中小企業省力化投資補助金でAI・自動化を導入する完全ガイド|2026年最新(第7回終了・第8回受付中・10月16日締切)

本記事は法令・通達・官公庁資料に基づき編集部が作成・検証しています。個別の法的・税務判断ではありません。最新の法令はe-Gov法令検索でご確認ください。
中小企業省力化投資補助金でAI・自動化を導入する完全ガイド|2026年最新(第7回終了・第8回受付中・10月16日締切)
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中小企業省力化投資補助金は、一般型の第7回(2026年7月31日17時締切)が終了し、2026年10月5日時点では第8回の申請受付期間中です。第8回は2026年8月18日に公募開始、2026年9月18日10:00に電子申請の受付が始まり、締切は2026年10月16日(金)17:00です。AI外観検査・無人搬送車・清掃ロボット・AIエージェントを導入したい中小企業に向けて、補助上限・カタログ型と一般型の使い分け・GビズIDの審査期間と有効期限(2年3か月)・賃上げ特例——すべてを一次ソース(shoryokuka.smrj.go.jp、gbiz-id.go.jp)で確認した上で、第8回の申請に向けた準備を解説します。

「人手が足りない。ロボットやAIを入れたい。でも初期費用が重い」——製造・飲食・小売・物流の現場で、この悩みは深刻です。中小企業省力化投資補助金は、そのための制度として2023年度補正予算で創設されました。補助上限が最大1億円(一般型・従業員101名以上かつ大幅賃上げ時)と大規模であり、AI・自動化設備への適用範囲も広い点が特徴です。

一方で、制度は「カタログ注文型」と「一般型(オーダーメイド)」の2本立て。申請ルートや対象設備が異なるため、何をどちらで申請すべきかを誤ると不採択や要件外になります。また一般型の申請にはGビズIDプライムが必須です。2026年7月9日の制度変更により、法人代表者によるオンライン申請なら24時間365日・速やかに発行される一方、書類申請は最大1か月かかります(詳しくは後述)。

本記事はこの補助金を「第8回の締切までに何を準備すべきか」「第7回に応募した場合、第8回への影響はあるか」「カタログ型で即申請できるか」の3つの軸で整理し、現場の意思決定を支援します。


あなたの状況はどれ?——3つの導線を先に確認

2026年10月5日時点で、まず自分の状況を確認してください。一般型で現在「申請受付中」なのは第8回(締切2026年10月16日17:00)のみです(第7回は締切済み)。公募回に関係なく随時申請できるのはカタログ注文型です。

状況 判断 アクション
第7回(締切2026年7月31日)に応募し、採択発表(2026年11月中旬予定)を待っている 第8回には応募できません 第8回公募要領§2-2により、本事業へ応募・交付申請中、または交付決定を受け補助金支払が完了していない事業者は補助対象外。まず第7回の結果を待つ
一般型で第8回に申請したい+GビズIDプライム取得済み 電子申請受付中(2026年9月18日開始・締切10月16日17:00)。電子申請システムから申請 事業計画書(省力化前後の工数比較・賃上げ計画)を締切に間に合うよう仕上げる
一般型で第8回に申請したい+GビズIDプライム未取得 今すぐGビズIDプライムを申請 法人代表者のオンライン申請なら速やかに発行。書類申請は最大1か月かかるため、第8回(締切10月16日)には間に合わない可能性が高い
カタログ注文型の登録品目(AI外観検査機・AGV・清掃ロボット等)で足りる カタログ型は随時受付(〜2027年3月末頃)なので即申請可 カタログで品目を確認し申請

GビズIDプライムの審査期間は、2026年7月9日の制度変更で大きく変わりました。法人代表者がオンラインで申請する場合は24時間365日・速やかに発行されますが、書類申請の場合は最大1か月かかります(従来は最大2週間でした)。また、書類に不備があっても提出書類は返送されず、マイページとメールで通知される点にも注意してください。既にGビズIDプライムを持っている方も油断はできません——2026年7月9日から、プライム・メンバーアカウントに有効期限(発行から2年3か月)が新設されており、期限が切れると行政サービスへログインできなくなります(詳しくは後述の「GビズIDプライムの取得と有効期限」)。


中小企業省力化投資補助金とは——制度の概要と背景

中小企業省力化投資補助金は、中小企業・小規模事業者が人手不足の解消と生産性向上を目的に行う省力化投資(ロボット・AI・IoT・自動化設備など)を支援する補助金です。所管は経済産業省中小企業庁で、事務局はSMRJ(中小企業基盤整備機構)が担当しています。

なぜ今この補助金が重要か

日本の中小企業は、製造・飲食・小売・物流を中心に深刻な人手不足に直面しています。一方、ロボットやAIの価格は急速に下がっており、中小企業でも導入の現実性が高まっています。

この補助金が他の補助金と異なる点は、「省力化(人員削減・省人化)」を正面に打ち出していることです。デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)が「業務効率化・デジタル化」、ものづくり補助金が「試作開発・生産プロセス改善」を主眼とするのに対し、省力化投資補助金は「人を機械・AIに置き換えることで生産性を上げる」投資を明確に支援します。

なお、IT導入補助金は2026年から「デジタル化・AI導入補助金」に名称が変わりました(事業名は「中小企業デジタル化・AI導入支援事業」)。公式サイトも「デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)」と併記しています。旧名で検索している方は同じ制度だと考えてください。

ソフトウェアのみの導入ならデジタル化・AI導入補助金が適切です(デジタル化・AI導入補助金2026(旧:IT導入補助金)の申請枠と補助額参照)。設備と組み合わせた本格的な省力化なら、本補助金が最有力候補になります。他の補助金との横断比較は、AI・DX導入補助金2026まとめで整理しています。

カタログ注文型と一般型(オーダーメイド)の違い

本補助金には大きく2種類の申請区分があります。

項目 カタログ注文型 一般型(オーダーメイド)
対象製品 事前にカタログ登録された製品のみ カタログ未登録の独自システム・ロボット等も対象
申請難度 比較的簡易(カタログから選択) 事業計画書の作成が必要(高難度)
補助率 1/2(固定) 1/2(小規模企業者・小規模事業者・再生事業者は2/3)。大幅賃上げ特例は補助率ではなく補助上限額を引き上げる制度で、補助率1/2は変わりません。補助率が2/3へ上がるのは「最低賃金引き上げに係る特例」の要件を満たした場合です
補助上限 最大1,500万円(従業員21名以上・大幅賃上げ時) 最大1億円(従業員101名以上・大幅賃上げ時)
受付方式 随時受付(〜2027年3月末頃) 公募制(第8回:電子申請受付2026年9月18日開始、締切2026年10月16日17:00)
GビズID 必須 必須
向いている設備 AI外観検査機・AGV・清掃ロボット等の市販カタログ品 AIエージェント・独自自動化システム・カスタムロボット等

対象となる中小企業の定義(一般型)

一般型の補助対象者は、日本国内で法人登記等がされ、日本国内で事業を営み、日本国内に本社および補助事業の実施場所を有する中小企業等です。業種ごとの資本金・常勤従業員数の基準(第8回公募要領§2-1)は次のとおりで、いずれか一方の基準以下であれば対象になります。

業種 資本金 常勤従業員数
製造業、建設業、運輸業 3億円 300人
卸売業 1億円 100人
サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) 5,000万円 100人
小売業 5,000万円 50人
ゴム製品製造業(自動車・航空機用タイヤ及びチューブ製造業、工業用ベルト製造業を除く) 3億円 900人
ソフトウェア業又は情報処理サービス業 3億円 300人
旅館業 5,000万円 200人
その他の業種 3億円 300人

このうち、小規模企業者・小規模事業者(製造業その他・宿泊業・娯楽業は常勤従業員20人以下、卸売業・小売業・サービス業は5人以下)は補助率が2/3になります。組合等の一部や特定事業者向けの区分もありますが、本記事では扱いません。再生事業者の定義は公募要領の別紙で定められています(本記事では扱いません。該当する可能性がある場合は公募要領の別紙をご確認ください)。


第7回・第8回の公募スケジュール

一般型の公募スケジュール

回次 公募開始 申請受付開始 応募締切 採択発表
第6回 2026年3月13日(金) 2026年4月15日(水) 2026年5月15日(金)17:00 2026年8月28日(金)
第7回 2026年6月5日(金) 2026年7月1日(水) 2026年7月31日(金)17:00 2026年11月中旬(予定)
第8回 2026年8月18日(火) 2026年9月18日(金)10:00 2026年10月16日(金)17:00 2027年2月上旬(予定)

第7回は締切済みで、採択発表は2026年11月中旬(予定)とされています。2026年10月5日時点で公式スケジュールページに発表済みの記載はありません(出典:shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/schedule/)。第9回のスケジュールは未確定で、公式サイトも「詳細が確定次第更新いたします」としています。「例年◯月頃」といった見込みは公式発表ではないため、本記事では扱いません。

重要:第7回に応募して結果待ちの事業者は、第8回に申請できません。 第8回公募要領§2-2は「本事業へ応募申請・交付申請中の事業者及び交付決定を受け事務局からの補助金支払が完了していない事業者」を補助対象外としています。第7回の採択発表(11月中旬予定)は第8回の締切(10月16日)より後になるため、第7回の結果が出る前に第8回へ重ねて申請することはできません。また、同一法人・事業者の応募は公募回ごとに1申請までで、同時申請もできません(第8回公募要領§1-7)。

カタログ注文型の受付スケジュール

項目 内容
受付期間 随時受付(〜2027年3月末頃)
受付窓口 shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/

カタログ注文型は一般型の公募回とは独立して随時申請できます。以下は2026年10月5日時点で公式サイトに掲載されている予告です(日付が過ぎている場合は公式スケジュールページで最新を確認してください)。

  • システムメンテナンス(申請マイページ):2026年10月19日(月)10:00〜18:00頃(ログインと全機能が利用不可)
  • GビズIDの関連システムメンテナンス:2026年10月5日(月)22:00〜24:00(法人のオンライン申請が利用不可。個人事業主の申請は通常どおり)

補助上限・補助率の早見表

補助上限は従業員数と賃上げの有無によって異なります。正確な従業員数区分と金額を確認してください。

カタログ注文型の補助上限(補助率:1/2固定)

従業員数 通常時(補助上限) 大幅賃上げ特例(補助上限)
5名以下 500万円 750万円
6〜20名 750万円 1,000万円
21名以上 1,000万円 1,500万円

※2026年3月19日の制度改定で補助上限が引き上げられました。5名以下:200→500万円、6〜20名:500→750万円。21名以上(1,000万円)は変更ありません。
※収益納付制度は同改定で廃止されました。

一般型(オーダーメイド)の補助上限

従業員数 補助率 通常時(補助上限) 大幅賃上げ特例(補助上限)
5名以下 1/2(小規模2/3) 750万円 1,000万円
6〜20名 1/2(小規模2/3) 1,500万円 2,000万円
21〜50名 1/2 3,000万円 4,000万円
51〜100名 1/2 5,000万円 6,500万円
101名以上 1/2 8,000万円 1億円

※小規模企業者・小規模事業者(製造業その他:常勤従業員20人以下、商業・サービス業:5人以下、ただしサービス業のうち宿泊業・娯楽業は20人以下)および再生事業者は補助率2/3。宿泊業・娯楽業はサービス業でありながら20人以下が基準です(第8回公募要領§2-1ウ)。
※一般型の補助下限として「補助額300万円」という情報が流通していますが、第8回公募要領の本文には明示的な記載が確認できませんでした(全文検索で「300万円」「補助下限」「下限額」いずれも0件)。下限額は必ず最新の公募要領・事務局にご確認ください。
※大幅賃上げ特例の要件は本記事「賃上げ要件の詳細」で解説しています(第8回公募要領で一次確認済み)。

試算例:AGVを一般型で申請する場合

大幅賃上げ特例は「補助率」ではなく「補助上限額」を引き上げる制度です。 同じ投資額であれば、特例の有無で補助額が変わるとは限りません。製造業・従業員30名の会社を例に、通常時と特例時を分けて示します(いずれも補助率1/2)。

通常時(補助上限3,000万円):投資額3,000万円の場合
– 補助額:1,500万円(投資額3,000万円 × 1/2、上限3,000万円以内)
– 自己負担:1,500万円

大幅賃上げ特例適用時(補助上限4,000万円):投資額を4,000万円に増やした場合
– 補助額:2,000万円(投資額4,000万円 × 1/2、上限4,000万円以内)
– 自己負担:2,000万円

注意:同じ3,000万円の投資であれば、特例を適用しても補助額は1,500万円のままです。 特例で補助額が増えるのは、特例によって広がった上限(3,000万円→4,000万円)の範囲まで投資額そのものを増やす場合です。


AI・自動化設備の対象品目——何を申請できるか

カタログ注文型で申請できるAI・自動化品目(例)

カタログ注文型は、事前にカタログ登録された製品のみが対象です。2026年9月時点で確認したAI・自動化関連の主要カテゴリを挙げます(随時追加中のため、最新はshoryokuka.smrj.go.jp/catalog/product_catalog/で確認)。

AI・画像処理・検査系
– AI外観検査用画像処理システム
– IoT活用設備(センサー・データ収集連携)

搬送・物流系
– 無人搬送車(AGV)
– 自動倉庫システム

清掃・施設系
– 清掃ロボット

測量・点検系
– 設備点検用小型ドローン
– 写真測量用ドローン
– LiDAR測量用ドローン

製造加工系
– 工作機械用自動ワーク交換装置
– 食品加工機械
– ファイバーレーザー溶接機

重要:カタログに登録されていない製品は対象外です。「類似品だから大丈夫」という判断は誤申請につながります。必ず製品カタログページで製品名・型番を確認してから申請してください。

一般型で申請できるAI・自動化品目

一般型はカタログ未登録の独自開発システムや高度な自動化ラインも対象になります。ICT・IoT・AI・センサー・ロボットを活用し、単一または複数の生産工程を自動化する機械装置・システム全般が対象です。

一般型での申請が現実的なもの(カタログ未登録品が多い)
– AIエージェント・ノーコード自動化ツール(業務フロー自動化)
– 独自開発の画像AI検査システム(特定工程向けカスタム品)
– 複合ロボットシステム(搬送+検査+仕分けの統合ライン)
– 工場全体を統括するMES(製造実行システム)と省力化設備の組み合わせ

AIエージェント・ノーコード自動化ツールの注意点

AIエージェントやZapier・Make・n8nなどのノーコード業務自動化ツールを一般型で申請する場合、「省力化効果の定量的根拠」が採択の鍵になります。具体的には、導入前後の工数(人時)比較——「月○時間の業務が△時間に短縮される」という数値目標と根拠——を事業計画書に明記することが求められます。

AI・自動化ツールを導入した後の社内ルール整備も重要です。生成AIを業務利用する際の入力情報管理や著作権対応については、現場で働く人のための生成AI業務利用ルールを合わせてご確認ください。また、2025年9月に全面施行されたAI法(AI推進法・令和7年法律第53号)が事業者に求める責務と、同法第13条に基づくAI指針が示す4つの取り組みは、AI法(AI推進法)完全ガイドで解説しています。


業種別・省力化の具体例

製造業

課題:ベテラン作業員の退職・採用難による品質管理の不安定化

省力化の例:
– AI外観検査システム(カタログ型):カメラ画像をAIが解析し、キズ・異物・欠陥を自動検出。検査員1〜2名分の工数削減が見込めます
– AGV(無人搬送車)(カタログ型):部品・製品の工程間搬送を無人化。搬送担当者の省人化が図れます
– 独自自動化ライン(一般型):特定製品の組立・検査・梱包を一貫自動化。工程単位の人員削減効果を数値化して申請します

飲食・食品加工業

課題:調理・盛り付け・清掃の繰り返し作業における人件費高騰

省力化の例:
– 食品加工機械(カタログ型):スライス・計量・充填等の自動化
– 清掃ロボット(カタログ型):閉店後の床清掃を無人化。清掃担当者の工数を削減
– AI発注・在庫管理システム(一般型):売上データをもとにAIが自動発注。仕入れ担当者の工数削減と廃棄ロスの両立

小売業

課題:レジ・棚卸し・商品陳列での人手不足

省力化の例:
– 棚卸し用ドローン(カタログ型):在庫確認を自動化。棚卸し作業員の工数削減
– AI-OCR・受発注自動化システム(一般型):FAX・メール発注をAIが読み取り、受注データを自動入力
– 無人決済システム(一般型):レジ担当者の省人化(対面対応の省力化)

物流・倉庫業

課題:ピッキング・仕分け・トラック手配での慢性的な人手不足

省力化の例:
– AGV・自動倉庫(カタログ型):倉庫内搬送・棚入れを無人化
– 入出荷管理AIシステム(一般型):荷量予測・トラック配車最適化をAIが担当。手配担当者の工数削減


賃上げ要件の詳細——基本要件と大幅賃上げ特例

補助金を受給するには、賃上げを含む基本要件を満たす事業計画が必要です。以下は一般型 第8回公募要領(§1-5 補助事業要件)で一次確認した数値です。

一般型の基本要件(賃上げを含む)

一般型は、3〜5年の事業計画で以下の基本要件をすべて満たすことが求められます。

  • 労働生産性:事業計画期間において、労働生産性を年平均成長率(CAGR)4.0%以上向上させる
  • 給与支給総額:1人当たり給与支給総額を年平均成長率3.5%以上増加させる(単年度の総額増ではなく、計画期間の年平均成長率)
  • 事業場内最低賃金:事業場内最低賃金を、事業実施都道府県の地域別最低賃金+30円以上の水準に毎年保つ
  • 一般事業主行動計画の公表:従業員21名以上の場合、交付申請時までに次世代育成支援対策推進法に基づく行動計画を「両立支援のひろば」で公表する

※最低賃金引き上げ特例(後述)を適用する事業者は、基本要件のうち①労働生産性・②給与支給総額・④一般事業主行動計画の3つのみが対象となり、③事業場内最低賃金の要件は除外されます。

これらは「補助金をもらいながら賃上げ・生産性向上もする」というセットの条件です。目標が未達の場合は、達成率に応じて補助金の返還を求められます(再生事業者は基本要件未達の返還が免除)。なおカタログ注文型の要件はカタログ型の公募要領で別途ご確認ください(本節の数値は一般型のものです)。

よくある誤解:「給与総額6%増」は通常要件ではありません。6.0%は下記の大幅賃上げ特例の水準です。通常の基本要件は「1人当たり給与支給総額 年平均成長率3.5%以上」です。

応募自体ができないケース:応募申請時に対象となる従業員が0名の場合、対象となる給与が存在しないため本事業には応募できません。基準年度や算出対象の各事業年度で従業員が0名になる場合も同様です(第8回公募要領)。

「年平均成長率(CAGR)」の起点と算出式

労働生産性・給与支給総額の「年平均成長率」は、いずれも基準年度を起点に計算します。基準年度とは、事業計画を策定するにあたって基準となる決算期で、補助事業が完了した日を含む事業年度の決算期です(第8回公募要領§1-2(3))。

労働生産性は次の式で算出します(同§1-2(4)(5))。

  • 付加価値額 = 営業利益 + 人件費 + 減価償却費
  • 労働生産性 = 付加価値額 ÷ 労働者数(労働者数=従業員数+役員。個人事業主は事業主及び専従者)

CAGR(年平均成長率)とは、複利で毎年一定の率だけ伸びると仮定した場合の年あたりの伸び率を指します。「労働生産性を年平均成長率4.0%以上向上」とは、基準年度の労働生産性を起点として、効果報告のたびにこの複利計算で算出した値が4.0%を下回らないことを意味します。給与支給総額の年平均成長率も同じ考え方で、基準年度時点の1人当たり給与支給総額を起点に計算します。

大幅賃上げ特例(補助上限の引き上げ)

基本要件に加えて、以下をすべて満たす大幅な賃上げに取り組む場合、従業員数に応じて補助上限額が引き上げられます(第8回公募要領 特例措置要件)。

  • 給与支給総額:基本要件である1人当たり給与支給総額の年平均成長率+3.5%以上増加に加え、更に年平均成長率+2.5%以上(合計で年平均成長率+6.0%以上)増加させる
  • 事業場内最低賃金:事業実施都道府県の地域別最低賃金+50円以上の水準とする

補助上限の引き上げ額は従業員数別に、5名以下=+250万円/6〜20名=+500万円/21〜50名=+1,000万円/51〜100名=+1,500万円/101名以上=+2,000万円です(ただし最低賃金引き上げに係る事業者・再生事業者・常勤従業員がいない場合等は引き上げ不可)。

また、最低賃金引き上げに取り組む中小企業には、補助率を1/2から2/3へ引き上げる別の特例もあります(小規模企業者・小規模事業者・再生事業者等は対象外)。ただし「最低賃金引き上げに取り組んでいる」というだけでは適用されません。2024年10月〜2025年9月の間で、その時点の地域別最低賃金以上・2025年度改定後の地域別最低賃金未満の賃金で雇用していた従業員が全従業員数の30%以上である月が3か月以上あることという具体的な要件を満たす必要があります(この追加要件を満たさない場合、特例は適用されません)。


GビズIDプライムの取得と有効期限——申請前に必ず確認すること

GビズIDとは、法人・個人事業主が国や自治体の行政サービスにログインするための共通の認証ID(デジタル庁が提供)です。一つ取得すれば、補助金申請・社会保険手続・各種認可申請などを同じIDとパスワードで行えます。種類は3つあり、審査を伴う「プライム」、プライムの下に作る従業員用の「メンバー」、審査なしで作れる機能制限付きの「エントリー」に分かれます。

一般型の申請には、このうちGビズIDプライムが必須です(エントリーでは申請できません)。公募要領は「ID取得には一定の期間を要します」とだけ書いており、具体的な週数は明示していません(第8回公募要領表紙)。

審査期間——2026年7月9日の制度変更

2026年7月9日、GビズIDの取扱いが変更されました(gbiz-id.go.jp公式発表)。

申請方法 審査
法人代表者によるオンライン申請 24時間365日、速やかに(アカウント作成・有効期限の更新とも)
書類申請 最大1か月(従来は最大2週間)。不備があっても提出書類は返送されず、マイページとメールで通知

注意:この「24時間365日・速やか」は「法人代表者による」オンライン申請に限った公式の説明です。 個人事業主がオンラインで新規にアカウントを作成する場合の所要時間は、公式サイト(トップページ・FAQ)を全文検索した限り記載が見当たりませんでした。個人事業主の方は余裕を持って手続きを始めてください。

有効期限——既にプライムを持っている人の落とし穴

2026年7月9日より、GビズIDプライム・メンバーアカウントに有効期限(発行日から2年3か月)が新設されました(GビズIDエントリーは対象外)。

  • 導入日(2026年7月9日)以前に発行されたアカウント:導入日から2年3か月(2028年10月ごろまで)有効
  • 導入日以降に発行されたアカウント:発行日から2年3か月有効
  • 有効期限が切れると、行政サービスへのログインなど一部の機能が利用できなくなります(=補助金の申請システムに入れなくなります)
  • 更新手続きにも最大1か月ほどかかることがあります(公式案内)。締切直前に気づいても間に合わない可能性があります

「すでにGビズIDプライムを持っているから大丈夫」と考えている方ほど注意が必要です。有効期限はGビズIDマイページで確認・更新できるので、申請を検討し始めた時点で一度確認しておくことを勧めます。

取得手順(概要)

  1. GビズIDのウェブサイト(gbiz-id.go.jp)でアカウント登録申請
  2. 法人代表者はオンライン申請(マイナンバーカード等)、それ以外は書類申請(印鑑登録証明書等)
  3. 審査・発行
  4. GビズIDプライムでログインして補助金申請システムにアクセス

GビズIDアプリのエラーと直近の告知(2026年10月5日時点)

2026年8月28日に、GビズIDアプリでマイナンバーカードを利用した際に「リクエストエラー:操作が無効になりました」と表示される事象が告知されました(公式は2026年9月上旬の解消を予定)。2026年10月5日時点でGビズIDトップページのお知らせ欄には、このエラーの解消を明記した告知は確認できませんでした(告知が無いことは未解消の証明にはなりません)。エラーが出た場合は書類申請への切り替えも検討してください。

なお、2026年9月16日付で「9月12日に発生した連携処理の不具合は解消され、通常どおり利用可能」との告知が出ています。2026年10月5日(月)22:00〜24:00には関連システムのメンテナンスで法人のオンライン申請が利用できません。最新は公式サイトでご確認ください。


一般型の申請——事業計画書で採択率を上げるポイント

一般型は事業計画書の内容が採択を左右します。過去の公募回では採択率が7割前後とされる回もありましたが(二次ソース・公式の確定値ではありません)、計画書の質が採否を分けます。

採択率を高める3つのポイント

1. 省力化前後の工数比較を数値で示す

最も重要なのは「どの工程を、何人分の工数を、何時間削減するか」の定量的な根拠です。

例:AI外観検査システム導入
 [現状] 検査員3名×1日4時間の目視検査 → 月240時間
 [導入後] AI自動検査で1名×監視0.5時間 → 月10時間
 [省力化効果] 230時間/月の工数削減(削減率96%)

数値が曖昧な計画書は審査で弱くなります。現在の作業記録や日報を活用して実測値を使いましょう。

2. 人手不足の現状と省力化の必要性を具体的に説明する

「採用できない」だけでなく、「〇〇年から〇〇名分の欠員が出ており、残業時間が月平均△時間に増加している」という具体的な状況説明が評価されます。

3. 賃上げ計画を具体的に記載する

賃上げ要件は単なる条件ではなく、審査官に「省力化効果を従業員に還元する意志」を示す場でもあります。「省力化によって削減できた人件費コストの〇%を残存従業員の賃上げに充てる」という具体的な計画を書きましょう。

一般型の申請〜入金までの流れ

一般型は、カタログ注文型と違い公募制です。公募要領で確認できる範囲の流れは次のとおりです(詳細な日程は年度・回次で変わるため、確定日は公式サイトで確認してください)。

  1. GビズIDプライムでログインし、電子申請システムから応募申請(事業計画書を提出)
  2. 審査(書面審査・加点審査。場合により口頭審査)
  3. 採択発表(補助金交付候補者として採択)
  4. 交付申請手続き:原則、採択発表日から2か月後の日が期限。期限までに交付申請がないと採択決定が取り消されます(やむを得ない事情がある場合は事前に事務局へ連絡)
  5. 交付決定:交付決定前の発注・契約・支払いは補助対象外
  6. 補助事業の実施:交付決定日から17か月以内(採択発表日から19か月以内)に、契約・発注・納品・検収・支払等の全手続きを完了
  7. 実績報告:事業完了日から30日を経過した日、または事業完了期限日のいずれか早い日までに補助事業実績報告書を提出
  8. 補助金額の確定・精算払い:実績報告の確認後、原則として銀行振込で支払い

従業員21名以上の要件(一般事業主行動計画の公表)

従業員21名以上の事業者は、交付申請時までに次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を「両立支援のひろば」で公表することが必要です(第8回公募要領§1-5(1)④で一次確認済み)。この「21名以上」は、前出の補助上限額表の従業員区分(21〜50名など)とは別の基準です。 補助上限額は5段階の区分で金額が変わりますが、行動計画の公表義務は「21名以上かどうか」だけで判定される二択の要件です。公表申請には2週間程度の期間を要するため、早めの準備・公表申請を行ってください。公表申請の審査状況について「両立支援のひろば」への問合せでは審査を早めることはできず、審査過程で不備が発覚する場合もあるため、公募要領は2週間以上の余裕を持った公表申請を求めています。

申請除外要件

一般型は、第8回公募要領§2-2により次のいずれかに該当する事業者は申請できません(一次確認済み)。「合計2回以上」と「支払未完了なら1回でも対象外」は別の独立した条項である点に注意してください。

該当条件 説明
本事業への応募・交付申請中、または支払未完了 省力化投資補助金(本事業)自体に応募・交付申請中、または交付決定を受けたが事務局からの補助金支払が完了していない事業者。第7回の結果待ちの事業者はここに該当します
予算執行適正化法第17条による交付決定取消 過去に同法に基づき交付決定を取り消された事業者
3補助金の交付決定を受け支払未完了(回数は問わない) 過去に「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」「中小企業等事業再構築促進補助金」「中小企業新事業進出補助金」のいずれかの交付決定を受け、応募申請時点で支払が完了していない事業者。1回だけでも支払未完了なら対象外です
3補助金の交付決定を合計2回以上 応募申請日を起点に過去3年間で、上記3補助金のいずれかの交付決定を合計2回以上受けた事業者(支払完了済みでも回数に含まれます)
観光庁の2事業(10か月ルール) 観光庁の「観光地・観光産業における人材不足対策事業」(令和7年度)または「観光地・観光産業における省力化投資補助事業」(令和8年度)により設備投資の補助金交付決定を受け、応募申請時点で10か月を経過していない事業者
計画重複 他の中小企業・小規模事業者等が提出した事業と同一・極めて類似した内容を申請する事業者

自社の交付履歴・申請状況を事前に確認してください。


デジタル化・AI導入補助金・ものづくり補助金との使い分け

省力化投資補助金を選ぶべきか、他の補助金を選ぶべきかを整理します。

3補助金の使い分けチャート

何を導入するか 推奨補助金 理由
会計ソフト・受発注SaaS・勤怠管理 デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金) ソフトウェア・クラウドが主体
AIエージェント・自動化ツール(ソフトのみ) デジタル化・AI導入補助金(登録されたITツールの場合) 通常枠は5万円以上150万円未満(1プロセス以上)/150万円以上450万円以下(4プロセス以上)。補助率1/2以内(要件を満たせば2/3以内)
カタログ登録済みのAI検査機・AGV・清掃ロボット 省力化投資補助金(カタログ型) カタログ品は省力化補助金が最適
独自開発の自動化システム・ロボットライン 省力化投資補助金(一般型) 補助上限最大1億円(101名以上・大幅賃上げ特例時)、省力化効果の定量根拠が鍵
試作品開発・新製品の生産プロセス構築 ものづくり補助金 開発要素が強い場合はものづくり補助金
省力化設備の開発を伴うライン刷新 新事業進出・ものづくり商業サービス補助金側の該当枠、または省力化投資補助金 要件・補助率を比較して判断

ソフトウェア中心の導入でデジタル化・AI導入補助金を選ぶ場合の申請枠・賃上げ要件・締切は、デジタル化・AI導入補助金2026|5つの申請枠の補助額と、通常枠の要件・申請手続きにまとめています。

ものづくり補助金は「新事業進出・ものづくり商業サービス補助金」へ再編され、第1回の公募開始が2026年6月29日、電子申請の受付開始が2026年9月30日、申請締切が2026年10月30日(金)18:00です(実施主体は独立行政法人 中小企業基盤整備機構)。公募開始と申請受付開始は別の日付なので混同しないでください。設備投資中心の省力化との使い分けは新事業進出・ものづくり商業サービス補助金2026|第1回公募・締切2026年10月30日で解説しています。

複数補助金の同時活用

省力化投資補助金、デジタル化・AI導入補助金、ものづくり補助金は、同一の経費に対して重複申請することはできませんが、異なる設備・経費に対しては複数の補助金を同時に活用できる場合があります。

例:省力化投資補助金でAGVを導入しつつ、デジタル化・AI導入補助金で在庫管理SaaSを導入する——これは別の経費なので重複にはなりません。ただし最終確認は各公募要領と事務局に確認してください。


カタログ注文型の申請手順

カタログ注文型は随時受付のため、一般型の公募回を気にせず申請できます。ただしシステムメンテナンス期間中は申請できないので、公式スケジュールページで最新の予定を確認してください。

申請の流れ(カタログ注文型)

1. GビズIDプライムの取得
まだ取得していない方は今すぐ申請してください。法人代表者のオンライン申請なら速やかに発行されますが、書類申請の場合は最大1か月かかります。

2. カタログで製品を確認
shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/product_catalog/ にアクセスし、導入したい製品がカタログに登録されているかを確認。製品名・型番・登録番号を記録します。

3. 導入支援事業者の選定
カタログには製品を提供する事業者(メーカー・販売店)が登録されています。事業者を通じて申請書類を揃えます。

4. 申請システムから申請
GビズIDプライムでログインし、申請フォームに入力・提出。必要書類(事業者情報・導入計画・見積書等)を添付します。

5. 審査・交付決定
審査後、交付決定通知を受け取ったら製品の発注・契約が可能になります。交付決定前の発注・契約は補助対象外になります。この点は最重要の注意事項です。

6. 設備導入・実績報告
設備導入後、所定の実績報告書を提出。検査を経て補助金が振り込まれます。


よくある質問(FAQ)

Q1. 第7回に応募していますが、第8回にも申請できますか?

できません。第7回の採択発表(2026年11月中旬予定)を待つ間は、第8回公募要領§2-2により「応募申請・交付申請中の事業者」として補助対象外になります。第7回の結果が出てから、必要に応じて次回以降の公募を検討してください。

Q2. 第8回はいつから申請できますか?

公募は2026年8月18日に開始し、電子申請システムでの受付は2026年9月18日(金)10:00に始まっています。2026年10月5日時点で受付中で、締切は2026年10月16日(金)17:00です。申請マイページは2026年10月19日(月)10:00〜18:00頃にメンテナンス予定です。正確な日付は公式サイト(shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/)で確認してください。

Q3. GビズIDプライムはどこで取得できますか?審査にどのくらいかかりますか?

GビズIDの公式ウェブサイト(gbiz-id.go.jp)から申請できます。2026年7月9日の制度変更により、法人代表者によるオンライン申請なら24時間365日・速やかに発行されます。書類申請の場合は最大1か月かかります(従来は最大2週間でした)。個人事業主がオンラインで新規にアカウントを作成する場合の所要時間は、公式サイトを確認した限り明記が見当たりませんでした。余裕を持って申請してください。

Q4. すでにGビズIDプライムを持っています。今のままで申請できますか?

有効期限を確認してください。2026年7月9日から、プライム・メンバーアカウントには発行から2年3か月の有効期限が設定されました。2026年7月9日より前に発行したアカウントは2028年10月ごろまで有効です。期限が切れると行政サービスにログインできなくなり、補助金の申請もできません。GビズIDマイページで有効期限を確認し、切れそうな場合は早めに更新手続き(最大1か月かかることがあります)を行ってください。

Q5. カタログ注文型と一般型はどちらを選ぶべきですか?

導入したい製品がカタログに登録されているかどうかで判断します。カタログ登録品(AI外観検査機・AGV・清掃ロボット等)はカタログ注文型が簡易で随時受付のためおすすめです。カタログに登録されていない独自システムや、複合的な自動化ラインの場合は一般型を選びます。なお、カタログ注文型の補助上限は最大1,500万円なのに対し、一般型は条件を満たせば最大1億円(101名以上・大幅賃上げ特例時。特例なしの上限は8,000万円)と大きな差があります。大規模投資は一般型のほうが有利です。

Q6. AIエージェント・業務自動化ツールは補助対象になりますか?

AIエージェントやノーコード自動化ツール(Make・Zapierなど)は、カタログ注文型の対象にはなりません(カタログ未登録)。一般型での申請が現実的ですが、「省力化効果の定量的根拠」——具体的に何時間の業務を何時間に短縮するかという数値——が事業計画書で問われます。またITツールのみの導入はデジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金。登録されたITツールが対象)が適切なケースもあるため、両方を比較検討してください。

Q7. デジタル化・AI導入補助金(旧:IT導入補助金)と省力化投資補助金を同時に申請できますか?

同一の経費に対して重複申請はできません。ただし異なる設備・経費(例:デジタル化・AI導入補助金でSaaS導入+省力化補助金でAGV導入)であれば、それぞれ申請できます。最終確認は各公募要領・事務局に問い合わせてください。

Q8. 採択を増やすコツはありますか?

採択のポイントは主に2点です。①省力化効果の定量的根拠が明確であること(導入前後の工数比較を時間単位で示す)、②賃上げ計画が具体的であること(「いつ・誰の賃金を・いくら上げるか」を明記)。一般型は補助上限が大きい分、審査も厳しくなります。事業計画書の作成に不安がある場合は、中小企業診断士や認定支援機関への相談も有効です。

Q9. 「交付決定前の発注・契約」はなぜいけないのですか?

補助金は「交付決定後に行った投資」に対してのみ交付されます。交付決定前に発注・契約・購入した設備は補助対象外になります。待つべきは「採択通知」ではなく「交付決定通知」です。 採択通知が届いた時点ではまだ発注できません。採択のあとに交付申請を行い、その審査を経て交付決定通知が届いて、初めて発注・契約できます。「採択されたから発注しよう」が実務で最も多いミスの一つなので、チームで共有してください。


採択に向けたタイムライン——第8回の締切までのロードマップ

2026年10月5日時点、第8回(電子申請受付中・締切は2026年10月16日17:00)の締切までのロードマップです。第7回の結果待ちの方は、採択発表(2026年11月中旬予定)が出るまで本ロードマップの対象外です。

時期 やること
今すぐ(10月上旬) GビズIDプライムの有効期限を確認。未取得でも法人代表者のオンライン申請なら速やかに発行(書類申請は最大1か月かかり、締切に間に合わない可能性が高い)
10月上旬 見積もり取得、省力化前後の工数比較データの整理を終える
〜10月15日 事業計画書を完成させ電子申請(締切日はアクセス集中の可能性があるため前日までの提出が安全)
2026年10月16日(金)17:00 応募締切
2026年10月19日(月) 申請マイページがメンテナンス(10:00〜18:00頃)。締切後だが、確認作業はこの時間帯を避ける
申請後〜採択発表(2027年2月上旬予定) 交付決定まで発注・契約は行わない

申請NGケース6選——よくある失敗パターン

省力化投資補助金で審査落ち・返還請求になる典型的なパターンを紹介します。申請前に必ずチェックしてください。

NGケース1:交付決定前に発注・契約した

補助金の鉄則ですが、最も多いミスです。「採択通知が来た=交付決定」ではありません。採択後に「交付決定通知書」が届いて初めて発注・契約ができます。見積もりを取るのは問題ありませんが、正式な発注・契約・着手・購入は交付決定後でなければ補助対象外になります。

NGケース2:カタログ注文型にカタログ未登録品を申請した

「類似製品だから」「同じカテゴリだから」という理由では通りません。カタログ注文型は登録番号が振られた製品のみが対象です。申請前に必ず製品カタログ(shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/product_catalog/)で当該品の登録を確認してください。

NGケース3:賃上げ要件を満たさずに申請・受給した

補助金を受給した後、事業計画期間内に賃上げ要件(1人当たり給与支給総額の年平均成長率3.5%以上増加+事業場内最低賃金を都道府県最低賃金+30円以上の水準に維持)を達成できなかった場合、達成率に応じて補助金の返還を求められる可能性があります。賃上げ計画は絵に描いた餅にならないよう、現実的な目標を立ててから申請してください。

NGケース4:補助対象外の経費を計上した

省力化投資補助金の対象経費は「省力化に直接資する機械装置・システム・ソフトウェア等」に限られます。以下は原則対象外となるケースが多いです。

  • 汎用的なPCやタブレット(省力化に特化しないもの)
  • 消耗品・工具類
  • 土地・建物の取得費
  • 人件費(申請者側の作業員賃金)
  • 中古品(要件により一部認められる場合あり、公募要領で確認)

NGケース5:申請除外要件に該当する事業者が申請した

「過去3年で3補助金(ものづくり・事業再構築・新事業進出)を合計2回以上受けていないから大丈夫」という判断は不十分です。第8回公募要領§2-2は、合計2回以上とは別に、この3補助金のいずれかの交付決定を受けて支払が完了していない事業者は、回数にかかわらず1回でも対象外と定めています。加えて、本事業(省力化投資補助金)自体への応募・交付申請中、または支払未完了の事業者、観光庁の2事業(人材不足対策事業・省力化投資補助事業)の交付決定を受け10か月を経過していない事業者も対象外です(詳細は前節「申請除外要件」の表)。自社の交付履歴・申請状況を事前に確認してください。

NGケース6:従業員0名の状態で応募した

応募申請時に給与支給の対象となる従業員が0名の場合、対象となる給与そのものが存在しないため本事業には応募できません。基準年度や算出対象の事業年度で従業員が0名になる場合も同様に応募できません(第8回公募要領)。


2026年3月改定でカタログ注文型は何が変わったか

2026年3月19日にカタログ注文型の制度が改定されました。制度の変更点を旧・新で比較します。

主要変更点の比較

項目 改定前(〜2026年3月18日) 改定後(2026年3月19日〜) 確認状況
補助上限(5名以下) 200万円 500万円 公式確認済み
補助上限(6〜20名) 500万円 750万円 公式確認済み
補助上限(21名以上) 1,000万円 1,000万円(変更なし) 公式確認済み
大幅賃上げ上限(5名以下) 300万円 750万円 公式確認済み
大幅賃上げ上限(6〜20名) 750万円 1,000万円 公式確認済み
大幅賃上げ上限(21名以上) 1,500万円 1,500万円(変更なし) 公式確認済み
収益納付制度 あり 廃止 公式確認済み

改定のポイント

特に5名以下・6〜20名の小規模・中小事業者にとって大幅な改善です。

  • 5名以下の補助上限が2.5倍(200万→500万円):小規模事業者でも清掃ロボット・AI外観検査機など複数機器の導入が射程に入ります(機種・構成により価格は大きく異なるため、具体的な予算は見積もりで確認してください)
  • 収益納付制度の廃止:これまでは補助事業によって収益が上がった場合に補助金の一部を返還する「収益納付」制度がありましたが、2026年3月19日の改定で廃止されました。受給後の管理負担が軽減されます

2026年3月18日以前に既に交付決定を受けた事業者への適用については、事務局にご確認ください。


省力化投資補助金 活用の判断フローチャート

自社がどの申請ルートを取るべきか、下記の順序で判断してください。

ステップ1:省力化の目的は明確か?
→ 「特定の工程を人減らし・自動化したい」が明確でなければ、まず社内の業務フローを整理してから検討を

ステップ2:カタログに登録されている製品か?
→ YES → カタログ注文型(随時受付、補助上限最大1,500万円)
→ NO → 一般型(公募制、補助上限最大1億円は101名以上・大幅賃上げ特例時。特例なしの上限は8,000万円)

ステップ3(一般型の場合):GビズIDプライムは取得済みか?
→ 未取得 → 今すぐ申請(法人代表者のオンライン申請なら速やか、書類申請は最大1か月)。有効期限(2年3か月)にも注意
→ 取得済み → 有効期限を確認した上で、第8回の電子申請(締切2026年10月16日17:00)に進む

ステップ4:賃上げ要件を達成できるか?
→ 省力化によるコスト削減効果を賃上げ原資にできるかを試算。難しい場合は計画を再検討

ステップ5(一般型):申請除外要件・応募制限に該当しないか?
→ ものづくり補助金・事業再構築補助金・中小企業新事業進出補助金のいずれかを過去3年で合計2回以上受けていないか確認
→ 上記3補助金のいずれかで支払が未完了のものが1件でもないか確認(回数によらず対象外)
→ 観光庁の2事業(人材不足対策事業・省力化投資補助事業)の交付決定から10か月を経過しているか確認
→ 第7回など本事業へ応募・交付申請中、または交付決定を受け支払が未完了でないか確認(該当する場合、結果が出るまで第8回には申請できません)
(いずれも第8回公募要領§2-2)


まとめ——第8回の締切までにどう動くか

中小企業省力化投資補助金は、人手不足に悩む製造・飲食・小売・物流の現場がAI・自動化設備を導入するための最有力の補助金です。一般型の補助上限は最大1億円(従業員101名以上・大幅賃上げ特例適用時。特例なしの上限は8,000万円)と大規模であり、カタログ注文型であれば随時申請できる利便性もあります。

2026年10月5日時点での整理:

  • 第7回(締切2026年7月31日):終了済み。採択発表は2026年11月中旬(予定)で、公式サイトに発表済みの記載はありません。応募・交付申請中の方は、結果が出るまで第8回には申請できません
  • 第8回:公募開始は2026年8月18日、電子申請の受付は2026年9月18日から、締切は2026年10月16日(金)17:00。GビズIDの有効期限確認と事業計画書の仕上げを急いでください
  • カタログ注文型(随時):登録品目に合致する設備であれば、公募回を待たず今すぐ申請開始が最善です

省力化投資補助金を活用しつつ、AI導入後の社内ルール整備も欠かせません。生成AI業務利用の実務チェックリストは現場で働く人のための生成AI業務利用ルール、国のAI政策の全体像はAI法(AI推進法)完全ガイドで合わせてご確認ください。補助金で導入したAIを何にどう使うかは、国が推奨するAI活用事例と中小企業での応用ガイドで行政の実装事例をもとに具体化できます。

「申請できる補助金を選ぶ」から「補助金を活かした省力化投資で競合に差をつける」へ——この補助金はそのための手段です。まず自社の状況確認から動き始めてください。


一次ソース・参考資料

資料名 URL
省力化投資補助金 事務局(カタログ型・一般型) https://shoryokuka.smrj.go.jp/
カタログ注文型 申請・製品カタログ https://shoryokuka.smrj.go.jp/catalog/
一般型 公募情報・スケジュール https://shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/
中小企業庁 公募情報ページ https://www.chusho.meti.go.jp/koukai/hojyokin/kobo/2026/260605001.html
GビズID(申請・取得) https://gbiz-id.go.jp/
GビズID 有効期限について https://gbiz-id.go.jp/top/account_expiry/account_expiry.html

※第8回公募要領(PDF)は shoryokuka.smrj.go.jp/ippan/ からダウンロードできます。補助下限・大幅賃上げの定義・申請除外要件(§2-2)・従業員21名以上の行動計画要件(§1-5(1)④)については、必ず公募要領の原文で確認してください。


※本記事は情報提供目的で作成しており、補助金の採択・受給を保証するものではありません。制度の詳細・最新情報は必ず公式サイトおよび公募要領でご確認ください。補助金に関するご判断はご自身の責任で行っていただくようお願いします。詳しくは免責事項をご覧ください。

JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

本記事はAIが初稿を作成し、編集部が法令原文・官公庁通知・審議会資料等の一次情報と照合のうえ、内容を確認・編集しています。行政手続き・法改正・制度改正の実務情報を専門に扱う編集チームが、企業実務担当者・士業専門家向けに正確性の高いコンテンツを提供します。