調剤ベースアップ評価料シミュレーター2026|処方箋枚数と職員数で賃上げ原資を自動計算

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調剤ベースアップ評価料シミュレーター2026|処方箋枚数と職員数で賃上げ原資を自動計算
目次

「うちの薬局で算定したら、いったいいくらになるのか」——調剤ベースアップ評価料(4点/処方箋受付1回)が2026年6月1日に施行されたことで、多くの薬局経営者・管理薬剤師がこの疑問を抱えている。

評価料の収入額は単純計算できるように見えて、実際には「対象職員の範囲」「法定福利費の取り扱い」「届出様式の提出」といった実務が絡み、自薬局のケースで正確な金額を把握するのは手間がかかる。

このページでは、月間処方箋受付回数と対象職員数を入力するだけで、月間・年間の収入増加額と1人あたりの賃上げ可能額を即座に計算できるシミュレーターを提供している。なお、管理薬剤師本人は賃上げの対象職員に含まれないが(詳細は後述)、届出・賃上げ設計の判断者として活用してほしい。あわせて、制度の全体像・対象職員の範囲・届出の実務手順を一冊にまとめた。


調剤ベースアップ評価料 賃上げ原資シミュレーター

📅 令和8年6月施行・令和9年6月に8点へ

調剤ベースアップ評価料シミュレーター

処方箋受付回数と対象職員数を入れるだけで、評価料収入と1人あたり賃上げ原資を試算できます

スライダーを動かすと即時反映

1月間処方箋受付回数

1か月の処方箋受付回数 500回/月
100回(小規模)3,000回(大規模)

2対象職員数

40歳未満の勤務薬剤師
※管理薬剤師・開設者は対象外
2
0名15名
事務職員
※年齢制限なし(本部・管理専従は対象外)
2
0名15名

3適用時期

令和9年6月以降は所定点数の100分の200(=8点)で算定されます(告示上の算定要件)。

▼ 詳細オプション(平均月給・法定福利費率)

本シミュレーターは令和8年厚生労働省告示第69号(算定告示)・第71号(特掲施設基準)および令和8年3月5日保医発0305第6号・第8号に基づく概算です(1点=10円)。調剤ベースアップ評価料の算定には施設基準の届出(様式103)が必須で、未届の薬局は算定できません。対象職員は「40歳未満の勤務薬剤師および事務職員等」で、事業主・開設者・管理薬剤師・業務委託・管理的業務専従者(本部職員等)は含みません。対象職員数の数え方(実人数か常勤換算か)は様式103の記載要領および地方厚生(支)局の案内をご確認ください。法定福利費率は目安の可変値であり、実際の賃金改善計画書・実績報告書における計算方法とは異なる場合があります。実際の算定・届出にあたっては地方厚生(支)局の案内および最新の告示・通知をご確認ください。

試算結果
リアルタイム更新
評価料による月間収入
- 年間換算: -
※賃上げ原資(自由な利益ではありません)

シミュレーターの使い方(3ステップ)

ステップ1:月間処方箋受付回数を入力する

レセコンや調剤管理システムで確認できる「1か月あたりの処方箋受付回数(枚数ではなく受付1回単位)」を入力する。通常は月間処方箋枚数≒受付回数となるが、分割調剤などで受付回数と枚数が乖離している薬局は受付回数で入力すること。

現時点(2026年7月)での施行点数は4点、令和9年6月以降は8点(所定点数の100分の200)となる。シミュレーターで「適用時期」を切り替えることで、来年度の計画値も確認できる。

ステップ2:対象職員の人数を入力する

40歳未満の勤務薬剤師事務職員の人数を別々に入力する。

「対象職員の範囲」は制度の要となる部分であり、誤った人数を入力すると算定した評価料を充当しなければならない賃上げ原資が変わってしまう。詳細は後述の「対象職員の範囲」セクションを必ず確認すること。事務職員には40歳の年齢制限がないため、全員を計上してよい。

対象職員が0名の場合、施設基準の「対象職員がいる」要件を満たさないため算定不可となる。

なお、パート職員が多い薬局では人数の数え方(実人数か常勤換算か)によって1人あたりの試算結果が変わる。届出にあたっての正式なカウント方法は、様式103の記載要領および地方厚生(支)局の案内で確認してほしい。

ステップ3:詳細条件を確認する

「詳細設定」では、職員の平均月給と法定福利費率(デフォルト16%・変更可)を入力することで、評価料収入から法定福利費増加分を差し引いた実質的な賃金改善可能額と、給与総額に対する賃上げ率目安も算出できる。

法定福利費率は、健康保険・厚生年金・雇用保険等の事業主負担率の合計が目安となるが、令和8年度の様式103での具体的な係数は地方厚生(支)局に確認することを推奨する。シミュレーターでは断定せず可変入力としている。


制度の基本:4点から始まり令和9年6月に8点へ

点数と施行日

調剤ベースアップ評価料は、処方箋受付1回につき4点(40円)を算定する。算定の起算は令和8年(2026年)6月1日施行の調剤報酬改定による新設であり、施行日前の算定はできない。

適用時期 点数 備考
令和8年6月1日〜令和9年5月31日 4点 現行(告示69号)
令和9年6月1日以降 8点(所定点数の100分の200) 告示上の算定要件で規定

令和9年6月以降の「100分の200」という表現は「2倍」を意味する。同時に、調剤物価対応料も1点から2点へ引き上げ(患者ごと3月に1回)が予定されており、2027年6月は賃上げ・物価両面での加算増が同時に発生するタイミングとなる(薬局規模別シミュレーション2026でも解説済み)。なお、令和9年6月適用分の具体的な運用は今後の告示・通知で確定するため、最新情報の確認を前提としてほしい。

施設基準の3要件

調剤ベースアップ評価料を算定するには、以下3つの施設基準をすべて満たして地方厚生(支)局に届け出る必要がある(告示71号・保医発0305第8号)。

  1. 調剤基本料の届出を行っている薬局であること
  2. 対象職員がいること(「対象職員の範囲」参照)
  3. 賃金改善を実施するための体制を整備していること

3つ目の「体制整備」とは、評価料の収入を対象職員の基本給引上げ等(ベースアップ)に充当する仕組みを実際に用意することを指す。届出書類(様式103)への記載と、実績報告での証明が求められる。


対象職員の範囲:ここが算定額を左右する核心

対象となる職員

調剤ベースアップ評価料における「対象職員」は、当該薬局に勤務する職員全般が出発点だが、除外される職種・条件が明確に列挙されている。

除外リストに該当しない勤務職員であれば原則として対象となる。事務職員(医療事務・レセプト担当・受付など)は年齢制限なく全員が対象だ。

除外される職員の一覧

以下に該当する者は対象職員から除外されるため、算定した評価料を賃上げに充当する義務が生じない。

除外カテゴリ 具体例
事業主・使用者・開設者 個人薬局の開設者本人、医療法人社員のうち経営権を持つ者
管理者(管理薬剤師) 薬局の管理薬剤師(法令上の管理者)は除外
40歳以上の薬剤師 薬剤師のみ年齢制限あり(40歳以上は除外)
業務委託で働く者 委託スタッフ、派遣薬剤師 ※雇用形態で判断
他薬局等を主勤務先とする者 掛け持ち勤務で他拠点がメインの薬剤師・事務員
管理的業務専従者 本部職員、エリアマネージャー等、調剤・薬局業務に従事しない管理専従

ポイントが2つある。

第一に、管理薬剤師は対象外である。管理薬剤師が40歳未満であっても、医薬品医療機器等法(薬機法)上の「管理者」である以上、除外対象となる。

第二に、事務職員には40歳の年齢制限がない。薬剤師に対して設けられた「40歳以上は除外」というルールは、薬剤師のみに適用される。調剤事務・医療事務・受付担当等の事務職員は40歳以上であっても対象職員に含まれる。

人数カウントの実務例

以下は典型的な中規模薬局の例である。

氏名(例) 職種 年齢 対象職員かどうか
Aさん 管理薬剤師 38歳 除外(管理者)
Bさん 勤務薬剤師 32歳 対象
Cさん 勤務薬剤師 45歳 除外(薬剤師40歳以上)
Dさん 調剤事務 55歳 対象(事務職員は年齢制限なし)
Eさん 調剤事務(パート) 28歳 対象

この例では5名中3名が対象職員となる。シミュレーターに「40歳未満の薬剤師=1名、事務職員=2名」と入力することで、収入額と賃上げ義務の概算を確認できる。


賃金改善のルール:評価料の使い方には制約がある

対象となる賃金改善の方法

評価料の収入をどの名目で従業員に還元するかにも制約がある。認められるのは以下に限定される(施設基準通知に基づく)。

  • 基本給の引上げ(ベースアップ)
  • 決まって毎月支払われる手当の新設・引上げ
  • 上記ベースアップに随伴して増加する賞与・時間外手当・法定福利費等

つまり、一時金(決算賞与、特別手当)として全額支払う使い方は認められておらず、毎月継続的に支払われる賃金の引上げが求められる。

禁止されていること

  • 評価料で賃金改善を行う代わりに、他の固定的給与項目を減額してはならない(持ち替えの禁止)。評価料収入が増えたからといって、従来の手当を削って相殺することはできない。
  • 対象職員以外(管理薬剤師・40歳以上の薬剤師等)の賃上げに評価料を使用することも、制度の趣旨に反する。

店舗販売業を併設している場合の按分

OTC薬販売のための店舗販売業と保険調剤を同一フロアで営む薬局では、評価料の収入はすべて保険調剤業務に従事する職員の賃上げのみに使用することが求められる。従業員が保険調剤と店舗販売業を兼務している場合は、区分が困難なケースも多いが、その際は全職員数に占める保険調剤収入割合で按分する方法が認められている。

按分の具体的な計算方法については、地方厚生(支)局への事前確認を推奨する。


届出と報告の実務:提出書類・様式・スケジュール

届出書類(施設基準)

調剤ベースアップ評価料を算定するには、施設基準の届出が必要である。

書類 内容
様式103(別添2) 調剤ベースアップ評価料の届出書。Excel形式で地方厚生(支)局にメール提出
様式104 賃金改善実績報告書・中間報告書の様式。法人内で同一給与体系の複数薬局分を集約して作成する場合に使用(届出書ではなく報告書。各地方厚生(支)局の案内参照)

厚生労働省の特設ページ(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000188411_00053.html)から最新様式をダウンロードして使用すること。

届出スケジュール

当初の初回届出期限(令和8年5月7日〜6月1日必着)はすでに経過している。6月1日以降に初めて算定を開始する場合は、算定開始月に応じた届出が必要となる。具体的な提出期限は各地方厚生(支)局の案内を確認すること。

届出が遅れると算定開始が遅れ、その間の処方箋受付に対する評価料を遡及して算定することは原則できない。届出の準備は速やかに進めることが重要だ。

実績報告・中間報告(毎年8月)

届け出た後も、毎年8月に2種類の報告書を提出する義務がある。

報告書 内容 提出タイミング
賃金改善実績報告書 前年度に実際に行った賃金改善の金額・人数等 毎年8月(令和9年8月が最初)
中間報告書 当年度の賃金改善の実施見込み 毎年8月(令和8年8月が最初)

令和8年8月(2026年8月)は中間報告のみ、令和9年8月(2027年8月)以降は実績報告と中間報告の両方を提出する。

書類はいずれも3年間の保管が義務付けられている。電子データでの保管も可能だが、提出日から3年経過するまで廃棄しないよう注意する。

賃金水準を引き下げざるを得ない場合

経営環境の変化等でやむを得ず賃金水準を引き下げる特別の事情が生じた場合は、様式94(特別事情届出書)を地方厚生(支)局に提出することで対応する(各地方厚生局の届出案内参照)。特別事情の届出なしに賃金を引き下げると、施設基準を満たさないとみなされる可能性があるため、速やかに相談することを推奨する。


賃上げ設計の実務ポイント

評価料だけでは「全員を賃上げするには足りない」ケースが多い

シミュレーターを使ってみると分かるが、月間1,000枚規模の薬局(受付1,000回)では現行4点で月間40,000円(年間48万円)の収入増となる。対象職員が5名であれば1人あたり年96,000円の原資——月額換算で8,000円だ。

現在の賃金水準に対してこれだけの上乗せができるかどうかは、薬局の規模・職員構成・給与体系によって異なる。評価料だけで全員分の賃上げをカバーしようとすると原資が不足するケースもあり、この場合は既存の処遇改善予算と組み合わせる設計が現実的だ。

令和9年6月の8点を見越した計画を立てる

令和9年6月から点数が2倍(8点)になる。同一薬局・同一職員構成であれば収入原資も約2倍となり、賃上げのペースを段階的に引き上げる計画が立てやすくなる。

シミュレーターの「適用時期」を「令和9年6月以降(8点)」に切り替えて来年度の原資を確認し、いまのベースアップ設計が来年度の拡充にも耐えうるかをあわせて検討することを推奨する。

対人業務強化による相乗効果

調剤ベースアップ評価料の目的は「医療従事者の賃上げ支援」であり、薬局の収益改善を直接目指すものではない。ただし、評価料の算定で対象職員の処遇が改善されれば、人材の定着・採用力の向上につながる。

薬局経営の収益面では、2026年調剤報酬改定をわかりやすくまとめで解説したとおり、フォローアップ加算・在宅薬学総合体制加算等の対人業務加算との組み合わせが重要だ。加算面では重要供給確保医薬品の備蓄と医薬品供給対応体制加算への対応の有無でも薬局間の収益差が広がっている。ベースアップ評価料で賃上げ原資を確保しつつ、対人業務の強化で収益増を図るという二段構えの設計が、経営安定に向けた現実的なアプローチとなる。


よくある質問(FAQ)

A

含まれない。特掲施設基準(告示71号およびその運用を定める保医発0305第8号)の対象職員の定義において、管理者(管理薬剤師)は明示的に除外されている。たとえ年齢が40歳未満であっても、薬機法上の「管理者」として届け出ている薬剤師は対象外だ。

算定した評価料を管理薬剤師の賃上げに使用した場合は、制度の趣旨に反することになる。届出内容と実際の賃金改善の対象が一致しているかどうかを、毎年の実績報告で確認される点にも留意してほしい。

A

40歳以上の薬剤師のみで構成されている薬局では、施設基準の「対象職員がいる」要件を満たすかどうかが問題となる。事務職員が1名でも在籍していれば対象職員の要件は満たせるが、事務職員が在籍せず40歳以上の薬剤師のみで運営している薬局の場合は、対象職員が0名となり算定要件を満たさない可能性がある。

自薬局のケースについては、地方厚生(支)局に事前確認することを推奨する。

A

調剤報酬の施設基準を届け出る前の期間について、遡及して算定することは原則できない。届出後の算定開始月が遅れれば、その分の評価料収入が得られないことになる。

遡及算定の可否・特例的な取り扱いについては、地方厚生(支)局に直接確認してほしい。本記事では断定しない。

A

制度上、算定した評価料は対象職員の賃金改善(ベースアップ)に充当することが義務付けられている。評価料を法人・薬局の利益として留保することは制度の趣旨に反し、毎年8月の実績報告で賃金改善額が評価料収入に対して著しく不足していれば、施設基準違反として指導を受ける可能性がある。

評価料収入がそのまま賃上げ原資となる構造であることを前提に、給与規程の整備と毎月の賃金台帳の管理をしっかり行うことが重要だ。

A

現時点(2026年7月)では、令和9年6月の引上げに際して再届出が必要かどうかについて、厚生労働省から明確な通知が確認されていない。制度の設計上、施設基準の届出は変更がない限り継続するケースが多いが、点数改定時の取り扱いは告示・通知で明示されることが通常である。

令和9年6月が近づいたら、厚生労働省の特設ページおよび各地方厚生(支)局の最新案内を確認すること。本記事では現時点では断定しない。

A

雇用形態(正規・パート・アルバイト)は問わず、当該薬局を主たる勤務先とする事務職員であれば対象職員に含まれる。ただし、業務委託(外部業者への委託)で働いている者は除外される。

同一人物が複数薬局に週ごとにシフトを分けている場合は、「主たる勤務先」の判断が必要となるため、実態を確認した上で地方厚生(支)局に相談することを推奨する。


まとめ

調剤ベースアップ評価料(4点/受付1回・令和9年6月から8点)は、薬局のすべての職員が対象になるわけではない。算定の可否と賃上げ原資を正確に把握するためには、対象職員の範囲(管理薬剤師・40歳以上の薬剤師を除く)を正しく理解することが出発点だ。

本記事のシミュレーターを活用して月間・年間の収入増加額と1人あたりの賃上げ可能額を確認した上で、以下の順で実務を進めてほしい。

  1. 対象職員の人数を正確に洗い出す
  2. 様式103(Excel)を作成し地方厚生(支)局にメール提出
  3. 対象職員の基本給または手当を引き上げる(毎月支払われる形で)
  4. 令和8年8月に中間報告書を提出
  5. 令和9年8月以降は実績報告書と中間報告書の両方を毎年提出

調剤報酬改定の全体像と他の加算の取り方については、2026年調剤報酬改定をわかりやすくまとめで詳しく解説している。収益への影響を規模別に試算したい場合は薬局規模別シミュレーション2026も活用してほしい。

免責事項:本記事の情報は2026年7月時点の告示(告示69号・71号)・保医発0305第8号および厚生労働省・九州厚生局の公表資料に基づく。実際の算定・届出にあたっては、最新の告示・通知および所管の地方厚生(支)局の案内を必ず確認すること。本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の算定可否・届出内容に関する専門的アドバイスではない。

JG

実務ガイド編集部

AI執筆 + 編集部レビュー済み

本記事はAIが初稿を作成し、編集部が法令原文・官公庁通知・審議会資料等の一次情報と照合のうえ、内容を確認・編集しています。行政手続き・法改正・制度改正の実務情報を専門に扱う編集チームが、企業実務担当者・士業専門家向けに正確性の高いコンテンツを提供します。