最終更新日: 2026年9月11日(エアコン告示の目標基準値を告示原文で再確認し、補助金の実額・受付状況を最新化)
「エアコンが2027年から使えなくなる」「今すぐ買い替えないと手遅れ」——ネット上でこうした見出しが飛び交っています。一方で「2027年問題は誇張だ」「焦る必要はない」という逆張り記事も目立ちます。
どちらの言い分が正しいのでしょうか。
結論から言えば、「今あるエアコンを使えなくなる」は事実誤認です。しかし「何も変わらない」という見方もまた間違いです。正しくは「メーカーに対する省エネ基準が上がるため、低価格帯の品薄や価格上昇が懸念される」という話です。
この記事では、省エネ法の条文に即した正確な制度理解を出発点として、部屋の広さ別の値上がり目安・買い替えを急ぐべきケースと急がないケース・補助金の使い方を、具体的な金額・スケジュールとともに解説します。
この記事でわかること
- 「エアコン2027年問題」の本質——誰に何が義務づけられるのか(省エネ法第149条の条文で確認)
- 告示原文の目標APF実数と、値上がり懸念の本当の原因(「寸法規定タイプ」の廃止)
- 値上がり幅の目安(6畳・8畳・14畳の現行相場と今後の比較)
- 「今すぐ買い替えるべきか」を3ステップで判断するフロー
- 誤解TOP3(使用禁止・R32禁止・全部2倍)の正確な解説
- 補助金の実額(東京ゼロエミポイントの冷房能力別ポイント表・みらいエコ住宅2026の2つのエアコン枠・自治体3例)
- 2026〜2027年の最適購入スケジュール
1. 「エアコン2027年問題」で何が変わる?3分で本質を理解する
1-1. 義務を負うのはメーカー、消費者の購入・使用には制限なし
「エアコン2027年問題」の根拠となる法令は、省エネ法(エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律)第149条に基づくトップランナー制度です。条文はこう書かれています。
第百四十九条 …我が国において大量に使用され、かつ、その使用に際し相当量のエネルギーを消費するエネルギー消費機器であつてそのエネルギー消費性能の向上を図ることが特に必要なものとして政令で定めるもの(以下「特定エネルギー消費機器」という。)…については、経済産業大臣は…エネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準となるべき事項を定め、これを公表するものとする。
この基準を大きく下回るメーカーに対して勧告・命令を行う根拠が第150条です。経済産業省は2022年5月にエアコン告示を改正し、家庭用壁掛けエアコンの目標年度を2027年度(2027年4月1日以降)に設定しました(壁掛け形以外・マルチタイプは2029年度)。
ここで最も重要なのは義務の主体です。条文が名指ししている相手は「エネルギー消費機器等製造事業者等」——つまり製造事業者・輸入事業者(メーカー)です。消費者が既存エアコンを使い続けることや、消費者が新品エアコンを購入することを禁じる規定は一切ありません。
現在使用中のエアコンを2027年以降も使い続けることに、法的制限はありません。
資源エネルギー庁も公式解説で同じことを述べています。
トップランナー制度は、製品を製造・出荷する製造事業者など(メーカー)に対して適用される制度です。ご家庭において現在使用しているエアコンを買い替える必要はありません。引き続き、ご使用になれます。
(資源エネルギー庁「エネこれ」2026年4月17日公開)
1-2. 「加重調和平均方式」——特定モデルの製造禁止ではない
トップランナー制度が求めるのは、メーカーが出荷台数で加重した調和平均値(出荷が多い機種ほど重く数えた平均。以下「加重調和平均」)で目標基準を満たすことです。つまり、省エネ性能の高い機種と低い機種を組み合わせた平均で達成できれば、特定の普及機が即座に製造禁止になるわけではありません。
資源エネルギー庁も「2027年度以降に、基準値を満たさない製品の製造・出荷を禁止するものではありません」と明言しています。
さらに告示には、最初の2年間だけの緩和措置も置かれています。
ただし、令和9年度…又は令和10年度…においては、第4表の左欄に掲げる区分名「Ⅰ」から区分名「Ⅳ」までにおいて…通年エネルギー消費効率を各区分の出荷台数により加重して調和平均した数値が、各区分の基準エネルギー消費効率を…加重して調和平均した数値を下回らない場合は、当該未達成区分については…基準を下回らない区分とみなすことができる。
要するに、2027年度・2028年度は「区分ごと」ではなく「壁掛け形4区分をまたいだ平均」で達成すればよいという扱いです。6畳用の区分だけが未達でも、他の区分で補えば違反になりません。「2027年4月1日に低価格機が一斉に消える」という筋書きが制度上成り立たない理由の一つがここにあります。
ただし現実問題として、現在市販されているスタンダードクラス(低価格帯)モデルの多くが新基準を単独では満たしていないため、メーカーは製品ラインナップを省エネ性能の高い機種に絞り込む方向に動くと見られます。
1-3. エネルギー効率(APF)の変化——どこが厳しくなるのか
省エネ基準の指標はAPF(通年エネルギー消費効率)。冷暖房の年間能力を年間消費電力量で割った値で、数値が高いほど省エネ性能が優れます。
ここは「2027年問題」の核心でありながら、ネット上の解説がいちばん混乱している部分です。エアコン告示の原文(第1表・第4表)から、そのまま引き写します。
現行基準(2010年度基準・2026年度出荷分まで)=告示 第1表
| 冷房能力 | 室内機の寸法タイプ | 区分名 | 基準APF |
|---|---|---|---|
| 3.2kW以下(6〜10畳目安) | 寸法規定タイプ | A | 5.8 |
| 3.2kW以下 | 寸法フリータイプ | B | 6.6 |
| 3.2kW超4.0kW以下(12〜14畳目安) | 寸法規定タイプ | C | 4.9 |
| 3.2kW超4.0kW以下 | 寸法フリータイプ | D | 6.0 |
「寸法規定タイプ」とは、告示の言葉で「室内機の横幅寸法800ミリメートル以下かつ高さ295ミリメートル以下の機種」。つまり、量販店で山積みになっているあの標準サイズの室内機のことです。
2027年度基準(2027年4月1日以降の出荷分)=告示 第4表
| 冷房能力 | 仕様 | 区分名 | 基準APF |
|---|---|---|---|
| 2.8kW以下(6〜10畳目安) | 寒冷地仕様以外 | Ⅰ | 6.6 |
| 2.8kW以下 | 寒冷地仕様 | Ⅱ | 6.2 |
| 2.8kW超28.0kW以下 | 寒冷地仕様以外 | Ⅲ | E=6.84−0.210×(A−2.8) ※上限6.6・下限5.3 |
| 2.8kW超28.0kW以下 | 寒冷地仕様 | Ⅳ | E=6.44−0.210×(A−2.8) ※上限6.2・下限4.9 |
(A=冷房能力kW、E=基準APF)
区分Ⅲの式に4.0kWを入れると 6.84−0.210×1.2=6.588、四捨五入して6.6。上限も6.6なので、結局2.2kW・2.8kW・4.0kWのいずれも目標APFは6.6で同じです。
何が起きたのか——「寸法規定タイプ」という逃げ道が消えた
2つの表を並べると、値上がり懸念の正体がはっきりします。
| 部屋の目安 | 現行の基準APF | 2027年度の基準APF | 引き上げ幅 |
|---|---|---|---|
| 6畳用(2.2kW)・寸法規定 | 5.8(区分A) | 6.6 | +13.8% |
| 6畳用(2.2kW)・寸法フリー | 6.6(区分B) | 6.6 | ±0% |
| 14畳用(4.0kW)・寸法規定 | 4.9(区分C) | 6.6 | +34.7% |
| 14畳用(4.0kW)・寸法フリー | 6.0(区分D) | 6.6 | +10.0% |
新基準では寸法による区分そのものが廃止されました。これまで「室内機を標準サイズに収める代わりに、低い基準値で許してもらう」という区分(A・C)があり、低価格帯の普及機はここに集まっていました。その逃げ道が無くなり、寸法フリー機と同じ6.6を求められるようになった——これが「2027年問題」の実体です。
最も影響が大きいのは14畳用(4.0kW)の寸法規定タイプで、4.9 → 6.6、実に34.7%の引き上げになります。逆に、もともと寸法フリーで6.6を出していた上位機は、基準の上では何も変わりません。
※ 測定方法がJIS C 9612:2005から2013年版に改定されているため、旧製品の表示値と新基準値を直接比較することはできません。上表は告示に定められた基準値どうしの比較です。
1-4. 影響を受ける機種・受けない機種の整理
| 機種の種別 | 影響 |
|---|---|
| 現在使用中の家庭用エアコン | 影響なし(使い続けられる) |
| 2025〜2026年モデルの省エネ達成機 | ほぼ影響なし(新基準前後で仕様継続) |
| 現在の低価格帯スタンダード機 | 品薄・値上がりの懸念(2027年4月以降) |
| 業務用(ビル用マルチ等) | 別制度(フロン排出抑制法)の対象。詳しくは業務用エアコンのフロン排出抑制法 管理者義務と2027/2029年問題で解説 |
2. 値上がりは本当か——部屋タイプ別・金額で確認する
2-1. 現行価格相場(2026年6月時点・工事費込み)
以下は2026年時点での家庭用エアコン(工事費込み)の実勢相場です。家電量販店や比較サイトの動向をもとにした編集部の目安であり、公的な統計値ではありません。個別製品・販売店・工事条件によって大きく異なります。
| 部屋の広さ | グレード | 現行相場(工事費込み) |
|---|---|---|
| 6畳用(2.2kW) | 普及機 | 6〜9万円 |
| 6畳用(2.2kW) | 上位機(省エネ★5) | 17〜31万円 |
| 8畳用(2.5kW) | 普及機 | 7〜11万円 |
| 8畳用(2.5kW) | 上位機 | 18〜25万円 |
| 14畳用(4.0kW) | 普及機 | 11〜16万円 |
| 14畳用(4.0kW) | 上位機 | 30〜40万円 |
なお、価格を比べるときは同じ出力帯・同じ付加機能どうしで比べてください。資源エネルギー庁も「6畳で使用する付加機能の少ないスタンダート機と、14畳で使用する付加機能の多い高級機を、販売価格だけに着目して単純に比較するのは適当ではありません」と注意を促しています。ネット上の「2027年問題で2倍になる」という記事の多くは、この比較の入れ替えで生まれています。
2-2. 2027年以降の値上がり目安(「目安・懸念」であり確定値ではありません)
2027年問題に関する識者・業界関係者の見解(2025〜2026年)をもとにした「懸念される値上がり幅」の目安です。法令が直接価格を決める規定はなく、実際の値動きは市場競争・各メーカーの戦略に依存します。
| 部屋の広さ | 現行普及機相場 | 値上がり懸念幅(目安) | 懸念後の想定相場(目安) |
|---|---|---|---|
| 6畳用 | 6〜9万円 | +2〜3万円程度 | 8〜12万円程度 |
| 8畳用 | 7〜11万円 | +2〜3万円程度 | 9〜14万円程度 |
| 14畳用 | 11〜16万円 | +3〜5万円程度 | 14〜21万円程度 |
なぜ14畳用の懸念幅が大きいか——前述のとおり、4.0kWクラスの寸法規定タイプは基準APFが4.9から6.6へ34.7%引き上げられます。この幅を埋めるには熱交換器の大型化やコンプレッサー・制御系統の変更が要り、その分のコストが価格に乗ると見られるためです。
ただし、メーカー間の競争が続く以上、「全部2倍になる」という見方は過剰です。一部の業界筋が指摘する「スタンダード機が省エネ機と最大2倍の価格差」というのは特定の先行製品(例:現行の普及機と新基準対応の先行モデルを単純比較した場合)の話であり、2027年以降の市場全体に当てはまるわけではありません。
2-3. すでに動いている価格上昇傾向
現時点(2026年)でも、2027年問題を見越した駆け込み需要により、一部の低価格帯モデルが品薄傾向にあると報じられています。複数のメーカーが新基準に対応した機種を先行して投入していますが、従来の普及機と比べれば価格は高めです。
ただしこの段落は市場の動きであって、制度が決めていることではありません。在庫・価格の見通しは外れることがあります。確実に言えるのは「2027年4月以降に出荷される製品の基準が上がる」という一点だけです。
そのうえで、「まだ2027年ではない」と思って様子見しているうちに在庫が減って選択肢が狭まる——というリスクは現実的に存在します。
3. 「今すぐ買い替えろ」は正しい?買い替え判断フロー
焦りを煽るメディア記事が多い中で、実際に今すぐ買い替えを検討すべきかを判断するには、現在使っているエアコンの状態を3つのステップで確認してください。
ステップ1:使用年数を確認する
エアコンの平均使用年数は約14年です(内閣府「消費動向調査」。資源エネルギー庁が光熱費の試算に用いている数値と同じ)。使用年数によって判断が変わります。
使用10年超 → 積極的に検討推奨
– 省エネ性能が現在の基準と比べて大きく見劣りする可能性が高い
– 2027年問題で普及機在庫が減る前に購入・工事を完了できる
– 修理部品の在庫枯渇リスクもある
使用5〜10年 → 故障が増えてきたら検討
– 省エネ達成済みモデルなら急ぐ必要は低い
– 修理費と買い替え費用を天秤にかける
使用5年以内 → 急ぐ必要なし
– 2020年以降に購入した省エネ基準達成済みモデルなら、2027年問題の影響はほぼない
– 今の機種を使い続けることに法的・実務的な問題はない
ステップ2:使っている冷媒の種類を確認する
エアコンの室外機やカタログに記載されている冷媒の種類を確認しましょう。
R410A(旧冷媒)使用機 → 買い替え時に省エネ機へ移行を検討
– GWP(地球温暖化係数。CO2を1としたときの温室効果の大きさ)が2,090と高い
– 家庭用エアコンは冷媒についても規制の目標年度が2018年度で既に終了しており、現行の新品はほぼR32に置き換わっている
– 修理時の冷媒の補充対応が将来的に縮小する可能性はある
R32(現行主流冷媒)使用機 → 慌てなくてよい
– GWP675で、フロン排出抑制法の指定製品制度が家庭用エアコンに定める目標値(750以下・目標年度2018年度)を満たしている
– 現時点での冷媒規制の直接対象ではない
「業務用では2025年からR410Aが禁止された」という説明について
これは正確ではありません。経済産業省は指定製品制度をこう説明しています。
「指定製品制度」は…フロン類使用製品(指定製品)の製造・輸入業者に対して、出荷する製品区分毎に、環境影響度低減の目標値、目標年度を定め、事業者毎に、出荷台数による加重平均で目標の達成を求める制度です。
経済産業省の一覧(令和7年4月1日時点)では、店舗・事務所用エアコンディショナーとビル用マルチエアコンディショナー(新設および冷媒配管一式の更新を伴うものに限る)に目標値750以下・目標年度2025年度が設定されています。しかしこれはトップランナー制度とまったく同じ「事業者ごとの加重平均で達成せよ」という仕組みであって、特定の冷媒を封入した製品の出荷を禁じる規定ではありません。R410A(GWP 2,090)では750を大きく超えるため事実上使いにくくなる、という間接的な効果です。
なお目標年度は区分ごとに異なります。同じ一覧の中でも、中央方式エアコンディショナーのうち容積圧縮式冷凍機を用いるものや設備用エアコンディショナーは2027年度です。業務用の機器をお持ちの方は、自分の設備がどの区分かを確認してください(業務用については業務用エアコンのフロン排出抑制法 管理者義務と2027/2029年問題で詳しく解説しています)。
R32搭載機を「2036年に使えなくなる」という情報について
冷媒の国際的な削減スケジュールはモントリオール議定書キガリ改正で決まっています。環境省の説明はこうです。
HFCの生産及び消費量の段階的削減義務として、先進国においては、2011-2013年の平均数量等を基準値として、2019年から削減を開始し、2036年までに85%分を段階的に削減する。
これは国全体としてのHFCの生産量・消費量の枠の話であり、既存機の使用禁止でも、個別機種の製造禁止でもありません。R32搭載エアコンの使用・販売を2036年に禁じる告示は、2026年9月時点で存在しません。「R32が2036年に使えなくなる」という断定的な表現は、現行制度の正確な読み方ではありません。
ただし、85%削減という枠が効いてくる以上、より低GWPの冷媒への転換が段階的に進むことは確かです。長期の動向としては注視が必要な分野です。
ステップ3:修理頻度と次の工事コストを試算する
| 状況 | 判断 |
|---|---|
| 修理を繰り返しており1回の修理費が3〜5万円超 | 買い替えコスト(6〜16万円)と比較し、買い替えが有利な場合が多い |
| 室外機が故障し部品交換が必要 | 古い機種は部品在庫切れのリスク。見積もりを取ってから判断 |
| 冷房・暖房の効きが年々悪くなってきた | ガス(冷媒)漏れの可能性。補充費用と買い替えを比較 |
| 特に問題なく動いている | 急いで買い替える必要なし |
買い替えに適した時期(工事繁忙期を避ける)
エアコン取り付け工事の繁忙期は3〜4月(引越しシーズン)と6〜8月(夏の需要期)です。この時期は予約が取りにくく、工事費が通常期より2〜3割高くなるケースもあります。
おすすめの時期は9〜11月(秋)と12〜2月(冬)です。工事業者のスケジュールに余裕があり、希望の日時に予約しやすいうえ、工事費も安定した水準になります。
4. 知らないと損する誤解TOP3
誤解①「2027年からエアコンが買えなくなる・使用禁止になる」
✗ 誤り。正しくは:
省エネ法のトップランナー制度が義務を課すのは製造・輸入事業者(メーカー)です。消費者が新品エアコンを購入することや、現在使用中のエアコンを使い続けることを禁じる規定は存在しません。
2027年4月以降も「消費者は引き続きエアコンを購入できます」し「現在使用中のエアコンを使い続けられます」。変わるのは「市場に出回る製品の省エネ性能の最低ラインが上がること」と、それに伴う「低価格帯の品薄・値上がり懸念」です。
メーカーは年度ごとの出荷製品の加重調和平均値で基準を達成すれば足りるため、「2027年4月1日からすべての低省エネ機が一斉に販売禁止になる」というシナリオも制度上は正確ではありません。
誤解②「R32冷媒のエアコンも2036年に使用禁止になる」
✗ 現時点では不正確。正しくは:
家庭用エアコンの主流冷媒R32(GWP: 675)は、フロン排出抑制法の「指定製品制度」における家庭用エアコンの目標値(750以下・目標年度2018年度)をすでに満たしています。
2036年という年が出てくるのは、モントリオール議定書キガリ改正で先進国が「2036年までに(HFCの生産・消費量を基準値比で)85%分を段階的に削減する」と定めているためです。これは国全体の生産量・消費量の枠に関する約束であり、「R32搭載エアコンの使用・販売が2036年に禁止になる」という告示は2026年9月時点で出ていません。
冷媒の将来規制は注視が必要な分野ですが、現時点で「R32が2036年に使えなくなる」という断定情報は誇張です。
誤解③「2027年以降はエアコンが全部2倍の価格になる」
✗ 誇張。正しくは:
「2倍」という数字は、現在の普及機(新基準未達成)と先行して発売された新基準対応モデルを単純比較した際の価格差を指すものが多く、2027年以降の市場全体に適用される数値ではありません。
2027年以降も複数メーカーが競争する市場が続く以上、全機種が一律に倍額になるシナリオは現実的ではありません。ただし普及機の選択肢が絞られ、全体的な価格帯が現行より2〜5万円程度(目安)上昇する懸念は合理的です。
5. 補助金で賢く買う——2026年に使える制度一覧
5-1. 東京ゼロエミポイント(東京都・都民限定)
東京都が実施する省エネ家電買い替え支援事業(正式名称「家庭のゼロエミッション行動推進事業」)で、エアコン・冷蔵庫・給湯器・LED照明器具が対象です。
「最大◯万円」という見出しに惑わされないでください。エアコンの付与額は冷房能力と省エネ性能で細かく分かれます。以下は公式サイトの金額表そのままです(2026年9月11日確認)。
表を読む前に:「多段階評価点」とは
店頭のエアコンに貼ってある「統一省エネラベル」の★の数のことです。5.0〜1.0の範囲で刻まれており、★3つ=多段階評価点3.0にあたります。この記事の第2章で「省エネ★5」と書いているのも同じ指標です。
補助金の要件は「多段階評価点」という数値表記で書かれていますが、店頭では★の数を見れば判定できます。APF(通年エネルギー消費効率)の数値も同じラベルに載っています。
① 通常の買い替え(エアコン)
| 省エネ性能 | 冷房能力 | 付与ポイント(=値引き額) |
|---|---|---|
| 多段階評価点2.0以上2.9以下、もしくはAPF 5.8以上6.5以下 | 2.4kW未満(6〜7畳目安) | 9,000 |
| 同上 | 2.4kW以上3.6kW未満 | 10,000 |
| 同上 | 3.6kW以上 | 23,000 |
| 多段階評価点3.0、もしくはAPF 6.6以上 | 2.4kW未満(6〜7畳目安) | 15,000 |
| 同上 | 2.4kW以上3.6kW未満 | 18,000 |
| 同上 | 3.6kW以上 | 23,000 |
つまり6畳用を買う場合、通常の買い替えで受けられるのは9,000〜15,000ポイントです。23,000ポイントは3.6kW以上(12畳以上目安)の機種に限られます。
② 長期使用家電からの買い替え(エアコン)
「長期使用家電」の定義は公式に「製造年から起算して15年以上経過した、買替え前のエアコン及び冷蔵庫」。15年ちょうども含まれます(証明する書類の提出が必要)。
| 省エネ性能 | 冷房能力 | 付与ポイント |
|---|---|---|
| 多段階評価点2.0以上2.9以下、もしくはAPF 5.8以上6.5以下 | 2.4kW未満 | 20,000 |
| 同上 | 2.4kW以上3.6kW未満 | 30,000 |
| 同上 | 3.6kW以上 | 40,000 |
| 多段階評価点3.0以上、もしくはAPF 6.6以上 | 2.4kW未満 | 50,000 |
| 同上 | 2.4kW以上3.6kW未満 | 60,000 |
| 同上 | 3.6kW以上 | 70,000 |
15年以上使った6畳用エアコンを、新基準(APF 6.6以上)の機種に買い替えると50,000ポイント。通常買い替えの15,000ポイントとの差は35,000ポイントで、この記事で最も金額の大きい判断材料です。
③ 高効率家電の新規購入(買い替えではない場合)
多段階評価点3.0もしくはAPF 6.6以上のエアコンを新規に設置する場合、10,000ポイント。
④ 高齢者・障害者のエアコン購入
多段階評価点3.0もしくはAPF 6.6以上のエアコンで、80,000ポイント。公式の要件は次のとおりです。
購入時点で満65歳以上であることが確認できる本人確認証又は障害者手帳を購入店舗にご提示ください。
設置場所は自らの居住地(都内の住宅)に限ります。
「購入者本人」の年齢・手帳と、「その本人の居住地」への設置が要件です。家族が代わりに手続きを進める場合でも、この2点が満たせるかを事前に登録販売店へ確認してください。
申請期間(区分ごとに起点が違います):
| 区分 | 対象となる販売期間 |
|---|---|
| ①通常買い替え・②長期使用家電からの買い替え | 令和6年(2024年)10月1日〜令和9年(2027年)3月31日 |
| ③新規購入 | 令和6年(2024年)10月1日〜令和9年(2027年)3月31日 |
| ④高齢者・障害者の★3以上エアコン | 令和7年(2025年)8月30日〜令和9年(2027年)3月31日 |
いずれも予算の消化状況により期日が早まる可能性があります。
申請方法: 登録販売店での購入時に値引きとして反映される共同申請方式。個人が別途書類を郵送する必要はありません。登録されていない店舗ではポイントは付きません。
条件: 都内に住所を有する個人で、その住所を公的な書類(免許証等)で証明できること/購入した家電を都内の住宅に設置すること/事前に登録された事業者(店舗)で購入すること
注意: 東京ゼロエミポイントは、都または公社の同種の助成金等とは併用できません。
公式サイト:東京ゼロエミポイント 事業概要 / 登録販売店の検索 / 対象製品の検索
5-2. みらいエコ住宅2026事業(国の補助金)
国土交通省が実施する住宅省エネリフォーム補助事業で、本事業からエアコンが補助対象に加わりました。エアコンの枠は2種類あり、混同されがちです。
| 枠 | 対象となる製品の基準 | 補助額 |
|---|---|---|
| ③特定エコ住宅設備の設置「高効率エアコン」 | 定格冷房エネルギー消費効率の区分(い)を満たすエアコン | 52,000円/箇所 |
| ⑧空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置 | 公的試験機関等で効果が確認された空気清浄機能、または換気機構を有するエアコン | 3.6kW超:32,400円/箇所 2.2kW超〜3.6kW以下:28,800円/箇所 2.2kW以下:24,000円/箇所 |
いずれも事務局に登録された型番の製品のみが対象です(同一製品を両方の枠で申請することはできません)。「区分(い)」という基準は店頭のラベルには書かれていないため、型番が対象かどうかは公式の補助対象製品の検索ページで確認してください。検索ページ内で「特定エコ住宅設備」(高効率エアコン)と「空気清浄機能・換気機能付きエアコン」は別の区分に分かれています。
対象期間: 工事着手2025年11月28日〜遅くとも2026年12月31日まで(予算上限に達した時点で終了)
予算の残り(2026年9月11日 午前0時時点):リフォーム枠の申請額は予算の6%。新築枠(GX志向型住宅56%、長期優良住宅・ZEH水準住宅29%)と比べて、リフォーム枠にはまだ余裕があります。
最大のハードル——「要件化工事」を先に理解する
エアコンだけでは申請できません。エアコン1台で52,000円となり金額の下限(後述)は超えますが、それとは別に入口条件があります。
本事業は、対象住宅の中から「外皮に面する開口部(窓)を有する1つの居室」を「トリガールーム」として選び、そこで所定の組み合わせの断熱工事(=要件化工事)を実施することを補助の前提にしています。居室とは居間・寝室・子供部屋・台所・書斎などで、トイレ・浴室・洗面室・廊下・納戸・玄関ホール・車庫は該当しません。
要件化工事の組み合わせは「開口部(窓)の断熱改修」と「躯体(床・壁・天井)の断熱改修」を軸に定められており、住宅の新築時期によって必要な組み合わせが変わります(平成3年12月31日以前の建築はより厳しい組み合わせが必要)。
つまり「窓や断熱のリフォームを1部屋分やる予定がある人」向けの制度であり、エアコンの買い替えだけを考えている人には使えません。
そのほかの条件:
– 1申請あたりの合計補助額が5万円以上必要(他の構成事業=先進的窓リノベ2026事業・給湯省エネ2026事業・賃貸集合給湯省エネ2026事業で交付決定を受けている場合は2万円以上に緩和)
– 原則、平成28年(2016年)12月31日以前に新築された住宅が対象
– 申請は「みらいエコ住宅事業者(住宅省エネ支援事業者)」として登録した施工業者が行う。個人が直接申請することはできません。登録のない事業者との契約は補助対象になりません
公式サイト:みらいエコ住宅2026事業 / リフォームの対象要件 / 高効率エアコンの補助額 / 登録事業者の検索
注意: 断熱改修と組み合わせたリフォーム全体を計画している場合に有効な制度です。エアコンだけを買い換えたい場合は東京ゼロエミポイント(東京都民)や自治体補助金の活用を検討してください。
5-3. 自治体独自の補助金(主な例)
各自治体が独自に省エネ家電購入補助を実施しています。以下は2026年9月11日に各自治体の公式ページで確認した内容です。
| 自治体 | 補助額 | 受付期間・条件 |
|---|---|---|
| 東京都品川区 「しながわゼロカーボンアクション助成」 |
省エネルギー家電(エアコン)最大1万円 | 令和8年5月25日〜令和9年3月15日。予定件数に達し次第終了。設置・導入完了後の申請 |
| 愛知県東海市 「省エネ家電製品購入促進補助金」 |
1世帯3万円が上限(複数台買っても合計3万円まで) | 令和8年4月1日〜令和9年3月24日。1世帯1回限り。令和6・7年度に同補助を受けた世帯は対象外。当初予算3,000万円 |
| 京都府京都市 「省エネ家電への買換え促進事業」 |
エアコン12畳用未満(〜2.8kW)15,000円/12畳用以上(3.6kW〜)20,000円 | 令和8年8月28日〜令和9年3月31日。先着順、予算額に達し次第終了。登録電器店での値引き方式 |
自治体の制度は年度の途中で終わり、補正予算でまた始まります。京都市はその典型で、令和7年11月28日に始まった受付が予算上限に達して令和8年6月12日に一度終了し、7月補正予算により令和8年8月28日から再開しました。「前に調べたら終わっていた」制度が、今は動いていることがあります。逆もあります。
必ず購入の直前に、自治体名+「省エネ家電 補助金」で公式サイトを確認してください。上表の3自治体以外にも同種の制度は多数あります。
なお、家族が本人に代わって申請できるかは、自治体ごとに扱いが異なります。品川区・京都市は販売店や電子申請を経由する仕組み、東海市は購入者が市の窓口へ書類を持参・郵送する仕組みで、代理申請の可否は各要綱の定めによります。ご本人が窓口に出向けない事情がある場合は、購入前に担当課へ電話で確認してください(本記事の出典欄に各自治体のページを掲載しています)。
品川区 しながわゼロカーボンアクション助成 / 東海市 令和8年度省エネ家電製品購入促進補助金 / 京都市 省エネ家電への買換え促進事業
5-4. 補助金を受ける前に確認すること
- 対象機種かどうか:基準は制度ごとに違います。東京ゼロエミポイントは「多段階評価点」とAPF、みらいエコ住宅2026は「定格冷房エネルギー消費効率の区分(い)」、東海市は「省エネ基準達成率(目標年度2027年度)100%以上かつ多段階評価点3.0以上」。どれも店頭の「統一省エネラベル」で確認できます
- その店が登録店か:東京ゼロエミポイント・京都市は登録された販売店でしか付与されません。買ってから気づいても遡れません
- 申請期限と予算残額:予算消化で年度途中に終了する制度が多数あります
- 申請手続きの主体:東京ゼロエミポイントは販売店との共同申請、みらいエコ住宅2026は登録業者が代行、東海市は購入者本人が市窓口へ申請
- 併用の可否:東京ゼロエミポイントは都・公社の同種の助成金と併用不可。東海市は高齢者熱中症対策空調設置費等補助金と併用不可
- 領収書・保証書の保管:後日申請する制度は購入証明が必要。型番・製造番号が保証書にない場合は本体の写真を求められることがあります
6. 2026〜2027年 最適購入スケジュールとまとめ判断表
時期別の購入環境まとめ
いま(2026年9月)は、この記事が最も推奨する時期に入ったところです。
| 時期 | 購入環境 | おすすめ度 |
|---|---|---|
| 〜2026年8月 | 夏の繁忙期。工事予約が取りにくく費用も割高だった | (終了) |
| 2026年9〜11月 | 閑散期。旧モデルの処分値引きと工事費の安定が重なる。京都市の補助も8月28日に再開したところ | ◎(最推奨・現在ここ) |
| 2026年12月〜2027年3月 | 冬の閑散期。在庫は減少傾向だが旧基準機はまだ流通。品川区の助成は令和9年3月15日まで | ○(次点) |
| 2027年4月以降 | 新基準の適用開始。ただし2027・2028年度は区分をまたいだ平均で達成できる緩和措置があり、旧基準機の在庫販売も可能。急激な断絶は制度上起きにくい | △(在庫と価格次第) |
あなたの状況別・最終判断表
| あなたの状況 | 推奨アクション |
|---|---|
| エアコンを15年以上使用(東京都民) | 最優先。東京ゼロエミポイントの「長期使用家電からの買い替え」で6畳用でも50,000ポイント。製造年を室外機の銘板で確認のうえ、登録販売店へ |
| エアコンを10年超使用・旧R410A機 | 2026年秋までに買い替えを完了。東京都民なら東京ゼロエミポイントを活用 |
| エアコンを10年超使用・R32機で問題なし | 故障するまでは使い続けOK。ただし修理費が高額になれば買い替えを検討 |
| エアコンを5〜10年使用・省エネ達成済み | 急がなくてよい。ただし冷暖房効率低下・修理頻発なら買い替え検討 |
| エアコンを5年以内に購入・問題なし | 現状維持。2027年問題の影響はほぼない |
| 新居・リフォームで新規設置予定 | 2026年9月〜11月が工事費・在庫のバランスが最良。補助金の期限も確認 |
| 断熱リフォームも検討中 | みらいエコ住宅2026事業との組み合わせでエアコン補助も受けられる |
7. よくある質問(FAQ)
いいえ。省エネ法のトップランナー制度は製造・輸入事業者(メーカー)に対する規制であり、消費者が既存エアコンの使用を継続することを禁じる規定はありません。2027年4月以降も、現在使用中のエアコンを使い続けることに何ら法的問題はありません。
現時点では「2036年に使えなくなる」とは言えません。家庭用エアコンの主流冷媒R32(GWP675)は、フロン排出抑制法の指定製品制度が家庭用エアコンに定める目標値(750以下・目標年度2018年度)をすでに満たしています。2036年という年は、モントリオール議定書キガリ改正で先進国が「2011〜2013年の平均数量等を基準値として、2019年から削減を開始し、2036年までに85%分を段階的に削減する」と約束していることに由来します。これは国全体のHFCの生産量・消費量の枠の話であり、個別機種の使用禁止を定めるものではありません。将来的な規制動向は引き続き注視が必要ですが、現状で「R32機は2036年に即使用禁止」という情報は不正確です。
確定的な「いつまで」はありません。理由は3つあります。第一に、基準がかかるのは出荷であって販売ではないため、在庫として残った旧基準機は2027年4月以降も販売可能です。第二に、トップランナー制度はメーカーごとの加重平均で達成する仕組みなので、基準未達の機種が即座に作れなくなるわけではありません。第三に、告示には2027年度・2028年度に限り壁掛け形の4区分をまたいだ平均で達成してよいという緩和措置が置かれています。ただし在庫と選択肢が徐々に細るのは確かなので、現在の低価格帯エアコンを希望する場合は2026年秋(9〜11月)から冬にかけて購入するのが現実的な目安です。
誇張を含みます。「2倍」という数字は、現行の普及機と先行発売された新基準対応モデルを比較した際の価格差を示す場合が多く、2027年以降の市場全体に適用される数値ではありません。複数メーカーが競争する市場が続く以上、全機種が一律2倍になるシナリオは現実的ではありませんが、普及機の選択肢縮小により全体的な価格帯が2〜5万円程度(目安)上昇する懸念は合理的です。
申請は「みらいエコ住宅事業者(住宅省エネ支援事業者)」として登録した施工業者が行います。個人が直接申請することはできず、登録のない事業者との契約は補助対象になりません(登録事業者の検索ページで確認できます)。そのうえでエアコン単独では申請できません。対象住宅の居室を1つ「トリガールーム」として選び、そこで窓・躯体の断熱改修(要件化工事)を実施することが入口条件です。さらに1申請あたりの合計補助額が5万円以上(先進的窓リノベ2026事業等の他の構成事業で交付決定を受けている場合は2万円以上)必要です。対象は原則として平成28年(2016年)12月31日以前に新築された住宅で、工事着手は2025年11月28日以降、申請受付は遅くとも2026年12月31日まで(予算上限次第で早期終了)です。なお、空気清浄機能・換気機能付きエアコンには別枠(24,000〜32,400円/箇所)があり、同一製品で両方を申請することはできません。
資源エネルギー庁の試算では、2010年度基準(6畳用でAPF 5.8)から2027年度基準(同APF 6.6)の機種に替えた場合、6畳用(2.2kW機)で年間約2,760円、14畳用(4.0kW機)で年間約12,600円の光熱費削減が見込まれます。前提となる電気料金の単価は31.75円/kWh(令和5年4月〜令和7年12月のデータをもとに算出した加重平均)です。エアコンの平均使用年数(約14年)で通算すると、同庁は6畳用でトータル約4万円、14畳用では約18万円としています。特に省エネ性能が現行基準を大きく下回る旧機種(10年超)から新機種への買い替えは、費用回収の観点からも合理性があります。ただし同庁も注記しているとおり、これはJISに基づく消費電力量を用いた数値であり、実際の削減額は各家庭の環境・使用条件により異なります。
公式の要件は「購入時点で満65歳以上であることが確認できる本人確認証又は障害者手帳を購入店舗にご提示ください」「設置場所は自らの居住地(都内の住宅)に限ります」の2点です。つまり年齢・手帳の条件を満たすのは購入者本人であり、設置先もその本人の住まいである必要があります。家族が付き添って手続きを進めること自体は妨げられませんが、誰の名義で購入するか・誰の本人確認証を提示するかで結論が変わります。店頭に行く前に、登録販売店へ具体的な状況を伝えて確認してください。なお、この区分の対象となる販売期間は令和7年(2025年)8月30日からで、通常の買い替え枠(令和6年10月1日から)より起点が遅い点にもご注意ください。
対象は「製造年から起算して15年以上経過した、買替え前のエアコン及び冷蔵庫」で、別途証明するための証憑(しょうひょう。証拠となる書類)の提出が必要です。製造年は多くの場合、室外機や室内機に貼られた銘板(型番などが書かれた金属・シールのプレート)で確認できます。銘板が読めない・剥がれている場合は、購入時の保証書や領収書、メーカーへの型番照会でも製造年が分かることがあります。認められる書類の範囲は公式サイトの「事前にご用意いただくもの」に掲載されているので、買い替えを決める前に登録販売店へ相談してください。15年ちょうども対象に含まれます(「15年超」ではありません)。6畳用でも通常買い替えの15,000ポイントが50,000ポイントになる差なので、買い替え前に必ず製造年を確認してください。
まとめ
「エアコン2027年問題」の本質は以下の3点です。
- 誰に義務があるか:省エネ法第149条が名指ししているのは「エネルギー消費機器等製造事業者等」=メーカーです。消費者の購入・使用を制限する法律ではありません
- 実際に何が変わるか:告示から「寸法規定タイプ」という低い基準値の区分が消えました。最も大きいのは14畳用(4.0kW)の寸法規定タイプで、基準APFが4.9→6.6(+34.7%)。低価格帯の品薄・値上がりの懸念はここから来ています。一方で「使用禁止」「全部2倍」は誇張です
- 賢い対応:使用15年以上なら東京ゼロエミポイントの上乗せ(6畳用で50,000ポイント)が最大の判断材料。工事繁忙期(6〜8月・3〜4月)を避け、いま(2026年9〜11月)が最も条件の揃う時期です
ネット上で過剰な煽り記事と逆張り否定記事が混在していますが、どちらも正確ではありません。制度の義務主体(メーカー)を正しく理解したうえで、自分のエアコンの状態と予算に合った判断をしてください。
この記事に関連する制度として、ふるさと納税の控除上限(年収別計算)、住居に関連した給付金の最新情報(すまい給付金代替制度)なども参考になります。また、家庭の負担軽減という観点では児童手当2026年版(年収別早見表)もあわせてご覧ください。
免責事項: 本記事は省エネ法・フロン排出抑制法等の制度を一般読者向けに解説するものです。法令・告示・補助金の内容は2026年9月11日時点で各公式サイトから取得した情報に基づきます。価格相場(第2章)は編集部が家電量販店・比較サイトの動向をもとにまとめた目安であり、公的な統計値ではありません。2027年以降の値上がり幅は「懸念される目安」であって確定値ではなく、実際の価格はメーカー・販売店の方針により変動します。補助金制度は予算消化次第で年度の途中でも変更・終了する場合があります(本文で述べたとおり、京都市は令和8年6月12日に一度終了し8月28日に再開しています)。個別の購入判断・補助金申請については、購入の直前に各公式窓口・登録事業者へ必ずご確認ください。
参考・出典:(いずれも2026年9月11日に取得・確認)
制度の根拠
– e-Gov法令検索「エネルギーの使用の合理化及び非化石エネルギーへの転換等に関する法律」第148条〜第150条(昭和54年法律第49号):https://laws.e-gov.go.jp/law/354AC0000000049
– 経済産業省告示「エアコンディショナーのエネルギー消費性能の向上に関するエネルギー消費機器等製造事業者等の判断の基準等」(第1表=2010年度基準、第4表=2027年度・2029年度基準):https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/equipment/pdf/02_aircon.pdf
– 資源エネルギー庁「トップランナー制度 エアコンディショナー」:https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/enterprise/equipment/toprunner/02_aircon.html
公式解説・試算
– 資源エネルギー庁「27年4月からエアコンの新たな省エネ基準がスタート!」(エネこれ・2026年4月17日公開):https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/air_conditioner_2026.html
– 内閣府消費者委員会 第379回本会議資料「エアコン告示の改正概要」(2022年9月16日。区分13→10・寸法区分の廃止・JIS改定):https://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2022/379/doc/20220916_shiryou2-6.pdf
冷媒
– 経済産業省「指定製品製造業者等に対する規制(指定製品制度)」(令和7年4月1日時点の対象製品一覧):https://www.meti.go.jp/policy/chemical_management/ozone/furon_seihin_seizo.html
– 環境省「モントリオール議定書第28回締約国会合の結果」(キガリ改正の削減スケジュール):https://www.env.go.jp/earth/ozone/montreal/mop28_result.html
補助金
– 東京ゼロエミポイント 事業概要(性能基準と付与ポイント数):https://www.tz-points.jp/system/
– みらいエコ住宅2026事業 リフォームの対象要件:https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/reform/
– 同「特定エコ住宅設備の設置(高効率エアコン52,000円/箇所)」:https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/reform/point3-1.html
– 同「空気清浄機能・換気機能付きエアコンの設置」:https://mirai-eco2026.mlit.go.jp/reform/point7.html
– 品川区「令和8年度 しながわゼロカーボンアクション助成のご案内」:https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kankyo/kankyo-kankyo/kankyo-kankyo-zyosei/R8zerocarbonpamphlet_0501.pdf
– 東海市「令和8年度省エネ家電製品購入促進補助金」:https://www.city.tokai.aichi.jp/kurashi/1001699/1001774/1008327.html
– 京都市「省エネ家電への買換え促進事業(令和8年度7月補正予算事業)」:https://www.city.kyoto.lg.jp/kankyo/page/0000357107.html



