最終更新日: 2026年9月8日
【結論】 月処方箋枚数300〜10,000枚の薬局は、2026年6月施行の改定で対策なしなら年間-3万〜-360万円の自動減収。最大の減収要因は調剤管理料の日数区分再編(15〜27日分:-40点/8〜14日分:-18点)で、基本料増分(1:+2点/3ロ:+1点/3ハ:+2点)ではカバーしきれない。かかりつけ薬剤師指導料76点の廃止は服薬管理指導料イへの移行を伴うため、正味の影響は-31点にとどまる。一方、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(在宅患者は対象外)・在宅薬学総合体制加算1(30点)をはじめとする対人業務加算には算定対象・算定要件があり、自薬局の該当患者数・在宅患者の処方箋受付回数を当てはめれば増収額を試算できる(在宅薬学総合体制加算1は在宅患者が提出する処方箋にのみ加算され、全処方箋には掛からない点に注意)。本記事は厚労省R8年度告示に基づき、月300・500・1,000・2,000・3,000・5,000・10,000枚の全7規模で、減収額を中心に項目別に試算する。
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2026年6月1日に施行された調剤報酬改定は、薬局の収益構造を大きく変える。調剤管理料の日数区分再編(15〜27日分:-40点/8〜14日分:-18点)による減収リスクと、かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点)・在宅薬学総合体制加算1の30点増(15→30点)といった対人業務加算の増収チャンスが同時に発生する。本記事では、月間処方箋受付枚数300枚・500枚・1,000枚・2,000枚・3,000枚・5,000枚・10,000枚の全7規模 × 基本料区分(1/3ロ/3ハ)について、改定前後の月間収支を項目別に試算し、「自薬局はいくら影響を受けるのか」を具体的な数値で示す。
調剤報酬改定 収支シミュレーター
薬局の規模・処方構成を入力して、改定前後の月間収支変化を試算できます
1月間処方箋受付枚数
2処方日数の構成(診療科タイプ)
3かかりつけ薬剤師の届出患者数
▼ 詳細オプション(基本料区分・在宅患者数)本シミュレーターは令和8年厚生労働省告示第69号(令和8年3月5日公布・令和8年6月1日施行)に基づく概算です。調剤物価対応料は患者ごと3月1回算定として月間処方箋枚数の1/3で試算。在宅薬学総合体制加算は在宅患者1名あたり月1処方箋として試算(実際の算定には麻薬免許・24時間対応体制等の施設基準あり)。かかりつけ薬剤師指導料廃止の影響は差分-31点(3ヶ月以内再来患者・区分1:服薬管理指導料45点との差分)で試算。調剤ベースアップ評価料は地方厚生局への届出が必須(未届薬局は算定不可)。調剤管理加算廃止の影響は算定率20%として試算(実態は診療科構成により5〜40%程度の差異あり)。かかりつけFU加算はかかりつけ届出患者全数を対象として試算(実際は①かかりつけ届出患者 ②前回来局時に対象加算算定 ③患者・家族の求め ④電話等でのFU実施、の4条件すべて必要)。28日ちょうどの処方は旧50点→新60点で+10点として試算。実際の影響額は各薬局の算定状況により異なります。
なぜシミュレーションが必要か
改定の本質:対物業務の減収と対人業務の増収が同時に起きる
2026年6月施行の改定は、「対物業務から対人業務へ」のシフトを加速させる構造になっている。具体的には、次の2つの力が同時に働く。
減収方向の変更:
- 調剤管理料(8〜27日分)が28〜50点→10点に大幅引下げ
- 調剤管理加算(3点)の廃止
- 地域支援体制加算の統合再編に伴う点数差(旧加算の合計から数点のマイナスとなるケースあり)
増収方向の変更:
- 調剤基本料の全区分2点アップ
- 調剤ベースアップ評価料(4点/受付1回)の新設
- かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点/3月に1回)の新設
- 在宅薬学総合体制加算1が15点→30点(2倍)
- 残薬調整加算・有害事象防止加算のかかりつけ薬剤師加算(50点)
問題は、減収の大きさが薬局の処方箋構成によって大きく異なることだ。28日以上の長期処方が中心の内科門前薬局と、7〜14日の短期処方が多い小児科門前薬局では、調剤管理料の減収額に数倍の差がつく。一方、増収は「対人業務に取り組んでいるかどうか」で決まる。
だからこそ、自薬局の処方箋枚数・処方日数構成・加算算定状況に基づくシミュレーションが不可欠になる。
改定のポイント早わかり表
シミュレーションの前提となる主要な点数変更を一覧で整理する。各項目の詳細な背景・要件は調剤報酬改定2026年の解説記事を参照されたい。
基本料・管理料の変更
| 項目 | 改定前 | 改定後 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 調剤基本料1 | 45点 | 47点 | +2 |
| 調剤基本料2 | 29点 | 30点 | +1 |
| 調剤基本料3イ | 24点 | 25点 | +1 |
| 調剤基本料3ロ | 19点 | 20点 | +1 |
| 調剤基本料3ハ | 35点 | 37点 | +2 |
| 特別調剤基本料A | 5点 | 5点 | 0 |
| 特別調剤基本料B | 3点 | 3点 | 0 |
| 調剤管理料(27日分以下に統合) | 4〜50点 | 10点 | ※区分再編 |
| 調剤管理料(28日分以上に統合) | 50〜60点 | 60点 | ※区分再編 |
| 調剤管理加算(6種以上) | 3点 | 廃止 | -3 |
| かかりつけ薬剤師指導料 | 76点 | 廃止 | -76 |
| 調剤ベースアップ評価料(新設) | — | 4点 | +4 |
| 物価対応料(新設) | — | 1点(R8年度、3月に1回) | +1 |
※ 調剤管理料の構造再編: 改定前は処方日数で5区分(7日以下4点・8〜14日28点・15〜27日50点・28日50点・29日以上60点)だったが、改定後は「27日以下=10点/28日以上=60点」の2区分に統合された。本記事のシミュレーションは「改定前各区分→改定後区分」への移行による差額(+6/-18/-40/+10/0点)で計算している。
※ 改定率の構造: 全体+3.09%は令和8年度+2.41%・令和9年度+3.77%の2年度平均。令和8年6月施行分は+2.41%が反映され、令和9年6月以降にベースアップ評価料・物価対応料が2倍に拡大される(出典: 厚労省「令和8年度診療報酬改定の概要【調剤】」)。
※ かかりつけ薬剤師指導料の実質影響: 改定前は、かかりつけ届出患者について本指導料を服薬管理指導料の代わりに算定していた(両立不可)。改定後は服薬管理指導料イ(45点、手帳未提示等の場合は59点)を算定するため、正味の変動は単純な-76点ではなく-31点(45点区分の場合)。本記事のシミュレーションはこの正味の変動を反映している。
新設・拡充された加算
| 項目 | 点数 | 算定頻度 |
|---|---|---|
| 調剤ベースアップ評価料 | 4点 | 受付1回ごと |
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算 | 50点 | 3月に1回 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算 | 230点 | 6月に1回 |
| 調剤時残薬調整加算(かかりつけ) | 50点 | 該当時 |
| 薬学的有害事象等防止加算(かかりつけ) | 50点 | 該当時 |
| 在宅薬学総合体制加算1 | 30点(旧15点) | 在宅患者の処方箋受付ごと |
規模別シミュレーション
前提条件
以下のシミュレーションは、次の前提条件に基づく試算である。実際の影響額は各薬局の処方箋構成により異なるため、あくまで目安として活用されたい。
| 前提項目 | 設定値 |
|---|---|
| 調剤基本料 | 基本料1(47点)を前提。基本料2・3の薬局は増分が1点小さくなる |
| 処方日数の構成比(標準型) | 7日以下: 15%、8〜14日: 15%、15〜27日: 15%、28日ちょうど: 25%、29日以上: 30%(29日以上は点数変動なし) |
| 調剤管理加算(6種以上)の該当率 | 処方箋の20% |
| かかりつけ患者の改定後の算定区分 | 服薬管理指導料1のイ(45点)を前提。手帳未提示または3月超の再来が中心の薬局は2のイ(59点)となり、減収はさらに小さくなる |
| かかりつけ薬剤師の届出患者数 | 規模に応じて設定(後述) |
| 在宅患者数 | 規模に応じて設定(後述) |
| 調剤物価対応料(1点・3月に1回) | 算定単位が患者単位のため月間枚数からは算出できず、本シミュレーションには含めていない。1点=10円と算定頻度から影響は軽微 |
| 1点 = 10円 | 保険点数の換算 |
月間300枚(小規模個人薬局)
典型例:住宅地の個人薬局。薬剤師1〜2名体制。かかりつけ薬剤師の届出患者は少数。在宅は月1〜2件程度。
かかりつけ薬剤師の届出患者数:10名、在宅患者:2名と仮定
| 項目 | 計算根拠 | 月間影響額 |
|---|---|---|
| 調剤基本料の増加(+2点) | 300枚 x 2点 x 10円 | +6,000円 |
| 調剤ベースアップ評価料(+4点) | 300枚 x 4点 x 10円 | +12,000円 |
| 調剤管理料の減収(8〜14日分:-18点) | 300枚 x 15% x (-18点) x 10円 | -8,100円 |
| 調剤管理料の減収(15〜27日分:-40点) | 300枚 x 15% x (-40点) x 10円 | -18,000円 |
| 調剤管理料の増収(7日以下:+6点) | 300枚 x 15% x 6点 x 10円 | +2,700円 |
| 調剤管理料の増収(28日ちょうど:+10点) | 300枚 x 25% x 10点 x 10円 | +7,500円 |
| 調剤管理加算の廃止(-3点) | 300枚 x 20% x (-3点) x 10円 | -1,800円 |
| かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料イへの移行(-31点/名) | 10名 x (-31点) x 10円 | -3,100円 |
| 小計(自動発生分) | -2,800円 |
増収を狙う場合の加算算定シナリオ:
| 取組み | 追加増収額(月間) |
|---|---|
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回) | 直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者が対象。該当患者数は薬局により異なるため金額は自薬局のレセコンデータで算出のこと。同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外 |
| 在宅薬学総合体制加算1(30点) | 在宅患者が提出する処方箋にのみ加算(全処方箋ではない)。対象は在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者。30点 x 在宅患者の月間処方箋受付回数 x 10円 で自薬局の額を算出のこと |
| 残薬調整加算の算定強化(月3件 x 50点) | +1,500円 |
年間ベースの影響:
| シナリオ | 年間影響額 |
|---|---|
| 何も対策しない場合 | 約-33,600円 |
月間500枚(標準的な門前薬局)
典型例:クリニック門前の薬局。薬剤師2〜3名体制。かかりつけ薬剤師の届出あり。
かかりつけ薬剤師の届出患者数:30名、在宅患者:5名と仮定
| 項目 | 計算根拠 | 月間影響額 |
|---|---|---|
| 調剤基本料の増加(+2点) | 500枚 x 2点 x 10円 | +10,000円 |
| 調剤ベースアップ評価料(+4点) | 500枚 x 4点 x 10円 | +20,000円 |
| 調剤管理料の減収(8〜14日分:-18点) | 500枚 x 15% x (-18点) x 10円 | -13,500円 |
| 調剤管理料の減収(15〜27日分:-40点) | 500枚 x 15% x (-40点) x 10円 | -30,000円 |
| 調剤管理料の増収(7日以下:+6点) | 500枚 x 15% x 6点 x 10円 | +4,500円 |
| 調剤管理料の増収(28日ちょうど:+10点) | 500枚 x 25% x 10点 x 10円 | +12,500円 |
| 調剤管理加算の廃止(-3点) | 500枚 x 20% x (-3点) x 10円 | -3,000円 |
| かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料イへの移行(-31点/名) | 30名 x (-31点) x 10円 | -9,300円 |
| 小計(自動発生分) | -8,800円 |
増収を狙う場合の加算算定シナリオ:
| 取組み | 追加増収額(月間) |
|---|---|
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回) | 直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者が対象。該当患者数は薬局により異なるため金額は自薬局のレセコンデータで算出のこと。同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回) | 対象はかかりつけ患者(服薬管理指導料1のイ・2のイの算定患者)。ただし外来服薬支援料1・施設連携加算・在宅患者訪問薬剤管理指導料・服薬情報等提供料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は算定できない。患者側の求めに応じた患家訪問と医療機関への情報提供が要件。該当見込み患者M名なら 230点 x M名 x 10円 ÷ 6か月 |
| 残薬調整加算の算定強化(月5件 x 50点) | +2,500円 |
| 有害事象防止加算の算定(月3件 x 50点) | +1,500円 |
| 在宅薬学総合体制加算1(30点) | 在宅患者が提出する処方箋にのみ加算(全処方箋ではない)。対象は在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者。30点 x 在宅患者の月間処方箋受付回数 x 10円 で自薬局の額を算出のこと |
年間ベースの影響:
| シナリオ | 年間影響額 |
|---|---|
| 何も対策しない場合 | 約-105,600円 |
月間1,000枚(中規模薬局)
典型例:病院門前または複数クリニック門前。薬剤師4〜6名体制。在宅チームあり。
かかりつけ薬剤師の届出患者数:80名、在宅患者:10名と仮定
| 項目 | 計算根拠 | 月間影響額 |
|---|---|---|
| 調剤基本料の増加(+2点) | 1,000枚 x 2点 x 10円 | +20,000円 |
| 調剤ベースアップ評価料(+4点) | 1,000枚 x 4点 x 10円 | +40,000円 |
| 調剤管理料の減収(8〜14日分:-18点) | 1,000枚 x 15% x (-18点) x 10円 | -27,000円 |
| 調剤管理料の減収(15〜27日分:-40点) | 1,000枚 x 15% x (-40点) x 10円 | -60,000円 |
| 調剤管理料の増収(7日以下:+6点) | 1,000枚 x 15% x 6点 x 10円 | +9,000円 |
| 調剤管理料の増収(28日ちょうど:+10点) | 1,000枚 x 25% x 10点 x 10円 | +25,000円 |
| 調剤管理加算の廃止(-3点) | 1,000枚 x 20% x (-3点) x 10円 | -6,000円 |
| かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料イへの移行(-31点/名) | 80名 x (-31点) x 10円 | -24,800円 |
| 小計(自動発生分) | -23,800円 |
増収を狙う場合の加算算定シナリオ:
| 取組み | 追加増収額(月間) |
|---|---|
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回) | 直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者が対象。該当患者数は薬局により異なるため金額は自薬局のレセコンデータで算出のこと。同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回) | 対象はかかりつけ患者(服薬管理指導料1のイ・2のイの算定患者)。ただし外来服薬支援料1・施設連携加算・在宅患者訪問薬剤管理指導料・服薬情報等提供料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は算定できない。患者側の求めに応じた患家訪問と医療機関への情報提供が要件。該当見込み患者M名なら 230点 x M名 x 10円 ÷ 6か月 |
| 残薬調整加算の算定強化(月10件 x 50点) | +5,000円 |
| 有害事象防止加算の算定(月8件 x 50点) | +4,000円 |
| 在宅薬学総合体制加算1(30点) | 在宅患者が提出する処方箋にのみ加算(全処方箋ではない)。対象は在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者。30点 x 在宅患者の月間処方箋受付回数 x 10円 で自薬局の額を算出のこと |
年間ベースの影響:
| シナリオ | 年間影響額 |
|---|---|
| 何も対策しない場合 | 約-285,600円 |
月間2,000枚(大規模・チェーン薬局)
典型例:大病院門前またはチェーン薬局。薬剤師8〜12名体制。組織的な在宅チームを運営。
かかりつけ薬剤師の届出患者数:200名、在宅患者:20名と仮定
| 項目 | 計算根拠 | 月間影響額 |
|---|---|---|
| 調剤基本料の増加(+2点) | 2,000枚 x 2点 x 10円 | +40,000円 |
| 調剤ベースアップ評価料(+4点) | 2,000枚 x 4点 x 10円 | +80,000円 |
| 調剤管理料の減収(8〜14日分:-18点) | 2,000枚 x 15% x (-18点) x 10円 | -54,000円 |
| 調剤管理料の減収(15〜27日分:-40点) | 2,000枚 x 15% x (-40点) x 10円 | -120,000円 |
| 調剤管理料の増収(7日以下:+6点) | 2,000枚 x 15% x 6点 x 10円 | +18,000円 |
| 調剤管理料の増収(28日ちょうど:+10点) | 2,000枚 x 25% x 10点 x 10円 | +50,000円 |
| 調剤管理加算の廃止(-3点) | 2,000枚 x 20% x (-3点) x 10円 | -12,000円 |
| かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料イへの移行(-31点/名) | 200名 x (-31点) x 10円 | -62,000円 |
| 小計(自動発生分) | -60,000円 |
増収を狙う場合の加算算定シナリオ:
| 取組み | 追加増収額(月間) |
|---|---|
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回) | 直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者が対象。該当患者数は薬局により異なるため金額は自薬局のレセコンデータで算出のこと。同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回) | 対象はかかりつけ患者(服薬管理指導料1のイ・2のイの算定患者)。ただし外来服薬支援料1・施設連携加算・在宅患者訪問薬剤管理指導料・服薬情報等提供料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は算定できない。患者側の求めに応じた患家訪問と医療機関への情報提供が要件。該当見込み患者M名なら 230点 x M名 x 10円 ÷ 6か月 |
| 残薬調整加算の算定強化(月20件 x 50点) | +10,000円 |
| 有害事象防止加算の算定(月15件 x 50点) | +7,500円 |
| 在宅薬学総合体制加算1(30点) | 在宅患者が提出する処方箋にのみ加算(全処方箋ではない)。対象は在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者。30点 x 在宅患者の月間処方箋受付回数 x 10円 で自薬局の額を算出のこと |
年間ベースの影響:
| シナリオ | 年間影響額 |
|---|---|
| 何も対策しない場合 | 約-720,000円 |
月間3,000枚(中規模地域密着薬局・調剤基本料1)
典型例:地域支援体制加算届出済みの地域密着型薬局。薬剤師12〜15名体制。在宅医療チームを本格運用。
かかりつけ薬剤師の届出患者数:300名、在宅患者:30名と仮定
| 項目 | 計算根拠 | 月間影響額 |
|---|---|---|
| 調剤基本料の増加(+2点) | 3,000枚 x 2点 x 10円 | +60,000円 |
| 調剤ベースアップ評価料(+4点) | 3,000枚 x 4点 x 10円 | +120,000円 |
| 調剤管理料の減収(8〜14日分:-18点) | 3,000枚 x 15% x (-18点) x 10円 | -81,000円 |
| 調剤管理料の減収(15〜27日分:-40点) | 3,000枚 x 15% x (-40点) x 10円 | -180,000円 |
| 調剤管理料の増収(7日以下:+6点) | 3,000枚 x 15% x 6点 x 10円 | +27,000円 |
| 調剤管理料の増収(28日ちょうど:+10点) | 3,000枚 x 25% x 10点 x 10円 | +75,000円 |
| 調剤管理加算の廃止(-3点) | 3,000枚 x 20% x (-3点) x 10円 | -18,000円 |
| かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料イへの移行(-31点/名) | 300名 x (-31点) x 10円 | -93,000円 |
| 小計(自動発生分) | -90,000円 |
増収を狙う場合の加算算定シナリオ:
| 取組み | 追加増収額(月間) |
|---|---|
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回) | 直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者が対象。該当患者数は薬局により異なるため金額は自薬局のレセコンデータで算出のこと。同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回) | 対象はかかりつけ患者(服薬管理指導料1のイ・2のイの算定患者)。ただし外来服薬支援料1・施設連携加算・在宅患者訪問薬剤管理指導料・服薬情報等提供料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は算定できない。患者側の求めに応じた患家訪問と医療機関への情報提供が要件。該当見込み患者M名なら 230点 x M名 x 10円 ÷ 6か月 |
| 残薬調整加算の算定強化(月30件 x 50点) | +15,000円 |
| 有害事象防止加算の算定(月20件 x 50点) | +10,000円 |
| 在宅薬学総合体制加算1(30点) | 在宅患者が提出する処方箋にのみ加算(全処方箋ではない)。対象は在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者。30点 x 在宅患者の月間処方箋受付回数 x 10円 で自薬局の額を算出のこと |
年間ベースの影響:
| シナリオ | 年間影響額 |
|---|---|
| 何も対策しない場合 | 約-1,080,000円 |
月間5,000枚(チェーン旗艦店・調剤基本料3ロ)
典型例:大手チェーン薬局の旗艦店。基本料3ロ(同一グループ内処方箋受付回数が月40万回超かつ処方箋集中率85%超)。薬剤師15〜20名体制。本部統制下で在宅・施設訪問を実施。
かかりつけ薬剤師の届出患者数:500名、在宅患者:50名と仮定
| 項目 | 計算根拠 | 月間影響額 |
|---|---|---|
| 調剤基本料の増加(+1点/基本料3ロは+1点) | 5,000枚 x 1点 x 10円 | +50,000円 |
| 調剤ベースアップ評価料(+4点) | 5,000枚 x 4点 x 10円 | +200,000円 |
| 調剤管理料の減収(8〜14日分:-18点) | 5,000枚 x 15% x (-18点) x 10円 | -135,000円 |
| 調剤管理料の減収(15〜27日分:-40点) | 5,000枚 x 15% x (-40点) x 10円 | -300,000円 |
| 調剤管理料の増収(7日以下:+6点) | 5,000枚 x 15% x 6点 x 10円 | +45,000円 |
| 調剤管理料の増収(28日ちょうど:+10点) | 5,000枚 x 25% x 10点 x 10円 | +125,000円 |
| 調剤管理加算の廃止(-3点) | 5,000枚 x 20% x (-3点) x 10円 | -30,000円 |
| かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料イへの移行(-31点/名) | 500名 x (-31点) x 10円 | -155,000円 |
| 小計(自動発生分) | -200,000円 |
増収を狙う場合の加算算定シナリオ:
| 取組み | 追加増収額(月間) |
|---|---|
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回) | 直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者が対象。該当患者数は薬局により異なるため金額は自薬局のレセコンデータで算出のこと。同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回) | 対象はかかりつけ患者(服薬管理指導料1のイ・2のイの算定患者)。ただし外来服薬支援料1・施設連携加算・在宅患者訪問薬剤管理指導料・服薬情報等提供料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は算定できない。患者側の求めに応じた患家訪問と医療機関への情報提供が要件。該当見込み患者M名なら 230点 x M名 x 10円 ÷ 6か月 |
| 残薬調整加算の算定強化(月50件 x 50点) | +25,000円 |
| 有害事象防止加算の算定(月40件 x 50点) | +20,000円 |
| 在宅薬学総合体制加算1(30点) | 在宅患者が提出する処方箋にのみ加算(全処方箋ではない)。対象は在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者。30点 x 在宅患者の月間処方箋受付回数 x 10円 で自薬局の額を算出のこと |
年間ベースの影響:
| シナリオ | 年間影響額 |
|---|---|
| 何も対策しない場合 | 約-2,400,000円 |
月間10,000枚(大型病院門前薬局・調剤基本料3ハ)
典型例:大学病院や中核病院の門前薬局。基本料3ハ(同一グループ内処方箋受付回数が月40万回超かつ処方箋集中率85%以下)。集中率が85%超なら3ロ(20点)、85%以下なら3ハ(37点)で、集中率が低いほど高い評価になる点に注意されたい(面分業を評価する制度趣旨による)。薬剤師25〜35名体制。
かかりつけ薬剤師の届出患者数:1,000名、在宅患者:100名と仮定
| 項目 | 計算根拠 | 月間影響額 |
|---|---|---|
| 調剤基本料の増加(+2点/基本料3ハ 35→37点) | 10,000枚 x 2点 x 10円 | +200,000円 |
| 調剤ベースアップ評価料(+4点) | 10,000枚 x 4点 x 10円 | +400,000円 |
| 調剤管理料の減収(8〜14日分:-18点) | 10,000枚 x 15% x (-18点) x 10円 | -270,000円 |
| 調剤管理料の減収(15〜27日分:-40点) | 10,000枚 x 15% x (-40点) x 10円 | -600,000円 |
| 調剤管理料の増収(7日以下:+6点) | 10,000枚 x 15% x 6点 x 10円 | +90,000円 |
| 調剤管理料の増収(28日ちょうど:+10点) | 10,000枚 x 25% x 10点 x 10円 | +250,000円 |
| 調剤管理加算の廃止(-3点) | 10,000枚 x 20% x (-3点) x 10円 | -60,000円 |
| かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料イへの移行(-31点/名) | 1,000名 x (-31点) x 10円 | -310,000円 |
| 小計(自動発生分) | -300,000円 |
【注意・上限ケース】 月間10,000枚は大学病院・中核病院門前の一部に限られる実在性ニッチケース。自動的に発生する増減の小計は月300,000円の減収(年間約360万円、内訳は上表参照)。基本料3ハ(35→37点、+2点)は同一グループ内処方箋受付回数等の要件を満たす薬局に適用され、全国の該当薬局数は限定的。シミュレーションは「上限の参考値」として位置づけ、実数値は個別の届出区分・集中率・かかりつけ患者比率により大きく変動する。正式な区分要件は厚労省告示(令和8年厚生労働省告示第69号)を必ず参照されたい。
増収を狙う場合の加算算定シナリオ:
| 取組み | 追加増収額(月間) |
|---|---|
| かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回) | 直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者が対象。該当患者数は薬局により異なるため金額は自薬局のレセコンデータで算出のこと。同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外 |
| かかりつけ薬剤師訪問加算(230点・6月に1回) | 対象はかかりつけ患者(服薬管理指導料1のイ・2のイの算定患者)。ただし外来服薬支援料1・施設連携加算・在宅患者訪問薬剤管理指導料・服薬情報等提供料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は算定できない。患者側の求めに応じた患家訪問と医療機関への情報提供が要件。該当見込み患者M名なら 230点 x M名 x 10円 ÷ 6か月 |
| 残薬調整加算の算定強化(月100件 x 50点) | +50,000円 |
| 有害事象防止加算の算定(月80件 x 50点) | +40,000円 |
| 在宅薬学総合体制加算1(30点) | 在宅患者が提出する処方箋にのみ加算(全処方箋ではない)。対象は在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者。30点 x 在宅患者の月間処方箋受付回数 x 10円 で自薬局の額を算出のこと |
年間ベースの影響:
| シナリオ | 年間影響額 |
|---|---|
| 何も対策しない場合 | 約-3,600,000円 |
規模別の損益まとめ
| 規模 | 基本料区分 | 対策なし(年間) |
|---|---|---|
| 月間300枚 | 基本料1(+2点) | -33,600円 |
| 月間500枚 | 基本料1(+2点) | -105,600円 |
| 月間1,000枚 | 基本料1(+2点) | -285,600円 |
| 月間2,000枚 | 基本料1(+2点) | -720,000円 |
| 月間3,000枚 | 基本料1(+2点) | -1,080,000円 |
| 月間5,000枚 | 基本料3ロ(+1点) | -2,400,000円 |
| 月間10,000枚 | 基本料3ハ(+2点) | -3,600,000円 |
※ベースアップ評価料は賃上げ原資のため「対策なし」の計算には含めているが、経営上の自由な利益とは異なる点に注意。
※在宅薬学総合体制加算1は算定要件(在宅業務の実績等)を満たす必要がある。加算2はさらに高い点数が設定されている。
診療科別の影響比較
調剤管理料の減収額は、門前の診療科によって大きく異なる。以下に3つの典型的なパターンを比較する。
前提:処方日数構成比の診療科別パターン
| 処方日数区分 | 小児科・耳鼻科・皮膚科 | 内科・整形外科 | 混合型(複数科門前) |
|---|---|---|---|
| 7日分以下 | 50% | 5% | 15% |
| 8〜14日分 | 30% | 5% | 15% |
| 15〜27日分 | 10% | 10% | 15% |
| 28日ちょうど(+10点) | 5% | 25% | 15% |
| 29日以上(56日・84日等、変動なし) | 5% | 55% | 40% |
※処方日数の構成比は薬局により異なるため、上記は典型的な傾向を示した推定値。自薬局のレセコンデータで正確な構成比を確認することを推奨。
月間500枚の場合の調剤管理料影響額(診療科別)
| 項目 | 小児科・耳鼻科・皮膚科 | 内科・整形外科 | 混合型 |
|---|---|---|---|
| 7日以下の増収(+6点) | +15,000円 | +1,500円 | +4,500円 |
| 8〜14日の減収(-18点) | -27,000円 | -4,500円 | -13,500円 |
| 15〜27日の減収(-40点) | -20,000円 | -20,000円 | -30,000円 |
| 28日ちょうどの増収(+10点) | +2,500円 | +12,500円 | +7,500円 |
| 29日以上(変動なし) | 0円 | 0円 | 0円 |
| 調剤管理料の純影響 | -29,500円/月 | -10,500円/月 | -31,500円/月 |
| 年間影響額 | -354,000円 | -126,000円 | -378,000円 |
内科門前 vs 小児科門前:年間損益の比較(月間500枚)
| 項目 | 内科門前 | 小児科門前 | 差額 |
|---|---|---|---|
| 調剤管理料の変動 | -126,000円 | -354,000円 | 228,000円 |
| 調剤基本料の増加 | +120,000円 | +120,000円 | 0円 |
| 調剤ベースアップ評価料 | +240,000円 | +240,000円 | 0円 |
| 調剤管理加算の廃止 | -36,000円 | -36,000円 | 0円 |
| かかりつけ薬剤師指導料の廃止と服薬管理指導料イへの移行 | -111,600円 | -111,600円 | 0円 |
| 年間の自動発生分 | +86,400円 | -141,600円 | 228,000円 |
内科門前薬局は年間約8.6万円のプラスにとどまり、小児科門前薬局は約14.2万円のマイナスになる。 内科は28日ちょうどの処方が多く調剤管理料が増収に転じるため、管理加算の廃止と指導料の移行を吸収できる。一方、小児科は8〜14日分と15〜27日分の減収が大きく、基本料増分とベースアップ評価料では埋まらない。
なお本表は、前掲の「月間500枚」シミュレーションと同じ8項目(調剤管理料の4区分・調剤基本料の増加・調剤ベースアップ評価料・調剤管理加算の廃止・かかりつけ薬剤師指導料の移行)で算出している。かかりつけ届出患者30名・調剤管理加算の該当率20%という前提も同じである。
減収補填戦略
調剤管理料の減収を補填するために活用すべき4つの戦略を、投資対効果の高い順に解説する。
戦略1:かかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点)の算定体制構築
新設されたかかりつけ薬剤師フォローアップ加算(50点・3月に1回)は、今改定で最もコストパフォーマンスの高い加算である。ただし対象は「かかりつけ届出患者の全員」ではない点に注意が必要。
対象患者は、直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者に限られ、患者側の求めまたはかかりつけ薬剤師が必要性を認めた場合に、電話等での継続的な確認と記録が要件になる。同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外である。以下の表の「患者数」はこの条件に該当する対象患者数であり、かかりつけ届出患者数そのものではない。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 点数 | 50点(500円/回) |
| 算定頻度 | 3月に1回(年4回) |
| 年間収入(対象患者1名あたり) | 2,000円 |
| 対象患者50名で年間 | 100,000円 |
| 対象患者100名で年間 | 200,000円 |
| 対象患者200名で年間 | 400,000円 |
算定要件のポイント:
- かかりつけ薬剤師として届出済みの患者のうち、直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定した患者が対象
- 患者又はその家族等の求めに応じて、またはかかりつけ薬剤師が必要性を認めた場合に、電話等により継続的な確認・指導を実施し、記録すること(患者からの申し出を待たなくても薬剤師の判断で開始できる)
- 同月に調剤後薬剤管理指導料・在宅患者訪問薬剤管理指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費を算定している患者は対象外
- フォローアップの実施により残薬等の問題が解消された場合は対象から外れる(漫然と算定を続けることはできない)
- 3月に1回の算定制限あり
戦略2:在宅薬学管理の拡充
在宅薬学総合体制加算1が15点→30点(2倍)に引き上げられた。在宅未実施の薬局は参入を本格検討すべきタイミングである。ただし加算の対象は在宅患者が提出する処方箋に限られ、全処方箋には掛からない点に注意。
| 項目 | 旧点数 | 新点数 | 増減 |
|---|---|---|---|
| 在宅薬学総合体制加算1 | 15点 | 30点 | +15点 |
| 在宅薬学総合体制加算2 イ(単一建物診療患者又は単一建物居住者が1人の場合) | 50点 | 100点 | 区分新設・+50点 |
| 在宅薬学総合体制加算2 ロ(イ以外) | 50点 | 50点 | 据え置き(新設ではない) |
| 訪問薬剤管理医師同時指導料 | — | 150点 | 新設 |
在宅薬学総合体制加算1(30点)は、在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者が提出する処方箋を受け付けて調剤した場合にのみ算定できる。全処方箋に掛かるものではない。増収額は「30点 × 在宅患者の月間処方箋受付回数 × 10円」で自薬局のデータから試算されたい。
施設基準(届出済みの保険薬局が対象):
- (1)在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出
- (2)訪問薬剤管理指導の実績 48回以上/年
- (3)開局時間外における在宅業務対応(在宅協力薬局との連携含む)
- (4)在宅業務実施体制に係る地域への周知
- (5)在宅業務に関する研修(認知症・緩和医療・ターミナルケア)及び学会等への参加
- (6)医療材料及び衛生材料の供給体制
- (7)麻薬小売業者の免許の取得
- (8)服薬管理指導料の「注1」に規定する服薬管理指導を行う旨の届出
特に(2)の年48回以上は見落としやすい。 本記事の月間300枚シナリオ(在宅患者2名を想定)で月1回の訪問頻度なら年24回にとどまり、この基準を満たさない。小規模薬局が加算1の取得を目指す場合は、訪問回数の確保が届出の前提になる。
また、特別調剤基本料Aを算定する保険薬局では、在宅薬学総合体制加算1は所定点数の100分の10(30点→3点)になる。調剤基本料の注2に規定する保険薬局は在宅薬学総合体制加算1を算定できない。
戦略3:残薬調整・有害事象防止加算の活用
旧「重複投薬・相互作用等防止加算」が2つに分離され、かかりつけ薬剤師なら各50点で算定できる。
| 加算 | 通常 | かかりつけ薬剤師 |
|---|---|---|
| 調剤時残薬調整加算 | 30点 | 50点 |
| 薬学的有害事象等防止加算 | 30点 | 50点 |
両加算は別々に算定できるため、残薬調整と有害事象防止の両方が発生した場合はそれぞれ算定可能な場合がある(算定ルールの詳細は告示・通知を確認)。
月間算定件数別の年間増収額(かかりつけ薬剤師の場合):
| 月間算定件数 | 残薬調整のみ | 両方算定 |
|---|---|---|
| 月5件 | 30,000円/年 | 60,000円/年 |
| 月10件 | 60,000円/年 | 120,000円/年 |
| 月20件 | 120,000円/年 | 240,000円/年 |
戦略4:地域支援体制加算のステップアップ
2026年6月から「地域支援・医薬品供給対応体制加算」(5区分・27〜67点)に再編される。上位区分を算定できれば大幅な増収になる。
どの区分を狙えるかは調剤基本料で決まる。 加算2・3は調剤基本料1の薬局向け、加算4・5は基本料1以外の薬局向けで、両者は排他的である。加算1だけが基本料区分を問わない。
| 区分 | 点数 | 対象となる調剤基本料 | 月間500枚の場合 | 月間1,000枚の場合 |
|---|---|---|---|---|
| 加算1 | 27点 | 区分を問わない | 135,000円/月 | 270,000円/月 |
| 加算2 | 59点 | 基本料1 | 295,000円/月 | 590,000円/月 |
| 加算3 | 67点 | 基本料1 | 335,000円/月 | 670,000円/月 |
| 加算4 | 37点 | 基本料1以外 | 185,000円/月 | 370,000円/月 |
| 加算5 | 59点 | 基本料1以外 | 295,000円/月 | 590,000円/月 |
※ 加算4・5は「調剤基本料1又は特別調剤基本料Bを算定していないこと」が要件のため、特別調剤基本料Bの薬局はいずれの上位区分も算定できない。
加算2(59点)と加算1(27点)の差額は32点。月間1,000枚の薬局で加算1→加算2へステップアップすると、月32万円・年間384万円の増収になる。各区分の実績要件・届出手順は地域支援体制加算の解説記事を参照。
加算を狙う薬局にとって、後発品使用率の維持と並んで重要なのが重要供給確保医薬品の備蓄体制だ。備蓄は加算1の施設基準のひとつ(加算2以上も加算1を前提とするため共通)で、対象は重要供給確保医薬品のうち内用薬及び外用薬であるものに限られ、1ヶ月程度の備蓄に努める努力義務とされている。備蓄品目の選定・保管要件・点数への影響は重要供給確保医薬品の備蓄要件と地域支援・医薬品供給対応体制加算の詳細解説で確認できる。
今すぐやること:改定影響シミュレーション実行チェックリスト
改定は2026年6月1日に施行済みである。以下は「まだ着手できていない薬局」向けの実施順序(最優先→次に→継続)として整理する。
最優先(未着手ならただちに)
- [ ] レセコンから直近3か月の処方箋データを抽出する(管理薬剤師):処方日数区分別の枚数、調剤管理加算の算定件数、かかりつけ薬剤師指導料の算定件数を一覧化
- [ ] 自薬局の処方日数構成比を算出する(管理薬剤師):7日以下/8〜14日/15〜27日/28日以上の4区分の比率を確認し、本記事のシミュレーションと比較
- [ ] 調剤管理料の減収額を試算する(経営担当):自薬局の処方日数構成比 x 月間枚数 x 点数変動で月間・年間の減収額を算出
次に
- [ ] かかりつけ薬剤師フォローアップ加算の対象患者数を棚卸しする(管理薬剤師):直近6ヶ月に外来服薬支援料1/服用薬剤調整支援料1・2/調剤時残薬調整加算/薬学的有害事象等防止加算のいずれかを算定したかかりつけ患者数と、フォローアップ加算(50点 x 対象患者数 / 3月)の年間収入を算出
- [ ] 在宅業務の実績と在宅薬学総合体制加算の算定可否を確認する(薬局長):在宅患者数、訪問回数、加算1の要件充足状況を確認
- [ ] 地域支援・医薬品供給対応体制加算の届出区分を決定する(薬局長・経営層):後発品使用率85%の達成状況、加算2以上の実績要件の充足状況を確認
- [ ] 新点数に基づく年間収支計画を策定する(経営担当):減収額と増収可能額を対比し、必要な投資(人材・設備)を経営層に提案
継続
- [ ] かかりつけ薬剤師フォローアップ加算の対象患者を増やす取組みを月次目標で管理する(管理薬剤師):対象条件(残薬調整・有害事象防止加算等の算定)に該当する患者数の推移を薬剤師ごとに記録し、進捗を共有
- [ ] 在宅業務の拡充計画を実行する(薬局長):地域の在宅医・ケアマネジャーとの連携構築、在宅薬剤師の研修・配置
- [ ] 残薬調整・有害事象防止の算定実績を月次で分析する(管理薬剤師):算定件数の推移をモニタリングし、改善策を検討
- [ ] 収支シミュレーションの精度検証を行う(経営担当):施行から3か月が経過した現時点で、2026年6〜8月の実績データを用いて当初シミュレーションとの乖離を確認し、戦略を修正
FAQ
本記事のシミュレーションは「標準的な処方日数構成」を前提とした概算である。自薬局への適用にあたっては、レセコンから実際の処方日数構成比を抽出し、新点数に当てはめて再計算することを推奨する。特に、8〜27日分の処方が多い薬局は減収額が大きくなり、28日以上が多い薬局は影響が軽微になる。
使えない。調剤ベースアップ評価料は薬剤師・事務職員等の賃上げ原資として充当することが前提の評価料である。経営上の自由な利益としてカウントすべきではない。シミュレーションでは増収項目として計上しているが、同額が人件費に転嫁される点に注意。月間1,000枚の薬局で月4万円(年間48万円)の増収だが、同額の人件費増が発生する。対象職員の範囲(管理薬剤師・40歳以上の薬剤師は除外)と1人あたりの賃上げ可能額は調剤ベースアップ評価料シミュレーターで詳しく試算できる。
在宅薬学総合体制加算1は、在宅患者訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急訪問薬剤管理指導料・在宅患者緊急時等共同指導料・居宅療養管理指導費・介護予防居宅療養管理指導費のいずれかを算定している患者が提出する処方箋にのみ加算できる(全処方箋には掛からない)。施設基準は(1)在宅患者訪問薬剤管理指導を行う旨の届出、(2)訪問薬剤管理指導の実績48回以上/年、(3)開局時間外の在宅業務対応、(4)在宅業務実施体制の地域周知、(5)在宅業務に関する研修及び学会等への参加、(6)医療材料及び衛生材料の供給体制、(7)麻薬小売業者の免許の取得、(8)服薬管理指導料の「注1」に規定する服薬管理指導を行う旨の届出、の8点すべて(本文「戦略2」に詳述)。特別調剤基本料Aを算定する薬局では所定点数の100分の10(30点→3点)になる。なお、加算2はさらに高い実績要件と引き換えに、区分イ(単一建物診療患者又は単一建物居住者が1人の場合)が100点、区分ロ(イ以外)が50点となっている(ロは旧点数から据え置き)。詳細は調剤報酬改定2026年の解説記事の在宅医療セクションを参照。
調剤基本料2(30点)・3イ(25点)・3ロ(20点)の薬局は、基本料の増加幅が+1点(本記事の前提は+2点)になるため、月間収入の増加が半分になる。月間1,000枚の場合、基本料の増収は月1万円(本記事の前提は月2万円)になる。また、地域支援・医薬品供給対応体制加算の算定区分が加算4(37点)・加算5(59点)になる点も異なる。
なる。厚労省の疑義解釈(その7)問6が、直近6ヶ月以内に旧・重複投薬・相互作用等防止加算を算定していた患者を、調剤時残薬調整加算または薬学的有害事象等防止加算を算定した患者とみなしてよいとしている。施行直後は改定後の加算の算定実績が積み上がっていないため、この取扱いを使えるかどうかで対象患者数が大きく変わる。
可能性がある。改定率は令和8年度+2.41%・令和9年度+3.77%の2段階構造であり、2027年6月にも追加の点数変更が予定される可能性がある。本記事のシミュレーションは令和8年度改定分のみを反映しているため、令和9年度分の変更が公表された時点で再試算が必要になる。
免責事項
本記事は2026年6月1日に施行された調剤報酬改定の告示・通知内容に基づいて作成したシミュレーションです。記載の点数・計算結果は一般的な処方構成を前提とした概算であり、実際の影響額は各薬局の処方箋構成・加算算定状況により異なります。個別の算定要件・施設基準の詳細は厚生労働省の告示・通知を必ずご確認ください。本記事の内容に基づく経営判断により生じたいかなる損害についても、筆者は責任を負いかねます。
参考資料・一次情報
本記事の作成にあたり、以下の公的資料を参照しています。最新の情報は各機関の公式サイトでご確認ください。
- 中央社会保険医療協議会(中医協)の診療報酬改定関連資料 — 厚生労働省(答申書・個別改定項目等の一覧)
- 厚生労働省「令和8年度診療報酬改定について」(令和7年12月24日 予算大臣折衝)
- 中央社会保険医療協議会「個別改定項目について(いわゆる「短冊」)」(令和8年2月)
- 中央社会保険医療協議会 答申書(令和8年2月13日・中医協総会 第647回)
- 厚生労働省「診療報酬の算定方法の一部改正に伴う実施上の留意事項について」(令和8年3月5日 保医発0305第6号)別添3 調剤報酬点数表に関する事項
- 厚生労働省保険局医療課医療指導監査室「保険調剤の理解のために(令和8年度)」
- 厚生労働省「疑義解釈資料の送付について(その7)」 — 調剤編 問6(旧・重複投薬・相互作用等防止加算の読み替え)
- 調剤報酬改定2026年をわかりやすく解説 — 本サイトの改定概要記事
- 地域支援体制加算の全区分を徹底比較 — 本サイトの加算詳細記事



