「ものづくり補助金」は再編され、現在は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」の第1回公募が実施されています。制度の全体像(3つの申請枠・補助上限額・補助率・基本要件・スケジュール)は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金2026|第1回公募ガイドで解説していますので、まだ制度そのものを確認していない方は先にそちらをご覧ください。本記事は「申請すること自体は決まっていて、どう書けば・どう振る舞えば採択されやすいか」を知りたい方向けに、審査の中身に絞って解説します。
電子申請の受付は2026年9月30日18時に始まっており、申請締切は2026年10月30日(金)18:00厳守です。締切だけ先に押さえたうえで、以下を読み進めてください。
本記事は2026年10月5日時点で公開されている第1回公募要領(2026年9月28日改定版・1.3版)を基に作成しています。審査基準・加点項目は改定される可能性があるため、申請直前には必ず特設サイト(shinjigyou-monodukuri.smrj.go.jp)で最新の公募要領をご確認ください。
この記事の対象読者
- 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金への申請を決めており、制度概要は把握済みの方
- 「何が審査されるのか」「事業計画書に何を書けば評価されるのか」を具体的に知りたい方
- 加点項目のうち、今から取り組んでも間に合うものを見極めたい方
- 口頭審査に呼ばれた場合の実際の流れ・注意点を事前に知っておきたい方
制度の基本(申請枠の種類、補助上限額、補助率、基本要件の詳細、締切以外のスケジュール)は本記事では扱いません。新事業進出・ものづくり商業サービス補助金2026|第1回公募ガイドを参照してください。
書面審査は9つの観点で行われる
公募要領は、審査を次の9つの観点で行うと定めています。旧・ものづくり補助金で申請した経験がある方は、審査項目の区分が変わっている点に注意してください。 旧制度の最終回である第23次公募は「補助事業の適格性/経営力/事業性/実現可能性/政策面/大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性」の6区分でした。さらに古い回で使われていた「技術面・事業化面・政策面」という3区分に至っては、新制度の公募要領のどこにも出てきません。手元の古い資料の区分をそのまま持ち込まないようにしてください。
| # | 観点 | 適用範囲 |
|---|---|---|
| (1) | 補助対象事業としての適格性 | 全枠。満たさない場合はこの時点で不採択 |
| (2) | 経営戦略との整合性 | 全枠 |
| (3) | 事業の実現可能性 | 全枠(後述の「足下の賃上げ」を含む) |
| (4) | 新規事業の新市場性・高付加価値性 | 新事業進出枠に限る。①と②は選択制 |
| (5) | 公的補助の必要性 | 全枠 |
| (6) | 政策面 | 全枠 |
| (7) | 大規模な賃上げ計画の妥当性 | 賃上げ特例の適用を希望する事業者に限る |
| (8) | 加点項目 | 17項目(後述) |
| (9) | 減点項目 | 5項目(後述) |
このうち、事業計画書で特に厚く書くべきなのは (2)〜(5) です。公募要領の文言を要約すると、次のような視点で読まれます。
- (2) 経営戦略との整合性:市場や顧客動向等の外部環境と、自社の経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)の強み・弱みを踏まえた計画になっているか
- (3) 事業の実現可能性:第三者に過度に依存していないか、過度な多角化で経営資源の確保が困難になっていないか。過去の経営実績・各種経営指標との連続性が確保され、事業計画との間に無理や乖離が生じていないか
- (4) 新市場性・高付加価値性(新事業進出枠のみ):自社にとっての新規事業であることを前提に、①その製品等が属するジャンル・分野の社会における一般的な普及度・認知度が低いこと、または②同じジャンル・分野の一般的な付加価値・相場価格と比べて、高水準の高付加価値化・高価格化を図るものであることのどちらかを示す(①と②は選択制)。いずれを選んでも、ジャンル・分野の区分が適切か、それを裏付ける客観的なデータ・統計が示されているかが見られます
- (5) 公的補助の必要性:国からの補助がなくとも自社単独で容易に実施できる事業ではないか
グローバル枠で申請する場合は、(3) の実現可能性の中で「輸出先の国・地域に特有のリスク、文化・法規制・商習慣の違いを十分に把握していること」も見られます。また (4) の検討にあたっては、公募要領自身がRESAS(地域経済分析システム)(resas.go.jp、ID登録不要・無料)の活用を案内しています。市場規模や新規性の根拠を示す際に使える公的データです。
「足下の賃上げ」が審査に効く — 基本要件とは別の評価軸
本記事でいちばん見落とされやすい論点です。 基本要件(2)の「事業計画期間中に年平均3.5%以上の賃上げを行う」とは別に、書面審査(3)事業の実現可能性の中で、申請前からすでに賃上げを実施しているかが評価されます。公募要領の該当箇所を要約すると、次のとおりです。
- 事業計画期間中の賃上げ率だけでなく、設備の導入など補助事業の完了を待たずに実施する「足下の賃上げ」を評価する
- 最低でも、応募申請時の直近の事業年度から基準年度までの「1人当たり給与支給総額」の年平均成長率が物価上昇率を上回る程度の賃上げが達成されていない場合、審査上大幅に不利になる
- 「足下の賃上げ」については、採択後・交付決定までの間に従業員への表明が必須であり、その実績はモニタリングの対象になる
ここでいう用語を補足します。
- 1人当たり給与支給総額 — 給与支給総額を従業員数で割ったもの。給与支給総額には給料・賃金・賞与等を含み、役員報酬・福利厚生費・法定福利費・退職金は除きます
- 基準年度 — 公募要領は「基準年度とは〇〇である」という定義規定を独立して置いていませんが、賃上げ要件の説明で「補助事業実施期間の終了時点が含まれる事業年度の一人当たり給与支給総額を基準として、事業計画期間最終年度において目標値を達成することが必要」と述べており、この年度を指すものとして書かれています。自社の場合にどの事業年度になるかは、補助事業の実施期間(革新的新製品・サービス枠は交付決定日から10か月以内、新事業進出枠・グローバル枠は14か月以内)と決算期から逆算してください
- 物価上昇率 — 公募要領はどの指標(消費者物価指数の総合か、生鮮食品を除く総合か等)を用いるかを特定していません。 目安を持ちたい場合は総務省統計局の消費者物価指数を参照することになりますが、審査でどの数値が使われるかは公表されていないため、「上回れば安全」と言い切れる基準値は存在しません。余裕をもった水準で計画してください
つまり、「補助金が入ってから賃上げする」計画だけでは評価されにくく、申請時点までの実績としてすでに賃上げしているかどうかが見られる設計です。直近決算での給与支給総額の伸び率を、物価上昇率と比較して確認しておいてください。事業計画書には、この足下の実績と、補助事業終了後の目標(年平均3.5%以上)の両方を書き分けて示すことをお勧めします。
事業計画書に何を書くか
公募要領は事業計画書のページ数を指定していません。求めているのは「審査項目に記載されている内容を網羅していること」です。作成のポイントを要約すると次のとおりです。
- 定性的・定量的な情報を用い、具体的な理由や根拠を示しながら詳細に記載する(必要に応じて図表や写真を活用)
- 経営理念・経営戦略を踏まえた中長期ビジョンのもとで課題解決と事業展開の方向性を示し、本事業の位置づけを明確にする
- 継続的に売上・利益を確保できる市場規模があり、成長が見込まれる市場であることを示す
- 顧客ニーズを踏まえ、競合他社と比べた明確な優位性(差別化)を具体的に示す
- 体制・スケジュール・財務状況の面から実現可能性を示す
- 付加価値額目標値・1人当たり給与支給総額目標値の算出根拠を具体的に示す(示した数値は補助事業終了後も毎年度の事業化状況等報告で達成状況を確認される)
- 事業内容に直接関係のない個人情報(社長・役員・従業員・顧客の顔写真等)は掲載しない
枠ごとに、次の点を重点的に書き分ける必要があります。
| 枠 | 事業計画書で示すべきこと |
|---|---|
| 革新的新製品・サービス枠 | 開発する新製品・新サービスの革新性を具体的かつ詳細に |
| 新事業進出枠 | 過去に製造等した実績がない製品等に取り組むこと、既存事業と新規事業で顧客層が異なること |
| グローバル枠 | 海外販路開拓戦略が自社の事業戦略に基づくこと、顧客層が国・地域単位でこれまでと異なること |
なお、既存事業とは異なる分野への進出を検討している場合、新事業進出枠のほかに事業再構築補助金2026|業態転換・新規事業参入ガイドも選択肢になります。要件や補助率が異なるため、事業計画書を書き始める前にどちらの制度で申請するかを固めておくと手戻りがありません。制度としての違い(補助上限額・補助率・基本要件など)は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金2026|第1回公募ガイドにまとめています。
加点項目は17個 — 締切日時点で満たしている必要がある
公募要領は加点項目について「加点項目は申請締切日時点で満たしている必要があります」と明記しています。事業計画書の提出後に慌てて取得しても間に合いません。「最大6項目まで」といった申請数の上限は公募要領のどこにも見当たりませんでした(旧制度の情報が混ざっている可能性があるため、本記事では申請数の上限には言及しません)。
| # | 加点項目 | 要件の概要 |
|---|---|---|
| ① | パートナーシップ構築宣言 | ポータルサイトで令和8年1月1日更新のひな形を用いて宣言を公表している |
| ② | くるみん認定 | 次世代育成支援対策推進法に基づく認定(トライくるみん/くるみん/プラチナくるみんのいずれか) |
| ③ | えるぼし認定 | 女性活躍推進法に基づく認定(えるぼし1〜3段階またはプラチナえるぼし) |
| ④ | 健康経営優良法人 | 健康経営優良法人2026に認定されている |
| ⑤ | 再生事業者 | 中小企業活性化協議会等の支援を受け、再生計画等を策定中、または策定済かつ申請締切日から3年以内に成立等 |
| ⑥ | 経営革新計画 | 申請締切日時点で有効な承認を取得している |
| ⑦ | 事業継続力強化計画/連携事業継続力強化計画 | 申請締切日時点で有効な計画を取得している |
| ⑧ | DX認定 | 申請締切日時点で有効な認定を取得している |
| ⑨ | J-Startup/J-Startup地域版 | 選定された事業者 |
| ⑩ | 新規輸出1万者支援プログラム | グローバル枠のみ対象。ポータルサイトで登録完了(申請事業者自身が登録) |
| ⑪ | 日本の食輸出1万者支援プログラム | グローバル枠のみ対象。同上 |
| ⑫ | 研究開発費・試験研究費の計上 | 申請締切の前期までに、会計上の研究開発費または税務上の試験研究費を計上済み |
| ⑬ | 技術情報管理認証制度 | 認証を取得している |
| ⑭ | 成長加速マッチングサービス | 会員登録を行い、挑戦課題を登録している |
| ⑮ | アトツギ甲子園 | ピッチ大会に出場している |
| ⑯ | 地域別最低賃金引上げ | 2024年10月〜2025年9月で、当該期間の地域別最低賃金以上〜2025年度改定後の地域別最低賃金未満で雇用する従業員が、全従業員の30%以上である月が3か月以上 |
| ⑰ | 事業場内最低賃金引上げ | 2025年7月と応募申請直近月を比較し、全国目安で示された額(63円以上)の賃上げをしている |
⑩⑪はグローバル枠に申請する場合しか対象になりません。 革新的新製品・サービス枠・新事業進出枠での申請では加点になりません。
⑯の注記も重要です。 地域別最低賃金引上げに係る補助率引上げの特例(補助率1/2→2/3)の対象外事業者が、この加点だけを申請して適用される場合でも、基本要件(3)の事業場内最賃水準要件(事業場内最低賃金を、事業実施場所の都道府県の地域別最低賃金より30円以上高く保つ要件)は免除されません。 特例と加点は別物です。「加点を取ったから最賃要件はクリアしなくていい」という誤解をしないよう注意してください。
取り組む順番の目安は次のように分けて考えると実務的です。
- 自分で手続きを始められるもの:①パートナーシップ構築宣言(ポータルサイトでの宣言公表)、⑥経営革新計画、⑦事業継続力強化計画、⑧DX認定、⑭成長加速マッチングサービス(会員登録・課題登録)、⑩⑪輸出支援プログラム(グローバル枠申請者のみ・自己登録)。着手するなら早いほどよいのは確かですが、締切までに取得できるかは別問題です。 審査期間は制度ごとに異なり、本記事では一律の週数・月数を示しません(二次情報の期間はしばしば古いままです)。各制度の窓口に「10月30日の締切に間に合うか」を直接確認してください。
- すでに有無が決まっており、今から新規取得を狙いにくいもの:②くるみん、③えるぼし、④健康経営優良法人2026、⑤再生事業者としての位置づけ、⑬技術情報管理認証制度。認定・認証には一定の実績や審査期間を要するため、未取得の場合は今回の加点としては見込みにくいと考えておいてください。
- 自分の申請では取得できないもの:⑨J-Startup/J-Startup地域版。これはベンチャーキャピタリスト・アクセラレーター・大企業のイノベーション担当等の推薦を受け、外部審査委員会の審査を経て経済産業省が選定するプログラムであり、事業者が自分で申請して取得する認定ではありません(J-Startup公式サイト)。すでに選定されている場合に加点となります。
- すでに実績として決まっているもの(今から変えられない):⑫研究開発費・試験研究費の計上(前期までの会計処理)、⑯⑰の最低賃金引上げ(2024〜2025年の実績、直近月との比較)。該当するかどうかを決算書・給与台帳から確認する作業になります。
- 大会・イベント次第のもの:⑮アトツギ甲子園。ピッチ大会への出場実績が要件のため、開催時期によっては今回の締切に間に合いません。
減点される5つのケース
過去の受給歴・実績が原因で審査上マイナスになるケースが5つ定められています。詳しい該当条件・起算日の考え方は新事業進出・ものづくり商業サービス補助金2026|第1回公募ガイドにまとめていますので、そちらも合わせて確認してください。
- 中小企業庁所管の補助金で賃上げの加点を受けて採択されたのに要件を達成できなかった場合、未達報告から18か月間は大幅に減点
- 特定の期間に類似のテーマ・設備等の申請が集中していると判断されると大幅に減点(過剰投資の抑制)
- 新事業進出補助金・事業再構築補助金・ものづくり補助金を過去に受給し、直近の事業化状況報告の事業化段階が3段階以下の場合に減点
- 申請締切日時点を起点に過去3年間に、ものづくり補助金または新事業進出補助金で交付決定を1回受けている場合に減点
- ものづくり補助金または新事業進出補助金の第1回公募以降に交付決定を受け、基本要件(賃上げ要件・事業場内最賃水準要件=事業場内最低賃金を、事業実施場所の都道府県の地域別最低賃金より30円以上高く保つ要件)を達成できなかった場合に減点
なお、「事業化段階が3段階以下」の段階が何段階中のどれを指すのかは、公募要領には書かれていません。 過去に受給したことがある場合は、自社が事務局へ提出した事業化状況報告の様式でどの段階を選んだかを確認してください。
なお、過去16か月以内に採択されている場合や、過去3年以内に交付決定を2回以上受けている場合は、減点ではなく「補助対象外」です。 電子申請システムが入力をはじくわけではありませんが、該当していれば採択されず、採択された後に該当が判明した場合は採択・交付決定が取り消されます。 上記の減点とは別の規定で、詳細は姉妹記事で解説しています。
口頭審査の実際 — 15分のZoom面談で見られること
一定の審査基準を満たした事業者に対して、必要に応じて口頭審査が実施されます。ここが本記事でいちばん詳しく伝えたい部分です。事務局の運用ルールを知らずに臨むと、不利益を被る可能性があります。
審査の枠組み
- 審査内容は、事業の適格性・優位性・実現可能性・継続可能性等の観点
- 方法はオンライン(Zoom等)。会議用URLは事務局が発行
- 所要時間は1事業者あたり15分程度。接続テストのため開始5分前から入室する必要がある
服装・機材に関する制約
- カメラON必須。対応者(申請事業者本人)の上半身(正面を向いて顔と耳と肩が明瞭に判別できる状態)を映す必要がある
- 音声は録音される(審査以外の目的では使用しないとされている)
- 当日、本人確認と周辺環境の確認が行われる。顔写真付きの身分証明書(運転免許証・パスポート・マイナンバーカード等)が必要
- 安定したインターネット接続、PC内蔵または外付けのwebカメラ・マイク・スピーカーを用意する。イヤフォン・ヘッドセットは使用不可
- 会社内の会議室等、公共スペースは不可。カメラへの他者の映り込みやマイクへの他者の声の混入がない環境が必要
もっとも重要な制約 — コンサルタント・支援者の同席不可
公募要領は、口頭審査に対応できるのは申請事業者自身に限ると定めています。当該事業者において勤務実態がない者、事業計画作成支援者、経営コンサルタント、社外顧問等、申請事業者以外の方の対応や同席は一切認められません。同席が確認された場合、不採択となることがあります。
対応が認められるのは、個人事業主本人、法人代表者、株式会社の取締役(社外取締役を除く)、応募時の労働者名簿に記載されている担当者または経理担当者(勤務実態がない者を除く)に限られます。事業計画書の作成をコンサルタントに任せきりにしていると、口頭審査では自分の言葉で答えられず詰まってしまう構造になっています。 申請者自身が事業計画の内容を隅々まで理解し、説明できる状態にしておくことが必須です。
その他の注意点
- 接続不良で審査が中断・切断された場合でも、再審査は行われません
- 口頭審査の対象になったにもかかわらず受験しなかった場合は不採択
- 受験日時の予約案内は電子申請が完了した事業者から随時送られ、予約は先着順。締切間際に申請すると選べる日時が限られ、空きがなくても個別相談は受け付けられません
つまり「10月30日18:00に間に合えばよい」ではなく、電子申請の受付開始(9月30日)後、できるだけ早く申請したほうが口頭審査の日程選びで有利という設計です。
採択率 — 新制度の実績はまだない
第1回公募の採択率は、本記事執筆時点(2026年10月5日)では存在しません。 採択発表は2027年1月頃の予定であり、それまで判明しないためです。申請枠・補助上限額・基本要件が大きく変わっているため、旧制度と同水準になる保証もありません。
参考:旧制度(ものづくり補助金)の実績
以下はあくまで再編前の旧制度の実績です。新制度の見込みとして扱わないでください。
| 締切回 | 採択発表日 | 申請件数 | 採択件数 | 採択率 |
|---|---|---|---|---|
| 第23次(旧制度の最終回) | 2026年8月7日 | 1,275 | 448 | 35.1% |
| 第22次 | 2026年4月30日 | 1,552 | 582 | 37.5% |
| 第21次 | 2026年1月23日 | 1,872 | 638 | 34.1% |
| 第20次 | 2025年10月27日 | 2,453 | 825 | 33.6% |
出典:ものづくり補助金 総合サイト「採択結果」ページ(portal.monodukuri-hojo.jp/saitaku.html)。旧制度では直近4回とも30%台前半〜30%台後半で推移していました。
不採択だった場合にどうするか
本補助金は年に複数回の公募が予定されている制度です(第2回以降の日程は本記事執筆時点で未公表)。不採択だった場合の一般的な進め方は次のとおりです。
- 不採択理由を分析する:事業計画書を見直し、本記事の9つの審査観点(特に(2)〜(5))のどこが弱かったかを検証する
- 「足下の賃上げ」の実績を積む:次回申請までに1人当たり給与支給総額の伸び率が物価上昇率を上回っているかを確認・改善する
- 加点項目を追加で取得する:今回申請時点で間に合わなかった経営革新計画・事業継続力強化計画などを取得しておく
- 事業計画書の記載を精緻化する:市場規模の根拠、競合との差別化、付加価値額・給与支給総額の算出根拠を、数値と一次データで裏付ける
制度そのものが自社に合っていない可能性がある場合は、他の補助金への切り替えも検討してください。ITツール中心の投資であればデジタル化・AI導入補助金2026|会計・販売管理ツールに最大450万円、AI・DXツールの導入であればAI・DX導入補助金2026まとめ|主要5制度の横断比較と使い分けのほうが要件が合うケースもあります。
FAQ
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金2026|第1回公募ガイドにまとめています。本記事は審査対策に特化しているため、制度の基本はそちらをご確認ください。
変わっています。新制度の書面審査は9つの観点(補助対象事業としての適格性、経営戦略との整合性、事業の実現可能性、新規事業の新市場性・高付加価値性(新事業進出枠のみ)、公的補助の必要性、政策面、大規模な賃上げ計画の妥当性、加点項目、減点項目)です。旧制度の最終回である第23次公募は「補助事業の適格性/経営力/事業性/実現可能性/政策面/大幅な賃上げに取り組むための事業計画の妥当性」の6区分でした。それより古い回の「技術面・事業化面・政策面」という3区分は、新制度の公募要領には存在しません。
公募要領に申請数の上限は見当たりませんでした。加点項目は17個あり、いずれも申請締切日時点で満たしていることが条件です。事業計画書の提出直前に取得しようとしても間に合わないため、早めの着手が重要です。
できません。公募要領は、口頭審査に対応できるのは申請事業者自身(個人事業主本人、法人代表者、取締役、労働者名簿記載の担当者等)に限ると定めており、事業計画作成支援者・経営コンサルタント・社外顧問等の同席は一切認められません。同席が確認されると不採択になることがあります。
安定したインターネット接続とwebカメラ・マイク・スピーカーを用意し、公共スペースではなく会社内の会議室等、他者が映り込んだり声が入ったりしない環境で受けてください。イヤフォン・ヘッドセットは使用不可で、カメラで上半身(顔・耳・肩が判別できる状態)を映す必要があります。顔写真付きの身分証明書も用意してください。接続不良で切断された場合でも再審査は行われません。
本記事執筆時点(2026年10月5日)では公表されていません。採択発表は2027年1月頃の予定です。参考として、再編前の旧制度(ものづくり補助金)の直近実績は、第23次(最終回)が35.1%、第22次が37.5%、第21次が34.1%でした。ただし新制度は申請枠・補助上限額・基本要件が大きく変わっているため、同水準になる保証はありません。
別の評価軸です。基本要件(2)は事業計画期間中に年平均3.5%以上の賃上げを行うという将来の目標ですが、「足下の賃上げ」は書面審査の中で、申請前からすでに賃上げを実施しているかを見るものです。直近の事業年度から基準年度までの1人当たり給与支給総額の年平均成長率が物価上昇率を上回らない場合、審査上大幅に不利になるとされています。
できます。本補助金は複数回の公募が予定されている制度です(第2回以降の日程は本記事執筆時点で未公表)。不採択理由を分析したうえで、加点項目を追加取得する、事業計画書の記載を精緻化する、足下の賃上げの実績を積むといった対応が一般的です。制度自体が合わないと感じた場合は、デジタル化・AI導入補助金やAI・DX導入補助金など他の制度への切り替えも検討してください。
まとめ
新事業進出・ものづくり商業サービス補助金で採択されるためには、制度の基本要件を満たすだけでなく、書面審査9観点への対応、申請締切日時点で満たす必要がある加点項目の早期取得、そして口頭審査での本人対応という3つの実務が重要です。特に「足下の賃上げ」の評価と、口頭審査でのコンサルタント同席不可は見落とされやすいポイントです。
- [ ] 制度の基本(申請枠・補助上限額・基本要件)を新事業進出・ものづくり商業サービス補助金2026|第1回公募ガイドで確認済み
- [ ] 直近の給与支給総額の伸び率が物価上昇率を上回っているか(足下の賃上げ)を確認した
- [ ] 事業計画書に、経営戦略との整合性・市場性・実現可能性・公的補助の必要性を具体的な根拠とともに記載した
- [ ] 加点項目17個のうち、今から間に合うものを洗い出し、着手した
- [ ] 減点項目・そもそも申請できないケース(過去の受給歴)に該当しないかを確認した
- [ ] 口頭審査に呼ばれた場合の環境(カメラ・マイク・場所・身分証明書)を準備できる状態にした
- [ ] 口頭審査には自分自身で答えられるよう、事業計画の内容を理解している
最新の審査基準・加点項目は、公式サイト(新事業進出・ものづくり商業サービス補助金特設サイト)で必ずご確認ください。
一次ソース: 本記事の審査項目・加点項目・口頭審査の内容は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金 第1回公募要領(2026年9月28日改定版・1.3版)」を一次情報源として掲載しています。



