定

人員配置ガイド|薬機法チーム vs 報酬改定チーム

リソース競合を防ぐ最大のポイントは、対応チームの分離である。

推奨チーム編成

役割 薬機法対応チーム 報酬改定対応チーム
リーダー 登録販売者または薬剤師1名(OTC販売に精通) 管理薬剤師(調剤・施設基準に精通)
メンバー レジ担当スタッフ、店舗運営担当 事務スタッフ(届出書類担当)、経理担当
主な業務 在庫棚卸し、陳列変更、POS設定、従業員研修、年齢確認オペレーション 実績データ集計、届出書類作成、システムベンダー調整、収支シミュレーション
ピーク期 3月下旬〜5月上旬 3月〜5月中旬

薬局長・経営者の役割

薬局長(または経営者)は両チームの統括を担い、以下に専念する。

  • 両チームの進捗を週次で確認(月曜朝のミーティング等)
  • リソース競合が発生した場合の優先順位決定
  • 外部リソース(コンサルタント、システムベンダー、薬剤師会)との連携窓口
  • 経営判断(投資判断、人員増の判断)

「危険な時期」の警告|4月末〜5月初旬のリソース競合

なぜこの時期が危険なのか

日程 薬機法側のタスク 報酬改定側のタスク
4月第4週 模擬運用(全スタッフ参加) 届出書類の最終チェック
4月30日 施行前日の最終確認 届出書類の提出準備
5月1日 施行日:運用開始 届出書類の提出
5月第1週 トラブル対応(集中期) 地方厚生局への問い合わせ対応

回避策

  1. 4月第3週までに薬機法の準備をほぼ完了させる
  2. 陳列変更、POS設定、研修の3つを4月第3週末までに終わらせる
  3. 4月第4週は「模擬運用と微調整のみ」の状態にする

  4. 報酬改定の届出は5月第1週に提出する

  5. 薬機法施行日(5月1日)当日は届出提出を避ける
  6. 5月2日以降の提出でも、月内受理は十分に間に合う

  7. 5月第1週の薬機法トラブル対応は「専任1名」に限定する

  8. 全員がトラブル対応に追われると、報酬改定の届出作業が止まる
  9. トラブル対応は1名に集約し、他のスタッフは通常業務+届出作業を継続

月別チェックリスト

3月チェックリスト(情報収集・現状把握)

薬機法対応:
– [ ] 指定濫用防止医薬品8成分の在庫リストを作成する(JANコード単位)
– [ ] 対象品の現在の陳列場所をマッピングする
– [ ] 陳列変更方式(施錠/カウンター後ろ/空箱/監視下)を決定する
– [ ] 什器・棚の工事が必要な場合、業者に見積もりを依頼する
– [ ] POSシステムの設定変更をシステムベンダーに発注する

報酬改定対応:
– [ ] 直近1年間の処方箋受付回数・後発品使用率・かかりつけ指導料算定回数を集計する
– [ ] 改定後の調剤基本料区分をシミュレーションする
– [ ] 後発医薬品使用率が85%以上かを確認し、未達の場合は切替計画を策定する
– [ ] 改定後の月間収支を概算シミュレーションする

4月チェックリスト(準備の最盛期)

薬機法対応:
– [ ] 陳列棚の改修工事を4月中旬までに完了する
– [ ] POSシステムの年齢確認アラート設定を完了する
– [ ] 管理者・薬剤師向け説明会を実施する(第1週)
– [ ] 全スタッフ向けロールプレイ研修を実施する(第2〜3週)
– [ ] 年齢確認の標準文言(スクリプト)を作成・配布する
– [ ] 模擬運用を実施する(第4週)

報酬改定対応:
– [ ] 様式87の3(共通施設基準)を作成する
– [ ] 様式87の3の2(実績要件)を作成する
– [ ] かかりつけ薬剤師の認定研修受講状況を確認し、未取得者は受講を手配する
– [ ] 地方厚生局への事前相談を実施する
– [ ] レセコンのマスタ更新スケジュールをベンダーに確認する
– [ ] 近隣薬局との医薬品分譲ネットワークを整備する

5月チェックリスト(施行月・届出月)

薬機法対応:
– [ ] 5月1日の開店前に陳列・POS・確認フローの最終点検を実施する
– [ ] 初週はトラブル対応専任を1名配置する
– [ ] 年齢確認の実施件数・販売拒否件数・トラブル事例を記録する
– [ ] 週次レビューでオペレーション改善を実施する

報酬改定対応:
– [ ] 地方厚生局へ届出書類を提出する(5月上旬推奨)
– [ ] 届出受理通知を確認する
– [ ] レセコンのマスタ更新を実施し、テスト算定を行う
– [ ] 6月1日からの算定準備(新加算の算定要件の最終確認)を完了する
– [ ] かかりつけ患者への同意取得・訪問計画を整備する

6月チェックリスト(報酬改定施行・運用定着)

  • [ ] 6月1日からの新点数算定を開始し、初日の処方箋5枚で手動確認する
  • [ ] 廃止加算(かかりつけ薬剤師指導料等)がレセプトに残存していないか確認する
  • [ ] 新設加算(ベースアップ評価料、物価対応料等)の算定漏れがないか確認する
  • [ ] 一部負担金変更への患者説明対応を実施する
  • [ ] 薬機法の運用定着状況を確認し、改善点を実施する
  • [ ] 6月末に「初月振り返りレポート」を作成する

FAQ

A

同じ薬剤師が担当する必要はない。薬機法改正はOTC販売(陳列・年齢確認・記録保管)が中心であり、調剤報酬改定は調剤業務・施設基準(届出・加算算定)が中心である。対応領域が異なるため、可能であれば担当を分離することを推奨する。小規模薬局で分離が難しい場合は、週単位で対応テーマを切り替える方法が有効。

A

薬価改定(-0.86%)への対応は主にレセコンの薬価マスタ更新で完了するため、作業量は限定的。通常はシステムベンダーが自動更新を行う。ただし、在庫評価額の変動による経営影響(薬価差益の縮小)は経理担当が試算しておくこと。レセコンのマスタ更新は4月1日直前に自動配布されるのが通例であり、手動作業は最小限で済む。

A

OTC販売を一切行っていない調剤専門薬局であれば、指定濫用防止医薬品制度の直接的な対応は不要。ただし、零売(処方箋なしの一般用医薬品販売)を行っている場合や、店頭に少数でもOTC薬を置いている場合は対象となるため、在庫を確認すること。調剤報酬改定への対応は全保険薬局が対象。

A

届出が受理された月の翌月1日から算定開始となるため、5月中に受理されなければ6月1日からの算定は不可能。6月に届出が受理されれば7月1日から算定開始となる。1か月分の加算収入の逸失は、月間1,000枚の薬局で地域支援・医薬品供給対応体制加算2(59点)の場合、約59万円に相当する。書類不備による差戻しを防ぐため、4月中の事前相談を強く推奨する。

A

以下の活用が考えられる。(1) 日本薬剤師会・各都道府県薬剤師会:改正の説明会・研修会の受講、届出書類の記載相談。(2) 薬局経営コンサルタント:収支シミュレーション、加算算定戦略の策定。(3) システムベンダー:POS設定変更・レセコンマスタ更新の技術サポート。(4) 什器業者:施錠棚の設置工事。外部リソースを活用する場合も、3月中に依頼を行い、4月の対応に間に合うスケジュールを確保すること。


今すぐやること:並行対応アクションチェックリスト

最優先(2026年3月中)

  • [ ] 指定濫用防止医薬品8成分の在庫リストを作成し、陳列変更計画を策定する(OTC担当)
  • [ ] 直近1年間の実績データ(後発品使用率、かかりつけ指導料算定回数等)をレセコンから抽出する(管理薬剤師)
  • [ ] 改定後の調剤基本料区分と月間収支をシミュレーションする(薬局長・経営層)
  • [ ] 薬機法対応チームと報酬改定対応チームの担当者を決定する(薬局長)
  • [ ] 什器業者・システムベンダーへの発注を完了する(事務担当)

重要(2026年4月中)

  • [ ] 薬機法対応の陳列変更・POS設定・従業員研修を4月中旬までに完了する(薬機法チーム)
  • [ ] 届出書類(様式87の3、87の3の2)を作成し、地方厚生局へ事前相談を実施する(報酬改定チーム)
  • [ ] かかりつけ薬剤師の認定研修受講状況を確認し、未取得者は受講を手配する(人事担当)
  • [ ] 近隣薬局との医薬品分譲ネットワークを整備する(管理薬剤師)
  • [ ] 4月第2週時点で「予定通りか」を中間チェックし、遅延があれば対策を実行する(薬局長)

必須(2026年5月中)

  • [ ] 5月1日の薬機法施行に対応し、初週のトラブルを記録・改善する(薬機法チーム)
  • [ ] 地方厚生局へ届出書類を提出し、受理通知を確認する(報酬改定チーム)
  • [ ] レセコンマスタの更新テストを実施する(システム担当)
  • [ ] 6月1日からの新加算算定準備を完了する(管理薬剤師)

関連記事

並行対応ロードマップの各論は、以下の記事で詳しく解説している。


免責事項

本記事は2026年3月時点での公表資料・答申内容に基づいて作成しています。薬機法改正に関する告示・通知の詳細、および調剤報酬改定の施設基準・算定要件の最終確定は、厚生労働省の告示・通知(2026年3月〜4月に順次公布予定)をご確認ください。本記事の内容に基づく判断・行動によって生じたいかなる損害についても、筆者及び運営者は責任を負いかねます。


参考資料・一次情報

本記事の作成にあたり、以下の公的資料を参照しています。最新の情報は各機関の公式サイトでご確認ください。

  • 中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬改定関連資料 — 厚生労働省(答申書・個別改定項目の一覧)
  • 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(令和7年12月24日 予算大臣折衝)
  • 厚生労働省「2026年5月1日施行の医薬品販売制度の改正内容」(https://www.mhlw.go.jp/stf/web_magazine/closeup/20.html)
  • 厚生労働省「令和7年の薬機法等の一部改正について」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_58083.html)
  • 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第37号)
  • 中央社会保険医療協議会 答申書(令和8年2月12日)
JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

本記事はAIが初稿を作成し、編集部が法令原文・官公庁通知・審議会資料等の一次情報と照合のうえ、内容を確認・編集しています。行政手続き・法改正・制度改正の実務情報を専門に扱う編集チームが、企業実務担当者・士業専門家向けに正確性の高いコンテンツを提供します。